業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

当社は2021年10月1日に単独株式移転により、ヤマエ久野株式会社(以下「ヤマエ久野」という。)の完全親会社として設立され、第3四半期連結会計期間より第1期として初めて連結財務諸表を作成しておりますが、連結の範囲に実質的な変更はないため、前年同期と比較を行っている項目についてはヤマエ久野の第76期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)と、また、前連結会計年度末と比較を行っている項目についてはヤマエ久野の第76期連結会計年度末(2021年3月31日)と比較しております。

また、当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)の連結財務諸表は、単独株式移転により完全子会社となったヤマエ久野の連結財務諸表を引き継いで作成しております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大により、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用等で制限された経済活動が、ワクチン接種など感染拡大防止策の進行により緩和されつつありましたが、新たな変異株の感染が拡大したことで、依然として不透明な局面が継続しております。また、地政学的リスクをはじめ原材料価格の高騰や急激な円安進行など、不確実性がますます高まっている状況にあります。

このような環境の下、当企業グループは、「流通のトータルサポーター」として、グループ一丸となってサプライチェーン全体の発展に寄与していくと同時に、川上から川下までありとあらゆる場面においてビジネスをプロデュースする企業集団として、総合力を活かした営業体制の構築に努めてまいりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大や頻発する自然災害等の中においても、お取引先様と従業員の健康と安全確保に最大限配慮しながら、商品・サービスの安定供給を維持・継続し社会的使命を果たすとともに、「ウィズコロナ」「ポストコロナ」時代を迎えても永続的な成長を可能とする事業基盤の強化に努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度における売上高は、5,036億35百万円(前年同期比4.1%増)となり、198億1百万円の増収となりました。

利益面におきましては、グループ全体で業務の見直しや効率化に取り組むことで経営基盤の強化を図り、経常利益は78億94百万円(前年同期比309.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は67億21百万円(前年同期比260.8%増)となり、いずれも過去最高の結果となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項 (8)重要な収益及び費用の計上基準」をご参照ください。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(食品関連事業)

食品関連事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で内食化の傾向が継続しており、家庭用食材やEC(電子商取引)を中心とした通販の需要は堅調でした。また、業務用食材・酒類については、2021年10月の緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の解除により社会活動の制限が緩和され、持ち直しの兆候が見られたものの、年明け以降に新たな変異株の感染が拡大したことで、再び厳しい影響を受けていることに加え、大豆、小麦、食用油、原油、原材料等の値上げが続き、購買意欲減衰の要因も発生しております。

加工食品関連では、消費者の節約志向や低価格志向が根強い中、利益商材の発掘・提案を強化、物流・営業コストの削減に努めるとともに、商品の安定供給に注力し、新規顧客の獲得を進めてまいりました。

物流においては、コロナ禍や原油価格高騰の影響を受ける中においても、需要の変化に対応すべく、物流拠点の統廃合や在庫集約等に積極的に取り組むとともに、配送コースの削減や荷役人件費の適正化、業務全体の効率化といったコスト削減への取り組みを推進しております。共同配送事業の拡大と庫内改善活動の強力推進により物流品質の向上や機能充実にも努めてまいりました。また、少子高齢化、労働人口減少に対応すべく、AI、自動化設備等、庫内の機械化による省人化・作業の効率化、労働環境の整備を進めてまいりました。

生鮮食品関連では、農産物は北海道産馬鈴薯・玉葱の供給は引き続きひっ迫している状況にあり、価格高騰が続いているものの、その他の野菜は概ね潤沢であり安定して供給しております。水産物は業務用市場・家庭用市場とも供給に苦戦しました。畜産物はコロナ禍の影響で輸入原料の供給不足・入荷遅れ・高値相場が続いております。このような中、青果・精肉・鮮魚・惣菜の生鮮フルラインでの提案を継続し、高品質で安心・安全な商品を供給するため、原料産地との取り組みや商品力・開発力・品質管理技術が高いメーカー様との協力体制を強化してまいりました。

