業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、MX事業は、顧客ニーズに応じて複数のサービスを組み合わせて提供をしており、サービスごとに売上高や売上総利益率は大きく異なっているため、売上総利益の確保を重視しております。例えば、テレビCM枠の購入やタレントのキャスティング等の外注を要するテレビCM案件は、売上高は大きいものの、利益率が比較的低くなる傾向にあります。

 また、EX事業は、アーティストのマネジメント及びプロデュース、マーチャンダイジング及びコンサートやイベントの企画・制作・運営、ファンクラブ運営、さらには、デジタルコンテンツの企画・制作・販売・配信等のサービスを提供しており、同様にサービスごとに売上高や売上総利益率は大きく異なっているため、売上総利益の確保を重視しております。

 以上より、当社は、売上総利益の確保のためにMX事業においては、案件利益率の向上やクリエイターの稼働管理の徹底、EX事業においては、マーチャンダイジング及びツアーやイベントの利益率改善を推進しております。

 

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種等その影響の縮小を目指した動きがみられた一方で、変異株の感染拡大の懸念等により、依然として景気の先行きは不透明な状況が続きました。

 このような状況下において、MX事業では、案件獲得能力の組織的強化、各案件の収益性向上及び社員の生産性向上に取り組みました。また、EX事業では、コロナ禍での安全なライブの開催、ファンの皆様に満足していただけるグッズの販売及び様々なメディアを通じたファンクラブ会員の獲得に取り組みました。このような活動の結果、2021年11月27日開催のTACHIKAWA STAGE GARDENを皮切りに2022年2月26日と27日に国立代々木競技場第一体育館にて開催されたファイナルまで、全13会場33公演を約3ヶ月にわたって開催した7ORDER(セブンオーダー)の全国ツアー「Date with.......」は、7ORDERツアー史上最大の8万5千人以上を動員しました。さらに2022年5月21日と22日には、幕張メッセにてグループ結成3周年イベントとして『7ORDER 3周年感謝祭「燦参七拍子(さんさんななびょうし)」』の開催に至りました。

 上記の影響もあり、当社として過去最高の売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益を更新しました。

 以上の結果、当社の当事業年度における売上高は3,367,985千円(前期比91.6%増)、営業利益は231,425千円(前期は営業損失239,376千円)、経常利益は229,836千円(前期は経常損失208,316千円)、当期純利益は187,081千円(前期は当期純損失49,620千円)となりました。

 また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。なお、当該会計方針の変更による影響は軽微であります。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当社は、従来「ブランディング事業」のみの単一セグメントでありましたが、当事業年度より、新規事業であるEX事業を開始したことに伴い、報告セグメントとして「EX事業」を追加しております。また、当該変更に伴い、従来「ブランディング事業」としていた報告セグメントの名称を、「MX事業」に変更しております。当該変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。また、前事業年度のセグメントごとの経営成績については、変更後の区分方法により算定することが実務上困難であるため、前年同期との比較は行っておりません。

①MX事業

 MX事業では、顧客の企業としてのブランド価値や商品・サービスのブランド価値を高めるべく、一般消費者へのイメージアップや認知度・購買意欲の向上等を図るためのソリューションを提供しております。そのため、顧客の顕在化したニーズだけではなく潜在的なニーズも引き出し、各ニーズに合うような様々なサービスを組み合わせた提案を行い、元請から下請に至る多段階構造ではなくワンストップでソリューションを提供し、既成概念を打ち破るクリエイティブとビジネスソリューション、それらを実現するテクノロジーを駆使したアイデアを実装していきます。MX事業では、コンサルティング会社・広告会社・PR会社等縦割りで進めていたビジネスを内製化により一気通貫することで、迅速な対応及び顧客へコストメリットを創出することができ、企業や社会の挑戦に伴走します。

 なお、売上高は2,078,619千円、セグメント利益は457,792千円となりました。

 

 

②EX事業

 EX事業とは、エンターテインメント・トランスフォーメーション事業の略語で、エンターテインメント業界をアップデートするべく、当社の主力事業領域であるクリエイティブやデジタル・テクノロジーを駆使し、新進気鋭のアーティストやクリエイターと連携しながら新しいエンタメの形を創出する事業であります。わが国においては、通信やデジタル・テクノロジーの発達で、リアル空間からデジタル空間をストレスなく、シームレスに行き来できるようになってきており、新しいエンターテインメントの形や次世代のエンターテイナーが次々と生まれようとしております。このような状況下において、当社が従来から有するブランディング・広告プロモーションやデジタル・テクノロジーの知見を駆使して、型にとらわれずジャンルレスに生きる次世代アーティスト・クリエイターがファンとの新たなコミュニケーションや関係を構築でき、スターになるためのプラットフォームを実現します。

