業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大継続により、経済活動が低迷し、サプライチェーンの混乱等により、原油価格、資材価格が高騰するなど先行きは依然として不透明な状況が続いております。

木材建材業界及び住宅建築業界におきましては、政府などによる各種の住宅取得支援策の効果もありますが、新型コロナウイルス感染症拡大による影響等で、先行き不透明な状況にありました。一方では、欧米や中国での木材需要の高まり等により国内での木材の供給不足や価格高騰の影響が顕在化したこと等により、当事業年度の全国の新設住宅着工戸数は86万戸(前期比6.6%増)、当社に関係が深い木造住宅の新設着工戸数につきましては50万戸(前期比7.6%増)となりました。

このような状況のもとで、公共建築物等木材利用促進法の施行から11年を迎え、改正木材利用促進法(脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律)が2021年10月1日に施行され、対象が民間建築物や中高層建築物を含む「建築物一般」に拡大されたこと、更に循環資源である木材を生かして「持続可能な開発目標 SDGs」の実現に貢献していくことを宣言いたしました。私たちは、Community with wood~200年先の笑顔のために~、非住宅建築の木造化を推進し、地産地消の認証木材使用による森林保護や高性能住宅により二酸化炭素の排出量を抑制し、地球温暖化防止へ貢献してまいります。

住宅資材事業では、プレカット受注を営業戦略の柱として、建材・住設・エクステリア等のトータル受注を目指してまいりました。また、製材工場ウッド・ミルのブランドであります国産人工乾燥杉製材品「宮城の伊達な杉」の更なる普及や、2019年1月に選出された「第7回富県宮城グランプリ」を糧に宮城県内産業の発展や地域経済の活性化に努力してまいりました。

建設事業では、宮城の伊達な杉を使用することで木の本来の性質であります優しい質感と香り、調湿効果に優れ、ある程度の太さがあれば火にも強く耐久性があり、「優しさ」と「強さ」を兼ね備えた「宮城の伊達な杉の家」CORE(コア)等と、選ばれた自然素材を採用し心身の健康を配慮した設計ノウハウと健康素材で、構成される住まいの提案と住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り年間に消費するエネルギー量が概ねゼロとなる、ZEH住宅等を拡販してまいりました。

この結果、当事業年度の業績は、売上高4,794百万円(前期比15.1%増)、営業利益283百万円(前期営業損失88百万円)、経常利益305百万円(前期経常損失47百万円)、当期純利益296百万円(前期当期純損失202百万円)となりました。

 

なお、セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。)

ア. 住宅資材事業

大型木造物件と地域に根ざした営業展開を図るため地場工務店に対する営業活動に注力しました。ウッドショック(木材不足、木材価格高騰)の中、プレカット、宮城の伊達な杉の出荷が好調に推移し、工場の製造原価率が下がったことにより、売上高3,985百万円(前期比23.5%増)、営業利益417百万円(前期比1,010.2%増)となりました。

イ. 建設事業

 注文住宅等の競争が激しい中、大型物件の売上高が計上されたことにより、売上高1,011百万円(前期比4.8%減)、営業利益22百万円(前期営業損失2百万円)となりました。

ウ. 賃貸事業

 賃貸事業は、売上高44百万円(前期比0.4%増)、営業利益36百万円(前期比5.7%増)となりました。

 

 財政状態は次のとおりであります。

ア. 資産

当事業年度末の資産は6,244百万円となり、前事業年度末に比べ184百万円増加しました。これは主として売掛金が161百万円、商品及び製品が131百万円それぞれ増加した一方、建物、構築物並びに機械及び装置等の有形固定資産が143百万円減少したことによるものです。

イ. 負債

負債は2,514百万円となり、前事業年度末に比べ88百万円減少しました。これは主として長期借入金が149百万円減少したことによるものです。

ウ. 純資産

当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べて272百万円増加し、3,729百万円となりました。これは主に、別途積立金が200百万円減少した一方、繰越利益剰余金が470百万円増加したことによるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前事業年度に比べ88百万円(6.0%)減少し、1,382百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果増加した資金は、前事業年度に比べ456百万円(79.3%)減少し、118百万円となりました。これは、主に売上債権の増加による資金の減少が165百万円及び棚卸資産の増加による資金の減少が198百万円あったものの、税引前当期純利益が287百万円、非資金費用の減価償却費が170百万円あったためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、14百万円(前事業年度は33百万円の増加)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が14百万円あったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、192百万円(前事業年度は154百万円の増加)となりました。これは、主に約定弁済に伴う長期借入金の返済による支出が149百万円及び配当金の支払額が27百万円あったためであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

ア. 生産実績

住宅資材事業

製品

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

加工品(千円)

1,710,583

122.2

(注)金額は製造原価で表示しております。

 

イ. 商品仕入実績

住宅資材事業

商品

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

素材(千円)

18,563

118.9

製材品(千円)

265,311

119.1

建材・住設備機器(千円)

1,158,488

109.9

合板(千円)

222,004

133.8

合計(千円)

1,664,367

114.1

(注)1.金額は仕入価格で表示しております。

2.上記の金額は外部仕入先からによるもので、セグメント間の内部仕入高は含まれておりません。

 

ウ. 受注実績

建設事業

区分

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比

(%)

金額(千円)

前年同期比

(%)

完成工事高

432,793

37.4

100,324

17.5

販売用建物

45,418

257.5

478,212

40.7

100,324

17.5

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当事業年度の受注高にその増減額を含んでおります。

2.受注高は、請負契約又は販売価額に基づいて表示しております。

 

エ. 販売実績

区分

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

住宅資材事業

 

 

商品(千円)

1,726,099

107.3

製品(千円)

2,012,896

138.7

建設事業

 

 

完成工事高(千円)

858,622

83.5

販売用土地建物等(千円)

152,447

452.0

賃貸事業(千円)

44,448

100.4

合計(千円)

4,794,514

115.1

(注)1.上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部売上高は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

仙建工業株式会社

546,804

11.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の財政状態及び経営成績については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。当期純利益が296百万円となり、前事業年度と比較して498百万円の増益となりました。これは主に木材需要の高まり等により製品の出荷が好調に推移し、製造原価率が低減したためであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

資本の財源及び資金の流動性については、当社は、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持する事を基本方針としております。長期運転資金及び設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。短期資金需要については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び当座貸越契約等の融資枠による金融機関からの短期借入を基本としております。

なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,181百万円、現金及び現金同等物の残高は1,382百万円となり、よってネット有利子負債は△200百万円となりました。また、当座貸越極度額は1,950百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しております。財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 

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