業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績等の状況

当事業年度(2021年3月1日~2022年2月28日)におけるわが国経済は、国民のワクチン接種率上昇等の効果は有ったものの、新型コロナウイルスの変異により感染者数の変動がございました。これに伴い企業業績や雇用の悪化が招く先行き不安に起因した個人消費の冷え込みなど、依然として不透明な経営環境が続きました。当社の営業基盤となる東北地方におきましても緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出された地域を中心に、お客さまの購買行動の変化が継続いたしました。また、新しい生活様式の浸透や外出自粛による在宅時間の増加が、人々の消費行動を変化させる要因となっており、営業活動への影響を強く受けております。

このような環境の中、当社は中長期的に実現を目指す方向性として、お客さまのご満足を最優先に考えて活動する顧客満足業へステップアップすることを目標に掲げました。この目標を日々の活動で具現化するための指針として「提案します 暮らしのヒント!応援します 快適ライフ!」を社内で共有し、お客さまの生活をより快適にする商品とサービスの提案を行いました。さらに、地域に暮らす方々の「豊かさ実感」に貢献するため、期間限定の特売を抑制し、いつでもお買い得価格で購入できる商品を増やすなど、様々な面で「豊かさ創造」を具現化する変革に挑戦いたしました。一方、住まいと暮らしの必需品並びに農業や建築業等の仕事に不可欠な品々を多数提供する社会的インフラ機能を果たすため、お客さまと従業員の安全と健康を優先し、感染予防策を徹底した上で営業継続に努めてまいりました。当社が実施している感染予防策としては、従業員のマスク着用や手指の消毒、お客さまが来店された際に手指の消毒に使用するアルコール製剤の設置、店舗の出入り口や窓を定期的に開放しての換気、全レジにおいてお客さまとチェッカーの間に飛沫感染を防止する透明ビニールシートの設置、買い物カゴやショッピングカートなど多数のお客さまが触れる部分の消毒、お客さまがレジで会計をお待ちになる際に社会的距離を保つ目安の設置などを継続いたしました。ご来店いただいたお客さまが安心してお買い物を楽しむことができるよう、今後も感染予防策を実施して営業を継続してまいります。

また、商品を購入する際の負担を軽減するために実施しているSUN急便(商品を宅配するだけでなくDIYアドバイザーの資格を持つ従業員が補修・修繕・取付まで実施するサービス)につきましては、昨年の外出自粛期間中に密を避けるために初めてご利用いただいた方の継続的な利用の他、デリバリーに対する需要が拡大したことなどにより受注件数が増加する傾向が続いております。

一方、商品面におきましては、新型コロナウイルス感染予防で外出を自粛し、在宅時間の充実や癒しのために昨年からペットを飼い始めた方が、ペットと一緒に暮らす中で必要になるフードや消耗品を継続的にお買い求めいただいたことで、ペット用品の販売が好調に推移いたしました。また、外出自粛による内食需要とSUN急便による配達・取付がお客さまのニーズに合致したことで冷蔵庫などの大型家電やエアコンなど取付工事が発生する商品の販売が好調に推移いたしました。しかしながら、消毒用アルコール製剤や非接触型温度計など新型コロナウイルスに関連した商品のほか、巣ごもりに関連する商品は昨年の需要増加に対する反動減により昨年を大きく下回る実績となりました。

店舗戦略といたしまして、山形県河北町で約35年間にわたり営業してきた河北店を移転増床し河北谷地店として開店した他、ホームマート南郷店の売場面積を約4割拡大する増床活性化を実施いたしました。また、岩手県奥州市にサンデー水沢日高店を新規出店した他、秋田県能代市で約21年間にわたり営業してきた能代店を新たに開業するイオンタウン能代にリプレイスいたしました。いずれの店舗もこれまでの営業期間にお客さまから頂いた声を基に品揃えを充実させたことで多くのお客さまからご好評をいただいております。

 

イ.財政状態

 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ2億91百万円減少し、333億78百万円となりました。

 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ8億65百万円減少し、219億39百万円となりました。

 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ5億73百万円増加し、114億38百万円となりました。

 

ロ.経営成績

当事業年度における当社の売上高は497億36百万円(前期比23億64百万円の減)、営業利益は11億5百万円(前期比7億17百万円の減)、経常利益は11億57百万円(前期比7億7百万円の減)、当期純利益は7億19百万円(前期比3億88百万円の減)となりました。

(注) 1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 2.当社は、ホームセンター事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末残高に比較し66百万円減少し、8億16百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は1億93百万円(前年同期は37億35百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益11億26百万円、減価償却費10億41百万円、たな卸資産の減少4億58百万円、仕入債務の減少14億39百万円、未払消費税等の減少2億73百万円、その他の負債の減少1億87百万円、法人税等の支払9億24百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は14億円(前年同期比24.0%増)となりました。これは主に新規出店や既存店の活性化、空調及び電気設備入替等に伴う有形固定資産の取得による支出14億33百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は15億28百万円(前年同期は24億97百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の純増額17億円、長期借入れによる収入30億円、長期借入金の返済による支出28億51百万円、配当金の支払いによる支出1億60百万円等によるものであります。

 

③ 仕入及び販売の実績

当社は、小売業を主たる事業としているため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。

イ.仕入実績

当社はホームセンター事業の単一セグメントであるため、仕入実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

部門の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

DIY用品

4,413,042

98.1

家庭用品

14,560,238

87.9

カー・レジャー用品

14,856,223

102.0

合計

33,829,504

94.9

(注)1.部門ごとの各構成内容は次のとおりであります。

(1)DIY用品(木材、建築金物、工具、塗料、エクステリア)

