(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ136,515千円増加し、4,477,332千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少46,125千円がありましたが、現金及び預金の増加104,566千円、流動資産のその他の増加73,222千円等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ420,175千円増加し、2,336,443千円となりました。これは主に、有形固定資産の増加233,718千円、無形固定資産の増加171,767千円、投資その他の資産の増加14,689千円等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ233,195千円減少し、2,166,391千円となりました。これは主に、未払法人税等の減少195,275千円、流動負債のその他の減少32,630千円等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ183,672千円増加し、956,867千円となりました。これは主に、リース債務の減少13,467千円がありましたが、その他の固定負債の増加87,160千円、資産除去債務の増加59,200千円、長期借入金の増加47,687千円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ606,214千円増加し、3,690,516千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加456,667千円、非支配株主持分の増加133,921千円等によるものであります。
ロ 経営成績
当連結会計年度(令和3年2月1日~令和4年1月31日)につきましてご説明いたします。
我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は進んでいるものの、ブレイクスルー感染や新たな変異株の出現により、先行きは依然として予断を許さない状況が続いております。今後、ブースター接種による感染抑制や有効な治療薬の開発による重症化防止等によって行動制限が緩和されれば、経済も徐々に回復に向かうものと思われますが、感染症流行前の水準までの回復には一定の時間を要するものと考えられます。
当社は当連結会計年度において、コロナ禍にて改めて「免疫力」・「衛生管理」がキーワードとなるため、WITHコロナ関連製品として水関連機器の製品を新たに3機種発売する計画を立てておりました。
① 家庭用機器として「家庭用水素水生成機器」
② 業務用機器として「水自販機」
③ 新変異株対応だけでなく、ノロウイルスにも適応する「次亜塩素酸水生成機器」
しかしながら、世界的な経済の回復から生じたコンテナ不足や輸送費高騰などのサプライチェーンの混乱により、一部海外からの部品調達に大幅な遅れが生じました。同時にコスト計算の見直しにも時間を費やしました。その結果、3機種の発売が大幅に遅れ販売計画に大きく影響をもたらしました。
以上の状況から、当連結会計年度の売上高は9,867,535千円(前年同期比3.6%減)、営業利益1,141,072千円(同8.7%減)、経常利益1,161,572千円(同7.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は638,498千円(同9.5%増)となりました。
当連結会計年度の事業4セグメント(水関連事業・メンテナンス事業・HOD事業・フランチャイズ事業)における経営成績及び今後の見通しは次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、「その他事業」のセグメント区分を廃止し、「水関連機器事業」「メンテナンス事業」「HOD(水宅配)事業」「フランチャイズ事業」の4区分を報告セグメントとしております。
(水関連機器事業)
『家庭用機器』につきましては、「飲料水への安心・安全」に加え、コロナ禍における「健康志向」の高まりを受け、今後、ニーズは更に高まると予測しております。しかしながら、前述の通り、新製品投入の大幅な遅れによって、営業活動に影響を受けました。
『水自販機』につきましては、大手ドラッグストア等の新店、改装が再開しており回復基調にあります。
『ウォータークーラー機器』につきましては、主な市場である自治体や学校等の施設に対する営業活動自粛の影響を受けました。なお、昨年開催された東京五輪の全施設に導入している実績を基に、2025年開催の大阪・関西万博における関連需要が期待されております。
『衛生管理機器』につきましては、コロナ禍において、前期はひっ迫する消毒液不足の状況から除菌水等の売上が業績に寄与いたしました。今期は従来から導入している病院関連施設・老健施設におきましては、引き続き導入が拡がりました。しかしながら、メインターゲットの一つとしている飲食業界・施設におきましては、業界そのものが回復していないため、関心は高いものの広く導入には至りませんでした。また、新製品の投入も当初の計画から遅れたことにより売上及び収益に影響を与えることとなりました。
以上の結果、売上高2,469,269千円(前年同期比14.8%減)、営業利益141,796千円(同19.3%減)となりました。
(メンテナンス事業)
創立以来51年にわたる実績のあるメンテナンス事業は、当社独自の仕組みであり、継続的な収益を得られるリカーリング型のビジネスモデルであります。コロナ禍におきましては、一部のお客様からの非接触の要望により多少の影響は受けましたが、在宅率が向上しメンテナンス効率が高まりました。その結果、売上高1,985,533千円(同2.7%増)、営業利益392,221千円(同22.1%増)となりました。
(HOD(水宅配)事業)
HOD(水宅配)事業につきましては、外出自粛により家庭での使用頻度が増えたことでウォーターサーバー及びボトルドウォーターの販売が増加いたしました。しかしながら、前期はボトルドウォーター配達時での除菌水の売上が業績に寄与しておりましたが、今期はその特需が減少したことにより、粗利益率が低下いたしました。その結果、売上高1,463,751千円(同1.2%増)、営業利益123,691千円(同9.9%減)となりました。
(フランチャイズ事業)
フランチャイズ事業につきましては、2014年に事業を立ち上げ、高齢者向けの宅配事業を育成してまいりました。この宅配事業は順調に推移しております。
2018年秋より当社の業務用アルカリイオン水を用いた「水にこだわる高級食パン」食パン専門店「銀座に志かわ」をオープンいたしました。コロナ禍におきましても順調に推移し、第1次出店計画「3ヶ年(2021年末)100店舗」の目標を8ヶ月前倒しの2021年4月に達成いたしました。現在、更に2年間で100店を追加し「5ヶ年(2023年末)200店舗」の目標を掲げております。
