(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産の部)
資産合計は、前連結会計年度末に比べて21.7%増加し、15,365百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて27.2%増加し、12,891百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金の合計が1,205百万円、商品及び製品が932百万円、原材料及び貯蔵品が315百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.5%減少し、2,474百万円となりました。これは、有形固定資産が38百万円減少したことなどによるものです。
(負債の部)
負債合計は、前連結会計年度末に比べて25.2%増加し、11,402百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて38.8%増加し、9,704百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が605百万円、短期借入金が1,980百万円、未払金が147百万円、それぞれ増加しましたが、1年内返済予定の長期借入金が147百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて19.6%減少し、1,698百万円となりました。これは、社債が89百万円、長期借入金が311百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
(純資産の部)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて12.6%増加し、3,963百万円となりました。これは、自己株式が85百万円増加し、その他有価証券評価差額金が53百万円減少したものの、土地の売却により土地再評価差額金が82百万円増加し、また親会社株主に帰属する当期純利益を673百万円計上したことなどによるものです。なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の期首残高が26百万円減少しております。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は24,578百万円(前年同期比54.4%増)と2期連続で過去最高となりました。利益面におきましては、営業利益は783百万円(前年同期比256.0%増)、経常利益は781百万円(前年同期比291.3%増)と、いずれも前年を大幅に上回る実績を確保することが出来ました。親会社株主に帰属する当期純利益は673百万円(前年同期比44.2%増)で、1988年の株式上場以来、過去最高の高水準となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ29百万円減少しております。
セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。
<メモリーモジュール事業>
主要製品のDIMM(Dual Inline Memory Module)及びSSD(Solid State Drive)の主要調達部材である半導体メモリー製品のDRAM、NANDの取引価格につきましては、年度はじめに高値圏にあったものの、メモリー各社の増産やPC、サーバーメーカー等による在庫調整による影響等もあり、その後は下落に転じました。サーバー向けメモリー需要の拡大等が見られる一方で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国各地での都市封鎖措置(ロックダウン)、ロシアのウクライナ侵攻、フラッシュメモリー大手の一部操業停止等による、メモリー製品の生産、出荷及び物流への影響が懸念されており、今後の取引価格についての見通しは不透明な状況です。
当連結会計年度におきましては、当該事業にて取り扱うメモリー製品の供給不足は和らいでいるものの、その他の半導体関連部材については引き続き供給不足が続いている中、顧客企業における部材の先行確保の方針が継続したことから、メモリーモジュールの受注は好調に推移しました。特に、利益率の高い自社ブランドの産業用途向けメモリーモジュールにつきまして、半導体検査装置や工作機械、ロボット等に使用するための部材としての需要が堅調で、売上高が伸長したことから、大幅な増益となりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は 10,978 百万円(前年同期比 21.0%増 )、セグメント利益(営業利益)は 726百万円(前年同期比62.7%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響額はありません。
<テレワークソリューション事業>
当連結会計年度におきましては、オフィスへの出社とテレワーク等を併用する「ハイブリッドワーク」においての活用が期待される会議室等への据え置きタイプのデジタル会議専用端末につきまして、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の継続、半導体部品の需給ひっ迫による製品の納期遅延、輸送コストの高騰、為替レートの変動等の影響もあり、計画よりも収益は伸び悩みました。テレワーク関連では、「Webex」「BlueJeans」「Zoom」等のライセンス、ウェブカメラや高機能ヘッドセット等デジタル会議用途向け周辺機器の拡販が堅調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は 2,754百万円、セグメント利益(営業利益)は96百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響額はありません。
また、当事業につきましては、株式会社プリンストンの連結子会社化に伴い前第3四半期連結会計期間より連結の範囲に含めたことから、前年同期との比較が困難であるため、前年同期比を記載しておりません。
<デジタルデバイス周辺機器事業>
当連結会計年度におきまして、液晶ディスプレイ関連では、製品への旺盛な需要に対して供給を強化したことから販売数量は計画を大幅に上回りました。eスポーツ関連では、オンライン大会の開催等による認知度向上に伴って商品市場も拡大してきており、ゲーミング用のヘッドセットやメモリー等の販売が堅調に推移しました。PC周辺機器関連では、GIGAスクール構想による特需は前年度でいったん収束しましたが、スマートフォンやタブレット端末用のタッチペンやカバー等の販売は堅調に推移しました。一方、世界的な半導体不足に伴い各種部材の調達に係る製品コストが大幅に上昇したことや、輸入及び国内物流コストの高騰、円安傾向が継続したこと等の要因により、利益は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は6,589百万円、セグメント損失(営業損失)は103百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により売上高、営業利益はそれぞれ29百万円減少しております。
また、当事業につきましては、株式会社プリンストンの連結子会社化に伴い前第3四半期連結会計期間より連結の範囲に含めたことから、前年同期との比較が困難であるため、前年同期比を記載しておりません。
<デバイスプログラミング・ディスプレイソリューション事業>
