課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 

当社グループは、以下の企業理念のもと、産業社会の基礎資材である鉄鋼製品をお客様の要望に応え、「必要なときに、必要なものを、必要な量だけ」を迅速・確実に提供することで、鉄鋼流通業界の先駆者として、社会に常に必要とされる企業であります。

企業理念

私たちは ずーっと 取引を続けてよかった

     ずーっと 勤め続けてよかった

     ずーっと 株主を続けてよかった  と思われる企業を目指します

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、競争力と収益性の指標としての営業利益率、成長性の指標として営業利益額を重点指標としております。第69期(2022年12月期)において営業利益額8億50百万円を見込んでおりますが、それを上回るべく事業を進めてまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

「100年企業」へのステップとして、ワンストップ機能の更なる拡充とともに、社員個々のスキルアップに取組み、グループ基盤の強化を図ってまいります。

① ワンストップ機能の拡充
・在庫強化

付加価値である現物・即納を最大限に活かした豊富な商品在庫のラインナップを図り、引き合い時の受注成約率を向上させ、売上増加・利益拡大に繋げてまいります。そのためには、顧客ニーズを的確に捉えた情報をメーカー各社に展開し、在庫販売の強化を図ってまいります。

・物流強化

大口配送のみならず、小口配送にも対応するため、提携運送会社の定期便をより活用し、車両の運行状況、空き状況等を把握して、より効率的な配送を行ってまいります。また、倉庫の荷扱い業務と輸送業務の連携を強化し、効率的な荷捌き・配送を行い、輸送網拡充に取組んでまいります。

・加工強化

素材から一次加工(切断・穴あけ等)、二次加工(溶接構造物)と自社加工対応に留まらず、長年の事業活動を通じて獲得した多彩な加工協力会社と連携し、小口から大口、ハイレベルな加工にも積極的に取り組んでまいります。また鉄骨工事以外の付帯工事にも参入し、付帯品種一貫受注体制の整備を図ってまいります。

・拠点強化

顧客志向に即した対応として、国内の主要な鉄鋼需要地域を中心に、営業所及び物流基地を設けた地域密着型の営業展開を主としており、今後も拠点に応じた設備増強や、更なる拠点新設も機をみて取組んでまいります。

 

② 業務効率化
・働き方改革

社員の日常の働き方は当社事業の根幹に影響する重要なファクターでもあるため、以前より業務効率化の推進を図っております。今後も積極的な展開として、業務改善ポスト(社員からの業務効率化提案)の運用やIT技術を活用したビジネスモデルに対応し、生産性の向上を一層促進してまいります。

・新基幹システムの導入

事業環境の変化に強く、柔軟な対応が可能となる基幹システムの再構築を現在重要案件として全社的に取組んでおり、業務効率化はもちろんのこと、これまでの業務処理のノウハウや営業支援を最大限に発揮でき、更には内部統制を補完するシステムを構築してまいります。

 

③ 人材戦略
・育成強化

すべての事業活動の取組みにおいて推進力となるのは人的資源が基盤であり、更に企業の成長を加速させるためには、社員個々のスキルアップが重要と認識しております。多様化する顧客ニーズに応じた鋼材のエキスパートとなるため、社内外での研修や資格取得等を積極的に展開してまいります。

・人材確保

激変する労働市場での人材確保としては、定期の新卒採用に拘らず、通年採用や業界経験のあるキャリア採用等を駆使して優秀な人材発掘に努め、また企業理念に掲げる通り、社員から「ずーっと勤め続けてよかった」と思われる企業として、社員の定着化を図ってまいります。

 

(4) 経営環境

当社グループが所属する鉄鋼流通業界におきましては、鉄鉱石・石炭等の鉄鋼原料メーカーの寡占化や中国・東南アジア等の新興国を中心とした大幅な粗鋼生産の増加から、国内鋼材市況は、海外の原材料や鉄鋼製品の影響を大きく受けることとなり、不安定な相場となっております。

また、国内鋼材鉄鋼需要は、建設業界において非住宅分野での物流倉庫、工場等の大型建築案件の回復が見られたものの、中小物件は回復が見られませんでした。今後は首都圏の再開発案件や、大阪関西万博及びそれに続くリゾート施設などの投資に向かう想定がされているものの、新型コロナウイルス感染症拡大により、先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況の中、いち早く経済回復した中国を中心に粗鋼生産量は大幅に増加したものの、それを上回る需要増から海外鋼材市況は急騰し、鉄鉱石・石炭・スクラップ等の原材料価格まで上昇が及びました。これらから、国内鉄鋼メーカーは製造コストの上昇に加えて、海外市況から大幅に乖離した国内鋼材市況の改善に向けて、かつてない程の値上げを継続いたしました。

今後、新型コロナウイルス感染症が収束に向かい、経済活動が活発化し、建築需要の増加から再び鉄骨需要量の増加を期待すると共に、カーボンニュートラルを見据えた製鋼コストの上昇が、海外及び国内の鋼材市況にどの様な影響を及ぼすのか等注意深く観察する必要があります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 新型コロナウイルス感染症への対応

新型コロナウイルス感染症拡大は、世界中の人々の生活様式や社会構造に大きな変化をもたらしており、今後も不透明な状況が続くことが見込まれます。当社グループにおいては、従業員の働く環境にも大きな変化が生じており、在宅勤務、時差出勤、リモート会議等を取り入れ、IT環境の整備やデジタル活用を推し進め、従業員の生産性や創造性を高めることを目指してまいります。

 

② コアビジネスの強化による顧客基盤の拡充

当社グループの中核ビジネスである在庫商品の販売は、今後もさらなる強化・拡大を図り、営業基盤の拡充を推進してまいります。

当社グループは、顧客(販売先)の数を更に増加させることを課題として認識しております。この課題に対処するために、各営業拠点では、地域密着型の営業活動をより一層強化し、シェアが低い地域における顧客基盤の拡充に努めてまいります。

 

③ 新情報システム構築による業務の効率化

当社グループは、事業の成長戦略を推進するうえで環境の変化に強く、柔軟な対応が可能となる基幹システムの抜本的な再構築に取り組んでおります。

情報システムの機能性を強化すると共に、当社グループの事業活動に必要な情報を迅速に把握し、事業効率の改善に努めてまいります。

 

④ 人材育成と人材確保

当社グループは、すべての事業活動の取組みにおいて推進力となるのは人的資源が基盤であるとのもと、鋼材のエキスパートとして市場環境や多様化するニーズに応じて顧客の立場に立って、提案型営業のできる人材の育成と通年採用による多様性のある人材の確保を図ってまいります。

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