本項における将来に関する事項は、別段の表示がない限り、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、「機関保証を必要とする全てのお客様に最高の保証商品とサービスを提供することにより、お客様の夢と幸せの実現をお手伝いするとともに、信用保証事業を通じて地域社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、全てのステークホルダーの視点に立った経営施策を実施することで企業価値の向上および永続的な発展・成長を目指しております。
当社を取り巻く環境といたしましては、長期的には少子高齢化に伴う人口・世帯数の減少により新築住宅市場の縮小が見込まれるものの、当面は現在の新設住宅着工戸数の水準が続くことが見込まれることに加え、中古・リフォーム市場の活性化も予想されます。
こうした事業環境を踏まえ、当社では2020年度から2022年度の3事業年度を計画期間とする中期経営計画「Beyond the Border」を策定しております。この中期経営計画では、「積み上げた信用と信頼を礎とし、国内トップの保証会社として確固たる地位を確立する」をビジョンに掲げ、①事業規模拡大、②事業領域拡大、③企業価値向上、の3つの基本方針に基づき各種施策を行ってまいります。
目標とする経営指標として、住宅ローン保証事業を持続的に拡大していくことが企業価値向上につながると捉えており、保証債務残高および新規保証実行件数としております。
当社は、中期経営計画の基本方針に基づき、今後の持続的成長ならびに安定的な利益確保を図るべく、以下の課題に取り組んでまいります。
国内の民間金融機関による住宅ローンは、新規貸出額が年間約19兆円、既存貸出残高が約180兆円という巨大な市場規模であり、当社が保証債務残高をさらに拡大できる余地は十分に存在しております。
当社は、市場シェアを拡大するため、700を超える提携金融機関のニーズを捉えた商品や、デジタルを活用したサービスの提供による関係強化に加え、金融機関以外の企業との連携により住宅ローン申込チャネルを新しく開拓することで事業規模の拡大を図ってまいります。また、既存貸出市場の拡大施策として、他の保証会社の株式取得による子会社化などにより、保証債務残高の増加に取り組んでまいります。
当社の中核事業である住宅ローン保証事業につきましては、今後も着実な成長が可能と捉えております。当社は、独自の強みを活用することにより事業領域の拡大を図り、収益源の多様化を目指してまいります。
具体的には、当社の豊富なノウハウ・データを活用した新たな事業展開のほか、当社子会社による事業領域拡大に取り組んでまいります。また、海外展開についても、長期的観点から引き続き研究してまいります。
当社の保証債務残高は15兆円を超える規模となっており、企業としての社会的責任は益々増していると認識しております。当社は、持続的な成長の実現に向けて、信用保証事業を通じた社会課題の解決に貢献すべく、2021年2月に制定した「全国保証SDGs宣言」に基づき、重要課題の解決に取り組むなど非財務情報の充実を図るほか、経営資源の有効活用、業務効率化推進により企業価値を高めてまいります。
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