なお、水にこだわる高級食パン「銀座に志かわ」事業においては、原材料の値上げに伴う粗利益率の低下や「食パン専門店」参入増加による競争激化の対策としての広告宣伝費用の投入、及び今後の展開を見据えた積極的な設備投資や人材投入などを実施したことにより、販管費が増加いたしました。その結果、売上高4,029,988千円(同0.8%減)、営業利益535,200千円(同19.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金の増加が649,562千円、投資活動による資金の減少が588,419千円、財務活動による資金の減少が142,415千円、現金及び現金同等物に係る換算差額が4,270千円の増加となりましたので前連結会計年度末に比べ77,000千円減少し、当連結会計年度末におきましては622,963千円(前年同期比11.0%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は649,562千円(前期は1,117,700千円の増加)となりました。これは主に法人税等の支払額592,311千円がありましたが、税金等調整前当期純利益1,151,008千円、減価償却費117,619千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は588,419千円(前期は619,947千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出215,990千円、無形固定資産の取得による支出188,347千円、定期預金の純増加額184,607千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は142,415千円(前期は378,457千円の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入191,768千円がありましたが、配当金の支払額174,093千円、長期借入金の返済による支出143,728千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年2月1日 至 令和4年1月31日) |
前期比(%) |
水関連機器事業(千円) |
556,189 |
81.4 |
メンテナンス事業(千円) |
592,013 |
106.9 |
合計(千円) |
1,148,203 |
92.8 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 製・商品仕入実績
当連結会計年度の製・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年2月1日 至 令和4年1月31日) |
前期比(%) |
水関連機器事業(千円) |
225,334 |
196.3 |
メンテナンス事業(千円) |
94,753 |
91.9 |
HOD(水宅配)事業(千円) |
774,634 |
101.4 |
フランチャイズ事業(千円) |
2,531,412 |
87.6 |
合計(千円) |
3,626,134 |
93.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ 受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ニ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年2月1日 至 令和4年1月31日) |
前期比(%) |
水関連機器事業(千円) |
2,469,269 |
85.2 |
メンテナンス事業(千円) |
1,985,533 |
102.7 |
HOD(水宅配)事業(千円) |
1,463,751 |
101.2 |
フランチャイズ事業(千円) |
4,029,988 |
99.2 |
調整額(千円) |
△81,006 |
- |
合計(千円) |
9,867,535 |
96.4 |
(注)1.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績が総販売実績の10%以上となる該当先はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等に関する分析
イ 財政状態
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 イ 財政状況」に記載のとおりであります。
ロ 経営成績
(売上高)
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ 経営成績」に記載のとおりであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価率は48.4%となり、前連結会計年度に比べ1.5ポイント下降いたしました。これは主に、売上高構成における仕入商材の減少等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,952,178千円となり、前連結会計年度に比べ2.0%増となりました。これは主に、人件費の増加等によるものであります。
(営業外収益)
当連結会計年度における営業外収益は37,863千円となり、前連結会計年度に比べ0.3%増となりました。これは主に、受取保険金6,583千円の減少等がありましたが、違約金収入11,237千円の増加等によるものであります。
(営業外費用)
当連結会計年度における営業外費用は17,363千円となり、前連結会計年度に比べ48.4%減となりました。これは主に、為替差損の減少7,218千円及び支払手数料の減少6,400千円等によるものであります。
(特別利益)
当連結会計年度における特別利益の計上はございません。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は10,563千円となりました。これは、主に投資有価証券評価損6,300千円及び固定資産除却損4,263千円によるものであります。
ハ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用、販売費及び一般管理費等の営業費用や、金型等の生産設備、顧客管理システム等への設備投資であります。
これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。
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