課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2022年2月28日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は北海道の地元企業として、お客さまに頼りにされるお店づくり、人づくりを実現させるとともに、イオングループの北海道における小売事業を担う企業として、グループ基盤をフルに活用し、お客さまに安全・安心で魅力的な商品・サービスを提供し続け、北海道にこだわり、北海道の発展に貢献していくことが役割であると考えております。そのために、お客さまの視点に立った小売業を営むことを経営の基本とし、各店のエリア・マーケットに基づく地産地消を中心とする地域に密着した売場づくり・品揃え・販売を徹底的に推進してまいります。そして、『北海道でNo.1の信頼される「お店」にしていく』ことの実現に向け、更なる成長と発展を図ってまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社が目標とする経営指標としては、売上高営業利益率を重視しております。スケールメリットによる値入率の改善に加え、自社開発商品の強化や、道内各地域それぞれに合わせた商品・売場への見直しにより、売場効率と商品在庫効率を高めてまいります。また、デジタルテクノロジーを活用した売場や後方作業の自動化やオペレーション改革をすすめローコスト運営を追求し、売上高営業利益率4%以上の達成を目標として、営業利益の安定的確保を目指してまいります。そして食を中心に新規出店や既存店の活性化をすすめ、成長戦略の推進を図ってまいります。併せてROE(自己資本当期純利益率)10%以上の確保を目指し、経営効率を高め、企業価値の向上を図ってまいります。

 

(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

新型コロナウイルス感染症の拡大と長期化により、経営環境の変化が加速しております。全国より早い少子高齢化と人口減少、市場の縮小や労働力の不足など、顕在化していた様々な経営課題に加え、外出自粛による客数減少や小商圏化、外食や衣料品の需要減少など、消費構造が大きく変化いたしました。その中で、毎日の暮らしに欠かせない食の市場はこれまでも堅調でしたが、内食需要の拡大により、ますます重要な商品分野となっており、業態を超えた競争も拡大しております。当社の中長期的な経営戦略として、「食」を基軸に便利で楽しく、健康な毎日の暮らしをお手伝いする、北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業をありたい姿とし、その実現に向けた中期経営計画をすすめてまいります。

 

 

(4)対処すべき課題

全国より早い少子高齢化による人口減少で市場が縮小し、競争が激化する北海道において、さまざまな経営課題を解決し、中長期的な経営戦略を推進すべく、中期5ヵ年経営計画(2021-2025)の4つの方針に沿って、施策をすすめています。

 

①商品と店舗の付加価値向上

当社の成長には、事業の核である商品と店舗の付加価値を上げ、地域一番の商品力、地域一番の便利な店を実現することが不可欠です。商品においては食品の強化を最重点とし、安全・安心、鮮度、美味しさ、バリューを追求すべく、競争力のある自社商品の開発と、産地と連携した道産生鮮品を強化します。当事業年度はイオン石狩PCを新設し、開発商品の製造・供給を開始しました。次年度は自社独自商品を更に拡大し競争力を高めると共に、店舗作業の削減による効率化をすすめます。また、衣食住が揃うGMSの魅力を再構築すべく、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による外出自粛で、マイナス影響が大きかった衣料商品と住居余暇・H&BC商品は、ニューノーマル時代に伸長するカテゴリーを更に精査し、品揃えの見直しを図ります。店舗においてはリアルとデジタルの多様な業態で、様々なお買物ニーズにお応え出来るのが当社の強みですが、地域ごとのお客さまのニーズの変化に、よりきめ細かく対応する売場構成への変更をすすめます。また、食品業態を中心に継続的に新規出店しますが、あわせて中小型の新業態店舗の開発をすすめます。店舗機能の強化では、お客さまの利便性と業務効率の向上を図るべく、セルフレジの導入を加速しており、当事業年度末においてはGMS/SM/DS店舗の7割以上で導入が完了し、Eコマースの店舗受取サービスの拡充などと合わせ、ストレスフリーで便利な店づくりをすすめています。重要な販売チャネルであるネットスーパーは、当事業年度に品揃えや受注・配送のキャパシテイを拡充し、急激に高まるお客さまニーズにお応えしましたが、次年度には拠点を拡大し、成長市場を確実に取り込みます。

 

②顧客化の推進

お客さまニーズの変化に加え、販売チャネルの多様化や広告媒体が急激に変化する中、新たな顧客戦略をすすめています。リアルとデジタルの様々な顧客接点で得られるデータを活用し、一人ひとりのお客さまに最適な商品とサービスを提案・提供するためのOne to Oneマーケティング体制を構築し、イオンファンを増やし、顧客と固い絆を結びます。当事業年度は、新たな顧客接点としてイオンのトータルアプリ「iAEONアプリ」を導入しました。スマホ決済によりお客さまの利便性を高めると共に、次年度はデータを活用した顧客販促を強化していきます。

 

③地域との連携

地域の成長なくして当社の成長はありません。また、さらなる環境配慮経営が課題となっています。地域と共に地域課題の解決に取り組み、地域になくてはならない店と住み良いまちを実現するために、商品や店舗だけでなく、地域と連携した環境・社会貢献活動に引き続き取り組みます。当事業年度は地域の暮らしを支えるインフラとして、新たに「協働のまちづくりに関する包括連携協定」を室蘭市・名寄市と、「災害時における支援に関する協定」を八雲町・栗山町・恵庭市など9市町と締結しました。また、売上の一部を当社が地域の活動に寄付するスキームを持つ「さっぽろ中枢都市圏WAON」(電子マネーカード)を発行し、地域連携を拡大しました。また、SDGs推進においては、脱炭素の取り組みを最重点に、引き続きCO2排出削減、排出プラスチックの削減、食品廃棄物の削減に取り組みます。

 

④収益構造の改革

成長を支える強固な経営基盤づくりとして、収益構造を改革します。特に衣料と住居余暇については店舗の品揃えと売場面積の適正化を図り、売場効率を上げ、収益力を改善します。あわせて、デジタルテクノロジーを活用した省人省力化と業務オペレーションの見直しにより、人時生産性を高めます。課題となる人件費や光熱費の増加に耐えうるコスト構造を確立し、コントロールを図ります。

 

2022年度に注力する取り組み

中期5ヵ年経営計画の2年目として「事業の実験・検証」の年度と位置付け、2025年度の「ありたい姿の実現」に向け、2021年度投資のイオン石狩PC、iAEONアプリ、セルフレジなどの施策効果の最大化を図ると共に、特に食品と衣料の強化に注力します。

 

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