業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、景気は回復基調にあるものの依然として厳しい状況で推移いたしました。感染力の強い変異株の発生等、感染の再拡大が深刻化しており、ワクチン接種も進んではいるものの依然として先行きが不透明な状況が続くものと予想されます。

当社グループを取り巻く事業環境においては、福祉業界では障害者数全体は増加傾向にあり、その内、障害福祉サービス及び障害児サービスの利用者数も2021年8月時点で135万人と前年同月と比べ6.1%増加(出典:厚生労働省「障害福祉サービス等の利用状況」)しており、この増加は継続していくものと考えております。また、当社グループが開設を行っている共同生活援助(介護サービス包括型)の利用者数(延べ人数)も2021年8月時点で128,356人と前年同月と比べ8.6%増加(出典:厚生労働省「障害福祉サービス等の利用状況」)しております。入所施設からの地域移行への受け皿としての機能や、障害者の高齢化・重度化や「親なき後」を見据えた支援体制の強化が求められており、今後も需要の増加が見込まれると考えております。2021年度の障害福祉報酬改定については、重度障害者や医療的ケア児等の受入促進に対応した内容となりました。

介護業界では「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者世代となる2025年には65歳以上人口は3,677万人、「団塊の世代ジュニア」が全員65歳以上となる2040年には65歳以上人口は3,935万人に達すると推計(出典:内閣府「令和2年版高齢社会白書」)され、高齢者人口の増加にともない、今後も需要の増加と拡大が想定されています。一方で、介護職員の人材不足という課題があります。

外食業界では新型コロナウイルス感染症拡大防止にともない、政府・各自治体からの酒類提供自粛要請や営業時間短縮要請等の大幅な制限等により経営環境は厳しいものとなりました。

このような状況の下、当社グループでは新型コロナウイルス感染拡大防止対策に取り組みながら、積極的に新規事業所の開設を行ってまいりました。福祉事業では放課後等デイサービスを新規に1事業所、共同生活援助(グループホーム)を新規に12事業所(82居室)、就労継続支援B型事業所を新規に1事業所、生活介護事業所を新規に1事業所開設、介護事業では通所介護(デイサービス)を新規に2事業所開設、外食事業ではテイクアウト専門業態を新規に2店舗開店、居酒屋1店舗閉店し、当連結会計年度末の各事業の拠点数は福祉事業66事業所、介護事業38事業所、外食事業9店舗となりました。

以上の結果、売上高4,114,326千円と前連結会計年度と比べ27,723千円(0.7%)の増収、営業損失234,354千円(前連結会計年度は営業利益106,823千円)、経常利益39,254千円と前連結会計年度と比べ158,607千円(80.2%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益1,306千円と前連結会計年度と比べ101,450千円(98.7%)の減益となりました。

また、資産は運転資金の新規借入により、現金及び預金が197,069千円増加、福祉・介護事業所の新設及び不動産の購入により、建物が272,422千円増加、建物附属設備が78,165千円増加、土地が246,080千円増加しました。負債は運転資金等の確保により、長期借入金が917,015千円増加しました。純資産は自己株式取得により、自己株式が26,136千円増加しております。

以上の結果、当連結会計年度末における総資産は、4,728,330千円と前連結会計年度と比べ889,435千円(23.2%)の増加、負債の部は3,396,879千円と前連結会計年度と比べ913,376千円(36.8%)の増加、純資産は1,331,450千円と前連結会計年度と比べ23,941千円(1.8%)の減少となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(福祉事業)

福祉事業におきましては、放課後等デイサービスを埼玉県に1事業所、共同生活援助(グループホーム)を千葉県に4事業所(29居室)、埼玉県に2事業所(14居室)、三重県に3事業所(18居室)、新たに東京都に2事業所(14居室)、神奈川県に1事業所(7居室)、就労継続支援B型事業所を千葉県に1事業所、生活介護事業所を埼玉県に1事業所を開設する等、積極的な事業展開を図りました。これらにより、当連結会計年度末時点で66事業所(169居室)となり、売上高2,100,870千円と前連結会計年度と比べ241,913千円(13.0%)の増収、営業利益140,697千円と前連結会計年度と比べ131,570千円(48.3%)の減益となりました。

 

(介護事業)

介護事業におきましては、6月と8月に通所介護(デイサービス)をそれぞれ1事業所ずつ開設しております。これらにより、当連結会計年度末時点で38事業所となり、売上高1,658,685千円と前連結会計年度と比べ79,911千円(5.1%)の増収、営業利益84,091千円と前連結会計年度と比べ55,028千円(39.6%)の減益となりました

 

(外食事業)

外食事業におきましては、継続的にまん延防止等重点措置や緊急事態宣言が都市部を中心に発令されたことを受けて、酒類提供自粛要請や営業時間短縮等の大幅な制限に応じながら営業をしてまいりました。緊急事態宣言の解除以降、個人消費は回復の兆しもみられております。また、新たな試みとしてテイクアウト業態を始めました。これらにより、当連結会計年度末時点で9店舗となり、売上高354,770千円と前連結会計年度と比べ294,102千円(45.3%)の減収、営業損失187,260千円(前連結会計年度は営業損失56,405千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、2,488,362千円と前連結会計年度末と比べ197,069千円増加(前連結会計年度末は2,291,293千円)しました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は12,320千円と前連結会計年度と比べ20,694千円減少(前連結会計年度は8,374千円の獲得)しました。これは主に、収入として税金等調整前当期純利益64,039千円、減価償却費68,995千円、その他の流動負債の増加34,998千円を計上した一方、支出として有形固定資産売却益の増加31,841千円、売上債権の増加66,477千円、法人税等の支払又は還付108,295千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は670,091千円と前連結会計年度と比べ576,130千円減少(前連結会計年度は93,961千円の支出)しました。これは主に、有形固定資産の売却による収入261,034千円があった一方で、支出として不動産の購入にともなう有形固定資産の取得858,101千円、無形固定資産の取得による支出35,679千円、敷金及び保証金の差入24,193千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、得られた資金は879,481千円と前連結会計年度と比べ829,623千円減少(前連結会計年度は1,709,105千円千円の獲得)しました。これは主に、長期借入れ1,720,000千円による収入があった一方で、支出として長期借入金の返済806,673千円、自己株式の取得による支出26,136千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントで示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

