当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは「アンバサダー事業」を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいためセグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度(2021年1月1日から2021年12月31日まで)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の継続により、いまだ社会情勢の混乱や経済活動の停滞が生じマイナス成長に陥り、いまだ本格的な回復には至っておらず、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のなか、当社の主力事業であるアンバサダープログラムにおいて、オンラインイベントの開催やアンバサダープラットフォーム・スターターのリリース、アンバサダーアナリティクスの開始など新サービス等を積極的に打ち出すことにより業績向上に努めたものの、クライアント企業におけるリアルイベントの開催中止が継続していることから、アンバサダープログラムの導入数は低調に推移いたしました。
さらに、2021年5月に発覚いたしました元役員による資金流用を契機に、同年5月と2022年2月の2度にわたって設置した第三者委員会の調査費用や決算の訂正に伴う訂正関連損失引当金繰入額を特別損失として計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は632,900千円(前年比1.3%減)となりました。営業損失は106,168千円(前期は営業損失198,321千円)、経常損失は96,618千円(前期は経常損失185,827千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は740,769千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失345,405千円)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ223,599千円減少し、444,670千円となりました。これは、流動資産が122,622円減少し385,439千円となったこと及び固定資産が100,978千円減少し59,230千円となったことによるものであります。
流動資産の主な減少は、現金預金の減少121,447千円によるものであります。固定資産の主な減少は、無形固定資産の減少69,018千円及び投資その他の資産の減少31,882千円によるものであります。
一方、負債については、前連結会計年度末に比べ流動負債が389,328千円増加し603,341千円となったこと及び固定負債が75,842千円減少し209,888千円となったことにより813,229千円となりました。
流動負債の主な増加は、訂正関連損失引当金423,702千円によるものであります。固定負債の主な減少は、長期借入金の減少76,375千円によるものであります。
純資産については、前連結会計年度末に比べ537,084千円減少し△368,559千円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純損失を740,769千円計上したことにより利益剰余金が減少したこと等によるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末に比べ144,368千円減少し260,412千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果減少した資金は217,941千円となりました。これは主に税金等調整前当期純損失を739,226千円計上した一方、訂正関連損失引当金が423,702千円あることによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果減少した資金は32,969千円となりました。これは主に自社開発ソフトウエアなどの無形固定資産の取得による支出27,315千円を計上した一方、投資有価証券の売却による収入が10,000千円あることによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果増加した資金は104,970千円となりました。これは主に株式の発行による収入203,500千円を計上した一方、短期借入金の返済による支出で54,996千円を計上したこと等によるものであります。
a.生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注状況に関する記載はしておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループは、「アンバサダー事業」を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいためセグメント別の記載を省略しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(訂正関連損失引当金の見積計上)
当社グループは、過年度における不適切な会計処理等の訂正に関連する第三者委員会調査費用、訂正報告書等作成支援費用、訂正監査費用の支払及び法令・開示規則・契約違反に伴う損失の発生に備えるため、当社の置かれている特殊な状況に鑑み、今後の損失見込額を訂正関連損失引当金として見積もり計上しております。しかし、見積額と実際の確定額との間に重要な乖離が生じる場合などには、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性がございます。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。
a.財政状態
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績
(売上高及び売上総利益)
売上高は新型コロナウイルス感染症拡大防止の為クライアントのイベントが相次いで中止又は延期となった影響を受けたことなどにより632,900千円となりました。売上総利益は404,414千円となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
コロナ禍により人件費抑制に努めて参りましたが、今後の事業拡大に向けた企業買収に係る費用等の計上により販売費及び一般管理費は510,583千円となりました。この結果、営業損失は106,168千円となりました。
(経常利益)
雇用調整助成金などの助成金収入の計上により経常損失は96,618千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
2度にわたる第三者委員会による調査費用や決算訂正に伴う訂正監査費用等の訂正関連費用や、子会社株式等の減損損失、不正関連に関わる貸倒引当金を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は740,769千円となりました。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の主な資金需要は、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに固定資産等にかかる投資であります。これらの資金需要につきましては、主に自己資金により賄えるものと判断しておりますが、必要に応じ銀行借入等により対応してまいります。
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、技術革新、人材の確保育成、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、優秀な人材の採用、新規事業の開拓、セキュリティ対策等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
当社は設立以来「インターネットの発達によって生まれた新しいコミュニケーションを、どうしたら社会の中で新しい価値に変えていけるのか」を考えてまいりました。
「アンバサダー」をコアコンセプトとして中心に置きながら、あらゆる企業・ブランドに対して適応できるように、アンバサダープログラムの同一企業での多ブランド展開、クライアント企業において費用対効果の最大化を進めてまいります。
当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、コーポレートガバナンス体制の強化が最優先の課題だと認識しています。今後、組織体制の見直しや業務フローの改善、コンプライアンス意識のさらなる醸成を通じて、コーポレートガバナンス体制の強化に努めてまいります。
また、財務基盤の強化も大きな課題として認識しており、既存事業の成長や業務提携などを通じて収益力の向上を図っていくとともに、エクイティ・ファイナンスなどの資本政策にも注力し、財務基盤の強化を行ってまいります。
お知らせ