業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況、分析、検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

  (1) 経営成績

 当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が断続的に実施されたこと等により、落ち込みと持ち直しを繰り返しました。また、足元では地政学的リスクの高まりから、エネルギー価格の高騰や原材料不足等の様々な影響が出始めており、先行き不透明な状態で推移いたしました。

 食品流通業界においては、昨年9月末の緊急事態宣言の解除で、経済活動の再開、外食需要の持ち直し等が期待されましたが、新たな変異ウイルスの蔓延で、一進一退の状況が続いております。また、小麦粉・食用油等の原材料価格、石油・天然ガス等のエネルギー価格が高騰する中で、国際情勢の影響により更にそれが加速しており、先行き不透明感と消費者心理の悪化で、楽観視できない状況が続きました。

 このような状況下、当社グループは、2021年度からの新たな経営方針として、2023年度を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定し、顧客との取り組み深耕による物流効率化の追求や効果的な売り場提案など、付加価値機能の高度化を進めるとともに、商品開発など新たな機能の強化に取り組んでまいりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者減少に伴い、経済活動の制限が緩和されたことにより、一部の業態で回復基調が見られたものの、前年の家庭内食品需要の反動減や取引の見直し等により、1兆9,556億1百万円となりました。営業利益は物流コストを含む販管費の減少等により190億36百万円(前年同期比21.9%増加)、経常利益は203億71百万円(前年同期比20.5%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は139億49百万円(前年同期比25.9%増加)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首より適用しており、当連結会計年度の売上高は6,210億23百万円減少し、売上原価は5,855億88百万円減少し、販売費及び一般管理費は354億34百万円減少しておりますが、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益、期首の利益剰余金に与える影響はありません。また、当連結会計年度の売上高は、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前年同期増減率は記載しておりません。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 なお、各セグメント別売上高の増減に関する記載につきましては、前年同期に「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用した場合の影響を加味し、記載しております。

 

① 加工食品事業

 売上高は、スーパーマーケットやドラッグストア等を中心に、前年の家庭内食品需要の反動減や取引の見直し等により減少いたしました。利益面につきましては、売上高減少に伴う売上総利益の減少があるものの、物流コストを含む販管費の改善等により前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は6,701億6百万円、営業利益は46億91百万円(前年同期比27.5%増加)となりました。

 

② 低温食品事業

 売上高は、業務用商材を中心に一部の業態で回復基調が見られたものの、取引の見直し等により減少いたしました。利益面につきましては、一部業態の回復による物流効率化や取引の見直しに伴う物流コストの改善等により前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は5,421億82百万円、営業利益は91億97百万円(前年同期比27.2%増加)となりました。

 

③ 酒類事業

 売上高は、ディスカウントストアとの取引伸長等により増加いたしました。利益面につきましては、品種別構成比の変化に伴い利益率が低下したこと等により、前年同期を下回りました。

 以上の結果、売上高は4,711億9百万円、営業利益は37億45百万円(前年同期比4.3%減少)となりました。

 

④ 菓子事業

 売上高は、輸入菓子等の取扱いが好調に推移したものの、取引の見直し等により微増となりました。利益面につきましては、巣ごもり需要に対応した高付加価値商材等が堅調に推移し、売上総利益の増加に寄与したことに加え、販管費の改善等により前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は2,696億8百万円、営業利益は30億4百万円(前年同期比17.7%増加)となりました。

 

⑤ その他

 その他には、物流事業等が含まれており、売上高は25億95百万円、営業利益は3億1百万円となりました。

 

  (2) 生産、受注及び販売の実績

① 仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

加工食品事業

753,008

△0.93

低温食品事業

913,611

4.21

酒類事業

468,361

0.79

菓子事業

287,350

△0.10

その他の事業

20,936

6.53

合計

2,443,267

1.43

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.仕入実績は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等における代理人としての取引についても、取扱高の金額で集計しております。

 

② 販売実績

 当連結会計年度における販売実績を事業の部門ごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

加工食品事業

796,085

△1.20

低温食品事業

963,309

0.73

酒類事業

487,258

0.28

菓子事業

308,030

△0.42

その他の事業

21,941

7.99

合計

2,576,624

△0.04

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.販売実績は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等における代理人としての取引についても、取扱高の金額で集計しております。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社ローソン

668,246

25.9

682,036

26.5

 

 

  (3) 財政状態及びキャッシュ・フロー

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。

 当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループは、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の内、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」をご参照ください。

 

② 財政状態

イ.資産

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ191億2百万円減少し6,651億77百万円となりました。流動資産については、前連結会計年度末に比べ175億54百万円減少し5,148億42百万円(構成比77.4%)、固定資産については、前連結会計年度末に比べ15億48百万円減少し1,503億35百万円(構成比22.6%)となりました。

 流動資産の減少の主な要因は、自己株式の取得に伴う支出等により短期貸付金が319億39百万円減少したこと等によるものであります。

ロ.負債

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ76億12百万円増加し4,948億86百万円(構成比74.4%)となりました。流動負債については、前連結会計年度末に比べ76億58百万円増加し4,665億29百万円(構成比70.1%)、固定負債については、前連結会計年度末に比べ46百万円減少し283億57百万円(構成比4.3%)となりました。

 流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。

ハ.純資産

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ267億15百万円減少し1,702億91百万円(構成比25.6%)となりました。

 減少の主な要因は、自己株式の取得及び消却等によるものであります。

 この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ462円62銭増加し3,908円32銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の28.8%から25.6%となりました。

 

 ③ キャッシュ・フロー

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

23,828

19,284

投資活動によるキャッシュ・フロー

△6,256

△11,831

財務活動によるキャッシュ・フロー

△5,198

△39,649

現金及び現金同等物に係る換算差額

1

23

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

12,373

△32,172

現金及び現金同等物の期末残高

96,135

63,963

 

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ321億72百万円減少し、当連結会計年度末には639億63百万円となりました。

イ.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、192億84百万円となりました。主たる要因は、税金等調整前当期純利益201億72百万円等によるものであります。

ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、118億31百万円となりました。主たる要因は、有形固定資産の取得による支出74億50百万円等によるものであります。

 

ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、396億49百万円となりました。主たる要因は、自己株式の取得による支出352億52百万円等によるものであります。

 

  キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

 

2019年度

2020年度

2021年度

自己資本比率(%)

27.0

28.8

25.6

時価ベースの自己資本比率(%)

23.3

25.8

19.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

440.4

40.2

46.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

18.9

127.1

116.2

(注) 自己資本比率           :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている営業キャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、現在、運転資金及び設備投資等の資金需要に対しましては、自己資金を充当することを基本としております。当連結会計年度末も前連結会計年度末に引き続き、金融機関等からの借入金は僅少であり、三菱商事金融子会社との貸付運用等による短期貸付金を含めた手元資金(現金及び現金同等物)を639億63百万円保有しておりますので、充分な流動性を確保していると考えております。

 また、健全な財務状況を維持することにより、将来当社グループの成長のために多額な資金需要が生じた場合には、外部からの資金調達は可能であると考えております。

 

  (4) 経営上の目標の達成状況について

 当社グループは、「中期経営計画2023」において経常利益220億円、自己資本利益率(ROE)8%以上を目標としております。

 「中期経営計画2023」(2021年4月~2024年3月)の初年度である2021年度につきましては、物流効率化を中心とした販管費の改善により、経常利益は203億71百万円、ROEは7.6%まで上昇いたしました。

 2022年度以降の取り組みにつきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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