課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1)経営方針

当社はグループ理念として、ミッション、バリュー、ビジョン、ウェイを定め、当社グループの経営における基本方針としております。

 

(1)ミッション

「私たちメイホーグループは、グループに集う仲間と共に、地域社会を支える企業が培ってきた技術や信用を、互いに認め、補完しあい、共に成長することで、永続的発展的な企業を創り、全従業員のしあわせを追求します。同時に、地域の文化伝統を重んじ、企業価値の向上、雇用の創出を通じて、地域社会の発展に貢献します。」

(2)バリュー

「私たちメイホーグループは、地域を支える企業を結び、経営効率化・人材・業務連携をサポートする企業支援プラットフォームを通じて”地域のサポーターとなる企業”を育成します。」

(3)ビジョン

「私たちメイホーグループは、実業を営む”地域のサポーター企業”を結ぶ全国ネットワークを築き、地域社会を共に支えていきます。」

(4)ウェイ

① 人生二度なし

私たちは自分の一生について真剣に考えます

② 良知を判断基準とする

私たちは心から納得できることを基本に行動します

③ 高い山に登る

私たちは現状維持を衰退と考え、上へ上へと登り続けます

④「ために」から「共に」

私たちは滅私奉公を否定し、しあわせを共創します

⑤ 常に現状を革新する

私たちは一人ひとりが熱意を持ち、自らが中心となって行動します

 

2)経営環境

(1)社会環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況がワクチン接種の普及拡大及び各種政策等の効果により、持ち直しの動きが継続して見られるようになりました。しかしながら、感染力の強い新たな変異株による感染拡大の影響もあり、依然として先行き不透明な状況で推移しております。

また、今般のウクライナ情勢については、各国の経済政策等により、当社グループへの何らかの影響はあると考えられるものの、当社グループの経営成績及び財政状態に与える影響は限定的と見込んでおります。

 

 

(2)事業環境

① グループ全体の事業環境

当社グループは、実業を営む”地域のサポーター企業”を結ぶ全国ネットワークを築き、地域社会を共に支えていくことをビジョンに掲げ、その実現に向けて、M&Aを積極的に推進しております。

わが国では高齢化の進展に伴い、経営者の高齢化も進む中で、中小企業の事業承継が社会的な課題として認識されています。そのような中、「地域企業がこれまで培ってきた技術や信用を互いに認め、補完しあい、共に成長することで、永続的発展的な企業を創る」という当社グループのミッションは、今後ますますその重要性が高まるものと考えております。

中小企業庁が2022年4月に公表した「中小企業白書・小規模企業白書 2022年版」によると、2021年の休廃業・解散件数は、4万4,377件であり、2020年、2018年に次ぐ、高水準でありました。経営者の平均年齢は上昇傾向にあり、休廃業・解散件数増加の背景には経営者の高齢化が一因にあると考えられ、事業承継への対応は喫緊の課題となっております。またМ&A件数の推移をみると、その件数は近年増加傾向で推移しており、2021年は過去最多の4,280件となりました。

以上より、当社グループが推進するM&Aは、今後活発化していくものと考えております。

 

 

② セグメント別の事業環境

a.建設関連サービス事業

建設関連サービス事業は、発注者の約8割を行政(国、都道府県、自治体など)が占めております。当社グループでは、事業の発注を受け、土木、建築工事に関わる調査計画、設計、施工管理、維持点検等の「建設コンサルタント業務」の提供を行うとともに、発注者である行政の組織の中で、公共工事の発注に伴って発生する工事の監督、積算や検査などの業務を職員(公務員)に代わって行う「発注者支援サービス」も提供しております。

当事業の市場動向について概観しますと、2022年度の公共事業関係費の一般会計予算は、財務省が2022年4月に公表した「令和4年度国土交通・公共事業関係予算について」によると、公共事業関係費の一般会計予算は6兆575億円(前年度比0.0%増)、防災・減災、国土強靭化関連予算は3兆8,736億円(前年度比3.0%増)であり、いずれも前年度と比べやや増加しております。なお当該予算編成にあたっては、メリハリのある予算となるよう「公共事業関係予算の安定的な確保」、「防災・減災対策におけるソフト対策の強化や新技術の活用による老朽化対策の効率化を踏まえた防災・減災、国土強靭化への取り組みの重点化」、「人口減少に対応した広域的なコンパクト・プラス・ネットワークの推進や生産性・成長力強化につながるインフラ整備の推進」等の観点が基本的な考え方として示されておりました。

建設投資の見通しについては、(一財)建設経済研究所が2022年4月に公表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し(2022年4月)」によると、2021年度は61兆6,600億円(前年度比1.2%増)、2022年度は61兆9,800億円(前年度比0.5%増)とほぼ同水準が続くと予測されております。うち、政府投資については2021年度が23兆4,200億円(前年度比△2.2%)、2022年度が22兆9,800億円(前年度比△1.9%)と微減ながらこちらもほぼ同水準が続くと予測されております。

以上より、当事業の市場は、今後も同水準で底堅く推移していくものと見込んでおります。

 

b.人材関連サービス事業

人材関連サービス事業は、建設技術者派遣、製造業派遣を主要な事業としております。その他の関連する事業として、交通誘導や施設の警備等を行う警備事業、日本で受託した図面作成等業務をカンボジアにて行う海外アウトソーシング事業及びカンボジア人技能実習生送出事業を行っております。

当事業の市場動向について概観しますと、有効求人倍率は、厚生労働省が2022年4月に公表した「一般職業紹介状況(令和4年3月分及び令和3年度分)」によると、2021年度平均で1.16倍(2019年度平均 1.55倍、2020年度平均 1.10倍)と新型コロナウイルス感染症の流行前の水準には及ばないものの回復の動きがみられます。

