業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

<収益認識に関する会計基準の適用について>

 当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。

 収益認識会計基準の適用によって、不動産ファンド事業における不動産小口化商品の販売に関する会計処理について、前連結会計年度の当社利益相当額(当社役務手数料相当額)を売上高に計上する方法から、当連結会計年度においては、販売価額相当額を売上高に計上する方法に変更しており、売上高及び売上原価の各金額は、従来の会計処理の方法に比べ、大きく増加することになりました。なお、当該変更による各損益への影響はありません。また、収益認識会計基準の適用にあたっては収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従い、前連結会計年度の連結財務諸表に対しては遡及修正を行っておりません。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高及び売上原価は、前連結会計年度と比較して大きく増加することになったため、本項目における売上高及び売上原価の前年度比増減率は記載しておりません。

 なお、収益認識会計基準の適用の詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 また、不動産ファンド事業の不動産小口化商品の販売に関する会計処理に関し、前連結会計年度の連結財務諸表について、当連結会計年度と同じ方法で処理した場合の各金額を「<参考>2021年9月期連結会計年度」に記載しております。

(単位:百万円)

 

<実績>

2021年9月期

連結会計年度

<参考>

2021年9月期

連結会計年度

 

2022年9月期

連結会計年度

増減率

 売上高

14,924

33,584

59,193

 売上原価

3,246

21,906

40,564

売上総利益

11,677

11,677

18,628

59.5%

 販売費及び一般管理費

6,443

6,443

6,883

6.8%

営業利益

5,233

5,233

11,744

124.4%

 営業外収益

2,427

2,427

1,874

△22.8%

 営業外費用

2,512

2,512

1,152

△54.1%

経常利益

5,148

5,148

12,466

142.2%

親会社株主に帰属する

当期純利益

2,946

2,946

8,475

187.6%

 当連結会計年度においては、世界経済は世界的な金融引き締めが進む中での金融資本市場の変動や物価上昇、供給面での制約等はありましたが、景気は緩やかな持ち直しが続きました。一方、日本経済においても、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、各種政策の効果もあり、景気は緩やかに持ち直しました。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に従い、各種施策の実施に努めました。

 この結果、リースファンド事業、不動産ファンド事業ともに好調に推移し、当連結会計年度において金銭の信託(組成用航空機)に関する評価損1,217百万円を計上したものの、前連結会計年度において計上したAir Mauritius Limitedが賃借人となるオペレーティング・リース事業(以下、当該リース事業を「AML案件」という。)に関する損失998百万円が、前年度で損失処理が完了したことで当連結会計年度には損失計上がなかったこともあり、連結売上高は59,193百万円、営業利益は11,744百万円(前年度比124.4%増)、経常利益は12,466百万円(前年度比142.2%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は8,475百万円(前年度比187.6%増)となりました。売上高は、前連結会計年度について不動産小口化商品の販売に関する会計処理に関して、当連結会計年度と同じ方法で処理した場合と比較し、前年度比で約1.8倍となりました。

 

売上高/売上原価/売上総利益

(単位:百万円)

 

<実績>

2021年9月期

連結会計年度

<参考>

2021年9月期

連結会計年度

 

2022年9月期

連結会計年度

増減率

 売上高

14,924

33,584

59,193

  リースファンド事業

11,161

11,161

14,232

27.5%

  不動産ファンド事業

2,621

21,282

43,691

  国内不動産

2,621

21,282

42,890

  海外不動産

801

 その他事業

1,141

1,141

1,268

11.2%

 売上原価

3,246

21,906

40,564

 売上総利益

11,677

11,677

18,628

59.5%

 

リースファンド事業

 

 

 

 

 リース事業組成金額

158,751

158,751

308,922

94.6%

 出資金販売額

94,557

94,557

68,720

△27.3%

不動産ファンド事業

 

 

 

 

 不動産ファンド事業組成金額

34,800

34,800

74,752

114.8%

 不動産小口化商品販売額

20,800

20,800

42,570

104.7%

 出資金販売額(海外不動産)

5,010

用語の説明

[リース事業組成金額]

