(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、各国の財政・金融政策による下支えに加え、新型コロナウイルスの影響による厳しい制限が段階的に緩和されたことを受け、持ち直しに向かいました。
自動車市場においては、世界的な半導体の需給ひっ迫や新型コロナウイルスの影響により、部品の供給が不足し、グローバルで生産の制約を受けざるを得ない状況になりましたが、米国、中国、日本などで底堅い需要が続き、前年より回復しました。
このような経営環境の中、トヨタは、お客様の期待を超える「もっといいクルマづくり」に取り組んできました。カローラシリーズは1966年の誕生以来、時代とともに挑戦と進化を重ね、グローバル累計販売台数5,000万台を達成しました。さらに、時代とともに変わりゆくお客様のライフスタイルにお応えするシリーズ初のSUV「カローラクロス」を発売しました。ファミリーを中心とした多くのお客様に支持されている「ノア」と「ヴォクシー」は、更なる使い勝手の良さと充実の先進装備を搭載し、一新しました。また、お客様に毎日楽しく、安全・安心で快適にお乗りいただくことができる充実した装備と、より高度な環境性能を追求し、高出力なバイポーラ型ニッケル水素電池を駆動用車載電池として世界で初めて採用したハイブリッド車(HEV)「アクア」を発売しました。走り、デザイン、先進技術を全面刷新し、次世代レクサスの幕開けとなる新型「NX」は、レクサス初のプラグインハイブリッド車(PHEV)を導入し、HEVとともに電動車の普及を加速させます。電気自動車(BEV)の新シリーズTOYOTA bZは、お客様にとって使いやすく、魅力あふれる商品で二酸化炭素(CO2)の排出量削減に取り組んでいます。快適な移動空間に加え、大切な家族や仲間と過ごすかけがえのない時間と新しいライフスタイルを提供し、BEVならではの運転の楽しさを提供する「bZ4X」を発表しました。スポーツカーでは、「モータースポーツを起点にしたもっといいクルマづくり」を具現化する「GRMNヤリス」を開発しました。
クルマの「所有」から「利活用」へのシフトに応じた、愛車サブスクリプションサービス「KINTO」では、長く、安心してトヨタのBEVを楽しんでいただくため、日本では「bZ4X」をお客様に寄り添った料金体系の専用プランで提供します。また、お客様一人ひとりに合わせて最新のソフトウェアを反映させる新商品「GRヤリス“モリゾウセレクション”」の取り扱いを開始しました。
当連結会計年度における日本、海外を合わせた自動車の連結販売台数は、823万台と、前連結会計年度に比べて58万4千台(7.6%)の増加となりました。日本での販売台数については、192万4千台と、前連結会計年度に比べて20万1千台(9.5%)減少しました。一方、海外においては、全ての地域で販売台数が増加したことにより、630万6千台と、前連結会計年度に比べて78万5千台(14.2%)の増加となりました。
当連結会計年度の業績については、次のとおりです。
なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
事業別セグメントの業績は、次のとおりです。
営業収益は28兆6,057億円と、前連結会計年度に比べて3兆9,541億円(16.0%)の増収となり、営業利益は2兆2,842億円と、前連結会計年度に比べて6,771億円(42.1%)の増益となりました。営業利益の増益は、営業面の努力および為替変動の影響などによるものです。
営業収益は2兆3,240億円と、前連結会計年度に比べて1,617億円(7.5%)の増収となり、営業利益は6,570億円と、前連結会計年度に比べて1,614億円(32.6%)の増益となりました。営業利益の増益は、融資利鞘の拡大および融資残高の増加などによるものです。
営業収益は1兆1,298億円と、前連結会計年度に比べて775億円(7.4%)の増収となりましたが、営業利益は423億円と、前連結会計年度に比べて430億円(50.4%)の減益となりました。
所在地別の業績は、次のとおりです。
営業収益は15兆9,914億円と、前連結会計年度に比べて1兆425億円(7.0%)の増収となり、営業利益は1兆4,234億円と、前連結会計年度に比べて2,742億円(23.9%)の増益となりました。営業利益の増益は、為替変動の影響および営業面の努力などによるものです。
営業収益は11兆1,664億円と、前連結会計年度に比べて1兆6,746億円(17.6%)の増収となり、営業利益は5,657億円と、前連結会計年度に比べて1,644億円(41.0%)の増益となりました。営業利益の増益は、営業面の努力などによるものです。
営業収益は3兆8,678億円と、前連結会計年度に比べて7,333億円(23.4%)の増収となり、営業利益は1,629億円と、前連結会計年度に比べて550億円(50.9%)の増益となりました。営業利益の増益は、営業面の努力などによるものです。
営業収益は6兆5,305億円と、前連結会計年度に比べて1兆4,852億円(29.4%)の増収となり、営業利益は6,723億円と、前連結会計年度に比べて2,364億円(54.2%)の増益となりました。営業利益の増益は、生産および販売台数の増加ならびに為替変動の影響などによるものです。
