業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(CОVID-19)の世界的な拡大が依然として続く中、国内では感染症拡大防止への継続的な取組みや、ワクチンの追加接種が促進されたことに伴い、景気持ち直しの動きが見られるようになりました。一方で、足元では変異株の感染者が急速に増加しており、いまなお先行きは不透明な状況にあります。

当社グループの属する人材育成業界においては、多くの企業において在宅・テレワークが導入され、またその環境が定着してきたことで、オンラインでの研修実施やeラーニングの利用が学びのスタンダードへとシフトしてきております。

このような環境の中、当社グループでは、通常より行っている法人向け教育における教室型研修の実施に注力しながら、オンライン化されたグローバル人材育成の研修の実施等の研修テーマの拡充やeラーニングコンテンツの拡大に継続的に取り組み、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます。– all the possibilities –」というMissionのもと、新しい働き方に合わせた人材育成のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進してまいりました。

なお、当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントでありますが、経営成績の概況についてはセグメントに代えてサービス別に記載しております。

 

1.法人向け教育

<教室型研修>

教室型研修の当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響からテレワークに代表される新しい働き方が急速に浸透し、研修のオンライン移行やeラーニングの導入が進むことで順調に推移しました。

以上の結果、教室型研修の売上高は、1,824,429千円(前連結会計年度比30.9%増)となりました。

 

<グローバル人材育成>

海外派遣型研修やビジネス英会話サービスの「ALUGO」を提供しているグローバル人材育成の当連結会計年度における売上高は、渡航制限による影響から一時的な落ち込みが見られたものの、教室型研修と同様にオンライン移行による研修体制の変化を好材料に大きく売上を伸ばしました。

以上の結果、グローバル人材育成の売上高は、253,099千円(前連結会計年度比81.1%増)となりました。

 

上記のとおり、法人向け教育は前連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていたものの、当連結会計年度はアフターコロナに向けて新しい体制への移行が進みつつあります。

 

2.etudes

<etudes>

クラウド型eラーニングシステム「etudes」の当連結会計年度における売上高は、法人向け教育と同様に新型コロナウイルス感染症の拡がりによる新しい働き方の浸透が、人材育成のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促し、eラーニング等の受講状況の管理や、効果測定等が可能なラーニングマネジメントシステム(LMS)への注目度が増したことで拡大傾向にあります。

以上の結果、etudesの売上高は、217,244千円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。

 

3.その他

<海外教室型研修>

当社の海外子会社が現地法人向けに提供している海外教室型研修の当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症が蔓延する以前と比較し、渡航制限や現地での移動制限の影響を大きく受けたものの、オンライン移行による研修体制の変化が下支えする形となり、回復傾向にあります。

以上の結果、海外教室型研修の売上高は、101,461千円(前連結会計年度比36.0%増)となりました。

 

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は、2,396,234千円(前連結会計年度比31.7%増)と前連結会計年度に比べ576,608千円の増加となりました。

 

当連結会計年度における売上原価は、eラーニングやetudesの事業拡大に伴う人件費やサーバー等に係る費用の増加があった一方、オンラインでの研修実施の拡大により、納品に伴う旅費交通費や、教材のデジタル化による印刷外注費の減少等により全体的な原価率の低減がありました。当連結会計年度における原価率の低下は、人材育成のオンライン化に伴う低減効果が大きいと認識しており今後も継続するものと考えております。

販売費及び一般管理費においては、海外拠点の組織体制の見直しによる固定費の減少や、継続的なテレワークの推進により、オフィス内備品や書類の低減による消耗品費の低下や、通勤費及び営業目的での旅費交通費の抑制が活動費用の低減につながりました。

 

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における営業利益は278,358千円と前連結会計年度に比べ497,108千円の増加、経常利益は280,173千円と前連結会計年度に比べ497,108千円の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は、183,288千円と前連結会計年度に比べ374,753千円の増加となりました。

 

 

 財政状態については、当連結会計年度末では以下の通りとなりました。

(単位:千円)

 

前連結会計年度

2020年12月31日

当連結会計年度

2021年12月31日

増減

流動資産

1,694,793

1,783,806

89,012

固定資産

250,790

233,910

△16,880

資産合計

1,945,584

2,017,716

72,132

 

 

 

 

流動負債

432,119

579,505

147,385

固定負債

669,119

400,488

△268,630

負債合計

1,101,239

979,993

△121,245

 

 

 

 

純資産合計

844,345

1,037,723

193,377

 

 

 

 

負債純資産合計

1,945,584

2,017,716

72,132

 

 

 