酒類関連では、家飲み消費では健康志向を背景に機能性発泡酒やノンアルコール飲料等が引き続き伸長しましたが、業務用市場はコロナ禍における酒類提供制限の影響を受け、依然として厳しい状況にあります。加えて、物流費・人件費が引き続き高騰しているため、利益が圧迫される状況が続いております。このような環境の下、物流支援ロボットの導入等、効率的な物流体制の構築によるコスト削減を図りました。また、ヤマエ久野の柱として取り組んでおります本格焼酎では、焼酎情報機能としてのホームページ「焼酎紀行」を充実させ、新しい生活様式に対応した商品発信を行うことで、「焼酎のヤマエ」として市場の拡大に努めてまいりました。

この結果、売上高は、3,447億85百万円(前年同期比0.3%減)となりセグメント営業利益は25億34百万円(前年同期はセグメント営業損失9億53百万円)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は30億13百万円減少しております。また、セグメント営業利益に与える影響は軽微であります。

 

(糖粉・飼料畜産関連事業)

糖粉・飼料畜産関連事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で家庭内消費は堅調を維持し、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の解除により人流が活発になったことで、一時的に業務用の需要にも復調の兆しが見られたものの、新たな変異株の感染拡大によって不透明な環境に戻っております。また、主力の取扱商品では値上げが続いております。

糖粉関連では、苦戦が続いていたお土産菓子、季節商品、外食産業向け原料などが一時期回復基調となった一方、中国の旺盛な買付・世界的な天候不順による穀物の減産・脱炭素の動きによる穀物を利用したバイオ燃料の需要増・原油高・海上運賃の高騰・円安等の要因により、主力取扱商品の食油・砂糖・小麦粉が大幅な値上げとなりました。このような環境の下、原料農産物の安定供給に向けて新たな産地の開拓・契約栽培等に努め、さらに顧客に役立つ情報提供と、「安心・安全」な商品を適正な価格で供給することに努めてまいりました。

飼料畜産関連では、主力商品である配合飼料の価格は、とうもろこし、大豆の中国の旺盛な買付や南米産地の作柄悪化、原油価格高騰による海上運賃値上がりの影響を受けて、値上げの展開となりました。畜産物については、巣ごもり需要が一巡し、食肉消費は減少するも輸入肉の価格高騰及び調達不足から国内相場を保つ状況となりました。鶏卵相場は、鳥インフルエンザの影響による生産量減少が起因し相場高が続いております。このような環境の下、お得意先様への技術指導、経営支援等の機能を発揮することで、既存顧客のシェアアップや新規顧客の獲得に努めてまいりました。

この結果、売上高は、755億58百万円(前年同期比7.3%増)となりセグメント営業利益は17億94百万円(前年同期比13.3%増)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は32億66百万円減少しております。また、セグメント営業利益に与える影響は軽微であります。

 

(住宅・不動産関連事業)

住宅・不動産関連事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、国民の消費マインドは依然として低調ながらも持ち直しの動きが進んでおります。住宅着工戸数についても前連結会計年度と比較して増加傾向にあり、また、新型コロナウイルス感染症の長期化から生活様式の変化が見られ、リモートワークが浸透しつつある状況下、自宅にワークスペースを設けるなど今までとは異なる新築戸建住宅や住宅リフォームに対する需要が高まっております。ただし、米国の住宅需要の高まりに端を発した木材の価格高騰と材料不足は未だ続いており、鉄製品においても価格の高騰と新型コロナウイルス感染症拡大に伴う輸入資材の入荷遅れによる資材不足が発生しております。

住宅関連では、プレカット製品を安定的に供給するために取引先との関係強化やプレカット販売価格の適正化を図り、プレカットを基盤とした新規販売先の開拓や非住宅木造建築物への販売強化、大手ハウスビルダー様との関係強化及び関連商材販売に取り組みました。また、「地域型住宅グリーン化事業」によりゼロエネルギー住宅や、二酸化炭素の排出抑制に寄与する認定低炭素住宅、そして長期優良住宅を志向する地場工務店様との関係を強化するとともに、ヤマエ久野が西日本地区の総代理店であります「通気断熱WB工法」の市場浸透を推進することで売上拡大に努めてまいりました。さらに、グループの企業間連携を一層深めることで相乗効果の増大を図り、商圏拡大、市場シェアアップに努めてまいりました。

賃貸事業では、福岡地区におけるオフィスビル市況は、新型コロナウイルスの感染拡大が続いた影響により、空室率が4%台まで上昇しております。このような環境の下、「安全・安心・快適」なオフィス空間の提供を通して、テナントビルの入居者への丁寧な対応及び新規入居者の確保に努めてまいりました。