営業収益は2兆9,281億円と、前連結会計年度に比べて1兆552億円(56.3%)の増収となり、営業利益は2,381億円と、前連結会計年度に比べて1,783億円(298.0%)の増益となりました。営業利益の増益は、営業面の努力などによるものです。
当連結会計年度末における財政状態については、次のとおりです。
資産合計は67兆6,887億円と、前連結会計年度末に比べて5兆4,216億円 (8.7%)の増加となりました。負債合計は40兆5,339億円と、前連結会計年度末に比べて2兆5,551億円 (6.7%)の増加となりました。資本合計は27兆1,548億円と、前連結会計年度末に比べて2兆8,664億円 (11.8%)の増加となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6兆1,136億円と、前連結会計年度末に比べて1兆127億円(19.9%)の増加となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対するキャッシュ・フローの増減は、次のとおりです。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、3兆7,226億円の資金の増加となり、前連結会計年度が2兆7,271億円の増加であったことに比べて、9,954億円の増加となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、5,774億円の資金の減少となり、前連結会計年度が4兆6,841億円の減少であったことに比べて、4兆1,066億円の減少幅の縮小となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、2兆4,665億円の資金の減少となり、前連結会計年度が2兆7,391億円の増加であったことに比べて、5兆2,056億円の減少となりました。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業別セグメントごとに示すと、次のとおりです。
当社および連結製造子会社は、国内販売店、海外販売店等からの受注状況、最近の販売実績および販売見込等の情報を基礎として、見込生産を行っています。
当連結会計年度における販売実績を事業別セグメントごとに示すと、次のとおりです。
前述の当連結会計年度における「自動車事業」の販売数量を、仕向先別に示すと、次のとおりです。
本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2022年6月23日)現在において判断したものです。
トヨタの事業セグメントは、自動車事業、金融事業およびその他の事業で構成されています。自動車事業は最も重要な事業セグメントで、当連結会計年度においてトヨタの営業収益合計(セグメント間の営業収益控除前)の89%を占めています。当連結会計年度における車両販売台数ベースによるトヨタの主要な市場は、日本(23.4%)、北米(29.1%)、欧州(12.4%)およびアジア(18.7%)となっています。
世界の自動車市場は、非常に競争が激しく、また予測が困難な状況にあります。さらに、自動車業界の需要は、社会、政治および経済の状況、新車および新技術の導入ならびにお客様が自動車を購入または利用される際に負担いただく費用といった様々な要素の影響を受けます。これらの要素により、各市場および各タイプの自動車に対するお客様の需要は、大きく変化します。
当連結会計年度の自動車市場は、世界的な半導体の需給ひっ迫や新型コロナウイルスの影響により、部品の供給が不足し、グローバルで生産の制約を受けざるを得ない状況になりましたが、米国、中国、日本などで底堅い需要が続き、前年より回復しました。
次の表は、過去2連結会計年度における各仕向地域別の連結販売台数を示しています。
(注)「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中近東ほかからなります。
トヨタの日本における当連結会計年度の連結販売台数は、市場が前連結会計年度を下回る状況のもと、減少しました。トヨタの海外における連結販売台数は、需要の回復により、アジア、その他の地域を中心に販売台数が大きく増加しました。
各市場における全車両販売台数に占めるトヨタのシェアは、製品の品質、安全性、信頼性、価格、デザイン、性能、経済性および実用性についての他社との比較により左右されます。また、時機を得た新車の導入やモデルチェンジの実施も、お客様のニーズを満たす重要な要因です。変化し続けるお客様の嗜好を満たす能力も、売上および利益に大きな影響をもたらします。
自動車事業の収益性は様々な要因により左右されます。これらには次のような要因が含まれます。
車両販売台数
販売された車両モデルとオプションの組み合わせ
部品・サービス売上
価格割引およびその他のインセンティブのレベルならびにマーケティング費用
顧客からの製品保証に関する請求およびその他の顧客満足のための修理等にかかる費用
研究開発費等の固定費
原材料価格
コストの管理能力
生産資源の効率的な利用
特定の仕入先への部品供給の依存による生産への影響
気候変動による物理的リスクや低炭素経済への移行リスクを含む、気候変動リスク
自然災害および感染症の発生・蔓延や社会インフラの障害による市場・販売・生産への影響
