課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社経営の基本方針

当社グループは、「顧客重視」の立場から、お客様のニーズに機敏に応え、お客様にとって、なくてはならない企業であり続けるため、様々な業界に向けて製商品を提供し、社会インフラの充実を通じた豊かな社会づくりに貢献できる「提案型企業」を目指すことを経営の基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、資本効率を示す自己資本当期純利益率(ROE)を主要な経営指標とし、今後もM&A等による戦略投資、成長に向けた積極的な事業投資の拡大による収益力向上に努めるとともに、資本効率向上に取り組むことによりROE10%以上を目標としております。

 

(3)中期的な会社の経営戦略

当社グループは、設立以来、事業環境の変化に対応し続けることを通じて、強みを培ってまいりました。引き続き、経営基盤を強化し成長戦略を推進することで、事業環境の変化に対応しつつ、持続的な成長と長期的な企業価値向上を目指すことを基本方針としております。なお、これまで培ってきた当社の強みと策定している成長戦略は以下のとおりであります。

 

①当社グループの強み

a.仕入の強み

(a)国内6ヶ所の自社工場生産品及びOEM工場生産品が40%を占めるなどメーカー機能を有しており、ユーザーニーズに応じた多様な製商品の提供が可能であること。

(b)多数の仕入先を有し、特定の仕入先に依存していないため、安定供給が可能であること。

b.売り方の強み

全国の販売拠点で在庫を保有し、即納体制を整えるとともに、災害時に緊急を要する資材を即座に供給できること。

c.供給先の強み

建設業界に留まらず多様な業界・業種に対して小口分散販売を行い、特定の業界の景気に左右されにくいこと。

 

②成長戦略

a.オーガニック成長

これまで培ってきた強みを強化し、既存事業の収益力向上につなげるため、全セグメントにおいて、新規販売先の開拓、新商材の提供、売り方の工夫、販売ルートの開拓、拠点展開、自然災害への対応といった取り組みを行ってまいります。

b.周辺強化による成長

既存事業以外で今後成長が見込まれる分野への事業展開を進めるため、海外市場への展開、隣接する業界への進出、デジタル化への対応、ネット事業の拡大といった取り組みを行ってまいります。

c.M&A戦略

オーガニック成長、周辺強化による成長を加速させるため、M&Aにも積極的に取り組んでまいります。

 

(4)経営環境

今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展などにより、経済活動の回復が期待されるものの、原油や資材価格の高騰に加え、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株による感染再拡大など、先行きは引き続き非常に不透明な状況にあります。

当社グループ関連業界におきましても、建設需要は長期的には堅調と思われるものの、物件の進捗遅れや資材価格の高騰に起因する設備投資の抑制などが懸念されます。

 

 

(5)会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、長期的な企業価値向上を実現するため、次のような課題に取り組んでまいります。

 

①事業ポートフォリオ経営による成長性と収益性の達成

公共投資及び民間設備投資に係る売上が当社グループの相当部分を占めておりますが、事業環境の変化の速度が増す状況において、持続的な成長と長期的な企業価値向上を実現するためには、既存事業を強化するのみならず、今後成長が見込まれる分野への積極的な投資が不可欠と考えております。そのため、成長戦略を遂行することで、既存事業の強化と今後成長が見込まれる分野への進出を加速してまいります。

a.既存事業における受注の拡大

既存事業において、ユーザーニーズを的確にとらえた付加価値の高い製商品の開発・提供やデジタル技術の活用をさらに進めるとともに、社員を効率的に配置することにより、販売力を強化し、受注拡大を実現してまいります。

b.海外市場やネット事業の強化

今後成長が見込まれる分野(海外市場、ネット事業等)では、取扱商材の拡充や新規販売先の開拓を含めた営業力の強化により、売上高比率を高めてまいります。

c.M&A戦略

当社グループは、企業の買収や資本・業務提携を、成長を加速させるための重要な戦略の一つと位置づけ、資本コストを意識しながら投資決定を行うことで、成長と財務基盤の強化との両立を図ってまいります。

 

②製品技術力の強化

開発、製造、品質の各分野において、グループ全体の技術を融合し、数々の経験と独創的なノウハウやデジタル技術を活かすことによって、多品種少量生産における製品の生産性向上に取り組んでまいります。

 

③人的資本への投資

持続的な成長と長期的な企業価値向上を実現するためには、人的資本こそが重要であるとの認識のもと、通年採用・中途採用の実施、各種研修の実施、譲渡制限付株式付与制度の導入、働き方改革に対応した諸施策の見直しの実施等により、多様な人材が活躍できる環境の整備に努めております。

 

 

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