業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①  経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実施により経済活動が停滞する中、新型コロナウイルスのワクチン接種の普及により、緩やかながらも景気回復の兆しが見られました。しかしながら、半導体を中心とした製造部品の供給不足による生産活動の停滞や原材料価格の高騰などにより、企業収益への影響が顕在化し、依然として先行きは不透明な状況が続きました。

このような状況の中、当社グループでは引き続き感染防止策を講じながら事業活動を継続するとともに、部品調達活動及び生産活動に注力し、売上高の回復を図ってきました。

この結果、当連結会計年度の売上高は23,182百万円で前連結会計年度に比べ6.8%の増収となりました。利益面では営業利益501百万円(前連結会計年度968百万円の損失)、経常利益590百万円(前連結会計年度896百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は595百万円(前連結会計年度5,233百万円の利益)となりました。

なお、経常利益が前連結会計年度に比べ1,486百万円改善したにもかかわらず、親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度に比べ4,637百万円悪化した主な要因は、前連結会計年度において当社本社敷地内の土地及び建物の一部を売却したことによる土地売却益8,333百万円を特別利益に計上し、これに伴う法人税、住民税及び事業税161百万円、並びに法人税等調整額2,005百万円をそれぞれ計上したことによるものです。

セグメントごとの状況は次のとおりです。

(情報通信事業)

情報通信事業においては、主力製品であるビジネスホンと生産子会社における受託生産の売上高が増加したことにより、事業全体の売上高は17,917百万円で、前連結会計年度に比べ5.3%の増収となりました。セグメント損益は売上高の増加に伴い、1,596百万円の利益(前連結会計年度877百万円の利益)となりました。

(印刷システム事業)

印刷システム事業においては、主に印刷関連機器の売上高は減少しましたが消耗品の売上高が増加したことにより、事業全体の売上高は1,849百万円で、前連結会計年度に比べ5.9%の増収となりました。セグメント損益は売上高の増加に伴い、20百万円の利益(前連結会計年度269百万円の損失)となりました。

(電子計測事業)

電子計測事業においては、主にパワーエレクトロニクス関連及び電子部品の売上高が増加したことにより、事業全体の売上高は2,953百万円で前連結会計年度に比べ15.7%の増収となりました。セグメント損益は売上高の増加に伴い、215百万円の利益(前連結会計年度114百万円の損失)となりました。

(不動産事業)

不動産事業においては、主に収益物件の売上高が増加したことにより、事業全体の売上高は460百万円で、前連結会計年度に比べ16.3%の増収となりました。セグメント損益はリーシング費用等の一時的な費用負担により、103百万円の利益(前連結会計年度116百万円の利益)となりました。

②  財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ331百万円増加し36,441百万円となりました。

流動資産は、主に売掛金が260百万円及びその他が287百万円それぞれ減少しましたが、現金及び預金が390百万円、電子記録債権が198百万円、商品及び製品が268百万円、並びに原材料及び貯蔵品が647百万円それぞれ増加したため、前連結会計年度末に比べ937百万円増加し17,232百万円となりました。

固定資産は、有形固定資産が198百万円、無形固定資産が299百万円、投資その他の資産が107百万円それぞれ減少したため、前連結会計年度末に比べ606百万円減少し19,208百万円となりました。

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ57百万円減少し11,081百万円となりました。

流動負債は、主に支払手形及び買掛金が146百万円減少しましたが、未払金が215百万円増加したため、前連結会計年度末に比べ21百万円増加し4,275百万円となりました。

固定負債は、主に退職給付に係る負債が69百万円減少したため、前連結会計年度末に比べ79百万円減少し6,805百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、主に剰余金の配当396百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益595百万円の計上により利益剰余金が200百万円、為替換算調整勘定が130百万円それぞれ増加したため、前連結会計年度末に比べ388百万円増加し25,359百万円となりました。

③  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ390百万円増加し、5,755百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,967百万円増加し、1,318百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益652百万円、減価償却費1,081百万円の計上及び売上債権の減少額109百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,364百万円増加し、549百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出526百万円、無形固定資産の取得による支出202百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ394百万円減少し、409百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額394百万円によるものです。

④  生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

情報通信

12,557

12.4

印刷システム

1,162

4.7

電子計測

2,948

18.0

不動産

合計

16,668

12.8

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去していません。

 

⑤  受注実績

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

情報通信

17,182

△3.2

1,508

△32.7

印刷システム

1,749

△9.0

97

△50.7

電子計測

3,433

15,8

1,211

65.4

不動産

450

15.1

△100.0

合計

22,815

△1.0

2,818

△11.5

 

⑥  販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

情報通信

17,917

5.3

印刷システム

1,849

5.9

電子計測

2,953

15.7

不動産

460

16.3

合計

23,182

6.8

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

西日本電信電話株式会社

2,039

9.4

2,532

10.9

東日本電信電話株式会社

1,944

9.0

2,046

8.8

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績は、売上高は前連結会計年度に比べ1,475百万円増加し23,182百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。これは、主力の情報通信事業を中心に印刷システム事業、電子計測事業及び不動産事業の全ての事業において売上高が増加したことによるものです。