日本円およびトヨタが事業を行っている地域におけるその他通貨の為替相場の変動
法律、規制、政策の変更およびその他の政府による措置も自動車事業の収益性に著しい影響を及ぼすことがあります。これらの法律、規制および政策には、車両の製造コストを大幅に増加させる環境問題、車両の安全性、燃費および排ガスに影響を及ぼすものが含まれます。
多くの国の政府が、現地調達率を規定し、関税およびその他の貿易障壁を課し、あるいは自動車メーカーの事業を制限したり本国への利益の移転を困難にするような価格管理あるいは為替管理を行っています。このような法律、規制、政策その他の行政措置における変更は、製品の生産、ライセンス、流通もしくは販売、原価、あるいは適用される税率に影響を及ぼすことがあります。トヨタは、トヨタ車の安全性について潜在的問題がある場合に適宜リコール等の市場処置(セーフティ・キャンペーンを含む)を発表しています。前述のリコール等の市場処置をめぐり、トヨタに対する申し立ておよび訴訟が提起されています。これらの申し立ておよび訴訟に関しては、連結財務諸表注記24ならびに30を参照ください。
世界の自動車産業は、グローバルな競争の時期にあり、この傾向は予見可能な将来まで続く可能性があります。また、トヨタが事業を展開する競争的な環境は、さらに激化する様相を呈しています。トヨタは一独立企業として自動車産業で効率的に競争するための資源、戦略および技術を予見可能な将来において有していると考えています。
自動車金融の市場は、大変競争が激しくなっています。自動車金融の競争激化は、利益率の減少を引き起こす可能性があり、また、顧客がトヨタ車を購入する際にトヨタ以外の金融サービスを利用するようになる場合、マーケット・シェアが低下することも考えられます。
トヨタの金融サービス事業は、主として、顧客および販売店に対する融資プログラムおよびリース・プログラムの提供を行っています。トヨタは、顧客に対して資金を提供する能力は、顧客に対しての重要な付加価値サービスであると考え、金融子会社のネットワークを各国へ展開しています。
小売融資およびリースにおけるトヨタの主な競争相手には、商業銀行、消費者信用組合、その他のファイナンス会社が含まれます。一方、卸売融資における主な競争相手には、商業銀行および自動車メーカー系のファイナンス会社が含まれます。
トヨタの金融事業に係る債権は、主に為替変動の影響により、当連結会計年度において増加しました。また、賃貸用車両及び器具は、主に為替変動の影響により、当連結会計年度において増加しました。
金融事業に係る債権および賃貸用車両及び器具の詳細については、連結財務諸表注記8および12を参照ください。
トヨタの金融債権は、回収可能性リスクを負っています。これは顧客もしくは販売店の支払不能や、担保価値(売却費用控除後)が債権の帳簿価額を下回った場合に発生する可能性があります。詳細については、連結財務諸表注記4および19を参照ください。
トヨタは、車両リースを継続的に提供してきました。当該リース事業によりトヨタは残存価額のリスクを負っています。これは車両リース契約の借手が、リース終了時に車両を購入するオプションを行使しない場合に発生する可能性があります。詳細については、連結財務諸表注記3(8)を参照ください。
トヨタは、主に固定金利借入債務を機能通貨建ての変動金利借入債務へ転換するために、金利スワップおよび金利通貨スワップ契約を結んでいます。特定のデリバティブ金融商品は、経済的企業行動の見地からは金利リスクをヘッジするために契約されていますが、トヨタの連結財政状態計算書における特定の資産および負債をヘッジするものとしては指定されていないため、それらの指定されなかったデリバティブから生じる未実現評価損益は、その期間の損益として計上されます。詳細については、連結財務諸表注記20および21を参照ください。
資金調達コストの変動は、金融事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。資金調達コストは、数多くの要因の影響を受けますが、その中にはトヨタがコントロールできないものもあります。これには、全般的な景気、金利およびトヨタの財務力などが含まれます。当連結会計年度の資金調達コストは主に市場金利の低下により減少しました。
トヨタは、2001年4月に日本でクレジットカード事業を立上げました。カード会員数は、2022年3月31日現在15.7百万人と、2021年3月31日から0.7百万人の減少となりました。カード債権は、2022年3月31日現在5,014億円と、2021年3月31日から173億円の増加となりました。
トヨタのその他の事業には、情報通信事業・ガズー事業等の情報技術関連事業等が含まれます。
トヨタは、その他の事業は連結業績に大きな影響を及ぼすものではないと考えています。
トヨタは、為替変動による影響を受けやすいといえます。トヨタは日本円の他に主に米ドルおよびユーロの価格変動の影響を受けており、また、米ドルやユーロに加え、豪ドル、ロシア・ルーブル、加ドルおよび英国ポンドなどについても影響を受けることがあります。日本円で表示されたトヨタの連結財務諸表は、換算リスクおよび取引リスクによる為替変動の影響を受けています。