  組成したオペレーティング・リース事業案件のリース物件の取得価額の合計額であります。

[出資金販売額][出資金販売額(海外不動産)]

  出資金(オペレーティング・リース事業の匿名組合出資持分及び任意組合出資持分並びに海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分)について、リース開始日までに投資家へ私募の取り扱いを行った額及びリース開始日時点で当社及び当社子会社が一旦立替取得し、(連結)貸借対照表の「商品出資金」に計上したものについて、投資家へ譲渡した額の合計額であります。なお、信託機能を活用した航空機リース事業案件に係る信託受益権譲渡価額を含めております。

[不動産ファンド事業組成金額]

 国内不動産の不動産小口化商品について信託受益権1個当たりの価額に組成個数を乗じた額及び海外不動産についてのリース物件の取得価額の合計額であります。

[不動産小口化商品販売額]

  信託受益権1個当たりの価額に販売個数を乗じた額となります。

売上高は、59,193百万円となりました。

(リースファンド事業)

 出資金販売額は68,720百万円(前年度比27.3%減)となりましたが、収益率の高い案件の出資金販売が好調に継続した結果、売上高は、14,232百万円(前年度比27.5%増)と伸長しました。

 また、リース事業組成金額は、航空機・船舶・コンテナ全ての組成金額が前連結会計年度と比べ概ね倍増した結果、308,922百万円(前年度比94.6%増)となりました。

(不動産ファンド事業)

 国内不動産は組成と販売の好循環を確立し、不動産小口化商品販売額が、42,570百万円(前年度比104.7%増)となり、また、海外不動産についても第1号案件の販売を2022年6月より開始し、出資金販売額が5,010百万円となった結果、国内不動産・海外不動産合算の売上高は43,691百万円となりました。また、不動産ファンド事業組成金額は、国内不動産・海外不動産合算で、前連結会計年度と比べ倍増となる74,752百万円(前年度比114.8%増)となりました。

(その他事業)

 その他事業の売上高は1,268百万円(前年度比11.2%増)となりました。このうち、FinTech事業の売上高は450百万円(前年度比4.8%増)、保険事業の売上高は448百万円(前年度比22.4%増)となりました。

(注)FinTech事業、保険事業、M&A事業、プライベートエクイティ事業及び航空事業等を総称して、「その他事業」としております。

 売上原価は、金銭の信託(組成用航空機)に関する評価損を1,217百万円計上したことや、不動産小口化商品の販売に係る原価の計上等により40,564百万円となりました。

上記の結果、売上総利益は、18,628百万円(前年度比59.5%増)となりました。

 

販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、6,883百万円(前年度比6.8%増)となりました。

これは主に人件費が3,970百万円(前年度比6.3%増)、その他の費用が2,912百万円(前年度比7.5%増)となったことによるものであります。

(注)人件費には、給料手当、賞与(引当金繰入額含む)、法定福利費、福利厚生費、退職給付費用、人材採用費等を含めております。

営業利益

上記の結果、営業利益は、11,744百万円(前年度比124.4%増)となりました。

営業外収益/営業外費用

営業外収益は1,874百万円(前年度比22.8%減)となりました。これは、不動産賃貸料が634百万円(前年度比363.5%増)となった一方で、前連結会計年度において、AML案件に関連し発生した貯蔵品評価損戻入益393百万円が当連結会計年度においては発生しなかったこと、また、投資家から収受している商品出資金の立替利息相当額の減少に伴い受取利息が234百万円(前年度比41.7%減)、金銭の信託運用益が797百万円(前年度比33.3%減)となったこと等によるものです。

営業外費用は、1,152百万円(前年度比54.1%減)となりました。これは、前連結会計年度において主にAML案件に関連し発生した為替差損672百万円及び減価償却費192百万円が当連結会計年度においては発生しなかったこと、また、支払利息が413百万円(前年度比44.7%減)、支払手数料が569百万円(前年度比34.4%減)となったこと等によるものであります。

経常利益/特別損益/親会社株主に帰属する当期純利益

 経常利益は12,466百万円(前年度比142.2%増)となりました。

 特別損失は182百万円(前年度は株式会社FPG証券の通貨関連店頭デリバティブ事業の譲渡に伴う事業譲渡損失241百万円、株式会社FPGテクノロジーに係るのれん等の減損損失318百万円の計上等により615百万円)となりました。

