(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による世界経済の悪化が、ワクチンの普及により、回復傾向となってはいるものの、新たな変異株発生による感染再拡大等の懸念材料により、先行き不透明な状況が続いております。その影響から、取引先である自動車業界は、景気回復傾向により全世界において販売台数は回復傾向ではあるものの、半導体不足等による顧客における生産調整等も重なり、前期までの回復には至りませんでした。
このような環境の中、売上高につきましては、半導体不足等による顧客における生産調整等はありましたものの、景気回復等による受注増加及び為替換算影響により、29,671百万円(前期比13.9%増)となりました。損益につきましては、増収効果及び総費用削減により、営業利益1,297百万円(前期は営業損失239百万円)、経常利益1,291百万円(前期は経常損失197百万円)となりました。また、構造改革費用を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は373百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失571百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
1.日本
売上高につきましては、景気回復による受注増加及び新規V6車種のエンジン部品や車載発電用エンジン部品の新規立上げにより14,548百万円(前期比13.1%増)となり、損益につきましては、増収効果及び総費用削減により898百万円のセグメント利益(前期はセグメント損失260百万円)となりました。
2.米国
売上高につきましては、半導体不足等による顧客における生産調整等はありましたものの、為替換算影響により8,455百万円(前期比0.4%増)となり、損益につきましては、引き続き総費用削減に努めましたものの、先述の生産調整による減産により348百万円のセグメント損失(前期はセグメント損失178百万円)となりました。
3.タイ
売上高につきましては、景気回復による受注増加により5,753百万円(前期比42.4%増)となり、損益につきましては、増収効果及び総費用削減により538百万円のセグメント利益(前期比489.9%増)となりました。
4.ベトナム
売上高につきましては、景気回復による受注増加により914百万円(前期比27.8%増)となり、損益につきましては、増収効果及び総費用削減により159百万円のセグメント利益(前期比64.2%増)となりました。
総資産につきましては、退職給付に係る資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ55百万円減少し、36,842百万円となりました。負債の部では、短期借入金の減少等により1,623百万円減少し、14,119百万円となりました。なお、純資産の部では、為替換算調整勘定の増加等により、1,568百万円増加し、22,722百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度と比較して270百万円減少し、当連結会計年度末には6,755百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,369百万円(前期比22.5%減)となりました。主な内訳は、減価償却費2,855百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,561百万円(前期比52.9%増)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,655百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,385百万円(前期比57.5%減)となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入1,900百万円、短期借入金の減少1,900百万円、長期借入金の返済による支出1,405百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
日本(千円) |
10,281,003 |
121.5 |
米国(千円) |
8,549,606 |
104.2 |
タイ(千円) |
5,884,410 |
145.8 |
ベトナム(千円) |
919,268 |
131.0 |
合計(千円) |
25,634,289 |
119.8 |
2.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
日本 |
9,865,617 |
117.9 |
445,619 |
106.5 |
米国 |
8,516,387 |
100.5 |
761,020 |
108.7 |
タイ |
6,203,899 |
143.9 |
532,837 |
141.9 |
ベトナム |
1,707,219 |
156.6 |
399,118 |
178.4 |
合計 |
26,293,123 |
118.2 |
2,138,595 |
124.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
3.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
日本(千円) |
14,548,662 |
113.1 |
米国(千円) |
8,455,614 |
100.4 |
タイ(千円) |
5,753,015 |
142.4 |
ベトナム(千円) |
914,050 |
127.8 |
合計(千円) |
29,671,343 |
113.9 |
(注)1)セグメント間の取引については相殺消去しております。
2)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
本田技研工業㈱ |
6,760,827 |
26.0 |
7,281,775 |
24.5 |
ホンダ オブ アメリカ マニュファクチュアリング・インコーポレーテッド |
6,685,208 |
25.7 |
6,933,557 |
23.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、半導体不足等による顧客における生産調整等はありましたものの、景気回復等による受注増加及び為替換算影響により、売上高は29,671百万円(前期比13.9%増)となりました。損益につきましては、増収効果及び総費用削減により、営業利益1,297百万円(前期は営業損失239百万円)となりました。詳細につきましては、前述の「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
また、総資産につきましては、退職給付に係る資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ55百万円減少し、36,842百万円となりました。負債の部では、短期借入金の減少等により1,623百万円減少し、14,119百万円となりました。なお、純資産の部では、為替換算調整勘定の増加等により、1,568百万円増加し、22,722百万円となりました。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は8,199百万円であります。また、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は6,821百万円であります。
資金は原則として当社で管理しており、当社グループの設備投資資金の調達につきましては、全て当社の事前承認の上実施しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える主要因として、主要顧客の販売状況及び当社主力製品の販売状況が挙げられます。
その対応といたしましては、直近課題として、未だ世界的に収束しない新型コロナウイルス感染症や、これに起因するサプライチェーンの混乱による生産調整、またロシアのウクライナ侵攻等による世界経済への影響が懸念される等、依然として先行き不透明な状況が続いていることより、自動車生産・販売は世界的に不安定な状況が継続し、先行きを見通すことが非常に厳しい状況が続くことが予想されますが、感染拡大予防ならびに収益力向上による着実な利益の積上げにより、財務体質改善を推進してまいります。
また、自動車業界においては、電動化の加速度的進展、CASEやMaaSに代表されるように自動車に対するニーズや価値観の変化といった大変革期にあり、それらに対応すべく戦略を前述の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(経営環境と経営戦略)」で記載のとおり、2030年ビジョン「Change the Future~技術と創造力で新時代に新価値を提供します~」を掲げ、自動車部品製造事業の中で培った技術と、技術の源泉である従業員の創造力を基盤に、自動車部品製造事業以外の新規領域でも持続可能で豊かな社会の実現に対して貢献してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値には不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(棚卸資産)
当社グループは、顧客に対する供給義務を果たすために保有する補修用部品等に係る棚卸資産について、入庫あるいは生産終了から一定の期間を超える場合に一定の率に基づいて規則的に帳簿価額を切り下げる方法を採用しております。なお、これらの棚卸資産の評価減の判定は、当社グループが過去より蓄積してきた製品等の出荷データ及び使用実績により、当該ライフサイクルの実態を把握できていることを基礎としております。
経営者は、棚卸資産の評価にあたり行っている見積りは合理的であると判断しておりますが、将来需要や市場状況などの変化により、追加の評価減が必要となる可能性があります。
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