(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2021年7月1日~2022年6月30日)における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2021年7月1日~2022年6月30日)は、新型コロナウイルス感染症(以下、「本感染症」という。)の影響が長期化したことによって、各国の行政機関の防疫措置が継続され、テレワークや外出自粛等による来店客数へのマイナス影響が続きました。
このような事業環境の中で、当社グループは、お客様・従業員の安全を確保するための万全の感染防止策を講じることで、継続的に安心してサービスを利用・提供できる店舗運営に努めてまいりました。継続的な店舗運営により、国内の来店客数が大きく回復したこと等から、国内の雇用調整助成金等の収入は減少したものの、前年同期に比べ増収増益となりました。
売上収益は、引き続き本感染症の影響を受けつつも、前年同期に比べ1,630百万円増加し、20,564百万円となりました。各国の本感染症の状況及び売上収益への影響は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
増減額 |
増減額 (為替影響 除く) |
国内 |
|
15,705 |
17,119 |
1,414 |
- |
海外 |
|
3,228 |
3,444 |
216 |
△116 |
|
香港 |
1,769 |
1,795 |
25 |
△157 |
|
シンガポール |
836 |
897 |
61 |
△19 |
|
台湾 |
513 |
549 |
35 |
△21 |
|
アメリカ |
108 |
202 |
94 |
82 |
連結 |
|
18,933 |
20,564 |
1,630 |
△116 |
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しております。
<国内>
2021年7月に緊急事態宣言の発令、2022年1月にはまん延防止等重点措置が適用されましたが、感染防止策・衛生管理を徹底した上で営業を継続しました。前年に比べ営業時間を短縮した店舗数は減少し、また、ワクチン接種率の向上によって自粛ムードが和らいだことによる外出需要の広がりにより、来店客数が回復傾向となったため、売上収益は前年同期に比べ1,414百万円増加しました。
<香港>
2022年2月に新規感染者数が大きく増加したことに伴う防疫措置により、約1か月間全店が休業となり、再開後も防疫措置が継続されたため、来店客数が減少しましたが、円安に伴う為替影響により、売上収益は前年同期に比べ25百万円増加しました。
<シンガポール>
年間を通じて新規感染者数が増加したため、来店客数は減少しましたが、円安に伴う為替影響により、売上収益は前年同期に比べ61百万円増加しました。
<台湾>
年間を通じて新規感染者数が増加したため、来店客数は減少しましたが、円安に伴う為替影響により、売上収益は前年同期に比べ35百万円増加しました。
<アメリカ(ニューヨーク)>
新規感染者は断続的に発生しているものの、前年に実施されていた防疫措置が解除された影響で来店客数は回復し、価格改定及び円安に伴う為替影響もあり、売上収益は前年同期に比べ94百万円増加しました。
売上原価は、前年同期に比べ104百万円増加し、16,537百万円となりました。主な増減内容は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
項目 |
増減額 |
主な増減理由 |
賃料等 |
136 |
売上収益の増加に伴う歩合賃料の増加 |
業務委託料 |
126 |
委託店舗の売上収益の増加 |
償却費(減損店舗) |
△71 |
前期の店舗減損による減少 |
消耗品費(クシ代) |
△61 |
クシの再利用開始による仕入数の減少 |
販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ155百万円増加し、2,621百万円となりました。主な増減内容は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
項目 |
増減額 |
主な増減理由 |
賞与 |
166 |
国内の期末手当の増加 |
求人費 |
36 |
国内のWEB上でのスタイリスト求人費用の増加 |
広告宣伝費 |
13 |
新規出店数の増加によるオープン時の販促費用の増加 |
人件費 |
△78 |
社内ヘアカットスクール研修生及び本社人員の減少 |
その他の営業収益は、国内の雇用調整助成金収入等の計上があった前年同期に比べ585百万円減少し、156百万円となりました。また、その他の営業費用は、店舗資産の減損損失が減少したこと等により、前年同期に比べ148百万円減少し、163百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は20,564百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益は1,398百万円(同201.6%増)、税引前利益は1,250百万円(同336.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は856百万円(同251.4%増)となりました。
店舗展開につきましては、30店舗出店いたしました。出店地域は、国内に26店舗、海外は香港に2店舗、台湾に1店舗、アメリカに1店舗であります。また、国内は駅開発工事及び出店施設のリニューアル等により14店舗閉店、海外は本感染症の影響を考慮した立地評価の見直しに伴う統廃合等により10店舗閉店、合計24店舗閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は、前連結会計年度末より6店舗増加し、720店舗となりました。
なお、当社グループはヘアカット事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ728百万円減少し、4,912百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の減少877百万円、営業債権及びその他の債権の増加133百万円等によるものであります。非流動資産は、前連結会計年度末に比べ169百万円減少し、24,823百万円となりました。これは主として、有形固定資産の減少141百万円、使用権資産の減少197百万円等によるものであります。その結果、資産は、前連結会計年度末に比べ898百万円減少し、29,736百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,359百万円減少し、6,340百万円となりました。これは主として、借入金の減少2,009百万円、未払法人所得税等の増加441百万円等によるものであります。非流動負債は、前連結会計年度末に比べ769百万円減少し、12,008百万円となりました。これは主として、借入金の減少686百万円、リース負債の減少110百万円等によるものであります。その結果、負債は、前連結会計年度末に比べ2,128百万円減少し、18,348百万円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べ1,230百万円増加し、11,387百万円となりました。これは主として、利益剰余金の増加857百万円、その他の資本の構成要素の増加284百万円等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ877百万円減少し、3,724百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、4,706百万円(前連結会計年度は4,050百万円の増加)となりました。これは主として、税引前利益1,250百万円、減価償却費及び償却費3,168百万円等の計上等に対し、利息の支払額146百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、558百万円(前連結会計年度は393百万円の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出447百万円、差入保証金の差入による支出95百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、5,245百万円(前連結会計年度は4,216百万円の減少)となりました。これは主として、短期借入金の純減額2,020百万円、リース負債の返済による支出2,704百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績及び受注実績
当社グループは、最終消費者へ直接ヘアカットサービスを提供しておりますので、生産実績及び受注実績は記載しておりません。
(ロ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
前年同期比(%) |
ヘアカット事業(百万円) |
20,564 |
108.6 |
合計(百万円) |
20,564 |
108.6 |
(注)1.当社グループの事業区分は、ヘアカット事業の単一セグメントであります。
2.金額は外部顧客に対する売上収益を示しております。
3.IFRSに基づく金額を記載しております。また、上記金額は百万円未満を切り捨てて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表等は、IFRSに基づき作成されております。IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
② 経営成績等に関する分析
経営成績等に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、店舗スタッフ及び本社社員等の人件費、店舗賃料、広告宣伝費及び求人費等があります。また、投資活動に係る資金支出では、出店及びリニューアルに伴う店舗設備投資等があります。
当社グループの資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れによる資金調達であります。なお、当社グループの当座貸越契約1,000百万円とコミットメントライン契約を合わせた融資枠は4,200百万円となります。当該融資枠の当連結会計年度末における借入実行残高は1,000百万円であります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるため、厳しい環境の中様々な課題に対処しております。
具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
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