当連結会計年度におきましては、デバイスプログラミング関連では、前年度にコロナ禍による影響で落ち込んでいたデバイスプログラマ本体や変換アダプタ関連の販売において、顧客企業の設備投資の回復に合わせて受注が好調に推移しました。また、前年度より大規模な設備投資を進めてきたROM書込みサービスにおける新規プロジェクトについても順調に進捗し、収益拡大に貢献しました。ディスプレイソリューション関連では、半導体不足の影響を受け、海外ATM向けタッチパネルの販売台数は減少しましたが、超薄型サイネージ「WiCanvas」の大手ショッピングモールへの導入、非接触型タッチパネルセンサー「ディスプレア」の増産のほか、放送局やショールームへの大型特注タッチパネルの納入等が堅調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は 2,058 百万円(前年同期比 122.9%増 )、セグメント利益(営業利益)は 418 百万円(前年同期は61百万円の損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響額はありません。
<システム開発事業>
当事業は当社子会社の株式会社イーアイティー及び株式会社パイオニア・ソフトが手掛けており、第2四半期連結会計期間より株式会社パイオニア・ソフトの業績を取り込んだことから、売上高、利益ともに前年度に比べて大幅に拡大しました。
当連結会計年度は、両社の経営統合を視野に入れた営業面や管理面での協業が進みました。主力ビジネスである技術支援型(人材派遣型)案件において、両社の人材を活かした提案活動が実を結び、受注は安定的に推移しました。受託開発案件においては、コロナ禍で先送りになっていた開発プロジェクトを顧客企業にて再開する動きが出始めたことから受注は回復傾向にあります。一方、前年度に引き続き従業員のテレワーク対応が続いたことに加え、コスト低減努力等により販管費の削減が進みました。
これらの結果、当セグメントの売上高は 1,839 百万円(前年同期比 222.0%増 )、セグメント利益(営業利益)は 130 百万円(前年同期比 123.0%増 )となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響額はありません。
<その他事業>
当セグメントでは、ウェブサイトの構築や広告の制作プロデュース及びマーケティングのコンサルティング事業、システム構築や技術者派遣事業、高性能2眼カメラセンサーの開発・推進を行うインテリジェント・ステレオカメラ(ISC)事業、企業の買収等の斡旋や仲介及びこれらに関する財務コンサルティング事業、太陽光発電等の環境エレクトロニクス関連事業、モバイルアクセサリの販売事業、ソフトウェアやハードウェアの設計・開発等を行うエレクトロニクス設計事業を手掛けております。
当連結会計年度におきましては、2021年2月に子会社化した株式会社アイティ・クラフトを第1四半期連結会計期間より、2021年12月に子会社化した株式会社エクスプローラを第4四半期連結会計期間より、それぞれ当セグメントの連結の範囲に含めており、前年度に比べて売上高、利益ともに大幅に拡大いたしました。
一方でISC事業は、今年度中を目指していた量産型商品の出荷が、半導体不足による部品調達遅延等の影響を受けて来年度以降へ持ち越しとなりましたが、引き続きアプリケーションソフト開発を進めているほか、複数の大手企業との実証実験を含めた研究開発に取り組んでおります。
これらの結果、当セグメントの売上高は 641 百万円(前年同期比 151.8%増 )、セグメント利益(営業利益)は 6 百万円( 前年同期比1,025.0%増 )となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響額はありません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は2,640百万円と前年同期に比べて318百万円(13.7%)の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、454百万円の支出(前年同期329百万円の収入)となりました。増加要因として、税金等調整前当期純利益801百万円、減価償却費226百万円、仕入債務の増加額546百万円等がありましたものの、減少要因として、売上債権の増加額959百万円、棚卸資産の増加額1,162百万円、新株予約権の戻入益43百万円、法人税等の支払額129百万円等がありましたことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、122百万円の支出(前年同期418百万円の支出)となりました。増加要因として、定期預金の払戻による収入153百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社(株式会社パイオニア・ソフト)株式の取得による収入147百万円等がありましたものの、減少要因として、定期預金の預入による支出124百万円、事業拡大に係る設備投資としての有形固定資産の取得による支出192百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式(株式会社エクスプローラ)の取得による支出115百万円がありましたこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、857百万円の収入(前年同期528百万円の収入)となりました。増加要因として、短期借入金の純増額1,750百万円、長期借入れによる収入168百万円等がありましたものの、減少要因として、長期借入金の返済による支出764百万円、自己株式の取得による支出119百万円等がありました。当社グループ全体の資金調達及び管理を持株会社である当社に集約して効率的な財務運営を進めるとともに、必要な資金の機動的な見直しを行っております。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.テレワークソリューション事業及びデジタルデバイス周辺機器事業につきましては、株式会社プリンストンを前第3四半期連結会計期間より連結の範囲に含めたことから、前年同期との比較が困難であるため、前年同期比を記載しておりません。
3.金額は、製造原価によっております。
4.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.テレワークソリューション事業及びデジタルデバイス周辺機器事業につきましては、株式会社プリンストンを前第3四半期連結会計期間より連結の範囲に含めたことから、前年同期との比較が困難であるため、前年同期比を記載しておりません。
3.システム開発事業及びその他事業の一部につきましては、事業の性質上、受注高の算定が困難なため記載を省略しております。
4.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.テレワークソリューション事業及びデジタルデバイス周辺機器事業につきましては、株式会社プリンストンを前第3四半期連結会計期間より連結の範囲に含めたことから、前年同期との比較が困難であるため、前年同期比を記載しておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で、経済活動の自粛や制限が続きましたが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の解除により、サービス消費を中心に個人消費が増加に転じる等、景気は回復の動きがみられます。しかしながら、世界的な半導体不足や原材料価格の高騰等のほか、変異株による感染再拡大の懸念、ロシアによるウクライナ侵攻が与える影響も懸念されており、先行きの不透明感は依然として継続しています。