売上原価は前連結会計年度に比べ459百万円増加し15,217百万円となり、全体での売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ2.3ポイント改善の65.6%となりました。

この結果、売上総利益は売上高の増加と原価率の改善により、前連結会計年度に比べ1,016百万円増加し7,964百万円となりました。

販売費及び一般管理費は主に研究開発費が減少したことにより、前連結会計年度に比べ453百万円減少し、7,463百万円となりました。

以上の結果、営業損益は売上高の増加と原価率の改善、並びに販売費及び一般管理費の減少により、前連結会計年度に比べ1,469百万円増加し501百万円の利益となりました。

営業外損益は、前連結会計年度の72百万円の利益(純額)から、前連結会計年度に比べ16百万円増加し89百万円の利益(純額)となりました。

特別損益は、前連結会計年度の8,295百万円の利益(純額)から、前連結会計年度に比べ8,233百万円減少し62百万円の利益(純額)となりました。この主な内容は、前連結会計年度において土地売却益8,333百万円、補助金収入205百万円をそれぞれ特別利益として計上したことによるものです。

以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は652百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税105百万円、法人税等調整額(貸方)48百万円により、親会社株主に帰属する当期純利益は595百万円(前連結会計年度5,233百万円の利益)となりました。

また、1株当たり当期純利益は、59.96円の利益(前連結会計年度527.52円の利益)となりました。

セグメントごとの経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。

(情報通信事業)

情報通信事業においては、主力製品であるビジネスホンと生産子会社における受託生産の売上高が増加したことにより、事業全体の売上高は17,917百万円で、前連結会計年度に比べ5.3%の増収となりました。売上原価は前連結会計年度に比べ431百万円増加し11,880百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ1.0ポイント減少の66.3%となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ244百万円減少し、4,440百万円となりました。この結果、セグメント損益は、前連結会計年度に比べ719百万円増益の1,596百万円の利益となりました。

また、セグメント資産は主に棚卸資産が増加しましたが、売上債権、有形固定資産、無形固定資産及びその他がそれぞれ減少したことにより、前連結会計年度末に比べ235百万円減少し、13,985百万円となりました。

(印刷システム事業)

印刷システム事業においては、主に印刷関連機器の売上高は減少しましたが消耗品の売上高が増加したことにより、事業全体の売上高は1,849百万円で、前連結会計年度に比べ5.9%の増収となりました。売上原価は前連結会計年度に比べ125百万円減少し1,135百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ10.8ポイント減少の61.4%となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ61百万円減少し、693百万円となりました。この結果、セグメント損益は、前連結会計年度に比べ290百万円増益の20百万円の利益となりました。

また、セグメント資産は主に棚卸資産、有形固定資産及びその他がそれぞれ減少しましたが、売上債権が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ73百万円増加し、1,418百万円となりました。

(電子計測事業)

電子計測事業においては、主にパワーエレクトロニクス関連及び電子部品の売上高が増加したことにより、事業全体の売上高は2,953百万円で前連結会計年度に比べ15.7%の増収となりました。売上原価は前連結会計年度に比べ109百万円増加し1,850百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ5.6ポイント減少の62.7%となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ37百万円減少し、887百万円となりました。この結果、セグメント損益は、前連結会計年度に比べ329百万円増益の215百万円の利益となりました。

また、セグメント資産は主にその他が減少しましたが、売上債権及び棚卸資産がそれぞれ増加したことにより、前連結会計年度末に比べ102百万円増加し、2,163百万円となりました。

(不動産事業)

不動産事業においては、主に収益物件の売上高が増加したことにより、事業全体の売上高は460百万円で、前連結会計年度に比べ16.3%の増収となりました。売上原価は前連結会計年度に比べ74百万円増加し350百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ6.5ポイント増加の76.1%となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ3百万円増加し、6百万円となりました。この結果、セグメント損益は、前連結会計年度に比べ13百万円減益の103百万円の利益となりました。

また、セグメント資産は主に有形固定資産が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ89百万円減少し、12,651百万円となりました。

② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況に記載のとおりです。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資です。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金にて対応していくこととしています。

手許の運転資金については、当社及び一部の国内連結子会社において、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)の導入により、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。また、当社は適時に資金繰り計画を作成・更新し、手許流動性を検証することなどにより、流動性のリスクを管理しています。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産・負債の金額及び連結会計期間における収益・費用の金額に影響を与える見積り及び仮定を用いていますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表 注記事項 会計上の見積りに関する注記に記載のとおりです。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、感染拡大による社会、経済への影響が一定期間で回復基調に推移することを前提とし、期末日以降連結財務諸表作成時までに入手可能な情報を考慮し、会計上の見積りに関して、現時点において当連結会計年度末の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しています。

 

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