業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び キャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における当社グループの関連業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による厳しい状況からは持ち直しの動きが見られるものの依然感染拡大は続いており、消費者ニーズも変化するなど、先行きが不透明な状況で推移しております。

このような状況の中、当社グループの経営成績につきましては、玩具事業やアミューズメント事業が好調に推移したことや、ビデオゲーム事業でヒット商品があったことにより、売上高、利益面ともに前期を大幅に上回りました。
 以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,824億4千1百万円(前期比8.9%増)、営業利益は55億7千5百万円(同31.2%増)、経常利益は58億5千3百万円(同35.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は35億5千4百万円(同37.2%増)となりました。

なお、会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、前期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経常利益とROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置づけております。

当連結会計年度においては比較的利益率の高い玩具事業やアミューズメント事業が好調だったことにより、経常利益は創業以来、過去最高益となり、売上高経常利益率は2.1%(前期比0.4ポイント増)、ROEは8.6%(同1.9ポイント増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

玩具事業

 玩具事業につきましては、BANDAI SPIRITSの「一番くじ」をはじめとしたコンビニエンスストア向けのくじ関連商品が好調に推移したことや、「ポケモンカードゲーム」や「デュエルマスターズ」などのトレーディングカードがヒットしたことにより、売上高、利益面ともに前期を大幅に上回りました。

 この結果、売上高は1,054億1百万円(前期比16.7%増)、セグメント利益は33億2千4百万円(同26.4%増)となりました。

 

映像音楽事業

映像音楽事業につきましては、映像音楽パッケージの新譜の販売は好調に推移したものの、前期は巣ごもり需要で好調に推移していた旧譜の販売の反動減があったことや、劇場の座席制限などの影響をうけ、当社出資映像作品の投資損失が発生したことにより、売上高、利益面ともに前期とほぼ横ばいとなりました。

この結果、売上高は669億6千5百万円(前期比0.8%減)、セグメント利益は5億1千5百万円(同0.7%減)となりました。

 

ビデオゲーム事業

 ビデオゲーム事業につきましては、新型の有機EL モデルが発売されている「Nintendo Switch」や「PlayStation5」のハードが引き続き好調に推移したことに加え、ソフトで「Pokémon LEGENDS アルセウス」などのヒット商品があったことにより、売上高、利益面ともに前期を上回りました。

 この結果、売上高は859億9千8百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益は16億3百万円(同10.8%増)となりました。

 

アミューズメント事業

 アミューズメント事業につきましては、カプセル玩具の販売が引き続き好調に推移したことや、カードゲーム商品の販売がコロナ禍の影響をうけた前期から回復したことにより、売上高は前期を大幅に上回りました。利益面につきましても、当社運営のカプセル玩具ショップ「ガシャココ」の出店拡大に伴う初期費用を計上したものの、売上高の伸長により前期を上回りました。なお、「ガシャココ」は2022年3月末日時点で44店舗を出店しております。

 この結果、売上高は240億7千5百万円(前期比30.1%増)、セグメント利益は15億9千3百万円(同65.7%増)となりました。

 

  仕入及び販売の実績は次のとおりであります。

   ①仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日

金額(百万円)

前年同期比(%)

玩具事業

90,987

116.8

映像音楽事業

61,601

99.2

ビデオゲーム事業

81,889

102.8

アミューズメント事業

18,141

130.7

合計

252,620

108.2

 

(注)金額は、仕入価格によっております。

 

    ②販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日

金額(百万円)

前年同期比(%)

玩具事業

105,401

116.7

映像音楽事業

66,965

99.2

ビデオゲーム事業

85,998

103.7

アミューズメント事業

24,075

130.1

合計

282,441

108.9

 

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
  至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アマゾンジャパン合同会社

43,809

16.9

51,796

18.3

 

      2.金額は、販売価格によっております。

 

  (2)財政状態

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ23億6千7百万円増加し、853億2千5百万

円となりました。これは主に、現金及び預金の増加15億8千5百万円、電子記録債権の増加8億5千2百万円、棚

卸資産の減少4億4千3百万円及び投資有価証券の増加4億8千1百万円によるものであります。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1億5千2百万円減少し、418億3千1百万円となりました。こ

れは主に、支払手形及び買掛金の減少16億8千4百万円、未払法人税等の増加2億8千2百万円及び契約負債の増

加5億6千9百万円によるものであります。

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ25億2千万円増加し、434億9千4百万円となりました。これ

は主に、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金の増加35億5千4百万円及び剰余金の配当による

利益剰余金の減少11億4百万円によるものであります。

 

 

セグメントごとの資産は次のとおりであります。

     玩具事業

  玩具事業におけるセグメント資産は、BANDAI SPIRITSの「一番くじ」をはじめとしたコンビニエンスストア向けのくじ関連商品が好調に推移したことや、「ポケモンカードゲーム」や「デュエルマスターズ」などのトレーディングカードがヒットしたことにより、電子記録債権及び売掛金が増加いたしましたが、当連結会計年度の期首より連結子会社1社にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金を当社に集中したことにより、現金及び預金が大幅に減少いたしました。

 この結果、前連結会計年度に比べ7億4千7百万円減少し、186億5千7百万円となりました。

 

     映像音楽事業

 映像音楽事業におけるセグメント資産は、当連結会計年度の期首より、株式会社ハピネットファントム・スタジオを連結の範囲に含めたことにより、前渡金及びのれんが増加いたしました。

 この結果、前連結会計年度に比べ5億6千5百万円増加し、138億6千4百万円となりました。

 

     ビデオゲーム事業

 ビデオゲーム事業におけるセグメント資産は、新型の有機ELモデルが発売されている「Nintendo Switch」や「PlayStation5」のハードが引き続き好調に推移したことにより、棚卸資産が減少いたしました。

 この結果、前連結会計年度に比べ6億4千5百万円減少し、173億5千7百万円となりました。

 

アミューズメント事業

 アミューズメント事業におけるセグメント資産は、当社運営のカプセル玩具ショップ「ガシャココ」の出店拡大により、建物及び構築物、差入保証金が増加いたしました。

 この結果、前連結会計年度に比べ5億5千7百万円増加し、50億3百万円となりました。

 

 当該要因への対応等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億8千

5百万円増加し、233億3千万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は37億1千1百万円(前期は102億6千2百万円の獲得)となりました。これは主

に、税金等調整前当期純利益の計上55億8千7百万円、棚卸資産の減少による獲得4億4千3百万円及び仕入債務

の減少による使用23億4百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は12億3千6百万円(前期は15億3千3百万円の使用)となりました。これは主

に、有形固定資産の取得による支出3億4千5百万円、無形固定資産の取得による支出2億3千2百万円及び投資

有価証券の取得による支出6億6千5百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は11億4百万円(前期は12億1千7百万円の使用)となりました。これは主に、配

当金の支払11億4百万円によるものであります。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。

 当社グループは、健全な財務状況の維持に努めており、当社グループの成長に必要な資金を有していると認識しております。また、さらなる資金が必要となる場合においても金融機関からの借入等を行い調達できるものと考えております。

 資金調達方法及び状況、資金の主要な使途を含む資金需要の動向につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。資金の流動性につきましては、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、グループ各社の資金を一元管理することで資金効率の向上を図っております。
  株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。

 

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております

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