 2021年9月14日の「新規事業の開始と業績予想の修正に関するお知らせ」で公表いたしましたとおり、当該事業は2021年9月より開始しており、ライブ出演、グッズの販売及びファンクラブ会費等の収入が発生しております。

 なお、売上高は1,289,365千円、セグメント利益は219,149千円となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)
 当事業年度末における資産合計は1,842,909千円となり、前事業年度末に比べて681,303千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が209,591千円、受取手形が51,580千円、売掛金が330,111千円、契約資産が56,401千円増加したことによるものであります。

 

(負債)
 当事業年度末における負債合計は1,316,193千円となり、前事業年度末に比べて486,727千円の増加となりました。これは主に、買掛金が191,129千円、短期借入金が174,000千円、未払法人税等が46,920千円、その他が61,360千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)
 当事業年度末における純資産合計は526,715千円となり、前事業年度末に比べて194,575千円の増加となりました。これは主に、当期純利益の計上等により利益剰余金が188,534千円増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、705,479千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、70,071千円の収入(前事業年度は123,214千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益202,318千円、減価償却費15,351千円、投資有価証券評価損40,517千円、売上債権の増加額440,076千円、棚卸資産の減少額16,644千円、仕入債務の増加額191,129千円、その他49,320千円、法人税等の支払額19,579千円などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、36,680千円の支出(前事業年度は60,753千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,648千円、無形固定資産の取得による支出4,272千円、投資有価証券の取得による支出30,000千円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、176,200千円の収入(前事業年度は79,311千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額174,000千円、長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出202,105千円などによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 当社は、従来「ブランディング事業」のみの単一セグメントでありましたが、当事業年度より「MX事業」及び「EX事業」の2つの報告セグメントに変更しております。なお、前事業年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により算定することが実務上困難であるため、前年同期との比較は行っておりません。

 

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

MX事業

2,916,084

837,465

EX事業

合計

2,916,084

837,465

(注)EX事業は、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

MX事業

2,078,619

EX事業

1,289,365

合計

3,367,985

191.6

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自  2020年7月1日

至  2021年6月30日)

当事業年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社アイモット

756,786

22.5

(注)前事業年度の株式会社アイモットに対する販売実績はございません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来事象に関する予測・見通し等は、当事業年度末現在において判断したものであり、それらには不確実性が内在し将来の結果とは大きく異なる可能性があります。

 

① 当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は3,367,985千円となり、前事業年度に比べ1,610,082千円の増加(前期比91.6%増)となりました。これは主に案件獲得能力の組織的強化及び一気通貫したサービス提供に加えて、全13会場33公演でツアー史上最大の8万5千人以上を動員した7ORDERの全国ツアー及び、グループ結成3周年イベント『7ORDER 3周年感謝祭「燦参七拍子(さんさんななびょうし)」』の開催に伴い増加したものであります。

 

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は2,521,245千円となり、前事業年度に比べ1,212,375千円の増加(前期比92.6%増)となりました。また、売上総利益は846,739千円となり、前事業年度に比べ397,706千円の増加(前期比88.6%増)となりました。これは主に外注費の増加に伴い売上原価が増加しましたが、売上高の増加が売上原価の増加を上回ったことによるものであります。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は615,313千円となり、前事業年度に比べ73,095千円の減少(前期比10.6%減)となりました。その主な内訳は、給与手当139,786千円、地代家賃106,184千円、役員報酬72,900千円であります。

この結果、営業利益は231,425千円(前期は営業損失239,376千円)となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は4,411千円となり、前事業年度に比べ30,608千円の減少(前期比87.4%減)となりました。また、営業外費用は6,001千円となり、前事業年度に比べ2,040千円の増加(前期比51.5%増)となりました。

この結果、経常利益は229,836千円(前期は経常損失208,316千円)となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は187,081千円(前期は当期純損失49,620千円)となりました。

 

b.財政状態の分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の資金需要のうち主なものは、売上原価並びに販売費及び一般管理費等の営業費であります。売上原価の主な内容は、原価部門における労務費及び業務委託費であります。販売費及び一般管理費の内訳の主な内容は、人件費及び地代家賃であります。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得