外食事業

175,969

64.4

合計

175,969

64.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c.受注実績

該当事項はありません。

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

福祉事業

2,100,870

113.0

介護事業

1,658,685

105.1

外食事業

354,770

54.7

合計

4,114,326

100.7

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京都国民健康保険

団体連合会

1,637,249

40.06

1,622,795

39.44

千葉県国民健康保険

団体連合会

669,331

16.38

758,879

18.44

 

 3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性がともなうため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

当社の連結財務諸表作成に当って採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。

a.売上高

売上高につきましては、4,114,326千円と前連結会計年度と比べ27,723千円(0.7%)増収しました。この主な要因は、外食事業では新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、外食店舗及び加工・物流センターの売上高が、前期に引き続き大きく減少したが、福祉・介護事業で2019年11月期開設事業所の立ち上がり、並びに2020年11月期開設事業所の通期稼働、2021年11月期の新規開設により増加したことによるものです。

 

b.売上原価及び売上総利益

売上原価につきましては、3,950,862千円と前連結会計年度と比べ328,638千円(9.1%)増加しました。この主な要因は、福祉事業で新たに15事業所、介護事業で2事業所を開設したため、人件費や事業所運営費が増大したことによるものです。この結果、売上総利益は163,463千円と前連結会計年度と比べ300,915千円(64.8%)の減益となりました。

 

 

c.販売費及び一般管理費並びに営業利益

販売費及び一般管理費につきましては、397,818千円と前連結会計年度と比べ40,262千円(11.3%)増加しました。この主な要因は、本部管理部門の人員増員による人件費の増加や、上場維持費用の増加によるものです。この結果、営業損失は234,354千円と前連結会計年度と比べ341,177千円(前連結会計年度は営業利益106,823千円)の減益となりました。

 

d.営業外収益、営業外費用及び経常利益

営業外収益につきましては、294,127千円と前連結会計年度と比べ166,763千円(130.9%)増加しました。この主な要因は、新型コロナウイルス感染症関連の給付金によるものです。営業外費用につきましては、20,517千円と前連結会計年度と比べ15,807千円(43.5%)減少しました。この主な要因は、前期に株式発行費用及び上場関連費用が発生したことによるものです。この結果、経常利益は39,254千円と前連結会計年度と比べ158,607千円(80.2%)の減益となりました。

 

e.特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益につきましては、31,841千円と前連結会計年度と比べ31,841千円増加しました。この主な要因は、所有不動産の売却によるものです。特別損失につきましては、7,056千円と前連結会計年度と比べ3,129千円(30.7%)減少しました。この主な要因は、前期に外食3店舗の減損損失等を計上したことによるものです。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,306千円と前連結会計年度と比べ101,450千円(98.7%)の減益となりました。

 

f.資産の部

資産につきましては、4,728,330千円と前連結会計年度と比べ889,435千円(23.2%)増加しました。この主な要因は、運転資金の借入金が増加したことにより、現金及び預金が197,069千円(8.6%)増加、福祉・介護事業所の新設及び不動産の購入により、建物が272,422千円(119.8%)増加、建物附属設備が78,165千円(25.9%)増加、土地が246,080千円(305.1%)増加したことによるものです。

 

g.負債の部

負債につきましては、3,396,879千円と前連結会計年度と比べ913,376千円(36.8%)増加しました。この主な要因は、新規事業所の運転資金等の取得により、長期借入金が917,015千円(57.4%)増加したことによるものです。

 

h.純資産の部

純資産につきましては、1,331,450千円と前連結会計年度と比べ23,941千円(1.8%)減少しました。この主な要因は、自己株式取得により自己株式が26,136千円増加したことによるものです。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、各種法規制、市場環境の変化、他社との競合、自然災害、出店計画、人材の確保等の影響を受けます。これらの要因が発生し、当社グループによる対応策が功を奏さなかった場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。具体的な内容につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当社グループの資金需要の主なものは、当社グループが運営する事業所の運転資金、新規事業所の設備投資資金、新規事業開拓及びM&Aにともなう資金等であります。資金需要に対しては、手元資金から充当することを基本としますが、資金需要が発生した場合は、金融機関等からの借入等、状況に応じた最適な資金の調達をしてまいります。

 

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成の状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、収益性の向上と資産効率の向上を目指しており、重要な経営指標として「売上高伸長率15%」「経常利益率10%」「ROE20%」を当面の目標としております。当連結会計年度の売上高は4,114,326千円と前連結会計年度と比べ0.7%増、経常利益率は1.0%となりました。今後は、福祉事業で共同生活援助(グループホーム)を中心に新規開設を進めていく一方、既存事業所では適正な運営、業務効率の改善等により、売上高及び経常利益率の向上を目指してまいります。また、当連結会計年度のROEは0.1%となりました。今後は、必要な成長投資を強化しつつ、収益力を底上げすることにより、ROEを高めてまいりたいと考えております。引き続き、企業価値の向上を図るとともに、持続的な成長を目指してまいります。

 

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