換算リスクとは、特定期間もしくは特定日の財務諸表が、事業を展開する国々の通貨の日本円に対する為替の変動による影響を受けるリスクです。たとえ日本円に対する通貨の変動が大きく、前連結会計年度との比較において、また地域ごとの比較においてかなりの影響を及ぼすとしても、換算リスクは報告上の考慮事項に過ぎず、その基礎となる業績を左右するものではありません。トヨタは換算リスクに対してヘッジを行っていません。
取引リスクとは、収益と費用および資産と負債の通貨が異なることによるリスクです。取引リスクは主にトヨタの日本製車両の海外売上に関係しています。
トヨタは、生産施設が世界中に所在しているため、取引リスクは大幅に軽減されていると考えています。グローバル化戦略の一環として、車両販売を行う主要市場において生産施設を建設することにより、生産を現地化してきました。前連結会計年度および当連結会計年度において、トヨタの海外における車両販売台数のそれぞれ69.7%および71.6%が海外で生産されています。北米では前連結会計年度および当連結会計年度の車両販売台数のそれぞれ65.3%および68.5%が現地で生産されています。欧州では前連結会計年度および当連結会計年度の車両販売台数のそれぞれ71.9%および69.1%が現地で生産されています。生産の現地化により、トヨタは生産過程に使用される供給品および原材料の多くを現地調達することができ、現地での収益と費用の通貨のマッチングをはかることが可能です。
トヨタは、取引リスクの一部に対処するために為替の取引およびヘッジを行っています。これにより為替変動による影響は軽減されますが、すべて排除されるまでには至っておらず、年によってその影響が大きい場合もあり得ます。為替変動リスクをヘッジするためにトヨタで利用されるデリバティブ金融商品に関する追加的な情報については、連結財務諸表注記20および21を参照ください。
一般的に、円安は営業収益、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益に好影響を及ぼし、円高は悪影響を及ぼします。日本円の米ドルに対する期中平均および決算日の為替相場は、前連結会計年度に比べて円安に推移しました。また、日本円のユーロに対する期中平均および決算日の為替相場は、前連結会計年度に比べて円安に推移しました。詳細については、連結財務諸表注記19を参照ください。
トヨタの最も重要な事業セグメントは、自動車事業セグメントです。トヨタは、世界の自動車市場においてグローバル・コンペティターとして自動車事業を展開しています。マネジメントは世界全体の自動車事業を一つの事業セグメントとして資源の配分やその実績の評価を行っており、自動車事業セグメント内で資源を配分するために、販売台数、生産台数、マーケット・シェア、車両モデルの計画および工場のコストといった財務およびそれ以外に関するデータの評価を行っています。トヨタは国内・海外または部品等のような自動車事業の一分野を個別のセグメントとして管理していません。
次の表は、過去2連結会計年度のトヨタの地域別外部顧客向け営業収益を示しており、当社または連結子会社の所在国の位置を基礎として集計しています。
(注)「その他」 は、中南米、オセアニア、アフリカ、中近東からなります。
(注)「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中近東からなります。
当連結会計年度の営業収益は31兆3,795億円と、前連結会計年度に比べて4兆1,649億円(15.3%)の増収となりました。この増収は、主に車両販売台数および販売構成の変化による影響1兆5,100億円や、為替変動の影響1兆3,900億円によるものです。
トヨタの事業別外部顧客向け営業収益の商品別内訳は次のとおりです。
営業収益は自動車事業およびその他の事業の合計である商品・製品売上収益ならびに金融事業に係る金融収益で構成されており、当連結会計年度の商品・製品売上収益は29兆734億円と、前連結会計年度に比べて15.9%の増収となり、金融事業に係る金融収益は2兆3,060億円と、前連結会計年度に比べて7.9%の増収となりました。商品・製品売上収益の増収は、主にトヨタの販売台数が584千台増加したことや、為替変動の影響によるものです。前連結会計年度末および当連結会計年度末の各地域における融資件数(残高)の状況は次のとおりです。
・金融事業における融資件数残高
(注)「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカからなります。
当連結会計年度の営業収益(セグメント間の営業収益控除前)は前連結会計年度に比べて、日本では7.0%、北米では17.6%、欧州では23.4%、アジアでは29.4%、その他の地域では56.3%の増収となりました。為替変動の影響1兆3,900億円を除いた場合、当連結会計年度の営業収益は前連結会計年度に比べて、日本では7.0%、北米では10.5%、欧州では16.6%、アジアでは20.3%、その他の地域では49.2%の増収であったと考えられます。
各地域における営業収益(セグメント間の営業収益控除前)の状況は次のとおりです。
・日本
日本においては、輸出台数を含むトヨタの販売台数は前連結会計年度に比べて213千台減少したものの、輸出取引に係る為替変動の影響などにより、増収となりました。前連結会計年度および当連結会計年度における輸出台数はそれぞれ1,728千台および1,716千台となりました。