この結果、売上高は、668億86百万円(前年同期比23.4%増)となりセグメント営業利益は44億72百万円(前年同期比102.2%増)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1億44百万円減少し、セグメント営業利益は90百万円減少しております。

また、2022年3月にヤマエ久野が保有する土地・建物の一部を譲渡したことに伴い、固定資産売却益を特別利益に33億88百万円計上しております。

 

(その他)

運送業界では、経済活動が徐々に活発化するに伴い輸送物量は回復傾向に転じましたが、コロナ禍以前には戻っておらず、また、燃料価格の高騰の影響を受け、経営環境はさらに厳しさを増しております。このような環境の下、乗務員、庫内作業員の安全を確保し雇用維持に努めながら、物流品質の向上、安全管理の徹底、業務の効率化、人材の確保など労働環境の改善・整備に積極的に取り組んでまいりました。

燃料関連事業では、石油製品需要の減少傾向が続く中、脱炭素の世界的な潮流を受け電動車の普及加速や天然ガス需要のひっ迫による原油の代替需要、OPECプラス協調減産を縮小する既定路線の維持、ウクライナ情勢等に起因した原油相場の高騰など取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。このような環境の下、卸・直売部門では新電力などの新規事業と、取引先との連携強化、コスト削減に努め、サービスステーションでは提案力や技術力の向上のためスタッフ教育に力を入れ、競争力強化を図ってまいりました。また、太陽光発電設備は順調に運用されております。

レンタカー事業では、年間を通して緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の発出、あるいはウィズコロナに向けた社会活動の制限緩和により、旅行客や出張法人等による需要が増加しました。このような環境の下、レンタカー需要のさらなる喚起に向けWeb予約料金の見直しやカーディーラーに対する営業強化等を進め、受注の確保に努めるとともに、車両在庫のコントロールによる原価削減を図ってまいりました。

情報処理サービス事業では、世界的な半導体不足による機器の価格高騰と入荷遅れが続いており先行き不透明な状況が続く中、顧客への情報提供と早期発注の提案等により希望納期に間に合わせるよう努めてまいりました。またセキュリティ対策ビジネスにおいては、昨今多発しているサイバー攻撃対策ツールを拡販、主力商材のひとつである食品製造業者向け自社パッケージソフト(食品製造業向け生産管理システム)のさらなる売上拡大を図るべく機能を強化し、受注に努めてまいりました。

この結果、売上高は、164億5百万円(前年同期比22.8%増)となりセグメント営業利益は3億40百万円(前年同期比121.6%増)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1億2百万円減少しております。また、セグメント営業利益に与える影響は軽微であります。

 

 

当連結会計年度における財政状態の主な項目の具体的な分析は、以下のとおりであります。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、928億31百万円(前連結会計年度末は828億95百万円)となり、前連結会計年度末と比べて99億35百万円増加しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「現金及び預金」が13億34百万円、「受取手形、売掛金及び契約資産」(前連結会計年度は「受取手形及び売掛金」)が59億69百万円、「原材料及び貯蔵品」が12億72百万円増加したためであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、880億58百万円(前連結会計年度末は852億18百万円)となり、前連結会計年度末と比べて28億40百万円増加しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「土地」が25億10百万円増加したためであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、972億79百万円(前連結会計年度末は881億73百万円)となり、前連結会計年度末と比べて91億6百万円増加しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「支払手形及び買掛金」が50億20百万円、「電子記録債務」が19億18百万円、「未払法人税等」が15億17百万円増加したためであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、230億74百万円(前連結会計年度末は253億49百万円)となり、前連結会計年度末と比べて22億74百万円減少しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「長期借入金」が26億70百万円減少したためであります。

この結果、負債合計の残高は、1,203億54百万円(前連結会計年度末は1,135億22百万円)となり、前連結会計年度末と比べて68億32百万円増加しました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、605億35百万円(前連結会計年度末は545億92百万円)となり、前連結会計年度末と比べて59億43百万円増加しました。その主な要因は前連結会計年度末と比べて「利益剰余金」が60億34百万円増加したためであります。

