本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載が無い限り、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、以下の経営理念体系をグループ経営の基本とし、企業活動をしていくうえでの拠りどころと位置づけています。
<経営理念>
お客さまに信頼され、地域にとってなくてはならない金融グループとして、
① お客さまの豊かな人生、事業の発展に貢献します。
② 地域社会の持続的な発展に貢献します。
③ 従業員が誇りを持って働ける魅力ある会社であり続けます。
④ 持続的に成長し、企業価値を向上させます。
<長期的にめざす姿>
地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー
<すべての役職員が共有すべき価値観・行動指針>
「信頼と信用」 地域・お客さま・株主・従業員との信頼関係の維持・強化を大切にする。
「お客さま本位」 常にお客さまファーストに基づき行動する。
「変革と挑戦」 経済・社会の変化に対して常に変革マインドを持ち、失敗を恐れず挑戦する。
「誇り」 確固たる矜持を持って常にベストを尽くす。
(2) 経営環境
2021年度のわが国経済を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の影響が継続したことなどを受けて、景気の回復が足踏みしました。上期前半は先進国で新型コロナウイルス感染症に対するワクチンが普及し、海外経済の回復が本格化したことから、日本経済は輸出を中心に持ち直しましたが、7月以降は国内外で感染症が再拡大したことを受けて、輸出や個人消費などが弱含むとともに、自動車部品を中心とする供給制約の影響などから、製造業の生産活動も鈍い動きとなりました。下期前半は国内の新型コロナウイルス感染症が一服したため、個人消費をけん引役に景気はいったん持ち直しましたが、2022年の年明け後は、国内で再度感染症が急拡大したことから、サービス消費を中心に再び景気が弱含みました。さらに2月下旬以降、ロシアのウクライナ侵攻を受けてエネルギーなどの価格上昇に拍車がかかり、景気の先行きに対する不透明感が強まりました。
金融面では、日本銀行が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」などを継続する中で、短期金利はマイナス圏で推移しました。一方、長期金利は2021年を通じてゼロ%に近い水準で推移しましたが、2022年に入り、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ抑制のため、政策金利を引き上げ、今後金融政策の正常化への姿勢を強めるとの観測から米長期金利が一段と上昇したことなどを受けて上昇し、3月下旬には、日本銀行が変動幅とする「±0.25%程度」の上限に到達する場面もありました。
(3) 会社の対処すべき課題
わが国では人口減少・高齢化の進展や低金利の常態化など、依然として厳しい環境が継続していることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ライフスタイルの変化や経済社会のデジタル化の進展、社会・環境課題への意識の高まりや地政学的な変化が加速するなど、これまでにない速さで大きく環境変化が進んでいます。こうした環境変化に伴い、お客さま・地域社会のニーズの多様化・高度化が加速度的に進展しています。
当社グループは、地域にとってなくてはならない金融グループであり続けるためには、こうした環境変化に対して自らの変革を加速させるとともに、お客さま・地域の課題解決に向けたソリューションの幅を広げ、質を高めていくことが必要不可欠だと考えています。
こうした環境・課題認識を踏まえ、「長期的にめざす姿」を「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」にアップデートしたうえで、2022年度からの3年間を計画期間とする、新たな中期経営計画をスタートさせます。
中期経営計画の位置づけ・基本テーマ
前中期経営計画(2019年度~2021年度)では、伝統的な貸出を中心としたビジネスからソリューションビジネスへの転換に向けた「コアビジネスの深化」や、業務量削減・店舗ネットワークの再構築による「構造改革による生産性向上」など、「変革」を前進させてきました。
中期経営計画は、「長期的にめざす姿」に掲げる「ソリューション・カンパニー」への転換に向けて、前中期経営計画で進めてきた「変革」を加速し、成果を具現化する3年間と位置付け、3つの基本テーマとして「Growth」、「Change」および「Sustainability」を掲げています。3つの基本テーマのもとで、成長戦略の実行と変革の加速・成果の具現化を相乗的に推し進め、着実な利益成長をめざすとともに、地域社会の課題解決に向けたサステナビリティ経営の確立やガバナンスの高度化に取り組み、経営基盤の強化をはかっていきます。
重点戦略
目標指標
「収益性」「効率性」「健全性」の観点から以下の3つの目標指標を設定します。着実な利益成長と効率的な資本運営により「収益性」を追求するとともに、構造改革効果の具現化により「効率性」を追求していきます。また、バーゼルⅢ最終化を見据えた適正な資本水準を確保し、「健全性」の維持に努めていきます。
※1:ROE(連結)=親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本(期首・期末平均残高)
※2:OHR(連結)=営業経費÷連結粗利益
※3:普通株式等Tier1比率(連結)=普通株式等Tier1÷リスクアセット
※4:バーゼルⅢ最終化、完全実施ベース(その他有価証券評価差額金を除く)
資本政策・株主還元方針
「持続的な成長に向けた資本活用」「株主還元の強化」「十分な資本水準の確保」の観点からバランスのとれた資本運営を実施します。当社の株主還元は、1株当たり配当金を維持、もしくは利益の成長に合わせて増配していくという累進的配当を基本とし、配当性向は40%程度を目安とします。また、市場動向や業績見通しなどを勘案のうえ、柔軟かつ機動的な自己株式の取得を実施します。
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