(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、社会経済活動に回復傾向が見られたものの、ウクライナ情勢が引き続き不透明ななか、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等による景気の下振れが懸念されております。
当社グループの属する教育サービス業界におきましては、少子化が進むなかで、様々な教育制度改革が進行しております。
また、新型コロナウイルス感染症を起因とし、あらゆる産業でアナログからデジタルへの転換、サービスの在り方が見直されるなか、IT技術の活用等による新たな教育・指導形態の必要性も一層高まってきております。
このような状況のもと、当社グループでは、教育サービス事業の経営マネジメントを強化したことに伴い、当連結会計年度より「森塾」「湘南ゼミナール」及び「河合塾マナビス」の3つの報告セグメントに区分し、セグメントごとの概況を開示することといたしました。
なお、前第1四半期連結会計期間末に株式会社湘南ゼミナールの全株式を取得し子会社化いたしましたので、前連結会計年度には前第1四半期連結累計期間の被取得企業の業績は含んでおりません。
中核事業である個別指導形式の学習塾「森塾」におきましては、当連結会計年度末において191教室(前期末比16教室増)展開しておりますが、その内訳は、株式会社スプリックス運営が146教室(前期末比16教室増)、株式会社湘南ゼミナール運営が45教室(前期末比増減なし)であります。夏期の生徒募集期に新型コロナウイルス感染症の再拡大があったものの堅調に推移いたしました。
これらの結果、当連結会計年度末における「森塾」在籍生徒数は47,728人と、株式会社湘南ゼミナールの運営する「森塾」と合わせ、前期末比3,097人増となりました。その内訳は、株式会社スプリックス運営が37,591人(前期末比2,364人増)、株式会社湘南ゼミナール運営が10,137人(前期末比733人増)であります。
集団指導形式の学習塾「湘南ゼミナール」におきましては、当連結会計年度末において182教室(前期末比4教室増)を展開しております。
講義映像とチューターを用いた大学受験指導を行う学習塾である「河合塾マナビス」におきましては、当連結会計年度末において株式会社湘南ゼミナールがフランチャイジーとして48教室(前期末比1教室増)を展開しております。
当連結会計年度末における主な学習塾ブランドごとの売上高、セグメント利益、教室数及び生徒数は以下のとおりであります。
|
森塾 |
|
湘南 ゼミナール |
河合塾 マナビス |
|
スプリックス 運営 |
湘南ゼミナール 運営 |
||||
売上高(注1) |
14,512百万円 |
11,480百万円 |
3,031百万円 |
8,945百万円 |
3,330百万円 |
セグメント利益(注1、2) |
3,564百万円 |
2,964百万円 |
600百万円 |
1,113百万円 |
545百万円 |
EBITDA(注3) |
3,786百万円 |
3,069百万円 |
716百万円 |
1,462百万円 |
710百万円 |
2022年9月末現在教室数 |
191教室 |
146教室 |
45教室 |
182教室 |
48教室 |
2022年9月末現在生徒数 |
47,728人 |
37,591人 |
10,137人 |
20,918人 |
5,202人 |
注1)売上高は外部顧客への売上高、及びセグメント利益は、セグメント間取引の相殺前の数値であります。
注2)セグメント利益は、のれんを除く無形固定資産の償却費を反映しております。
注3)EBITDAは、営業利益+支払利息+減価償却費であります。
上記の事業の他、「新規事業(研究開発費等を含む)」、「自立学習RED」、「そら塾」、教育関連サービス(フォレスタシリーズの販売、「東京ダンスヴィレッジ」の運営)、「プログラミング能力検定」、「和陽日本語学院」等を展開しております。
「自立学習RED」は、教育ITを利用した学習塾であり、当連結会計年度末において直営5教室(前期末比増減なし)、FC183教室(前期末比24教室増)を展開しております。
また、「その他」に含まれる教育関連サービスにおきましては、個別指導用教材「フォレスタシリーズ」、ICTを活用した映像教材「楽しく学べるシリーズ」、塾講師募集webサイト「塾講師JAPAN」などの既存事業がいずれも好調だったことに加え、株式会社サイバーエージェントグループと協業中の「キュレオプログラミング教室」「プログラミング能力検定」などの新規事業も順調に拡大しております。さらに、AIタブレットで基礎学力を養成する「DOJO」や、スプリックス基礎学力研究所による国際基礎学力検定「TОFAS」の提供を開始するなど、学習塾サービスとの相乗効果を最大限に発揮できる取組みも積極的に進めております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は29,352百万円(前期末比13.3%増)、営業利益は2,778百万円(前期末比14.0%増)、経常利益は2,782百万円(前期末比14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,607百万円(前期末比9.5%増)、EBITDA(=営業利益+支払利息+のれん償却+減価償却費)は3,938百万円(前期末比16.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度末における総資産は19,574百万円(前連結会計年度末比296百万円増)、負債は9,799百万円(前連結会計年度末比612百万円減)、純資産は9,774百万円(前連結会計年度末比909百万円増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、5,935百万円(前連結会計年度末比227百万円減)となりました。主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果として得られた資金は、2,203百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益は2,661百万円、法人税等の支払額は1,175百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果として使用した資金は、1,384百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出669百万円、事業譲受による支出497百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果として使用した資金は、1,047百万円となりました。これは主に、配当金の支払額685百万円、長期借入金の返済による支出363百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ロ.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
森塾 |
14,512 |
10.0 |
湘南ゼミナール |
8,945 |
18.6 |
河合塾マナビス |
3,330 |
17.3 |
その他 |
2,563 |
10.4 |
合計 |
29,352 |
13.3 |
(注)1.その他には、製品売上高が含まれております。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績については、以下のように分析しております。
イ.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は29,352百万円(前期比13.3%増)、営業利益は2,778百万円(前期比14.0%増)、経常利益は2,782百万円(前期比14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,607百万円(前期比9.5%増)、EBITDA(=営業利益+支払利息+のれん償却+減価償却費)は3,938百万円(前期比16.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
ロ.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、19,574百万円(前連結会計年度末比296百万円増)となりました。主な要因は、現金及び預金が227百万円減少したものの、建物及び構築物が353百万円、未収入金が196百万円増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、9,799百万円(前連結会計年度末比612百万円減)となりました。主な要因は、前受金が244百万円増加したものの、長期借入金が363百万円、未払金が262百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、9,774百万円(前連結会計年度末比909百万円増)となりました。主な要因は、配当金の支払いにより685百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,607百万円により増加したことなどによるものであります。
ハ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、規模、収益性、資本効率を重視しております。規模については「売上高増加率」、収益性の指標としては営業外取引に重要な取引がないことから「売上高営業利益率」、また、資本効率の指標としては「ROE(自己資本当期純利益率)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「売上高増加率」は13.3%、「売上高営業利益率」は9.5%、「ROE(自己資本当期純利益率)」は17.3%でした。
当社グループでは、引き続きこれらの指標を重要な経営指標と位置づけ、経営課題に取り組んでまいります。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、営業活動収入2,203百万円を、新規教室の開校などの投資活動支出1,384百万円、及び配当金支払や長期借入金の返済に伴う財務活動支出1,047百万円に充て、現金及び現金同等物は、227百万円減少しております。詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、原則として自己資金で賄い、必要に応じて銀行借入を行う方針であります。今後も適切な資金確保及び健全で安定した財務体質の維持に努めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、重要となる会計方針については、第5「経理の状況」 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
当社グループは、資産の評価等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を反映して連結財務諸表を作成しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、記載すべき事項の全部を第5「経理の状況」 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
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