業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)経営業績

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中で、一部では持ち直しの動きも見られたものの、原材料価格の高騰による企業収益や個人消費への影響が顕在化しつつあるなど、先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況下、当社グループは新型コロナウイルス対策として、在宅勤務や交代勤務の実施などにより感染リスクの軽減に努める一方、引き続き売上拡大に向け営業強化を図るとともに工程改善、生産効率の向上及び原価低減に取り組んでまいりました。

当連結会計年度の業績は、世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大等により、半導体不足が継続し、当社主要顧客である自動車関連企業を中心に生産調整が実施されました。2021年7月1日の竜舞プラスチック株式会社の株式取得による連結子会社化実施等により、売上高194億49百万円(前連結会計年度155億57百万円、25.0%増)となりました。

損益面におきましては減価償却費の増加等により売上総利益率は減少しました。また、販売費及び一般管理費の削減に取り組みましたが、営業利益は2億25百万円(前連結会計年度2億91百万円、22.6%減)となりました。

経常損益につきましては、営業外収益に為替差益66百万円、受取補償金61百万円、営業外費用に支払利息41百万円を計上したこと等により、経常利益は3億55百万円(前連結会計年度2億98百万円、19.0%増)となりました。

最終損益につきましては、負ののれん発生益10百万円、受取補償金6百万円を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益は2億46百万円(前連結会計年度1億58百万円、54.9%増)となりました。

 

セグメントごとの状況は、以下のとおりであります。

日本成形関連事業

日本成形関連事業では、新型コロナウイルス感染症再拡大により、当社主要納入先である自動車メーカーの完成車工場において、半導体不足等の影響により一定期間の操業停止や減産が行われました。一方で、竜舞プラスチック株式会社の株式を100%取得し連結子会社化し国内成形関連事業に含めております。この結果、売上高162億18百万円(前連結会計年度比22.4%増)、セグメント損失70百万円(前連結会計年度セグメント利益50百万円)となりました。

中国成形関連事業

中国成形関連事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は軽微にとどまり、原価削減、利益率確保を徹底した生産販売に努めました。この結果、売上高4億82百万円(前連結会計年度比33.4%増)、セグメント利益32百万円(前連結会計年度比212.7%増)となりました。

アメリカ成形関連事業

アメリカ成形関連事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、販売が減少していた家電等の売上が回復しました。この結果、売上高24億61百万円(前連結会計年度比48.6%増)、セグメント利益36百万円(前連結会計年度比70.9%増)となりました。

不動産関連事業

不動産関連事業は、相模原市の土地・建物、二本松市所在の土地から構成されております。売上高2億87百万円(前連結会計年度比0.4%減)、セグメント利益2億27百万円(前連結会計年度比8.0%減)となりました

 

(2)財政状態

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、213億18百万円(前連結会計年度末比39億94百万円増)となりました。

流動資産は、現金及び預金40億3百万円(前連結会計年度末比11億12百万円増)、受取手形、売掛金及び電子記録債権が47億8百万円(前連結会計年度末比13億41百万円増)、棚卸資産が16億21百万円(前連結会計年度末比4億2百万円増)となったこと等により、106億44百万円(前連結会計年度末比27億73百万円増)となりました。

固定資産は、有形固定資産100億78百万円(前連結会計年度末比11億94百万円増)、投資その他の資産4億94百万円(前連結会計年度末比14百万円増)等により106億74百万円(前連結会計年度末比12億20百万円増)となりました。

(負債)

負債合計は、132億28百万円(前連結会計年度末比30億54百万円増)となりました。

流動負債は、支払手形及び買掛金、電子記録債務が53億18百万円(前連結会計年度末比7億35百万円増)、1年内返済予定の長期借入金が15億56百万円(前連結会計年度末比4億21百万円増)等により、90億4百万円(前連結会計年度末比19億8百万円増)となりました。

固定負債は、長期借入金が32億22百万円(前連結会計年度末比8億86百万円増)等により42億24百万円(前連結会計年度末比11億46百万円増)となりました。

(純資産)

純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、為替換算調整勘定の変動等により80億89百万円(前連結会計年度末比9億39百万円増)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末と比べ11億84百万円増加し、40億75百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは24億27百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3億73百万円、減価償却費18億16百万円、仕入債務の減少1億91百万円、棚卸資産の増加57百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは18億69百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18億21百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは5億45百万円の収入となりました。これは主に、長期借入による収入26億円、長期借入金の返済による支出14億94百万円等によるものであります。

 

 

(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、連結会計年度ごとに業績目標を立案し開示しております。当連結会計年度における業績目標に対する達成状況は以下のとおりであります。

 

業績目標

(百万円)

実績

(百万円)

計画比

(%)

売上高

19,000

 

19,449

 

102.3

営業利益

100

(0.5%)

225

(1.16%)

225.8

経常利益

100

(0.5%)

355

(1.83%)

355.3

親会社株主に帰属する

当期純利益

60

(0.3%)

246

(1.27%)

