業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、比較・分析については、当該会計基準等を適用した後の数値により行っております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループを取り巻く世界経済は、新型コロナウイルス感染症が各国の施策により一定の落ち着きを見せているものの、ウクライナ情勢の緊迫化など地政学的な問題や原油高による原材料価格の高騰、半導体の不足によるサプライチェーンの混乱、外為市場の急速な円安など様々なリスクが集積し依然として先行き不透明で予断を許さない状況が続いております。

 一方で当社グループの事業拠点である中国深セン市においては、新型コロナウイルス感染症は一時的な発生にとどまり、ウクライナ情勢の地政学的なリスクについても当社グループの事業に大きな影響はないものと考えております。

 このような状況下、当社グループは引き続き、不動産賃貸及び管理事業の収益基盤の強化に取り組むとともに、再開発の着工に備えて、給食センターなどの臨時賃貸物件の撤去や多額な投資を伴う長期入居予定の新規テナントの入居の見送り、賃貸契約期限の到来するテナントに対しても開発の状況を見据えて長期期間の契約更新は避けるなどの処置を取ってまいりました。

 この結果、当連結会計年度における営業収益は1,407百万円(前期比13.1%減)、営業利益499百万円(前期比52.1%減)、経常利益855百万円(前期比33.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益658百万円(前期比12.9%減)となりました。

 

不動産開発事業について

当社グループが推進する深センプロジェクトは、子会社深セン皇冠(中国)電子有限公司(以下「皇冠電子」)が保有する土地(127千㎡)・建物(89千㎡)を再開発し、新たに世界30ヶ国のフォーチュングローバル500企業を始めとした先進的大手外資企業200社を誘致し、進出企業が本格的なR&Dやマーケティング拠点もしくは中国本社機能を置き、新たなイノベーションを巻き起こすための大規模施設「ワールド・イノベーション・センター」(仮称:WIC)(総床面積70万㎡)を建設する構想です。WICプロジェクトは、深セン市福田区政府が皇冠電子の所在する車公廟地域の約29ヘクタールにおいて進めている大規模な都市更新再開発であり、当プロジェクトはその内約37%を占める開発主体です。当プロジェクトは、昨年12月30日第1ステップの都市更新ユニット規劃の計画草案が深セン市政府に承認され、現在第2ステップである開発主体独自の規劃編成案を申請するため、深セン市都市規劃設計研究院及び株式会社日建設計と規劃設計契約を締結し準備を進めており、今後開発の諸条件を固めた上で出来るだけ早期に着工し、2026年中にはグランドオープンを目指しております。

  一方では、深セン市政府の委嘱を受けて精力的な企業誘致活動も行っており、日本からは上場企業を中心に80社を超える先進的優良企業がWIC進出の意向を表明し、本年度から誘致活動を始めた海外では米国、ドイツ、フランスなど欧米のフォーチュングローバル500企業を中心に大手企業が強い関心を示しており、今後開発手続きが進むに従ってWICへの進出希望企業はさらに増えるものと思われます。

 

 なお、東京証券取引所の所属業種において、昨年10月1日より当社は従来の電気機器から不動産業に変更となりました。現在、中国深セン市において都市更新再開発事業としてWICプロジェクトを進めておりますが、当社は総合投資会社を標榜しており、当該プロジェクトを投資事業の第1号案件と位置付けております。

 

当社グループは、「不動産開発及び賃貸管理事業」のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ225百万円減少し、2,574百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、539百万円増加(前期は947百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益845百万円による増加と法人税等の支払額428百万円による減少であります。 

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

投資活動による資金は、874百万円減少(前期は375百万円の減少)いたしました。これは主に、新規の定期預金の預入や長期前払費用の支出等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、自己株式の取得によるものであります。

 

③ 仕入、成約及び販売の実績

当社グループは、不動産開発及び賃貸管理を主な事業としているため、仕入実績、成約状況について記載すべき事項はありません。

  売上の状況

当連結会計年度における売上実績は、次のとおりであります。

なお、当社グループは、「不動産開発及び賃貸管理事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

区分

金額(百万円)

前期比(%)

不動産賃貸管理収入

1,407

△13.1

合計

1,407

△13.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日(2022年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。

 

(貸倒引当金)

貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については回収可能性を個別に検討した必要額を計上しております。債務者の支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

個別の回収可能性の検討においては、債務者の財務面を中心に、定量的・定性的の両面における分析を行い決定しております。その際、新型コロナウイルス感染症拡大リスクによる債務者の業績・財務体質への影響度合いも重要な検討要素として考慮しております。

 

② 財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末に比べ1,421百万円増加し、26,202百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金の増加によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ217百万円減少し、1,297百万円となりました。この主な要因は、繰延税金負債及び預り保証金の減少によるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,638百万円増加し、24,904百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加によるものであります。 

 

 ③ 経営成績の分析

   イ.営業収益

営業収益は、前連結会計年度の1,619百万円と比較して212百万円減少し(前期比△13.1%)、1,407百万円となりました。この主な要因は、再開発の着工に備えた新規テナントの入居の見送りや契約満了による解約により賃料収入が減少したことによるものであります。

   ロ.営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度の1,043百万円と比較して544百万円減少し(前期比△52.1%)、499百万円となりました。この主な要因は、営業収益の減少に加え、貸倒引当金繰入額等の費用の計上により販売費及び一般管理費が増加したことによるものであります。 

ハ.経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の1,284百万円と比較して429百万円減少し(前期比△33.4%)、855百万円となりました。この主な要因は、上記イ、ロの要因によるものであります。

    ニ.親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の756百万円と比較して97百万円減少し(前期比△12.9%)、658百万円となりました。この主な要因は、上記イ、ロ、ハの要因に加え、税金費用が減少したことによるものであります。

 

 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

    イ.キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

       ロ.財政政策

当社グループの今後の資金需要のうち主なものは、子会社皇冠電子における不動産再開発に必要な投資資金 (約50億元)であります。昨年5月、深セン市政府の主導により、皇冠電子を中心に、皇冠電子の所在地である車公廟エリア全体を再開発する方向性が打ち出され、昨年12月30日都市更新ユニット規劃の計劃草案が承認されたことから、不動産再開発の進度が格段に早まるものと想定しております。

今後、皇冠電子の資本の増額(総事業費の25%相当額)に加え、再開発の進捗度合いを図りながら投資資金の調達を進める所存であります。その際には、手元資金に加え新たに資本市場及び金融機関等からの資金調達を行う予定であります。

 

 

   ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、当社が設定しております経営指標においては、EPSが目標値25円に対して当連結会計年度末16円46銭、ROEが目標値5%超に対して当連結会計年度末2.9%となりました。今後、当社グループの業績において核となる不動産再開発に向けては、継続して経営資源を重点的に投入する一方で、大型案件であることを踏まえて、プロジェクトを4期に分けて実施するなどリスクを分散化させながら、営業収益の安定化と成長性を図ってまいります。

 

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