業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度の日本および世界経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種拡大とともに各国経済の復調が続き、全体として緩やかな回復傾向にありました。

自動車業界においても一定の自動車生産台数の回復が見られました。一方で、一部地域での感染症の拡大や半導体供給の不足、物流の混乱、原材料の高騰などにより依然として先行きの不透明感が継続しています。

このような情勢のなか、VISION2030を実現するために基幹製品事業の体質強化、新規事業への取り組み、カーボンニュートラルへの対応など愛三グループの企業価値向上に向けてグループ一丸となって取り組んでまいりました。

 

「基幹製品事業の体質強化」としましては、従来から継続的に活動しているMMK活動(もっと ものづくり 強化)とバリューチェーン活動の進化を通じて、収益体質を強化することで損益分岐点を改善することができました。

これらの活動を通じ、品質・原価・供給などの分野において優れた成果をあげ、トヨタ自動車株式会社のグローバル展開に多大な貢献をした仕入先に贈られる最高の栄誉であるグローバル貢献賞をいただくことができました。

また、2019年より株式会社デンソーと協議を重ねてまいりました燃料ポンプモジュール事業について、2022年1月17日に事業譲渡契約を締結いたしました。各国・地域での競争法の承認取得等が完了次第、収益基盤の成長につながるよう事業の具体化を行ってまいります。

「新規事業への取り組み」としましては、車の電動化に対応した製品の事業化に向けた取り組みを進めております。具体的には、電動化技術の習得を目的としたハイブリッドドローン開発を通じたパワーコントロールユニット、モーター、電池などのハイブリッドシステム技術習得が完了し、顧客に対して具体的な製品や投入時期などの提案を開始いたしました。

「カーボンニュートラルへの対応」としましては、軽量・コンパクトで燃費や熱効率の向上に貢献し、CO2低減とコストダウンの両立が可能な次期型ダントツ製品は、開発完了し、市場投入の具体的な計画へとステージを進めることができました。

カーボンニュートラルへの取り組みを加速していくための全社機能横断的な推進部署を立ち上げ、自社製造工程にとどまらず製品ライフサイクル全体でのCO2削減を目指し、2030年50%低減(2013年比)を目標として活動を進めてまいります。

 

このようななか、当連結会計年度の業績としましては、売上高は193,751百万円と前期に比べて6.8%の増収となりました。利益につきましては、営業利益は9,809百万円と前期に比べて97.9%の増益、経常利益は10,255百万円と2.1倍の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は6,831百万円と前期に比べて93.7%の増益となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高が4,745百万円減少しております。

 

 

地域別の業績は次のとおりであります。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

[日本]

売上高は、販売量は増加したものの収益認識会計基準等の適用により88,550百万円(前年同期比1.7%減)となりましたが、営業利益は1,838百万円(前年同期比3.0倍)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高が4,745百万円減少しております。

[アジア]

売上高は、販売量の増加により87,851百万円(前年同期比16.3%増)となり、営業利益は6,195百万円(前年同期比2.2倍)となりました。

[米州]

売上高は、販売量の増加により25,439百万円(前年同期比11.7%増)となり、営業利益は1,311百万円(前年同期比12.6%増)となりました。

[欧州]

売上高は、販売量の増加により11,461百万円(前年同期比13.3%増)となり、営業利益は354百万円(前年同期は営業損失22百万円)となりました。

 

生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

59,658

93.2

アジア

73,636

114.5

米州

22,309

109.5

欧州

9,905

117.0

合計

165,509

105.3

 

(注) 金額は製造原価によっており、セグメント間内部振替後の数値によっております。

 

② 受注状況

当社グループは、トヨタ自動車株式会社はじめ各納入先よりおおむね四半期ごとの生産計画の提示をうけ、当社グループの生産能力を勘案して、これにより生産計画をたてております。なお、主たる受注先は、トヨタ自動車株式会社で約50%を占めております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

70,445

95.1

アジア

86,540

116.2

米州

25,367

111.6

欧州

11,398

112.9

合計

193,751

106.8

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

93,152

51.3

96,157

49.6

現代自動車㈱

25,684

14.2

26,071

13.5

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金の増加などにより前連結会計年度末に比べ12,017百万円増加し、201,936百万円となりました。

負債は、借入金の減少などにより前連結会計年度末に比べ1,098百万円減少し、101,046百万円となりました。

また、純資産は、利益剰余金および為替換算調整勘定の増加などにより前連結会計年度末に比べ13,116百万円増加し、100,889百万円となりました。

 

地域別の資産は、次のとおりであります。

[日本]

利益剰余金の計上に伴う資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ、675百万円増加し、76,649百万円となりました。

[アジア]

設備投資の増加などにより、前連結会計年度末に比べ、3,392百万円増加し、69,716百万円となりました。

[米州]

設備投資の増加などにより、前連結会計年度末に比べ、110百万円増加し、19,938百万円となりました。

[欧州]

減価償却費の計上などにより、前連結会計年度末に比べ、151百万円減少し、9,623百万円となりました。

 

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、48,750百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,381百万円増加いたしました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益および減価償却費により13,544百万円の収入となりました。前年同期に比べ4,217百万円の収入減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得により6,955百万円の支出となりました。前年同期に比べ169百万円の支出増加となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に返済による借入金の減少および配当金の支払いなどにより4,128百万円の支出となりました。前年同期に比べ2,952百万円の支出増加となりました。

 

資本の財源および資金の流動性については、下記のとおりとしております。

①  資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入および新製品生産や増産対応等にかかる設備投資によるものであります。

②  財務政策

当社グループは現在、運転資金については、当社および一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、設備投資資金については、原則内部資金または借入および社債の発行により資金調達することとしております。借入による資金調達に関しては、運転資金としての短期借入金を各連結子会社が、設備等の長期借入金を当社および各連結子会社が調達しております。また、その一部はグループ内資金の効率化を目的としグループ会社間で融資を行っております。

当社グループは財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。

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