業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  (1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による企業活動の制約がありましたが、中国経済の拡大や国内においてもワクチン接種の進展により、製造業をはじめ総じて回復基調で推移いたしました。一方で世界的な半導体や電子部品等の納期遅延に伴うサプライチェーンの混乱、変異株拡大への懸念など、先行き不透明感が懸念されております。
  当社ユーザーにおきましては、生産活動回復に伴う設備投資の増加が見られる一方で、一部においては設備投資の繰延べも見られる等、景況感は企業によりまだら模様となっております。
  このような事業環境のなか、当社グループは、Webによる商談を活用するなど受注の確保に向けて、積極的な活動を展開しました。また、インフラ関連の現場設置案件につきましては、お客様との工程管理を密に行い、工事等における遅延を回避すべく管理の徹底に努めました。さらに、電子部品等の一部が入手遅延となっている状況下において、部品見直しや部品管理の強化など、全社一丸の取り組みによる納期管理に努めました。
  その結果、当連結会計年度における受注高は、高速道路向け設置型車両重量計の大型案件の成約や汎用品の需要回復等により15,318百万円と前年同期に比べ10.6%の増加となりました。売上高は、アジア地区を中心とした海外販売の増加、自動車向け衝突試験用計測システムおよび洋上風力発電監視システム等の大型案件や汎用品の需要回復により、14,503百万円と前年同期に比べ4.7%の増収となりました。
  利益につきましては、売上高増収と新型コロナウイルス感染防止に伴い、旅費交通費の減少や、展示会出展の見合わせ等により販売費及び一般管理費が抑制されたことから、営業利益は863百万円と前年同期に比べ15.3%、経常利益は974百万円と前年同期に比べ10.4%とそれぞれ増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、保有株式の一部を売却し投資有価証券売却益を計上したことにより、694百万円と前年同期に比べ22.6%の増益となりました。

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
 (計測機器セグメント)

汎用品は、センサ関連機器が欧州向け高温カプセルゲージの増加等により、売上高は4,231百万円と前年同期に比べ6.3%、測定器関連機器がレンタル会社向け記録器の増加等により、売上高は1,764百万円と前年同期に比べ8.1%とそれぞれ増収となりました。
  特注品関連機器(特定顧客向け製品)は、各種センサの需要が増加したものの、高速道路向け設置型車両重量計の当期竣工額が減少したことにより 、売上高は2,275百万円と前年同期に比べ4.7%の減収となりました。

システム製品関連機器は、鉄道関連およびダム関連案件が堅調に推移したほか、自動車向け衝突試験計測システムや洋上風力発電監視システム等の大型案件が寄与したことにより、売上高は2,299百万円と前年同期に比べ4.2%の増収となりました。
  保守・修理部門は機器修理が減少し、売上高は1,039百万円と前年同期に比べ0.3%の減収となりました。
  以上その他を含め、計測機器セグメントは、売上高が13,353百万円と前年同期に比べ4.8%の増収となりました。また、セグメント利益(売上総利益)は4,568百万円と前年同期に比べ3.0%の増益となりました

(コンサルティングセグメント)

コンサルティングセグメントは、鉄道関連および各種構造物の計測業務が堅調であったことから、売上高は1,150百万円と前年同期に比べ3.8%の増収となりました。また、セグメント利益(売上総利益)は454百万円と前年同期に比べ17.0%の増益となりました。

(資産の部)

当連結会計年度末の資産合計は24,041百万円となり、前連結会計年度末に比べ511百万円の増加となりました。
  流動資産は16,247百万円となり、前連結会計年度末に比べ530百万円の増加となりました。その主な要因は、たな卸資産が198百万円減少した一方で、現金及び預金が760百万円増加したことによるものであります。
  固定資産は7,793百万円となり、前連結会計年度末に比べ19百万円の減少となりました。その主な要因は、投資その他の資産が175百万円増加した一方で、有形固定資産が212百万円減少したことによるものであります。

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は6,949百万円となり、前連結会計年度末に比べ111百万円の減少となりました。
  流動負債は4,932百万円となり、前連結会計年度末に比べ59百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が181百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が206百万円減少したことによるものであります。
  固定負債は2,017百万円となり、前連結会計年度末に比べ51百万円の減少となりました。その主な要因は、固定資産のその他に含まれている繰延税金負債が23百万円、リース債務が21百万円それぞれ増加した一方で、役員退職慰労引当金が56百万円、退職給付に係る負債が44百万円それぞれ減少したことによるものであります。

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は17,091万円と、前連結会計年度末に比べ622百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が配当により276百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益による増加694百万円により、差し引きで418百万円、その他有価証券評価差額金が136百万円それぞれ増加したことによるものであります。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物は、7,329百万円と前連結会計年度末に比べ1,245百万円の増加となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,059百万円に加え減価償却費627百万円、売上債権の減少496百万円、たな卸資産の減少200百万円等の資金流入となりました。一方、退職給付に係る資産の増加190百万円、法人税等の支払260百万円等の資金流出がありました。その結果、全体では1,951百万円の資金流入となり、前連結会計年度に比べ699百万円の増加(55.9%)となりました。
  (投資活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入172百万円等の資金流入となりました。一方、有形固定資産の取得318百万円、無形固定資産の取得27百万円等の資金流出がありました。その結果、全体では180百万円の資金流出となり、前連結会計年度に比べ652百万円の支出の減少(△78.4%)となりました。
  (財務活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済212百万円、配当金の支払275百万円等の資金流出がありました。その結果、全体では600百万円の資金流出となり、前連結会計年度末に比べ137百万円の支出の増加(29.7%)となりました。

③ 生産、受注及び販売の状況

 a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

計測機器

12,921,268

100.3

 

(注) 1  金額は標準販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 b.受注状況

当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

計測機器

14,188,080

111.6

4,277,474

124.2

コンサルティング

1,130,032

99.3

318,490

94.1

合計

15,318,112

110.6

4,595,964

121.5

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 c.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

計測機器

13,353,279

104.8

コンサルティング

1,150,137

103.9

合計

14,503,417

104.7

 

(注) 1  最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度において判断したものであります。

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等(1)連結財務諸表  注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度において当社グループは売上高14,500百万円、営業利益800百万円、経常利益850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益550百万円を目標に掲げ、業績予想達成に注力してまいりました。その後、第1四半期連結累計期間において新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響が継続している中で、出張制限等による営業活動費が抑制され、利益において想定を上回る状況であることから2021年5月に業績修正を行い、売上高14,500百万円、営業利益900百万円、経常利益950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益650百万円といたしました。

当連結会計年度の経営成績は売上高14,503百万円、営業利益863百万円、経常利益974百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は694百万円となり、営業利益を除き修正目標を達成することができました。

売上高につきましては、アジア地区を中心とした海外販売の増加や自動車向け衝突試験用計測システムおよび洋上風力発電監視システム等の大口案件や汎用品の需要回復により、利益につきましても売上高増収と新型コロナウイルス感染防止に伴う営業活動量の減少により販売費及び一般管理費が抑制されたことから、修正予想を上回りました。

今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期を正確に予測することは困難な状況ではありますが、2022年12月期下期にかけて徐々に回復していくことを前提として、会計上の見積りを行っております。

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造に関する材料等の購入費や営業費用であります。設備投資資金需要の主なものは生産機器、開発用機器、試験機および情報機器等に関する設備投資であります。運転資金需要および設備投資資金需要の財源につきましては、自己資金および金融機関からの借入等を基本としております。また、借入枠1,750百万円のコミットメントライン契約により資金調達の効率化および安定化をはかっております。

なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は1,762百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,329百万円となっております。

 

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