(2)家庭用品(日用品、インテリア、電化製品、家庭雑貨等)

(3)カー・レジャー用品(園芸資材、ペット用品、レジャー用品、カー用品等)

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.販売実績

当社はホームセンター事業の単一セグメントであるため、販売実績を部門別及び地域別に示すと、次のとおりであります。

a .部門別売上実績

部門の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

DIY用品

7,357,262

97.7

家庭用品

19,905,884

89.4

カー・レジャー用品

21,615,224

100.6

その他

84,537

104.3

48,962,909

95.3

その他の営業収入

773,265

105.5

合計

49,736,174

95.5

(注)1.部門ごとの各構成内容は「イ.仕入実績」の項をご参照下さい。

なお、「その他」の構成内容は、「施工サービス等」であり、「その他の営業収入」の構成内容は、「コンセッショナリー売上手数料等」であります。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

b .地域別売上高実績

地域別

金額(千円)

前年同期比(%)

 青森県

19,594,681

97.1

 岩手県

12,009,504

93.1

 秋田県

5,723,446

95.0

 宮城県

3,955,607

95.8

 山形県

6,290,177

96.4

 福島県

2,162,757

92.6

合計

49,736,174

95.5

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。


① 財政状態及び経営成績等に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態

(流動資産)

 当事業年度末の流動資産合計は122億62百万円となり、前事業年度末と比較し6億26百万円減少いたしました。主な減少理由は、現金及び預金の減少66百万円、在庫削減政策に伴う商品及び製品の減少4億28百万円、売掛金の減少1億6百万円等によるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末の固定資産合計は211億15百万円となり、前事業年度末と比較し3億34百万円増加いたしました。主な増加理由は、新規出店などに伴う有形固定資産の増加5億1百万円、長期貸付金(建設協力金等)の減少49百万円、長期前払費用の減少48百万円、繰延税金資産の減少65百万円等によるものであります。

(流動負債)

 当事業年度末の流動負債合計は158億26百万円となり、前事業年度末と比較し12億32百万円減少いたしました。主な減少理由は、短期借入金の増加17億円、1年内返済予定の長期借入金の減少3億14百万円、支払手形の減少8億62百万円、買掛金の減少5億50百万円、未払金の減少2億21百万円、未払法人税等の減少5億99百万円、流動負債その他(未払消費税等)の減少2億69百万円等によるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末の固定負債合計は61億13百万円となり、前事業年度末と比較し3億67百万円増加いたしました。主な増加理由は、長期借入金借入による増加4億62百万円、リース債務の減少1億6百万円等によるものであります。

(純資産)

 当事業年度末の純資産合計は114億38百万円となり、前事業年度末と比較し5億73百万円増加いたしました。主な増加理由は、当期純利益7億19百万円の計上と配当金の支払1億61百万円等によるものであります。

 

ロ.経営成績

(売上高)

 当事業年度における売上高は前事業年度に比較して23億64百万円減少し、497億36百万円(前期比4.5%減)となりました。その主な要因は、前事業年度に需要が拡大した新型コロナウイルス感染予防に関する商品の売上や定額給付金の消費による売上の反動減によるものです。

(売上総利益)

 当事業年度における売上総利益は前事業年度に比較して5億75百万円減少し、155億60百万円(前期比3.6%減)となりました。また、売上総利益率は前事業年度を0.3ポイント上回る31.3%となりました。その主な要因は、新型コロナウイルス感染を予防するために外出自粛している方に向けて、自宅で過ごす時間を充実させる商材としてDIY・園芸・ペット用品などの提案を強化したことで、ホームセンターらしい商材の販売が好調に推移したことによるものです。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は前事業年度に比較して1億41百万円増加し144億55百万円(前期比1.0%増)となりました。その主な要因は、エネルギー単価の上昇により設備費が増加した事や新型コロナウイルスの感染リスクがある中で営業継続に協力いただいた従業員に対して一時金を支給したことなどにより人件費が増加したことによるものです。

(営業利益及び経常利益)

 当事業年度における営業利益は11億5百万円(前期比39.4%減)となり、前事業年度に比較して7億17百万円減少いたしました。これにより営業利益率は前期から1.3ポイント下落し2.2%となりました。また、経常利益は11億57百万円(前期比37.9%減)となり、前事業年度と比較して7億7百万円減少いたしました。これにより経常利益率は前期から1.3ポイント下落し2.3%となりました。

(当期純利益)

 当事業年度における当期純利益は、老朽化店舗の移転や閉鎖を実施したことに伴い44百万円の特別損失を計上したこともあり、前事業年度と比較して3億88百万円減少し、7億19百万円の利益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a .キャッシュ・フローの状況

「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b .契約債務

2022年2月28日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(千円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

3,500,000

3,500,000

長期借入金

6,482,100

2,297,100

2,970,000

1,215,000

リース債務

760,273

119,054

150,858

140,574

349,785

 

c .財務政策

 当社は、運転資金及び設備資金につきましては、自己資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、短期運転資金は金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及びリースを基本としております。

 なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は107億42百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、8億16百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成に当たっては、合理的判断に基づき一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映しております。また、これらの見積りについては将来事象の結果に特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

 会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(固定資産の減損処理)

 当社は、立地環境の変化及び近隣の同業他社との厳しい競争の結果、営業損益の悪化が予想される店舗について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

 減損の兆候把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や周辺の環境変化により、見積り額の前提条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

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