・北米
北米においては、主にトヨタの販売台数が前連結会計年度に比べて81千台増加したことや、為替変動の影響により、増収となりました。
・欧州
欧州においては、主にトヨタの販売台数が前連結会計年度に比べて58千台増加したことや、為替変動の影響により、増収となりました。
・アジア
アジアにおいては、主にトヨタの販売台数が前連結会計年度に比べて321千台増加したことや、為替変動の影響により、増収となりました。
・その他の地域
その他の地域においては、トヨタの販売台数は前連結会計年度に比べて326千台増加し、増収となりました。
当連結会計年度における営業費用は28兆3,838億円と、前連結会計年度に比べて3兆3,669億円(13.5%)の増加となりました。
・原価改善の努力
当連結会計年度は、3,600億円の営業費用の増加となりました。この増加は、資材高騰の影響6,400億円によるものですが、仕入先と一体となった原価改善活動に引き続き精力的に取り組んだ結果、VE(Value Engineering)活動を中心とした設計面での原価改善など2,400億円および工場・物流部門などにおける原価改善400億円により一部相殺されています。
原価改善の努力は、継続的に実施されているVE・VA(Value Analysis)活動、部品の種類の絞込みにつながる部品共通化、ならびに車両生産コストの低減を目的としたその他の製造活動に関連しています。なお、資材高騰の影響には、鉄鋼、貴金属、非鉄金属(アルミ等)、樹脂関連部品などの資材・部品価格の変動による影響が含まれています。
・売上原価
当連結会計年度における売上原価は24兆2,507億円と、前連結会計年度に比べて3兆508億円(14.4%)の増加となりました。この増加は、主に車両販売台数および販売構成の変化による影響、資材高騰の影響ならびに為替換算レート変動の影響によるものです。
・金融事業に係る金融費用
当連結会計年度における金融事業に係る金融費用は1兆1,570億円と、前連結会計年度に比べて252億円(2.1%)の減少となりました。
・販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2兆9,759億円と、前連結会計年度に比べて3,413億円(13.0%)の増加となりました。この増加は、主に為替換算レート変動の影響によるものです。
当連結会計年度における営業利益は2兆9,956億円と、前連結会計年度に比べて7,979億円(36.3%)の増益となりました。この増益は、営業面の努力8,600億円および為替変動の影響6,100億円によるものですが、原価改善の努力3,600億円および諸経費の増減・低減努力2,200億円などにより一部相殺されています。
上記の営業面の努力は、車両販売台数および販売構成の変化ならびに販売諸費用などを含んでいます。その他は、金利スワップ取引などの時価評価による評価損益などを含んでいます。
また、為替変動の影響の増益要因は、主に輸出入等の外貨取引による影響5,900億円によるものです。
当連結会計年度における営業利益(セグメント間の利益控除前)は前連結会計年度に比べて、日本では2,742億円(23.9%)、北米では1,644億円(41.0%)、欧州では550億円(50.9%)、アジアでは2,364億円(54.2%)、その他の地域では1,783億円(298.0%)の増益となりました。
各地域における営業利益の状況は次のとおりです。
・日本
・北米
・欧州
・アジア
当連結会計年度における持分法による投資損益は5,603億円と、前連結会計年度に比べて2,093億円(59.6%)の増益となりました。この増益は、主に持分法適用会社の親会社の所有者に帰属する当期利益の増益によるものです。
当連結会計年度におけるその他の金融収益は3,347億円と、前連結会計年度に比べて1,004億円(23.1%)の減益となりました。この減益は、主に有価証券売却益の減少によるものです。
当連結会計年度におけるその他の金融費用は439億円と、前連結会計年度に比べて35億円(7.4%)の減少となりました。
当連結会計年度における為替差損益<純額>は2,161億円と、前連結会計年度に比べて2,010億円の増益となりました。為替差損益は、外国通貨建て取引によって生じた外貨建ての資産および負債を、取引時の為替相場で換算した価額と、先物為替契約を利用して行う決済を含め、同会計年度における決済金額または決算時の為替相場で換算した価額との差額を示すものです。為替差損益<純額>の増益2,010億円は、主に当連結会計年度の外貨預金において預入時の為替相場に比べて満期時の為替相場が円安に推移したことにより、為替差益を計上したことによるものです。
当連結会計年度におけるその他<純額>は724億円の損失と、前連結会計年度に比べて532億円の減益となりました。
当連結会計年度における法人所得税費用は1兆1,159億円と、前連結会計年度に比べて4,659億円(71.7%)の増加となりました。これは、主に税引前利益の増加および繰延税金資産の回収可能性の見直しによる取崩しなどの影響によるもので、当連結会計年度における平均実際負担税率は28.0%となりました。
当連結会計年度における非支配持分に帰属する当期利益は245億円と、前連結会計年度に比べて126億円(34.0%)の減益となりました。この減益は、主に連結子会社の当期利益の減益によるものです。
