(1)業績等の概要
①業績
当連結会計年度における我が国の経済は、世界的な半導体供給不足や新型コロナウイルス変異株による感染再拡大の影響で未曾有の厳しい経済環境に陥りました。この状況は自動車産業に限らず、デジタルカメラや電力メーター等全ての業種において大幅な生産調整の波が及びました。当社グループ(当社及び連結子会社)ではこの影響が第4四半期に顕著に現れました。
このような環境下ではありましたが、当社グループの経営状況は、前半の好調な業績に支えられて売上減少を抑える結果となりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は140億9千2百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は5億9千8百万円(前年同期比3.9%減)、経常利益は7億1千8百万円(前年同期比11.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億4千9百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
当社グループの製品別概況は、次の通りであります。
a. 自動車関連製品
安全関連、車載電装品等の自動車関連製品の売上高は106億7千6百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
b. 住宅設備関連製品
電力会社向けスマートメーター等の住宅設備関連製品の売上高は14億9千7百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
c. デジタル家電関連製品
デジタルカメラ等のデジタル家電関連製品の売上高は11億5千6百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
d. 事務機関連製品
プリンター等の事務機関連製品の売上高は3億4千9百万円(前年同期比20.1%増)となりました。
e. その他の製品
その他の製品の売上高は4億1千2百万円(前年同期比1.4%増)となりました。その他の製品の主なものは電子部品関連製品、産業用機器関連製品であります。
②財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は192億3千1百万円となり、前連結会計年度末と比べ1億2千5百万円増加しました。このうち流動資産は135億6千万円となり、2千7百万円減少しました。これは主に、売掛金35億7百万円、原材料及び貯蔵品1億6千8百万円増加しましたが、現金及び預金2億8千3百万円、受取手形及び売掛金32億5千9百万円、電子記録債権1億2千8百万円、有価証券が3億2百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
固定資産は56億7千万円となり、1億5千3百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の増加2億5千3百万円と投資有価証券9千9百万円の減少によるものであります。
負債は52億2百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億9千2百万円減少しました。流動負債は42億9千8百万円となり、3億7千3百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が8千8百万円、賞与引当金が1億4千3百万円減少したことなどによるものです。固定負債は9億4百万円となり、1千9百万円減少しました。
純資産は140億2千8百万円となり、前連結会計年度末と比べ5億1千8百万円増加しました。これは主に、利益剰余金4億3千1百万円の増加によるものであります。
③キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、42億7百万円となり前連結会計年度末と比べ2億8千3百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は4億3千4百万円と前年同期と比べ7億5千5百万円減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益7億2千4百万円に、減価償却費6億8千3百万円の計上などによる資金の増加と、売上債権の増加1億3千万円や法人税等の支払額2億3千9百万円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は5億9千万円と前年同期と比べ8億2千万円減少しました。これは主に、有価証券の償還による収入33億円などによる資金の増加と、有価証券の取得による支出30億円、有形固定資産の取得による支出10億1千5百万円などによる資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は1億2千5百万円と前年同期と比べ3百万円増加しました。これは主に、配当金の支払1億1千6百万円などによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細につきましては、「第4 経理状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)をご参照ください。
①生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次の通りであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
精密部品製造及びユニット加工事業(千円) |
15,114,930 |
14.5 |
(注) 金額は販売価格で表示しております。
②受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は次の通りであります。
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
精密部品製造及びユニット加工事業(千円) |
16,540,031 |
9.6 |
6,289,158 |
30.7 |
(注) 金額は販売価格で表示しております。
③販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次の通りであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
精密部品製造及びユニット加工事業(千円) |
14,092,854 |
5.7 |
(注) 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
㈱デンソー |
2,531,567 |
19.0 |
2,660,318 |
18.9 |
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債、収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。当社経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断をしておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載してありますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 重要な収益及び費用の計上基準
製品又は金型の販売に係る収益は、主に製造販売であり、顧客との販売契約に基づいて商品又は製品を引き
渡す履行義務を負っております。
製品売上において「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷
時点から該当製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間であることから、出荷時点で収益を認
識しております。
また、金型売上はプレス金型及び成形金型があり、顧客の検収をもって売上に計上しております。
b. 貸倒引当金の計上基準
金銭債権の貸倒れによる損失に備えて、一般債権については貸倒実績率法、貸倒懸念債権については財務
内容評価法によっております。将来、取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には追加引当の計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
c. 棚卸資産の評価基準
当社グループの棚卸資産の評価については、金型を除く製品は受払管理を合理的に行い発生費用を払出原価と期末在庫に費用配分しております。また、金型は個別原価を集計することがより適切な在庫評価となるため、金型を除く製品については総平均法による原価法、金型については個別法による原価法を採用しております。
なお、連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法によっております。
d. 繰延税金資産の計上
当社グループは、繰延税金資産に対して定期的に回収可能性の評価を行っております。繰延税金資産は主に将来の課税所得の予測によるところが大きく、課税所得の予測については、事業計画等を基礎 としております。事業計画の策定においては、自動車メーカーの販売予測、発注見込数量など入手可能な情報に加え、新型コロナウイルス感染症の収束時期に一定の仮定をおいております。
なお、当社グループの受注環境においては、現在の状況が今後一定期間継続するものと見込んでおります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期及びその他の一定の仮定は、将来の市場動向や当社グループの事業活動の動向及びその他の要因により影響を受けるため、不確実性を伴うことから、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、繰延税金資産の回収可能性の評価に重要な影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績の分析
a. 売上高
売上高は前連結会計年度に比べ7億7千万円(対前年同期比5.8%増)増加の140億9千2百万円となりました。増収要因としては、当社の主力製品である自動車関連製品を含み、ほぼすべての製品売上が増加したことによるものです。
b. 営業損益
営業利益は5億9千8百万円(対前年同期比3.9%減)となりました。売上高の増加に対して売上総利益(当連結会計年度19億5千5百万円、前年同期18億8千5百万円)は微増となりました。販売費及び一般管理費(当連結会計年度13億5千6百万円、前年同期12億6千3百万円)の増加が減収要因となりました。
c. 営業外損益
営業外収益は1億2千5百万円(前年同期は1億9千2百万円)、営業外費用は5百万円(前年同期は4百万円)となりました。営業外収益の主な内訳は、受取配当金2千万円、受取保険料2千1百万円、投資有価証券売却益2千7百万円などによるものであります。その結果、経常利益は7億1千8百万円(対前年同期比11.3%減)となりました。
d. 特別損益
特別利益は1千4百万円(前年同期は7百万円)、特別損失は8百万円(前年同期は1千8百万円)となりました。
e. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は5億4千9百万円(対前年同期比3.6%減)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。
b. 資金需要について
当連結会計年度における設備投資額8億5千8百万円及び研究開発費に関わる支出は、内部留保等によりまかないました。
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