業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2021年10月1日2022年9月30日における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の流行により多方面の経済活動が抑制されましたが、総体的には緩やかな回復基調となりました。

我が国経済につきましては、個人消費に足踏みが見られたものの、生産活動や設備投資に持ち直しの兆しが見られるなど、景気に回復の動きが見られました。

このような状況の下、当社グループと深く関わる自動車業界につきましては、世界各地域で電動化対応を含め設備投資計画が積極化しました。

一方、同じく当社グループと深く関わるエレクトロニクス業界では、半導体メモリーの市況軟化が見られる中、半導体デバイス向け設備投資計画に調整的な動きも見られました。

当社グループは、このような経営環境に対応するため、各市場動向に応じ、設備品及び消耗品の拡販に努め、ローカルニーズに対応した製品投入を進めるとともに、技術革新・次世代装置などの高付加価値製品の開発にも注力してまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高 502億82百万円 (前期比10.6%増) 、営業利益 84億97百万円 (前期比16.1%増) 、経常利益 96億57百万円 (前期比20.2%増) 、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に発生した連結子会社の持分譲渡に伴う特別利益が剥落したものの、 61億97百万円 (前期比3.4%増) となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含む数値を記載しております。

 

溶接機器関連事業

溶接機器関連事業につきましては、取引先である自動車業界において、アジア地域で堅調な生産活動が見られ、車体組立分野の設備投資についても総じて堅調な推移となりました。

このような環境の下、原材料や輸送に係るコスト上昇があったものの、当部門として設備品及び消耗品の拡販を図ったことなどにより、業績は前期を上回りました。

この結果、部門売上高は304億71百万円(前期比14.2%増)、部門営業利益は49億14百万円(前期比6.9%増)となりました。

 

平面研磨装置関連事業

平面研磨装置関連事業につきましては、高度半導体デバイスにおける用途の多様化などを背景とし、取引先であるエレクトロニクス関連素材において、堅調な生産活動や設備投資が続きました。

このような環境の下、当部門として顧客要求に適合した製品の販売促進に努めたことなどにより、業績は前期を上回りました。

この結果、部門売上高は 198億14百万円 (前期比5.4%増) 、部門営業利益は 36億31百万円 (前期比29.0%増) となりました。
 

 

また、当連結会計年度における財政状態の状況は次のとおりであります。

 

・資産

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ、168億83百万円30.2%増加して、728億31百万円となりました。現金及び預金が101億94百万円、受取手形及び売掛金が5億66百万円、電子記録債権が5億79百万円、棚卸資産が50億52百万円増加したことなどによります。
 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ、29億49百万円13.1%減少して、195億15百万円となりました。建物及び構築物(純額)が14億12百万円増加した一方、長期預金が短期への振替により40億29百万円減少したことなどによります。

以上により、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ139億33百万円17.8%増加して、923億47百万円となりました。

 

・負債

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ、41億29百万円31.0%増加して、174億58百万円となりました。支払手形及び買掛金が4億89百万円、未払法人税等が3億26百万円、前受金及び契約負債が26億65百万円、流動負債のその他が4億73百万円増加したことなどによります。
 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ、3億21百万円2.9%増加して、112億32百万円となりました。長期借入金が93百万円、退職給付に係る負債が2億10百万円減少した一方、繰延税金負債が6億11百万円増加したことなどによります。
 以上により、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ44億50百万円18.4%増加して、286億91百万円となりました。

 

・純資産

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ、94億82百万円17.5%増加して、636億56百万円となりました。自己株式を10億93百万円取得した一方、為替が前期末より円安のため為替換算調整勘定が62億78百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を61億97百万円計上したことなどにより利益剰余金が44億47百万円増加したことなどによります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は264億1百万円と、前連結会計年度末に比べ58億48百万円増加しました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

棚卸資産の増加額が37億37百万円、法人税等の支払額が26億87百万円となった一方、税金等調整前当期純利益が98億13百万円、減価償却費及びその他の償却費が13億25百万円発生したことなどにより、差引66億56百万円の資金の増加となりましたが、前連結会計年度に比べ32億24百万円の収入減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

定期預金の純減少額が19億6百万円、長期預金の払戻による収入が7億43百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入が3億32百万円となった一方、長期預金の預入による支出が11億45百万円、有形固定資産の取得による支出が16億13百万円発生したことなどにより、差引68百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ6億14百万円の支出減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

自己株式の取得による支出が10億94百万円、配当金の支払額が17億49百万円発生したことなどにより、30億33百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ28億52百万円の支出減少となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

溶接機器関連事業

25,083

+16.4

平面研磨装置関連事業

14,670

+11.0

合計

39,754

+14.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格で表示しております。

 

 b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

 溶接機器関連事業

32,299

+18.4

8,150

+28.9

 平面研磨装置関連事業

34,330

+58.3

31,555

+85.2

合計

66,630

+36.1

39,705

+70.0

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

溶接機器関連事業

30,470

+14.2

平面研磨装置関連事業

19,811

+5.4

合計

50,282

+10.6

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態の分析)

当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(経営成績の分析)

a.売上高

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて48億6百万円増収となり、502億82百万円となりました。溶接機器関連事業では、取引先である自動車業界において、アジア地域で堅調な生産活動が見られ、車体組立分野の設備投資についても総じて堅調な推移となりました。平面研磨装置関連事業につきましては、高度半導体デバイスにおける用途の多様化などを背景とし、取引先であるエレクトロニクス関連素材において、堅調な生産活動や設備投資が続きました。

 

b.営業損益

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べて11億76百万円増益となり、84億97百万円となりました。溶接機器関連事業及び平面研磨装置関連事業の業績が共に堅調に推移したこと等により営業利益は前年を上回りました。

 

c.経常損益

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べて16億20百万円増益となり、96億57百万円となりました。受取利息や為替差益の影響も寄与し、営業外収支は11億59百万円のプラスとなりました。

 

d.親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に発生した連結子会社の持分譲渡に伴う特別利益が剥落したものの2億4百万円増益となり、61億97百万円となりました。税効果会計適用後の法人税等負担額は36億7百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要のうち主なものは、原材料や部品の調達、労務費及び外注費などの製造費用のほか、人件費及び研究開発費などの販売費及び一般管理販売費等の営業費用並びに工場設備、生産能力増強等に係る投資、自己株式の取得であります。

これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金及び必要に応じて金融機関からの借入や社債発行による資金調達で対応しております。

 

 

③ 経営上の目標の達成状態を判断するための客観的な指標等

当社グループは、自己資本比率70%以上、ROE(株主資本当期純利益率)15%以上を長期的な経営指標の目標としております。前連結会計年度と当連結会計年度のそれぞれの目標に対する進捗については、以下のとおりです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

自己資本比率

69.0%

68.9%

ROE(株主資本当期純利益率)

11.5%

10.5%

 

当連結会計年度の数値は、自己資本比率は前連結会計年度を下回りました。総資産額の増加が、自己資本の増加を上回ったことによります。また、ROE(株主資本当期純利益率)も前連結会計年度を下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度を上回った一方、為替が前期末より円安のため為替換算調整勘定が増加したことなどによります。

当連結会計年度における各重要な経営指標につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」で述べたとおりであります。

   (注)自己資本比率=自己資本/総資産額×100

      ROE(株主資本当期純利益率)=親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)×100

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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