410.3

注 ( )内は、売上比率であります。

 

売上高は微増となりました。営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は目標に対しそれぞれ達成することができました。各利益の目標達成の要因は以下のとおりです。

営業利益につきましては、各事業での製造原価の低減及び経費削減によるものです。経常利益につきましては、営業利益の増加に加え、為替レートが円安傾向に推移したこと及び受取補償金によるものです。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、経常利益の増加によるものです。

また、当社グループは、財務体質の健全化及び強化を図ることを第一の目標として取り組んでおります。今期につきましては、竜舞プラスチック株式会社の連結子会社化や、三甲アメリカコーポレーションへの増資等で有利子負債が増加し、自己資本比率は低下しました。今後、安定した業績を維持継続することで、自己資本比率の向上、得られた営業キャッシュ・フローによる効率的な設備投資、有利子負債の削減等により財務体質の健全化に向けて努めてまいります。有利子負債、自己資本比率の推移は以下のとおりであります。

 

第92期

第93期

第94期

第95期

第96期

有利子負債(百万円)

3,930

3,527

3,327

4,293

5,274

自己資本比率(%)

34.7

36.6

38.8

39.0

33.1

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本成形関連事業

16,565

122.9

中国成形関連事業

507

140.7

アメリカ成形関連事業

2,438

141.1

合計

19,509

125.3

(注)1.金額は販売金額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本成形関連事業

17,205

126.5

2,041

189.0

中国成形関連事業

496

139.2

39

135.9

アメリカ成形関連事業

2,528

153.3

205

148.5

合計

20,229

129.6

2,286

183.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本成形関連事業

16,218

22.4

中国成形関連事業

482

33.4

アメリカ成形関連事業

2,461

48.6

不動産関連事業

287

△0.4

合計

19,449

25.0

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社SUBARU

4,112

26.4

4,020

20.7

三甲株式会社

1,845

11.9

2,017

10.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析(1)経営業績、(2)財政状態」に記載のとおりであります。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

当期に竜舞プラスチック株式会社の株式を取得し連結子会社としております。また、三甲プラスチックスメキシココーポレーションの生産能力を拡大するための工場増設を進めております。人材の採用を積極的に行い、増産投資だけでなく、製造設備入れ替えの更新投資も積極的に進めてまいります。

当社グループは、国内5工場、国内子会社1社、海外子会社4社の稼働率を高めるため自動車部品、物流産業資材、機構品部品の各分野の売上バランスに留意しながら、受注活動に注力してまいります。なお、当社グループの主力事業であります自動車部品は、新型コロナウイルス感染症拡大及び自動車業界の半導体供給不足の影響による顧客の生産計画の変更により大幅に受注が減少する可能性があります。

経済構造が激しく変化し、社会のニーズが多様化するなかで持続可能な企業として、生産現場のコスト削減、生産性アップを図り収益改善に努めながら、営業力の強化、品質保証体制の見直し、コスト構造改革等により、稼ぐ力の強化及び資本効率の改善に取り組んでまいります。

 

前期と当期の実績値

 

 

(単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

対前期比

(%表示は対前期増減率)

実績

実績

売上高

15,557

19,449

25.0%

営業利益

291

225

△22.6%

経常利益

298

355

19.0%

親会社株主に帰属する

当期純利益

158

246

54.9%

自己資本利益率

2.4%

3.6%

1.2ポイント増

1株当たり当期純利益

9.34円

14.47円

5.13円増

 

セグメント情報の概要

 

(単位:百万円)

 

売上高

日本成形

関連事業

中国成形

関連事業

アメリカ成形

関連事業

不動産

関連事業

当連結会計年度

16,218

482

2,461

287

前連結会計年度

13,249

361

1,656

289

増減率

22.4%

33.4%

48.6%

△0.4%

 

 

セグメント利益

日本成形

関連事業

中国成形

関連事業

アメリカ成形

関連事業

不動産

関連事業

当連結会計年度

△70

32

36

227

前連結会計年度

50

10

21

247

増減率

△239.4%

212.7%

70.9%

△8.0%

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。また、運転資金及び設備投資資金については、営業活動によって得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。

当社は、安定した資金調達を維持する為に有利子負債の縮小化により財務体質の健全化を図るとともに、国内金融機関からの借入について相対での借入枠を十分確保しております。また、当座貸越契約を締結し流動性を確保しております。

当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は52億74百万円(前連結会計年度末42億93百万円)となりました。

 

キャッシュ・フローの指標

 

 

 

 

2020年3月度

2021年3月度

2022年3月度

自己資本比率(%)

38.8

39.0

33.1

時価ベースの自己資本比率(%)

27.2

53.3

27.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍)

1.4

4.1

2.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

76.4

29.9

59.0

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。

※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

(3)重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成は連結財務諸表に影響を与える見積り及び仮定を必要とし、経営者はこれらの見積り及び仮定について過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実績はこれらと異なる可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっておりますが、将来の課税所得の見積り額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

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