この結果、1株当たり純資産は2,449円66銭(前連結会計年度末は2,208円76銭)となり、前連結会計年度末と比べて240円90銭増加しました。また、自己資本比率は前連結会計年度末の31.1%から当連結会計年度末は32.1%となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用が、利益剰余金の期首残高に与える影響は軽微であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて12億94百万円増加し、当連結会計年度末には、154億77百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は83億17百万円(前連結会計年度比61.0%増)となり、前連結会計年度に比べて31億50百万円の収入の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益112億83百万円、仕入債務の増加額59億73百万円があったものの、売上債権の増加額54億90百万円、棚卸資産の増加額20億38百万円、未払金の減少額20億37百万円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は8億33百万円(前連結会計年度は資金の支出21億85百万円)となり、前連結会計年度に比べて30億18百万円の収入の増加となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入46億51百万円、保険積立金の解約による収入16億20百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出56億55百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は79億50百万円(前連結会計年度比23.8%減)となり、前連結会計年度に比べて24億85百万円の支出の減少となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出84億19百万円、リース債務の返済による支出16億18百万円があったものの、長期借入れによる収入32億円があったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当企業グループでは、食品・酒類、食品原材料、飼料・畜産・水産物及び、住宅資材・木材の販売を主たる事業としておりますので、生産実績については、記載を省略しております。

また、受注実績については、特定分野の受注実績の把握にとどまるため、記載を省略しております。

 

a. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

食品関連事業

269,795

+0.4

糖粉・飼料畜産関連事業

72,279

+7.2

住宅・不動産関連事業

49,989

+33.7

その他

12,340

+41.1

合計

404,405

+5.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、仕入価格によっております。

3 食品関連事業、住宅・不動産関連事業、その他の仕入高には原材料仕入高が含まれております。

 

b. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

食品関連事業

344,785

△0.3

糖粉・飼料畜産関連事業

75,558

+7.3

住宅・不動産関連事業

66,886

+23.4

その他

16,405

+22.8

合計

503,635

+4.1

 

(注)  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当企業グループは、過去の実績値や現状等を勘案し合理的に判断し、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、食品関連事業セグメントにおいて、2022年3月期以降も同感染症の影響は継続し、その後緩やかに回復していくものと仮定し会計上の見積りをしておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当企業グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

イ.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ198億1百万円増加し、5,036億35百万円(前年同期比4.1%増)となりました。

食品関連事業セグメントにおいては、主に、関東地区で業務用酒類卸や食品卸を展開している子会社において、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度も新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の影響を受けたものの、1年で最も需要が高まる12月において、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置のいずれも発出されていなかったことで、前年同期比62億83百万円の増収となりました。しかしながら、主に、小売店向けの酒類販売において、前連結会計年度の家庭内需要の高まりによる増収の反動を受けた影響で、50億84百万円、収益認識会計基準等の適用に伴い、主に財又はサービスが他の当事者により顧客に提供されるよう手配する履行義務に係る収益を純額で認識し、30億13百万円の減収となったことからセグメント全体では前年同期比11億9百万円の減収となりました。

糖粉・飼料畜産関連セグメントにおいては、主に、主力商品である食油・砂糖・小麦粉・配合飼料の値上げの影響で、84億29百万円の増収となったものの、収益認識会計基準等の適用に伴い、主に財又はサービスが他の当事者により顧客に提供されるよう手配する履行義務に係る収益を純額で認識し、32億66百万円の減収となったことから、セグメント全体では前年同期比51億63百万円の増収となりました。

住宅・不動産関連セグメントにおいては、住宅需要の回復、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う生活様式の変化から新たな需要が発生したこと及び、2021年4月に連結子会社となった株式会社栄住産業の業績取込等から、128億44百万円の増収となったものの、収益認識会計基準等の適用に伴い、主に顧客に支払われる対価を売上高から控除し、1億44百万円の減収となったことからセグメント全体では前年同期比126億99百万円の増収となりました。

なお、各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、食品関連事業が68.5%、糖粉・飼料畜産関連事業が15.0%、住宅・不動産関連事業が13.3%、その他事業が3.2%となりました。

 