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は2兆8,501億円と、前連結会計年度に比べて6,048億円(26.9%)の増益となりました。
当連結会計年度におけるその他の包括利益(税効果考慮後)は1兆1,431億円と、前連結会計年度に比べて1,306億円利益が増加しました。これは、主に米ドルやユーロに対する為替レートが円安に進んだことにより、在外営業活動体の為替換算差額が前連結会計年度の4,036億円の利益に対し、当連結会計年度は9,028億円の利益となったことや、持分法で会計処理されている投資のその他の包括利益に対する持分相当額が前連結会計年度の886億円の利益に対し、当連結会計年度は3,074億円の利益となったこと、および主に公社債の価格が変動したことにより、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値変動が前連結会計年度の3,039億円の利益に対し、当連結会計年度は2,034億円の損失となったこと、ならびに主に制度資産の公正価値が変動したことにより、確定給付制度の再測定が前連結会計年度の2,162億円の利益から当連結会計年度は1,362億円の利益となったことによるものです。
以下は、トヨタの事業別セグメントの状況に関する説明です。記載された数値は、セグメント間の営業収益控除前です。
・自動車事業セグメント
自動車事業の営業収益は、トヨタの営業収益のうち最も高い割合を占めます。当連結会計年度における自動車事業セグメントの営業収益は28兆6,057億円と、前連結会計年度に比べて3兆9,541億円(16.0%)の増収となりました。この増収は、主に車両販売台数および販売構成の変化による影響1兆5,100億円や、為替変動の影響1兆2,500億円によるものです。
当連結会計年度における自動車事業セグメントの営業利益は2兆2,842億円と、前連結会計年度に比べて6,771億円(42.1%)の増益となりました。この営業利益の増益は、主に営業面の努力7,600億円および為替変動の影響5,700億円によるものですが、原価改善の努力3,600億円および諸経費の増減・低減努力2,200億円などにより一部相殺されています。
・金融事業セグメント
当連結会計年度における金融事業セグメントの営業収益は2兆3,240億円と、前連結会計年度に比べて1,617億円(7.5%)の増収となりました。
当連結会計年度における金融事業セグメントの営業利益は6,570億円と、前連結会計年度に比べて1,614億円(32.6%)の増益となりました。この営業利益の増益は、融資利鞘の拡大および融資残高の増加などによるものです。
・その他の事業セグメント
当連結会計年度におけるその他の事業セグメントの営業収益は1兆1,298億円と、前連結会計年度に比べて775億円(7.4%)の増収となりました。
当連結会計年度におけるその他の事業セグメントの営業利益は423億円と、前連結会計年度に比べて430億円(50.4%)の減益となりました。
トヨタは従来、設備投資および研究開発活動のための資金を、主に営業活動から得た現金により調達してきました。
2023年3月31日に終了する連結会計年度については、トヨタは設備投資および研究開発活動のための十分な資金を、主に手元の現金及び現金同等物、営業活動から得た現金、および社債・借入金等の資金調達で充当する予定です。トヨタはこれらの資金を、従来の設備の維持更新・新製品導入へ効率的に投資しつつ、新たなモビリティ社会の実現に向け、競争力強化・将来の成長に資する分野に重点を置いて投資する予定です。2021年4月1日から2022年3月31日までに行われた重要な設備投資および処分に関する情報ならびに現在進行中の重要な設備投資および処分に関する情報は、「第3 設備の状況」を参照ください。
顧客や販売店に対する融資プログラムおよびリース・プログラムで必要となる資金について、トヨタは営業活動から得た現金と販売金融子会社の借入債務によりまかなっています。トヨタは、金融子会社のネットワークを拡大することにより、世界中の現地市場で資金を調達する能力を向上させるよう努めています。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の2兆7,271億円の資金の増加に対し、3兆7,226億円の資金の増加となり、9,954億円増加しました。この増加は、当連結会計年度(2022年3月31日に終了した12ヶ月間)における当期利益が増加した結果、資金が5,922億円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の4兆6,841億円の資金の減少に対し、5,774億円の資金の減少となり、4兆1,066億円増加しました。この増加は、主に定期預金の解約により、定期預金が3兆7,709億円減少したことによるものです。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の2兆7,391億円の資金の増加に対し、2兆4,665億円の資金の減少となり、5兆2,056億円減少しました。この減少は、主に長期有利子負債による資金調達が1兆5,335億円減少したことによるものです。