労働者派遣事業の状況については、厚生労働省が2022年3月に公表した「令和2年(2020年)度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、派遣労働者数は約193万人(前年度比4.9%増)、派遣先件数は約75万件(前年度比7.6%増)、年間売上高は8兆6,209億円(前年度比9.6%増)となり、いずれも前年度に比べ増加しております。

警備業の状況については、警察庁が2021年7月に公表した「令和2年における警備業の概況」によると、2020年12月末現在の、警備業法第4条に基づく認定業者数は1万113業者(前年比205業者、2.1%増)、警備員数は58万8,364人(前年比1万7,637人、3.1%増)、売上高は3兆4,734億2,931万円(前年比△800億円、△2.3%)となり、業者数、警備員数がともに増加した一方、売上高は減少しました。

外国人の雇用状況については、厚生労働省が2022年1月に公表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」によると、外国人労働者数は172万7,221人(前年比0.2%増)、外国人を雇用する事業所数は28万5,080か所(前年比6.7%増)となり、平成19年に届出が義務化されて以降、最高を更新しました。在留資格別では、「特定活動」が6万5,928人(前年比44.7%増)、「専門的・技術的分野の在留資格」が39万4,509人(前年比9.7%増)、「身分に基づく在留資格」が58万328人(前年比6.2%増)となりましたが、「技能実習」は35万1,788人(前年比12.6%減)、「資格外活動」のうち「留学」は26万7,594人(前年比12.7%)の減少となり、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う、入国制限が影響しているものと考えられます。

わが国では人口の減少と高齢化の進展により、労働力人口が大幅に減少することが懸念されていることから、女性・若者・高齢者・就職氷河期世代等の活躍促進に向けた政策なども検討されております。今後は、限りある労働力に対する需要の高まりとともに、当事業の市場は拡大していくものと見込んでおります。

 

c.建設事業

建設事業においては、道路工事などのインフラ関連工事や法面工事等の専門工事を全般的に行っております。

当事業の市場動向につきましては、a.建設関連サービス事業 の記載と同様であり、当事業の市場は、今後も同水準で底堅く推移していくものと見込んでおります。

 

d.介護事業

介護事業においては、通所介護(デイサービス)、認知症対応型通所介護(認知症専用デイサービス)、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)を行っております。

当事業の市場動向について概観しますと、介護保険事業の状況については、厚生労働省が2022年6月に公表した「介護保険事業状況報告の概要(令和4年3月暫定版)」によると、2022年3月末現在の、介護保険第1号被保険者数(65歳以上の方)は3,589万人(2020年3月 3,554万人、2021年3月 3,579万人)、要介護(要支援)認定者数は689.6万人(2020年3月 668.6万人、2021年3月 681.8万人)、居宅(介護予防)サービス受給者は406.5万人(2020年3月 386.0万人、2021年3月 395.2万人)、地域密着型(介護予防)サービス受給者数は89.4万人(2020年3月 88.0万人、2021年3月 87.1万人)となり、介護保険事業の利用者数は全体として増加傾向にあります。

介護サービスは、要介護者、家族等の生活を支えるうえで欠かせないものであり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時であっても、感染防止対策等の徹底を前提とした継続的なサービスの提供が求められています。新型コロナウイルス感染症の感染に伴う事業所の休業や燃料価格の高騰等、事業環境の先行きは不透明さを増しておりますが、中長期的に介護事業の社会的必要性は高まるものと考えられることから、当事業の市場は今後拡大していくものと見込んでおります。

 

3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは売上高の中長期的な成長を重視しております。また、安定的な利益確保を目指し、売上高営業利益率を客観的な管理指標としております。

 

4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

① М&Aの推進

経営者の高齢化が進む中で、中小企業の事業承継は社会的な課題として認識されています。当社グループでは、中小企業の事業承継の受け皿として、また、グループに加わった地域企業の企業価値の向上、雇用の創出を通じて、地域社会の発展に貢献するため、М&Aによるグループネットワークの拡大に取り組んでまいります。

 

② 地域の就職先・会社譲受先候補企業としてのグループ認知度の向上

当社グループに属する地域企業では、その立地による制約から人材の確保に課題があるものの、人材確保ができれば、事業拡大の余地があります。また、当社グループがより早く、より多くの地域企業をグループ化していくためには、オーナー経営者の方と相対取引をし、仲介手数料負担を軽減できるチャネルが必要になると考えております。そのため、地域の就職先・会社譲受先候補企業としてのグループ認知度の向上に取り組んでまいります。

 

③ グループフィロソフィの実践による経営者・従業員の意識改革

当社グループでは、グループ理念への共感を重視し、志を同じくする地域企業のグループを構築することを大切にしております。そのため、経営者勉強会によるグループフィロソフィの共有、月次業績検討会の実施等に取り組むとともに、これらの機会を通じて経営者・従業員の意識改革に取り組み、地域企業やその従業員が本来持っている稼ぐ力を発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。

 

④ コーポレートガバナンスの強化

当社グループは、グループビジョンにおいて、実業を営む”地域のサポーター企業”を結ぶ全国ネットワークを築き、地域社会を共に支えていくことを掲げております。グループビジョンを実現するためには、М&Aにより、地域企業のネットワークを作り、それぞれの企業価値の向上を図るという、これまでにないチャレンジに取り組む必要があると考えております。そのため、新たに執行役員制度を導入することで、取締役会の監督機能を強化するとともに、事業リスクに挑む組織風土を醸成してまいります。

 

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