 上記の結果、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は8,475百万円(前年度比187.6%増)となりました。

 なお、当連結会計年度より、当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」へと変更しておりますが、全セグメントに占める「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

②財政状態の状況

(単位:百万円)

 

2021年

9月末

2022年

9月末

増減額

 資産合計

91,899

158,052

66,152

 流動資産

85,782

152,737

66,954

 (現金及び預金)

20,814

13,119

△7,694

 (組成資産)

58,629

133,190

74,560

 (その他)

6,338

6,427

89

 固定資産

6,117

5,315

△802

 負債合計

62,508

121,892

59,384

 流動負債

47,279

107,859

60,580

 (借入金・社債)

38,769

86,358

47,589

 (前受金・契約負債)

4,723

12,932

8,209

 (その他)

3,786

8,568

4,781

 固定負債

15,228

14,032

△1,195

 (借入金・社債)

14,734

13,489

△1,244

 (その他)

494

542

48

 純資産合計

29,391

36,159

6,768

 自己資本比率

31.8%

22.8%

 

(注)(前受金・契約負債)には、2021年9月末については前受金を、2022年9月末には契約負債を含めております。当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を適用した結果、従来前受金に計上することとしていたリースファンド事業及び不動産ファンド事業に係る前受手数料は、契約負債として表示しております。

 積極的な商品組成によって組成資産が増加し、資産合計は158,052百万円(前年度末比66,152百万円の増加)となりました。組成資産の資金調達のための借入金・社債が増加し、負債合計は、121,892百万円(前年度末比59,384百万円の増加)となりました。前年度の期末配当1,580百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益8,475百万円を計上したことによって、純資産合計は36,159百万円(前年度末比6,768百万円の増加)となりました。

組成資産及び借入金・社債の状況は以下のとおりです。

組成資産の状況

    (単位:百万円)

 

2021年

9月末

2022年

9月末

増減額

組成資産合計

58,629

133,190

74,560

リースファンド事業

39,402

96,057

56,655

 商品出資金

20,866

75,189

54,323

 金銭の信託(組成用航空機)(注)

18,535

20,868

2,332

不動産ファンド事業

19,227

37,132

17,904

 商品出資金

5,500

5,500

 組成用不動産

19,227

31,632

12,404

(注)当社が組成する信託機能を活用した航空機リース事業案件は、当該リース事業を遂行する特定金外信託契約に係る受益権を投資家に譲渡するものであり、当社は、この法的実態を鑑み、未販売の当該受益権相当額を「金銭の信託(組成用航空機)」に計上しております。当該信託契約は、当社が信託の受託者である株式会社FPG信託に金銭を信託し、同社が当初委託者である当社の指図に基づき、当該金銭をもって航空機を購入したうえで、航空会社にリース・市場売却等を行うものであります。信託受益権を、投資家に譲渡することで、委託者の地位が承継されると共に、信託財産から生じる譲渡後の損益が投資家に帰属いたします。

(リースファンド事業)

 未販売の匿名組合出資持分・任意組合出資持分を計上する商品出資金は販売が好調に進んだ一方で、ポストコロナにおける投資家の需要回復が見込まれる中、販売拡大に向けた在庫の確保を積極的に進めた結果、前年度末に比べ増加しました。金銭の信託(組成用航空機)は、評価損の計上や商品の販売を行ったものの、為替の円安影響により、前年度末に比べ増加しました。

(不動産ファンド事業)

 不動産ファンド事業のさらなる拡大に向け、旺盛な需要に見合う在庫を確保すべく、新規の物件取得を積極的に進めた結果、組成用不動産は前年度末に比べ増加しました。なお、海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分を商品出資金に計上しております。

借入金・社債の状況

  (単位:百万円)

 

2021年

9月末

2022年

9月末

増減額

借入金・社債合計

53,503

99,848

46,344

流動負債

38,769

86,358

47,589

 短期借入金

28,998

72,842

43,843

 コマーシャル・ペーパー

4,500

9,000

4,500

 1年以内返済予定の長期借入金

5,270

4,516

△754

固定負債

14,734

13,489

△1,244

 長期借入金

13,734

12,389

△1,344

 社債

1,000

1,100

100

 