主な変動理由は以下の通りです。

流動資産

当連結会計年度における流動資産残高は、1,783,806千円となり、前連結会計年度に比べて89,012千円の増加となりました。これは主に、売掛金が81,735千円増加したことによるものです。

 

固定資産

当連結会計年度における固定資産残高は、233,910千円となり、前連結会計年度に比べて16,880千円の減少となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、税務上の繰越欠損金にかかる繰延税金資産等が39,689千円減少したことによるものです。

 

流動負債

当連結会計年度における流動負債残高は、579,505千円となり、前連結会計年度に比べて147,385千円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、未払法人税等が65,934千円増加したことによるものです。

 

固定負債

当連結会計年度における固定負債残高は、400,488千円となり、前連結会計年度に比べて268,630千円の減少となりました。これは、主に長期借入金が返済により269,476千円減少したことによるものです。

 

純資産

当連結会計年度における純資産残高は、1,037,723千円となり、前連結会計年度に比べ193,377千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が182,140千円増加したことによるものです。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、1,285,739千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動により獲得した資金は、365,847千円となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益が280,173千円となったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、60,542千円となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出が14,523千円、無形固定資産の取得による支出が41,921千円となったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、285,633千円となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出が287,408千円となったこと等によるものです。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 なお、新型コロナウィルス感染症の影響については、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。 

 

  繰延税金資産の回収可能性

  繰延税金資産は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に定める

  会社分類に基づき、当連結会計年度末における将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の税金

  負担額を軽減することができる範囲内で計上しております。計上に当たっては、中期事業計画に基づく将来課税

  所得 の見積りを行っております。

   また、繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる将来の課税所得の見積りは、今後の教室型研修サービス

  における顧客からの受注見込及び売上高成長率を主要な仮定とした中期事業計画を基礎として行っております。

  翌連結会計年度において、経営環境の著しい悪化等によって見積りにおいて用いた仮定の見直しが必要となっ

  場合、連結財務諸表において認識する繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

イ.生産実績

当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントであり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。

 

区分

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

受注高
 (千円)

前年同期比
 (%)

受注残高
 (千円)

前年同期比
 (%)

教室型研修

1,944,478

161,4%

521,564

129.9%

グローバル人材育成

236,768

447.0%

36,489

69.1%

海外教室型研修

120,541

141,7%

37,615

202.9%

etudes

222,843

101.0%

26,931

126.3%

合計

2,524,632

163.6%

622,600

126.0%

 

(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度において、グローバル人材育成の受注実績に著しい変動がありました。これは、前

  連結会計年度に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていたものの、当連結会計年度にお

  いてオンライン移行による研修体制の変化を好材料に大きく売上を伸ばしたことによるものです。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

教室型研修

1,824,429

130.9%

グローバル人材育成

253,099

181.1%

海外教室型研修

101,461

136.0%

etudes

217,244

102.9%

合計

2,396,234

131.7%

 

(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の

  販売実績等の記載は省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。

また、当社の財務諸表作成で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載の通りです。

この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

 

② 経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

 

③ 財政状態の分析、キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における財政状態の分析ならびに当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況、②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、運転資金に加え、オンライン研修導入企業増加の流れを確実にキャッチするために、若手・中堅社員向けの研修テーマに留まらず管理職・経営層向けの研修テーマやグローバルリーダー向けの研修テーマの拡充や、eラーニングコンテンツ数の拡大などへの投資、etudesサービスの機能追加及びUXの向上への投資など、当社デジタル教材の充実のための投資があります。これらの資金需要に対して、主に自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達する方針としております。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,285,739千円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した課題に対応していくことが必要であると認識しております。現在当社が置かれている環境を鑑み、経営者は外部環境の変化についての情報入手及び分析を継続的かつ迅速に行い、適切な対応策を策定し実施していく方針であります。

当社グループは、現状においては事業拡大フェーズにあると考えており、一定の収益性を確保しながら売上高を成長させていくことが重要であると考えています。したがって、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、売上高、売上高成長率、営業利益ならびに営業利益率を重視しています。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、重視している指標が前連結会計年度を下回る結果となったものの、研修のオンライン化が急速に浸透し、またオンライン研修は従来の集合形式での研修に比べ印刷費・会場費・旅費等の原価が低減が可能となりました。以上のことから、これら指標の当連結会計年度の実績および翌連結会計年度の計画は以下の通りとなっております。

 

 

 

前連結会計年度

(実績)

当連結会計年度

(実績)

翌連結会計年度

(計画)

売上高

(百万円)

1,819

2,396

2,655

売上高成長率

(%)

△27.5

31.7

10.8

営業利益又は営業損失(△)

(百万円)

△218

278

190

営業利益率

(%)

11.6

7.2

 

 

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