このような情勢の中、当社はデジタル分野において他企業との連携やM&Aを進めることでコンソーシアム(共同体)を形成し、これを拡大することでシナジーを創出し企業価値を高めていくことを柱とする「デジタルコンソーシアム構想」を成長戦略として位置付け、新たに「デジタルコンソーシアムで未来の社会を創造する」というビジョンを策定いたしました。当連結会計年度におきましては、2021年12月に映像や画像関連分野等において高い技術力を有する株式会社エクスプローラを連結子会社化し、コンソーシアムの拡大及び強化に向けた取り組みに注力いたしました。
事業概況といたしましては、前連結会計年度から当連結会計年度にかけてM&Aにより連結子会社化した4社(株式会社プリンストン、株式会社アイティ・クラフト、株式会社パイオニア・ソフト、株式会社エクスプローラ)の業績をそれぞれ取り込んだことから、全体の売上高及び利益は大きく拡大いたしました。また世界的な半導体不足の影響を受け、顧客企業の先行調達意欲が旺盛であったことからメモリーモジュール事業の売上高が好調に推移しました。また、前年度コロナ禍による影響で落ち込んだデバイスプログラミング・ディスプレイソリューション事業でも製品やサービスの需要が回復するとともにROM書込みサービスが伸長しました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて54.4%増加し、24,578百万円と過去最高となりました。
(売上総利益)
連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて55.4%増加し、4,143百万円となりました。これは主に売上高の増加に加え、メモリーモジュール事業において、利益率の高い産業用途向けメモリーモジュール製品の需要が好調であったこと、及びデバイスプログラミング・ディスプレイソリューション事業において、製品やサービスの需要が回復するとともにROM書込みサービスが伸長したこと等によるものです。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて37.3%増加し、3,360百万円となりました。これは主に株式会社プリンストン及び株式会社パイオニア・ソフトの連結子会社化によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて256.0%増加し、783百万円となりました。これは主にメモリーモジュール事業とデバイスプログラミング事業における収益拡大によるものです。一方、世界的な半導体不足に伴い各種部材の調達に係る製品コストが大幅に上昇したことや、輸入及び国内物流コストの高騰、円安傾向が継続したこと等の要因により、デジタルデバイス周辺機器事業は営業損失を計上しました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて291.3%増加し、781百万円となりました。これは主に営業利益の増加に伴うものです。これに加え、当連結会計年度は、シンジケートローン手数料を計上した一方で、為替相場の変動で当社グループが保有する外貨建資産価値が増加したことによる為替差益を計上いたしました。
(特別損益)
当連結会計年度においては、特別利益として、新株予約権の行使期間満了による新株予約権戻入益として43百万円、株式会社エクスプローラ買収に伴う負ののれん発生益25百万円等を計上いたしました。一方、特別損失として、土地等の売却に伴う有形固定資産の減損損失及び過去の製品開発に係る固定資産の減損損失のほか、適切な評価を行った結果としての投資有価証券評価損13百万円等を計上しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて44.2%増加し673百万円と、上場以来の最高益となりました。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について)
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載しております。また、営業利益及び経常利益については「 a.経営成績の分析」に記載しております。
なお、自己資本比率については、流動資産増加に伴う借入金増加等により25.2%(前期は27.1%)に低下しましたが、自己資本利益率(ROE)については、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で44.2%増となったことから18.5%(前期は14.8%)となりました。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
なお、セグメントごとの経営成績の状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュフローについて
「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性について
資本政策につきましては、グループ各社の資金調達及び管理を持株会社である当社に集約し、2019年1月に株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとしたシンジケートローン契約を締結し、効率的な財務運営を進めております。当連結会計年度におきましては、経営資源の選択と集中を推進し、必要な資金を機動的に調達・運用及び見直しをしており、連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得のための借入れ及び第三者割当増資、当該子会社の既存借入れの借換え等を実施しております。
③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの必要と思われる見積り及び仮定は、合理的な基準に基づいて実施しております。これらの見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる可能性があります。また、当社グループにおける新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、限定的であると考えてはおりますが、不確実性が大きく実際の結果は異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に、会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。
a. 固定資産の減損損失
当社グループが保有しております固定資産のうち、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、減損損失として計上しております。将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
b. のれんの減損損失
当社グループののれんの償却については、その効果の発現する期間を合理的に見積り、当該期間において均等償却を行っております。将来の予測不可能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、収益性が低下し、減損損失が発生する可能性があります。
c. 繰延税金資産
繰延税金資産は、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案して、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収の実現性が低いと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。
お知らせ