コミットメントライン契約

及び当座貸越契約の総額

102,860

117,495

14,635

 旺盛な案件組成の需要に応えるため、資金調達が増加し、借入金・社債の残高も増加いたしました。

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて7,694百万円減少し、11,719百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益を計上した一方で、積極的な組成により、商品出資金、組成用不動産が増加したこと等から、営業活動において使用した資金は50,872百万円(前年度は、26,658百万円の資金収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動において使用した資金は、552百万円(前年度は、1,145百万円の資金支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払いをした一方で、手元現預金の確保及び組成資産取得のための資金調達を進めたため、財務活動から得られた資金は43,646百万円(前年度は、31,916百万円の資金支出)となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

 (a) 生産実績

当社グループでは生産活動は行っておりません。また、当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントのうち「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しており、セグメント別の生産実績の記載は行っておりませんが、代替的指標として、売上高の多くを占めるリースファンド事業におけるオペレーティング・リース事業組成金額及び不動産ファンド事業における不動産ファンド事業組成金額は、以下のとおりであります。

 

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

前年度比

リースファンド事業

 

 

 オペレーティング・リース事業組成金額 (百万円)

308,922

94.6%

 オペレーティング・リース事業組成案件数  (件)

59

51.3%

不動産ファンド事業

 

 

 不動産ファンド事業組成金額 (百万円)

74,752

114.8%

 不動産ファンド事業組成案件数 (件)

9

(注)1.「オペレーティング・リース事業組成金額」とは、組成したオペレーティング・リース事業案件の

リース物件の取得価額の合計額であります。

2.当社では、オペレーティング・リース事業案件の組成にあたり、投資家の需要に見合った金額を1つ

の案件として組成し、その案件単位で投資家を募集しております。「オペレーティング・リース事業

組成案件数」とは、その募集した案件数を合計したものであります。

 3.オペレーティング・リース事業の組成は主に外貨建で行われており、本邦通貨への換算レートは組成

時の為替レートを採用しております。

4. 「不動産ファンド事業組成金額」とは、国内不動産の不動産小口化商品について信託受益権1個当たりの価額に組成個数を乗じた額及び海外不動産についてのリース物件の取得価額の合計額であります。

(b) 受注実績

当社グループは受注生産形態をとっていないため、該当事項はありません。

(c) 販売実績

 当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントのうち「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しており、セグメント別の販売実績の記載は行っておりませんが、当社グループの売上高の多くを占めるリースファンド事業において当社が販売した出資金及び不動産ファンド事業において当社グループが販売した不動産小口化商品販売額・出資金販売額(海外不動産)の最近2連結会計年度の販売額は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

金額(百万円)

金額(百万円)

リースファンド事業

 

 

 出資金販売額

94,557

68,720

不動産ファンド事業

 

 

 不動産小口化商品販売額

20,800

42,570

 出資金販売額(海外不動産)

5,010

 

上記の用語の意味は以下のとおりです。

[出資金販売額][出資金販売額(海外不動産)]

 出資金(オペレーティング・リース事業の匿名組合出資持分及び任意組合出資持分並びに海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分)について、リース開始日までに投資家へ私募の取扱いを行った額及びリース開始日時点で当社又は当社子会社が一旦立替取得し、(連結)貸借対照表の「商品出資金」に計上したものについて、投資家へ譲渡した額の合計額であります。なお、[出資金販売額]には、信託機能を活用した航空機リース事業案件に係る信託受益権譲渡価額を含めております。

[不動産小口化商品販売額]

 信託受益権1個当たりの価額に販売個数を乗じた額となります。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績

2020年9月期連結会計年度以降、世界各国における新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び感染拡大防止活動は、各国の経済環境、特に航空業界の経営環境へ悪影響を与え、当社の経営成績及び財政状態にも影響を与えましたが、足元の状況については、各国政府の政策や各企業の自助努力の成果により、経済社会活動は総じて正常化に向かっております。