当連結会計年度における資本的支出(賃貸資産を含む)は、前連結会計年度の3兆6,096億円から3兆6,115億円と前年度並みになりました。
2023年3月31日に終了する連結会計年度において、賃貸および賃借資産を除く設備投資額は約1兆4,000億円となる予定です。
現金及び現金同等物は、2022年3月31日現在で6兆1,136億円でした。現金及び現金同等物の大部分は円建てまたは米ドル建てです。
トヨタは、現金及び現金同等物、定期預金、公社債および信託ファンドへの投資を総資金量と定義しており、当連結会計年度において総資金量は、7,611億円(5.4%)減少し、13兆4,510億円となりました。
当連結会計年度における営業債権及びその他の債権は、1,840億円(6.2%)増加し、3兆1,428億円となりました。これは主に、当第4四半期連結会計期間(2022年3月31日に終了した3ヶ月間)における売上増加の影響によるものです。
当連結会計年度における棚卸資産は、9,333億円(32.3%)増加し、3兆8,213億円となりました。これは主に、貴金属の市況上昇に伴う単価上昇によるものです。
当連結会計年度における金融事業に係る債権合計は、2兆5,587億円(13.3%)増加し、21兆7,644億円となりました。これは主に、為替変動の影響によるものです。2022年3月31日現在における金融債権の地域別内訳は、北米55.0%、アジア12.9%、欧州13.3%、日本7.3%、その他の地域11.5%でした。
当連結会計年度におけるその他の金融資産合計は、1兆2,748億円(9.6%)減少しました。これは主に、定期預金等の減少によるものです。
当連結会計年度における有形固定資産は、9,154億円(8.0%)増加しました。これは主に、設備投資によるものです。
当連結会計年度における営業債務及びその他の債務は、2,461億円(6.1%)増加しました。
当連結会計年度における未払法人所得税は、4,759億円(135.6%)増加しました。これは主に、税引前利益の増加に伴う法人所得税費用の増加などによるものです。
当連結会計年度における有利子負債合計は、8,367億円(3.3%)増加しました。トヨタの短期借入債務は、加重平均利率1.64%の借入金と、加重平均利率0.38%のコマーシャル・ペーパーにより構成されています。当連結会計年度における短期借入債務は、前連結会計年度に比べて2,350億円(5.4%)減少し、4兆1,048億円となりました。トヨタの長期借入債務は、加重平均利率が1.02%から5.81%、返済期限が2022年から2048年の無担保の借入金、担保付きの借入金、ミディアム・ターム・ノート、無担保普通社債、担保付普通社債などにより構成されています。当連結会計年度の1年以内に返済予定の長期借入債務は5,574億円(7.4%)減少し、7兆268億円となり、返済期限が1年超の長期借入債務は1兆8,099億円(13.8%)増加し、14兆9,437億円となりました。借入債務合計の増加は、主に融資残高の伸びに伴う資金需要の高まりによるものです。2022年3月31日現在で、長期借入債務の約52%は米ドル建て、約11%は円建て、約13%はユーロ建て、約6%は豪ドル建て、約4%は加ドル建て、約14%はその他の通貨によるものです。トヨタは、金利スワップを利用することにより固定金利のエクスポージャーをヘッジしています。トヨタの借入必要額に重要な季節的変動はありません。
2021年3月31日現在におけるトヨタの親会社の所有者に帰属する持分合計に対する有利子負債比率は、109.6%でしたが、2022年3月31日現在では101.0%となりました。
トヨタの短期および長期借入債務は、2022年5月31日現在、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、ムーディーズ(Moody's)および格付投資情報センター(R&I)により、次のとおり格付けされています。なお、信用格付けは株式の購入、売却もしくは保有を推奨するものではなく、何時においても撤回もしくは修正され得ます。各格付けはその他の格付けとは個別に評価されるべきです。
当連結会計年度における確定給付負債(資産)の純額は、国内および海外で、それぞれ2,323億円および2,629億円と、前連結会計年度に比べて、国内は506億円(17.9%)減少し、海外は774億円(22.7%)の減少となりました。確定給付負債(資産)の純額は、トヨタによる将来の現金拠出または対象従業員に対するそれぞれの退職日における支払いにより解消されます。国内においては、主に株価の上昇に伴う制度資産の増加により、確定給付負債(資産)の純額は減少しました。詳細については、連結財務諸表注記23を参照ください。
トヨタの財務方針は、すべてのエクスポージャーの管理体制を維持し、相手先に対する厳格な信用基準を厳守し、市場のエクスポージャーを積極的にモニターすることです。トヨタは、トヨタファイナンシャルサービス㈱に金融ビジネスを集中させ、同社を通じて金融ビジネスのグローバルな効率化を目指しています。
