業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられる等、持ち直しの動きは足踏み状態となりました。海外経済につきましても、アメリカを中心に持ち直しの傾向は維持されたものの、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、エネルギーや原材料価格の上昇、金融資本市場の変動、半導体不足等による供給面での制約、新型コロナウイルス感染拡大の影響等、依然として不確実性の高い状況で推移いたしました。

当社グループの主たる事業分野である半導体市場は、データセンター向け等を中心に堅調に推移いたしました。また、IoT、AIの活用の進展や5Gの普及に加え、自動車向けをはじめとした半導体不足の解消に向けて、生産体制の強化も進められました。さらに、国内、海外ともに半導体製造基盤の確保・強化に向けた動きも広がりました。

このような事業環境の中、当連結会計年度の売上高につきましては、後半に需要の端境期の影響を受けたものの、全体としてはメモリーIC向けを中心に堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回る結果となりました。利益面につきましても、売上高の増加等により、前連結会計年度を上回る結果となりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は23,599百万円(前連結会計年度比27.4%増)、営業利益は4,953百万円(前連結会計年度比86.0%増)、経常利益は5,092百万円(前連結会計年度比97.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3,802百万円(前連結会計年度比86.6%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

a.半導体検査用部品関連事業

半導体検査用部品関連事業につきましては、売上高はメモリーIC向けを中心に堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回る結果となりました。利益面につきましても、売上高の増加等により、前連結会計年度を上回る結果となりました。

以上の結果、売上高23,371百万円(前連結会計年度比27.5%増)セグメント利益は5,987百万円(前連結会計年度比63.0%増)となりました。

 

b.電子管部品関連事業

 電子管部品関連事業につきましては、売上高228百万円(前連結会計年度比20.9%増)、セグメント利益は9百万円(前連結会計年度比49.1%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、5,283百万円増加し、当連結会計年度末には11,473百万円となりました。

 

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、4,813百万円(前連結会計年度比240.0%増)となりました。

これは主として、売上債権の増加1,692百万円、法人税等の支払額540百万円等による減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益5,092百万円、減価償却費1,015百万円、仕入債務の増加764百万円等による増加要因があったことによります。

 

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、562百万円(前連結会計年度は1,496百万円の資金の減少)となりました。

これは主として、定期預金の払戻による収入817百万円等による増加要因があったものの、有形固定資産の取得による支出927百万円、定期預金の預入による支出660百万円等による減少要因があったことによります。

 

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、947百万円(前連結会計年度比68.1%減)となりました。

これは主として、長期借入金の返済による支出1,264百万円、配当金の支払額330百万円等による減少要因があったものの、新株予約権の行使による株式の発行による収入2,608百万円による増加要因があったことによります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

半導体検査用部品関連事業

23,460

126.4

電子管部品関連事業

228

120.9

合計

23,688

126.4

 

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

半導体検査用部品関連事業

22,546

118.8

3,605

81.4

電子管部品関連事業

247

139.2

53

156.3

合計

22,794

119.0

3,659

82.0

 

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

半導体検査用部品関連事業

23,371

127.5

電子管部品関連事業

228

120.9

合計

23,599

127.4

 

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり

であります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

フラッシュフォワード(合)

3,226

17.4

3,916

16.6

キオクシア㈱

2,691

14.5

2,810

11.9

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、安定的な収益力を表す指標として連結経常利益率10%以上及び株主資本利益率(ROE)10%以上を目標としております。当連結会計年度における連結経常利益率は21.6%(目標比 +11.6%)、株主資本利益率(ROE)は20.4%(目標比 +10.4%)となりました。継続的な目標達成のため、今後とも努力していく所存であります。

 

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,413百万円増加し、32,992百万円となりました。

これは主として、建物及び構築物(純額)が132百万円、有価証券が116百万円減少しましたが、現金及び預金が5,280百万円、売掛金が983百万円、電子記録債権が944百万円、原材料及び貯蔵品が317百万円、繰延税金資産が233百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,036百万円増加し、11,203百万円となりました。

これは主として、長期借入金が1,511百万円減少いたしましたが、未払法人税等が1,023百万円、買掛金が825百万円、賞与引当金が356百万円、1年内返済予定の長期借入金が247百万円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,377百万円増加し、21,788百万円となりました。

これは主として、新株予約権が3百万円減少いたしましたが、利益剰余金が3,471百万円、資本金が1,314百万円、資本剰余金が1,314百万円増加したこと等によるものであります。

 

b.経営成績

(売上高)

半導体検査用部品関連事業につきましては、メモリーIC向けを中心に堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回る結果となりました。電子管部品関連事業につきましても、前連結会計年度を上回る結果となり、当連結会計年度の売上高は23,599百万円(前連結会計年度比27.4%増)となりました。

(営業利益)

半導体検査用部品関連事業につきまして、主として売上高の増加により、セグメント利益が前連結会計年度を上回りました。電子管部品関連事業につきましても、前連結会計年度を上回る結果となり、当連結会計年度の営業利益は4,953百万円(前連結会計年度比86.0%増)となりました。

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益につきましては、主として営業利益の増加により、経常利益は5,092百万円(前連結会計年度比97.8%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、主として営業利益及び経常利益の増加等により、3,802百万円(前連結会計年度比86.6%増)となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」の項目をご参照願います。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金需要)

当社グループの運転資金の需要のうち主なものは原材料の仕入れや製造費用、販売及び一般管理の営業費用や管理費用であります。投資資金の需要のうち主なものは、製造設備の増強並びに最先端技術に対する研究活動及び研究開発投資であり、今後も顧客満足のより一層の向上に向け継続的に実施してまいります。また、株主還元については、株主に対する利益還元を経営の重要課題として認識しており、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定的な配当の継続を基本とし、業績に応じて積極的な株主還元を行う事を基本方針としております。

 

(資金調達)

当社グループは、安定的な支払能力を確保するため、内部資金、金融機関からの借入、新株の発行等の活用により、資金調達の多様化と安定した資金繰りを実現することとしております。外部からの資金調達につきましては、安定的で低利息を目標とし、経済や金融情勢を加味しながら、長期もしくは短期のバランスのとれた調達を実施しております。

また、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(棚卸資産の評価)

当社は、棚卸資産が適正な価値で評価されるように評価損の金額を見積っております。過剰、滞留、並びに陳腐化した棚卸資産に対して評価損を計上しております。また、棚卸資産は正味実現可能価額まで評価損を行っております。当社は通常、一定の保有期間を超える棚卸資産を滞留もしくは陳腐化していると見なします。

但し、当社では、一定の保有期間を超えた棚卸資産であっても、設計仕掛品(新規製品の受注後、顧客ニーズを満たすべく調整中である仕掛品)等の一部の仕掛品について将来の回収可能性に関する経営者の判断のもとに、評価損を計上しないことがあります。当連結会計年度末においては重要な残高はありません。

 

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