当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお、収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用しております。この結果、前事業年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において売上高については前期比(%)を記載せずに説明しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
経営成績の状況は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大や原油等資源価格の高騰、世界的な半導体不足など、さまざまな悪影響を受けながらも持ち直しの基調が見られましたが、2022年1月以降、オミクロン変異株による新規感染者数が急増したことに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻も重なり、先行きの不透明さが増している状況です。
当社事業を取り巻く環境につきましては、IT業界では、世界的な半導体不足により納期遅延や案件の進捗遅れなどの影響が見られたものの、情報セキュリティ強化やペーパーレス化などリモートワーク環境構築に関する需要やDXの進展により、市場は概ね堅調に推移しております。又、介護業界においては介護施設における新型コロナウイルス感染症対策の対応により現場の負担感が増す中で、人材の需要は依然として高い状況が続いております。
このような環境のもと、当社はIT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業の2つの事業に注力してまいりました。
IT営業アウトソーシング事業につきましては、営業アウトソーシングの派遣人員の拡大に向け、下方修正を行い、若年層を中心とした採用と教育に注力し、派遣及び業務委託の人員は過去最大の133名となりました。又、中小企業向け新規開拓営業の代理店を中心としたITソリューションでは、半導体不足による受注減によって売上高は横ばいで推移することとなりましたが、これまでのネットワーク販売実績の集大成としてBM Xという新たなサービスを開始しました。
ヘルスケアビジネス事業につきましては、これまで培ってきた介護従事者・自治体及び大手IT企業とのネットワークを生かし、自治体からの業務請負を継続して契約し、ヘルスケア分野への新規参入・事業拡大を目指す企業への市場調査やプロモーション支援等を提供するヘルスケア支援に注力しました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、1,142,357千円を計上することができました。
利益面につきましては、営業利益48,343千円(前期比62.9%減)、経常利益50,594千円(前期比55.2%減)、当期純利益は、32,284千円(前期比57.6%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による、当事業年度の売上高に与える影響は軽微であり、営業利益、経常利益、及び当期純利益への影響はありません。
セグメント別の業績は、IT営業アウトソーシング事業の売上高は977,272千円、セグメント利益は210,464千円(前期比25.5%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高及びセグメント利益に与える影響はありません。ヘルスケアビジネス事業の売上高は165,085千円、セグメント損失は1,542千円(前期は1,467千円のセグメント損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高に与える影響は軽微であり、セグメント損失に与える影響はありません。
財政状態につきましては次のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は830,420千円となり、前事業年度末に比べ17,093千円増加しました。
流動資産は757,127千円となり、前事業年度末に比べ9,899千円増加しました。主な要因は未収還付法人税等の増加11,166千円、前払費用の増加10,370千円、売掛金の増加7,433千円及び現金及び預金の減少18,056千円であります。
固定資産は73,293千円となり、前事業年度末に比べ7,194千円増加しました。主な要因は投資その他の資産の投資有価証券の増加19,000千円、繰延税金資産の減少5,407千円及び差入保証金の減少3,298千円であります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は217,388千円となり、前事業年度末に比べ20,663千円減少しました。
流動負債は200,963千円となり、前事業年度末に比べ27,099千円減少しました。主な要因は未払払法人税等の減少39,627千円、未払消費税等の減少10,448千円、契約負債の増加12,608千円及び未払金の増加9,879千円であります。
固定負債は16,425千円となり、前事業年度末に比べ6,436千円増加しました。主な要因は長期借入金の増加6,436千円であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は613,032千円となり、前事業年度末に比べ37,756千円増加しました。主な要因は新株予約権の行使による資本金の増加2,761千円、資本準備金の増加2,761千円及び当期純利益の計上による利益剰余金の増加32,284千円であります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、596,601千円となり、前事業年度末に比べ18,056千円減少しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により減少した資金は627千円(前事業年度は135,152千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上44,548千円、減損損失の計上6,046千円、仕入債務の増加額3,672千円、減価償却費の計上2,997千円、賞与引当金の増加額2,461千円の資金の増加に対し、法人税等の支払額53,124千円、未払消費税等の減少額10,448千円の資金の減少があったことによるものであります。
投資活動により減少した資金は23,851千円(前事業年度は2,139千円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出18,000千円、無形固定資産の取得による支出5,726千円の資金の減少があったことによるものであります。
財務活動により増加した資金は6,421千円(前事業年度は217,287千円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入20,000千円、株式発行による収入5,522千円の資金の増加に対し、長期借入金の返済による支出19,050千円の資金の減少があったことによるものであります。
a. 生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
上記「a. 生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、前期比は記載しておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
a. 財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
(売上高)
当事業年度における売上高は 1,142,357千円 となりました。これは主に新型コロナウイルス感染症による影響を受けたものの、IT営業アウトソーシング事業の派遣及び業務委託の配属人数の年間の延べ人員1,460名(前期の延べ人員1,367名)によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は 652,235千円 (前期比 5.8%増 )となりました。売上原価を構成するものとして主にIT営業アウトソーシング事業、ヘルスケアビジネス事業の人件費がありますが、ヘルスケアビジネス事業の社員給与、法定福利費及び賞与引当金繰入額が増加したことにより、売上総利益は 490,122千円 (前期比 3.4%減 )となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は 441,778千円 (前期比 17.3%増 )となりました。そのうち、人件費は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しつつも積極的にIT営業アウトソーシング事業の採用活動を行ったため288,693千円(前期比10.6%増)となりました。又、人件費を除く販売費及び一般管理費は中小企業向けの経営支援を目的としたソフトウエアの開発等により153,085千円(前期比32.2%増)となりました。この結果、営業利益は 48,343千円 (前期比 62.9%減 )となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度における営業外収益は 2,589千円 (前期比 155.4%増 )、営業外費用は 338千円 (前期比 98.2%減 )となりました。営業外収益は主に助成金収入 2,415千円 、営業外費用は支払利息 338千円 によるものであります。この結果、経常利益は 50,594千円 (前期比 55.2%減 )となりました。
(特別利益、特別損失、当期純利益)
当事業年度における特別損失は 6,046千円 となりました。特別損失は減損損失 6,046千円 によるものであります。又、法人税、住民税及び事業税を 6,856千円 、税効果会計による法人税等調整額を 5,407千円 計上した結果、当期純利益は 32,284千円 (前期比 57.6%減 )となりました。
当社のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主たるものは、人件費、借入金の返済等であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資は、自己資金及び金融機関からの長期借入により調達しております。
なお、当事業年度における借入金残高は27,991千円となっております。又、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は596,601千円となっております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財務諸表を作成するに当たり、重要となる当社の会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
又、財務諸表の作成に当たっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、繰延税金資産の回収可能性等の項目については見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。
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