財務戦略の主要な要素は、短期的な収益の変動に左右されず効率的に研究開発活動、設備投資および金融事業に投資できるような、安定した財務基盤を維持することです。トヨタは、現在必要とされる資金水準を十分満たす流動性を保持していると考えており、また、高い信用格付けを維持することにより、引き続き多額の資金を比較的安いコストで外部から調達することができると考えています。高い格付けを維持する能力は、数多くの要因に左右され、その中にはトヨタがコントロールできないものも含まれています。これらの要因には、日本およびトヨタが事業を行うその他の主要な市場の全体的な景気ならびにトヨタの事業戦略を成功させることができるかなどが含まれています。
トヨタは金融事業のための資金調達の一つの方法として特別目的事業体を通じた証券化プログラムを利用しています。これらの証券化取引は、トヨタが第一受益者であるものとして連結しており、当連結会計年度におけるオフバランス化される取引に重要なものはありません。
トヨタの非デリバティブ金融負債およびデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額に関しては、連結財務諸表注記19を参照ください。また、トヨタはその通常業務の一環として、一定の原材料、部品およびサービスの購入に関して、仕入先と長期契約を結ぶ場合があります。これらの契約は、一定数量または最低数量の購入を規定している場合があります。トヨタはかかる原材料またはサービスの安定供給を確保するためにこれらの契約を締結しています。
次の表は、2022年3月31日現在のトヨタの契約上の債務および商業上の契約債務を要約したものです。
* 長期借入債務の金額は、将来の支払元本を表しています。
また、トヨタは2023年3月31日に終了する連結会計年度において、退職後給付制度に対し、国内および海外で、それぞれ33,069百万円および14,876百万円を拠出する予定です。
トヨタは金融事業の一環としてクレジットカードを発行しています。トヨタは、クレジットカード事業の慣習に従い、カード会員に対する貸付の制度を有しています。貸出はお客様ごとに信用状態の調査を実施した結果設定した限度額の範囲内で、お客様の要求により実行されます。カード会員に対する貸付金には保証は付されませんが、貸倒損失の発生を最小にするため、また適切な貸出限度額を設定するために、トヨタは、提携関係にある金融機関からの財務情報の分析を含むリスク管理方針により与信管理を実施するとともに、定期的に貸出限度額の見直しを行っています。2022年3月31日現在のカード会員に対する貸出未実行残高は1,792億円です。
トヨタは金融事業の一環として販売店に対する融資の制度を有しています。貸付は買収、設備の改装、不動産の購入、運転資金の確保のために行われます。これらの貸付金については、通常担保権が設定されており、販売店の不動産、車両在庫、その他販売店の資産等、場合に応じて適切と考えられる物件に対して設定しています。さらに慎重な対応が必要な場合には販売店が指名した個人による保証または販売店グループが指名した法人による保証を付しています。貸付金は通常担保または保証が付されていますが、担保または保証の価値がトヨタのエクスポージャーを十分に補うことができていない可能性があります。トヨタは融資制度契約を締結することによって生じるリスクに従って融資制度を評価しています。トヨタの金融事業は、販売店グループと呼ばれる複数のフランチャイズ系列に対しても融資を行っており、しばしば貸出組合に参加することでも融資を行っています。こうした融資は、融資先の卸売車両の購入、買収、設備の改装、不動産の購入、運転資金の確保等を目的とするものです。2022年3月31日現在の販売店に対する貸出未実行残高は3兆8,391億円です。
トヨタは、トヨタの製品販売にあたり、販売店と顧客が締結した割賦契約について、販売店の要請に応じ顧客の割賦債務の支払いに関し保証を行っています。保証期間は2022年3月31日現在において1ヶ月から8年に亘っており、これは割賦債務の弁済期間と一致するよう設定されていますが、一般的に、製品の利用可能期間よりも短い期間となっています。顧客が必要な支払いを行わない場合には、トヨタに保証債務を履行する責任が発生します。
将来の潜在的保証支払額は、2022年3月31日現在、最大で3兆6,419億円です。トヨタは、保証債務の履行による損失の発生に備え未払費用を計上しており、2022年3月31日現在の残高は、218億円です。保証債務を履行した場合、トヨタは、保証の対象となった主たる債務を負っている顧客から保証支払額を回収する権利を有します。
詳細については、連結財務諸表注記32を参照ください。
⑧会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上等を目的として、2021年3月期第1四半期よりIFRSを任意適用しています。
IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債およびトヨタの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、次のとおりです。
・品質保証に係る負債
・金融事業に係る金融損失引当金
・非金融資産の減損
・退職給付に係る負債
・公正価値測定
・繰延税金資産の回収可能性
詳細については、連結財務諸表注記4を参照ください。
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