業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

 当期末における資産合計は4,625百万円(前期末比45百万円増)となりました。これは現金及び預金が367百万円減少しましたが、商品が300百万円増加したこと及び売掛金が46百万円増加したこと等により流動資産2百万円減少したこと、並びに投資有価証券48百万円増加したこと等により固定資産が48百万円増加したことによるものであります。

 負債合計は2,495百万円(前期末比19百万円増)となりました。これは短期借入金が100百万円減少しましたが、買掛金83百万円及び受託販売未払金19百万円、退職給付引当金12百万円の増加等によるものであります。

純資産合計は2,129百万円(前期末比26百万円増)となりました。これは主としてその他有価証券評価差額金33百万円増加によるものであります。

 

②経営成績の状況

当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症により経済活動が制約され消費の回復が遅れたことなどから景気の回復には至りませんでした。

水産物流通業界におきましては、水産物や原油などの値上がりによりコスト増が生じております。

このような状況におきまして、当社は新型コロナウイルス感染症による外食需要の減少により、レストランや居酒屋などへの売上高は減少しましたが、内食需要は好調であったことにより量販店などへの売上高は増加いたしました。

売上高は、当事業年度より適用した「収益認識会計基準」により19,928百万円(前期比37.4%減)と減収になりましたが、同会計基準適用前の売上高は前期比3.3%増と増収になりました。

損益につきましては、魚価高による利幅の減少と売上高増加に伴う販売経費の増加などにより、営業損失48百万円(前期 営業利益11百万円)、経常利益16百万円(前期比81.1%減)、当期純利益11百万円(前期比82.1%減)と減益になりました。

会計基準の変更を除外した売上高による部門別の営業の概況は以下のとおりであります。

部門別の営業の概況は以下のとおりであります。

a.鮮魚部門

販売数量は減少いたしましたが販売単価高により、売上高は増加いたしました。この結果、取扱数量は16,173トン(前期比1.4%減)、売上高は15,162百万円(前期比6.0%増)となりました。

b.冷凍、塩干部門

販売数量は減少いたしましたが販売単価高により、売上高は増加いたしました。この結果、取扱数量は18,967トン(前期比2.2%減)、売上高は17,745百万円(前期比1.1%増)となりました。

③キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物は、各キャッシュ・フローが支出超過となり、前期末に比べ367百万円減少し、253百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 税引前当期純利益16百万円及び減価償却費61百万円が計上されたこと並びに仕入債務が103百万円増加しましたが、棚卸資産が300百万円及び売上債権48百万円増加したこと等により、203百万円の支出超過(前期397百万円の収入超過)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 子会社株式の取得20百万円及び有形固定資産の取得19百万円等により、45百万円の支出超過(前期17百万円の支出超過)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 短期借入金の返済100百万円等により、118百万円の支出超過(前期219百万円の支出超過)となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産及び受注実績

該当事項はありません。

b.販売実績

 

当事業年度

(自 令和3年4月1日

至 令和4年3月31日)

前年同期比(%)

 受託商品(千円)

311,788

5.4

買付商品(千円)

19,616,266

75.1

 合計(千円)

19,928,054

62.6

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.受託商品は当事業年度より適用した「収益認識会計基準」により、純額で収益を認識する方法に変更したため減少いたしました。

     3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自  令和2年4月1日

至  令和3年3月31日)

当事業年度

(自  令和3年4月1日

至  令和4年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

 

株式会社横浜食品サービス

6,451,810

20.3

1,684,622

8.5

 

相栄フーズ株式会社

2,327,483

7.3

2,360,587

11.8

 (注)株式会社横浜食品サービスは当事業年度より適用した「収益認識会計基準」により減少いたしました。また、相栄フーズ株式会社は当事業年度の期首より適用した「収益認識会計基準」により、当該顧客への売上高が10%以上となりました。

c.仕入実績

 

当事業年度

(自 令和3年4月1日

至 令和4年3月31日)

前年同期比(%)

買付商品(千円)

18,784,622

76.3

 合計(千円)

18,784,622

76.3

 (注)金額は仕入価格によっております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①経営成績等の概要

当社は、新型コロナウイルス感染症による外食需要の減少により、レストランや居酒屋などへの売上高は減少しましたが、内食需要は好調だったことにより量販店などへの売上高は増加しました。その結果、「収益認識会計基準」適用前の売上高は増収になりましたが、当事業年度より適用した同会計基準の売上高は減収になりました。

魚価高による利幅の減少による売上総利益の減少並びに売上高増加に伴う販売経費の増加などにより、営業赤字となりました。

以上の結果、売上高は19,928百万円(前期比37.4%減)と減収、損益につきましては、営業損失48百万円(前期 営業利益11百万円)、経常利益16百万円(前期比81.1%減)、当期純利益11百万円(前期比82.1%減)と減益になりました。

当社の経営目標である売上高営業利益率は0.5%でありますが、当期は未達であり、引続き当社の経営戦略である本業の拡大、効率化をすすめるための次期下半期に新設する食品加工施設を活用した商品の販売、並びに遅れていた販売価格の改訂による利益率の改善を図るとともに仕事の見直しによる経費削減を実施し目標達成をはかってまいります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度におけるキャッシュ・フローは、魚価の値上がりによる仕入価格の上昇が先行し販売価格の改訂が遅れたことによる粗利益の減少、人員増による人件費増などの諸経費の増加などにより営業損失となったことに加え、量販店との取引拡大に伴う在庫の増加などにより運転資金が増加したため営業活動によるキャッシュ・フローは支出超過となりました。設備の更新や子会社財務体質の強化のため増資を行ったことなどにより投資活動によるキャッシュ・フローは支出超過となりました。短期借入金を返済したことなどにより財務活動によるキャッシュ・フローは支出超過となりました。

以上により期首621百万円あった現金及び預金は期末253百万円となりましたが、期末借入金残高は100百万円であり現金及び預金の残高が借入金の残高を上回っておりますので、実質無借金の状態が継続しております。

資金需要

当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、水産物の仕入代金と水産物卸売業にかかる営業費と一般管理費であります。また設備資金需要としては、顧客ニーズに対応するための市場における物流及び加工設備並びに情報処理のための電算設備などがあります。

財政政策

当社の事業活動の維持拡大に必要な資金は、資金計画に基づき銀行借入により調達しております。運転資金及び設備資金につきましては各部署からの報告を基に管理部が資金計画を作成するなどして、一元管理しております。また当社は一時的な余剰資金は金融機関からの借入金の返済に充当し、資金運用及びデリバティブ取引は行わないこととしております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって採用している「重要な会計方針」については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しているため省略しております。なお、将来の見通しに関する記述については、現在入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績・結果は異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

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