業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における経済環境概要は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進んだことから段階的に経済活動の制限緩和が図られましたが、資源価格の高騰に伴う物価の上昇や、半導体を始めとした部品供給不足、コンテナ不足による物流の停滞等、経済環境の正常化に向けての見通しは依然不透明となっております。このような経済環境のもとではありますが、製造業を中心とした世界的な設備投資拡大や5G/IoT等インダストリー4.0への市況環境の変化に対応すべく、当社グループは「中期経営計画2021-2025」を策定し、推進してまいりました。その結果、計画初年度の当連結会計年度の売上高は前年同期比22.0%増の57,358百万円、営業利益は前年同期比115.4%増の5,096百万円(営業利益率8.9%)、経常利益は前年同期比104.0%増の5,109百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比42.3%増の3,744百万円となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(電子事業)

 国内事業に関しましては、半導体製造装置・産業用ロボット・EV車向け関連製造装置を含む産業機器を中心とし、5G・IoT関連機器/監視カメラ等セキュリティ系を中心としたインフラ関係/パワー半導体関連など、引き続き好調な受注増加により、前年同期比を大きく上回る結果となりました。また海外事業に関しましては、車載を中心に事務機器の伸長も加わり、国内事業同様に前年同期比を大きく上回る結果となっております。なお、足元の受注環境も引き続き堅調に推移しており、このような環境下のもと、電子事業全体の売上高は前年同期比25.9%増の45,656百万円と増収となりました。セグメント利益に関しましては、高多層・ビルドアップ基板等高付加価値品の需要増と、継続して取り組んでいる生産効率の改善、設備投資による生産量の増加及び効率改善が寄与し、前年同期比172.0%増の4,207百万円(セグメント利益率9.2%)となり、過去最高収益となりました。

(工業材料事業)

工業材料事業につきましては、国内製造業における景気回復を背景に、主力製品であるグラスファイバー原料と耐火物の売上が伸びたほか、都市インフラ関連製品の一部が需要の端境期に当たり前年同期の水準を下回った以外は全般的に堅調に推移しました。一方で原材料、海上運賃やエネルギー価格の上昇が進む中、製造原価の低減や経費の圧縮、生産効率化等による利益確保に努めました。その結果、売上高は前年同期比8.8%増の11,701百万円、セグメント利益は前年同期比8.5%増の889百万円(セグメント利益率7.6%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の当連結会計年度末残高は6,578百万円(前連結会計年度は8,680百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は3,396百万円(前連結会計年度は3,042百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,109百万円、減価償却費2,163百万円、売上債権の増加額2,298百万円、棚卸資産の増加額3,056百万円、仕入債務の増加額3,049百万円及び法人税等の支払額1,436百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は3,955百万円(前連結会計年度は512百万円の使用)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出3,963百万円及び固定資産の売却による収入12百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は1,690百万円(前連結会計年度は988百万円の獲得)となりました。これは主に、借入金の純減少額554百万円、リース債務の返済による支出393百万円及び配当金の支払額501百万円によるものであります。

 

 当社グループの運転資金及び設備投資資金は、自己資本のほか、金融機関からの借入金及びリースにより調達しております。

 また、翌連結会計年度の重要な資本的支出としましては、主に生産効率化及び品質向上を目的とした生産設備の増設等を、当社長野事業所におきまして7,400百万円、当社大阪事業所におきまして3,700百万円を予定しております。

 

③生産、受注及び販売の実績

工業材料事業及びその他の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため生産規模及び受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月 1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

電子事業       (百万円)

46,560

127.7

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.セグメント間取引については相殺消去しております。

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月 1日

 至 2022年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

電子事業

53,909

147.3

15,379

215.8

 (注)金額は販売価格によっております。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月 1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

電子事業       (百万円)

45,656

125.9

工業材料事業     (百万円)

11,701

108.8

合計         (百万円)

57,358

122.0

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.資産、負債及び純資産の状況

 当連結会計年度末の総資産は53,412百万円(前年同期比5,566百万円増)となりました。流動資産は35,738百万円(前年同期比3,454百万円増)、固定資産は17,673百万円(前年同期比2,111百万円増)となっております。流動資産の主な増減要因は、現金及び預金の減少(前年同期比2,102百万円減)、売上債権の増加(前年同期比2,303百万円増)及び棚卸資産の増加(前年同期比3,052百万円増)であります。また、固定資産の主な増加要因は、有形固定資産の増加(前年同期比2,154百万円増)であります。

 当連結会計年度末の負債は29,433百万円(前年同期比2,359百万円増)となりました。流動負債は22,627百万円(前年同期比5,212百万円増)、固定負債は6,806百万円(前年同期比2,853百万円減)となっております。流動負債の主な増加要因は、支払手形及び買掛金の増加(前年同期比2,329百万円増)、電子記録債務の増加(前年同期比736百万円増)及び短期借入金の増加(前年同期比2,100百万円増)であります。また、固定負債の主な減少要因は、社債の減少(前年同期比180百万円減)、長期借入金の減少(前年同期比2,345百万円減)及びリース債務の減少(前年同期比289百万円減)であります。

 当連結会計年度末の純資産は23,978百万円(前年同期比3,207百万円増)となりました。純資産の主な増加要因は、利益剰余金の増加(前年同期比3,183百万円増)であります。

b.売上高及び営業損益の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況」に記載のとおりであります。

c.経常損益

経常利益は、104.0%増の5,109百万円となり、前連結会計年度に比べ2,604百万円の増加となりました。

 営業外収益には、主に円安傾向による為替差益、営業外費用には、主に支払利息、固定資産除却損が含まれております。

d.税金等調整前当期純損益

税金等調整前当期純利益は、28.4%増の5,109百万円となり、前連結会計年度に比べ1,130百万円の増加となりました。

e.親会社株主に帰属する当期純損益

上記の結果として、親会社株主に帰属する当期純利益は、42.3%増の3,744百万円となり、前連結会計年度に比べ1,113百万円の増加となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載の通りであります。

(参考指標)

 

 

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

36.3

41.1

43.2

44.7

時価ベースの自己資本比率(%)

39.2

27.3

32.8

54.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.0

3.3

4.4

3.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

34.6

35.6

38.8

51.1

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 (注) いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

株式時価総額は自己株式を除く期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、支払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の支払利息の支払額を使用しております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルスの影響については、今後の広がり方や収束時期等について統一的な見解がない為、当社グループへの影響を見通すことは極めて困難ですが、国内・海外ともに足元の受注環境は順調に回復してきていることから、当面の業績への影響は限定的であると仮定し、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを実施しております。

 

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