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ66億67百万円増加し、503億14百万円(前年同期比15.3%増)となりました。売上総利益率は前連結会計年度に比べ1.0ポイント増加し、10.0%となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ9億56百万円増加し、434億36百万円(前年同期比2.3%増)となりました。売上高の推移と連動性のある荷造運搬費は前年同期比6億91百万円の減少となっておりますが、これは、売上高増加に伴う4億29百万円の増加と収益認識会計基準等の適用に伴い、従来荷造運搬費として認識していた費用のうち、顧客に支払われる対価を売上高から控除したことによる11億20百万円の減少によるものであります。

前連結会計年度に引き続き、ローコストオペレーションの追求による経費の削減に取り組んでいるほか、2021年10月に持株会社体制へ移行したことを皮切りに、グループ内の経営資源をこれまで以上に横断的・効率的に活用することでシナジーの最大化による利益確保に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ57億10百万円増加し、68億78百万円(前年同期比489.2%増)となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、主に、助成金収入の減少により前連結会計年度に比べ34百万円減少し、13億28百万円(前年同期比2.5%減)となりました。営業外費用は、主に、前連結会計年度に発生した貸倒引当金繰入額が当期は戻入となったこと及び、収益認識会計基準等の適用に伴い、売上割引を顧客に支払われる対価として売上高から控除したことの影響で、前連結会計年度に比べ2億88百万円減少し、3億12百万円(前年同期比48.0%減)となりました。

この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ59億65百万円増加し、78億94百万円(前年同期比309.3%増)となりました。

 

ロ.財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

ハ.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

ニ.当企業グループの資本の財源及び資金の流動性

(手元資金)

手元資金につきましては、保有残高について目標水準を定めておりませんが、事業活動に伴う資金需要に対する機動的な対応や経済情勢悪化の影響に備え、手元資金維持に努めております。

 

(資金需要)

当企業グループの資金需要は、営業活動による主なものは、当企業グループ取扱商品・製品製造のための材料及び部材の購入の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用(人件費、物流関係費用、固定資産維持管理費用、販売促進費その他の営業活動及び総務関連費用)があります。

また、投資活動による主なものは、事業活動の維持拡大に必要な設備投資及び子会社株式の取得等があります。

 

(資金調達)

当企業グループの営業活動及び投資活動の維持拡大に必要な資金の流動性及び安定性の確保を資金調達の基本方針としております。資金調達は主に内部資金や資産流動化により資金を捻出しておりますが、一時的に運転資金が不足する場合は短期借入金で、設備投資などの長期資金は長期借入金で、それぞれ金融機関から調達しております。

内部資金による資金調達については、取引約定サイト内での確実な債権回収の徹底と必要最低限の棚卸資産での運用で運転資金の圧縮により資金の捻出に努めております。また、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の活用により資金調達の一元化と資金効率化を図っております。

資産流動化による資金調達については、2004年3月より手形債権、2016年5月より売上債権の流動化を実行し資金調達の多様化を図っております。

借入金による資金調達については、当連結会計年度末現在の短期借入金残高は22億10百万円で主に変動金利による調達であります。また、長期借入金残高は168億45百万円で原則として固定金利による調達であります。

なお、従来より当座借越枠を設定しておりましたが、2019年7月においてコミットメントライン40億円を設定し、緊急時の流動性を確保しております。

 

ホ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2020~2022年度中期経営計画「NEW STAGE 2022」を2020年4月よりスタートし、最終年度である2022年度の売上高は6,000億円を目標にしております。2021年度の売上高は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた期間が前年度と比較して短かったこと及び新たに当企業グループに加わった株式会社栄住産業の業績取込等により、前年度と比較し大幅に伸長したものの、収益認識会計基準の適用により65億27百万円の減収となったことで、前年度4,838億34百万円から198億1百万円増収の5,036億35百万円となりました。2022年度は新たに当企業グループに加わった株式会社アスティーク、丸永株式会社、福岡農産株式会社の業績への寄与も見込まれ、「NEW STAGE 2022」の目標達成を目指してまいります。

 

ヘ.目標とする経営指標の状況

自己資本の充実による安定的な経営を目指すための自己資本比率は、当連結会計年度では32.1%(前年同期比1.0ポイント増)となり、継続的に企業価値を高めるためのROA(総資産経常利益率)は、当連結会計年度では4.5%(前年同期比3.4ポイント増)及びROE(自己資本当期純利益率)は、当連結会計年度では12.2%(前年同期比8.6ポイント増)となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

新型コロナウイルス感染症による影響については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題事項等 (4)会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

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