業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大、ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引き締めに伴う急激な為替の変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 医療・介護を取り巻く環境としましては、新型コロナウイルスの感染拡大は夏以降勢いを増し過去最大の感染者数となったものの、重症化率の低下とともに医療現場における適切な対応により市場は大きな混乱には至らず、比較的安定した状況で推移したものと見られます。また、今年4月に実施された診療報酬の改定は、本体が0.43%の引上げとなり、前回に引き続きプラス改定となりました。看護職員、介護職員の待遇改善としての賃金引上げも順次実施され、コロナ禍で疲弊する医療・介護現場の状況が反映されたものと評価されます。

 このような状況のもと、当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の売上は、計画通りに着地し、過去最高の売上高を達成いたしました。主力のコア市場においては、ヘルスケアウェア、ドクターウェアが高付加価値商品を中心に更新物件のキャッチアップ、新規物件の獲得により増収となりました。周辺市場では、患者ウェアが前期の22.0%の大幅増収に引き続き、当期も14.2%増と好調に推移しました。また海外市場も、台湾において大型物件の獲得により16.7%の増収となりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高につきましては17,745百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は5,031百万円(同3.5%減)、経常利益は5,139百万円(同3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,778百万円(同3.6%増)を計上いたしました。

 

 なお、当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

(財政状態)

a. 資産

 当連結会計年度末の総資産は47,347百万円となり、前期比919百万円の増加となりました。

 流動資産は38,902百万円となり、前期比1,579百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加681百万円、棚卸資産の増加270百万円、受取手形及び売掛金の増加262百万円、電子記録債権の増加201百万円等によるものであります。

 固定資産は8,445百万円となり、前期比660百万円の減少となりました。

 有形固定資産は7,381百万円となり、前期比107百万円の減少となりました。これは主に、建物及び構築物の減価償却等による減少97百万円等によるものであります。

 無形固定資産は56百万円となり、前期比13百万円の増加となりました。

 投資その他の資産は1,006百万円となり、前期比566百万円の減少となりました。これは主に、投資有価証券の減少726百万円等であります。

b. 負債

 負債の合計額は5,092百万円となり、前期比693百万円の増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加317百万円、未払法人税等の増加109百万円等によるものであります。

c. 純資産

 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を3,778百万円計上した一方、株主還元としての配当金1,971百万円の実施等により42,255百万円となり、前期比225百万円の増加となりました。

 以上により、自己資本比率は、前連結会計年度末の90.5%から89.2%になりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は5,460百万円となり、前連結会計年度末より218百万円減少(前連結会計年度は767百万円の減少)いたしました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は3,442百万円(前連結会計年度は4,448百万円)となりました。

 主な増加要因は、税金等調整前当期純利益5,468百万円(同5,288百万円)、減価償却費283百万円(同316百万円)、仕入債務の増加317百万円(前連結会計年度は302百万円の減少)、減少要因は、売上債権の増加478百万円(前連結会計年度は890百万円の減少)、棚卸資産の増加270百万円(前連結会計年度は16百万円の減少)、法人税等の支払1,584百万円(同1,725百万円)等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は471百万円(前連結会計年度は3,255百万円)となりました。

 主な増加要因は投資有価証券の売却による収入527百万円(同なし)、減少要因は、定期預金の払戻に対する預入の超過支出900百万円(同3,000百万円)、有形固定資産の取得による支出94百万円(同238百万円)等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は3,202百万円(同1,971百万円)となりました。

 主な要因は、配当金の支払額1,971百万円(同1,971百万円)、自己株式の取得による支出額1,231百万円(同0百万円)であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであります。

セグメントの名称(千円)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

 至 2022年8月31日)

前年同期比(%)

メディカルウェア等の製造・販売事業(千円)

8,035,501

110.7

(注)生産金額は、製品製造原価によっております。

 

b. 商品仕入実績

 当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであります。

セグメントの名称(千円)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

 至 2022年8月31日)

前年同期比(%)

メディカルウェア等の製造・販売事業(千円)

2,258,465

110.2

(注)商品仕入金額は、実際仕入価格によっております。

 

c. 受注実績

 当社グループは、見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

d. 販売実績

 当社グループは、メディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントであるため、市場別情報を記載しております。

市場別(千円)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

 至 2022年8月31日)

 

 前年同期比(%)

 

コア市場

13,021,774

98.6

周辺市場

4,486,651

108.0

海外市場

237,063

116.7

合計(千円)

17,745,488

101.0

(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。前年同期比は当該会計基準等適用前の2021年8月期連結販売実績と比較し計算しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

 至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

 至 2022年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ワタキューセイモア㈱

3,478,767

19.8

3,676,131

20.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

a. 売上高

 売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(経営成績)」に記載のとおりであります。

b. 売上総利益

 売上総利益につきましては、7,881百万円(前年同期比2.2%減)となりました。生産面におきまして、海外生産においては、昨年来のコンテナ不足に端を発する船賃急騰及び航海スケジュールの不安定など、物流における混乱状況が継続しており、航空便を含めた物流体制の多様化を行うことで、ユーザーへの影響の最小化を図りました。国内生産においては、最低賃金の上昇に伴い人件費の上昇の影響を受けました。その結果、売上高総利益率は、海外生産シフトを進め、また急激な円安進行の発生を先物為替の予約により影響の低減を図るなど、収益改善に努め、前年比1.5ポイントダウンの44.4%となりました。

c. 販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費につきましては、2,850百万円(前年同期比0.1%増)となりました。主な要因といたしましては、医療機関への訪問規制が緩和し、国内外での営業活動の回復により、旅費交通費等が増加し、前年同期比0.1%増となりました。

 以上の結果、営業利益につきましては、5,031百万円(前年同期比3.5%減)となりました。

d. 営業外損益

 営業外収益は147百万円(前年同期は130百万円)、営業外費用は39百万円(前年同期は36百万円)となりました。

 以上の結果、経常利益につきましては、5,139百万円(前年同期比3.1%減)となりました。

e. 特別損益

 特別利益は338百万円(前年同期は0百万円)、特別損失は10百万円(前年同期は17百万円)となりました。主な要因といたしましては、政策保有株式の保有意義の見直し結果による、売却を進めた結果、特別利益として投資有価証券売却益338百万円を計上いたしました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3,778百万円(前年同期比3.6%増)となりました。

 

(財政状態)

 財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(財政状態)」に記載のとおりであります。

 

(経営成績に重要な影響を与える要因)

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループは、企業体質の強化を図りながら持続的な企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。

 当社グループの資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フローで生み出した資金を源泉とし、運転資金及び設備資金は自己資金で賄っており、当連結会計年度の設備投資につきましては、主に建物関連への設備投資を行いました。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの2023年8月期は売上高182億円、営業利益45億円、中期経営計画として2025年8月期は売上高193億円、営業利益55億円を目標としております。

 その達成のため、市場戦略としてコア市場の深耕、周辺市場のシェア拡大、海外市場の開拓、商品戦略としてハイエンド/高付加価値商品の展開、生産戦略として生産の海外シフト化による原価低減、また顧客満足度を高めるため国内生産QR/多品種小ロット追求といった取り組みを進めてまいります。

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