当社においても、各種施策の成果もあり、リースファンド事業及び不動産ファンド事業ともに好調に推移し、当連結会計年度において金銭の信託(組成用航空機)に関する評価損1,217百万円を計上したものの、前連結会計年度において計上したAir Mauritius Limitedが賃借人となるオペレーティング・リース事業に関する損失998百万円が、前年度で損失処理が完了したことで当連結会計年度には損失計上がなかったこともあり、連結売上高は59,193百万円、営業利益は11,744百万円(前年度比124.4%増)、経常利益は12,466百万円(前年度比142.2%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は8,475百万円(前年度比187.6%増)となりました。売上高は、前連結会計年度について不動産小口化商品の販売に関する会計処理に関して、当連結会計年度と同じ方法で処理した場合と比較し、前年度比で約1.8倍となりました。

 なお詳細は「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載したとおりであります。

 

財政状態

 当社は、リースファンド事業において、匿名組合方式又は任意組合方式、金銭の信託方式によるオペレーティング・リース事業の案件組成、匿名組合出資持分又は任意組合出資持分並びに信託受益権の譲渡を行っております。匿名組合方式又は任意組合方式のオペレーティング・リース事業について、リース開始日時点で、当社は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に当該匿名組合出資持分又は任意組合出資持分を立替取得する場合があり、その立替取得した権利を「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。金銭の信託方式のオペレーティング・リース事業については、当社が受託者である株式会社FPG信託に金銭を信託し、その取得した信託受益権の未販売相当額を「金銭の信託(組成用航空機)」として、(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。

 また不動産ファンド事業において、国内不動産については、不動産小口化商品を投資家に提供するため、不動産(不動産信託受益権を含む。)を取得し、「組成用不動産」として(連結)貸借対照表上に計上し、投資家に譲渡します。海外不動産を対象とする集団投資事業案件については、事業開始日時点で、当社子会社である株式会社FPG証券は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に任意組合出資持分を立替取得し、その立替取得した権利を「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。

 当社グループは、これらの匿名組合出資持分、任意組合出資持分、信託受益権、組成用不動産の取得資金といった案件組成資金は、手元資金の他、金融機関からの借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーによって調達しております。このため当社の連結財務諸表の資産の総額及び負債の総額は、組成資産の組成や販売の状況、その資金調達の状況によって大きく影響を受けます。

 当連結会計年度においては、積極的な商品組成によって組成資産が増加し、資産合計は158,052百万円(前年度末比66,152百万円の増加)となりました。組成資産の資金調達のための借入金・社債が増加し、負債合計は、121,892百万円(前年度末比59,384百万円の増加)となりました。前年度の期末配当1,580百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益8,475百万円を計上したことによって、純資産合計は36,159百万円(前年度末比6,768百万円の増加)となりました。

 なお詳細は「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分

析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載したとおりであります。

 また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2. 事業等のリスク」に記載したとおりであります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループにおける主な資金需要は、投資家に販売する目的で一時的に保有する組成資産の取得資金、人件費その他費用を含む運転資金及びその他法人税等の支払資金等の営業活動によるもの、配当金の支払資金や借入金の返済資金といった財務活動によるものであります。設備投資は、主に当社グループにおける各拠点の維持・拡大、その他事業拡大に関するものであり、重要なものはありません。また、主な資金の源泉は、組成資産の投資家への譲渡代金や当社グループが収受する各種手数料等といった営業活動によるもの、資金需要を賄うための金融機関からの借入の実行やコマーシャル・ペーパーの発行等により調達する資金等の財務活動によるものであります。

当連結会計年度の資金の状況につきまして、積極的な組成により組成資産が増加したこと等から、資金の残高は、前連結会計年度末に比べて7,694百万円減少し、11,719百万円となりました。詳細は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。資金需要につきましては、リースファンド事業と不動産ファンド事業のさらなる成長を見据えた組成資産の取得のための資金需要が、今後も継続して発生する想定です。

資金調達につきましては、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行等を行っております。

当連結会計年度末において、有利子負債の残高は99,977百万円であります。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で総額117,495百万円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております(借入実行残高72,842百万円、借入未実行残高44,652百万円)。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響についての仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

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