業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する厳しい状況が残る中、ワクチン接種の進展等により経済活動の改善に向けた動きがみられました。しかしながら、新たな変異株による感染再拡大によって外出自粛等の行動制限が断続的に続き、さらに家計所得の伸び悩みや生活必需品の物価上昇等も加わり、個人消費を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。

 このような環境の中、当社グループは、“常に相手の立場に立って考動すること(考え、自ら行動すること)”“革新に努め前向きに考動すること”、全ての人の健康と幸せを願い“より豊かな「明日」を創造すること”を体現し、中長期的な企業価値向上と持続的な成長の実現に取り組んでおります。

 これらの結果、当連結会計年度における当社の連結業績は以下のとおりとなりました。

 売上高317億32百万円(前年同期比15.0%増)、営業利益11億3百万円(前年同期比121.2%増)、経常利益13億79百万円(前年同期比49.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9億78百万円(前年同期比1,095.2%増)となりました。

① 持ち帰り弁当事業

 持ち帰り弁当事業においては、「つくりたて。だから、うまい。」を謳うほっかほっか亭を展開しており、地域の皆様の豊かな食生活に貢献、食のインフラ「わたしの街の台所」として、お店で手づくり、できたてのあたたかいお弁当と一緒にお客さまに安心・安全をお届けすることを追求しております。

 2021年度は、更にデリバリー市場は大きく拡大を続け、コロナ前の約2倍近くの市場規模となり、デリバリー可能なエリアもどんどん拡大し、参入も相次ぎ、今後もデリバリー市場は、更に成長が見込まれることから、ほっかほっか亭では、「出前館」等のデリバリーサービスを順次導入いたしました。また、キャラクターとコラボした販促キャンペーン、新商品発売キャンペーンの展開、SNS(公式ツイッターのフォロワーは55万人)、アプリ(会員59万人)を活用したデジタル販促施策を積極的に展開し、継続的な来店と新規顧客の積極的な獲得に努めてまいりました。加えて、コロナ禍における対応として、引き続きモバイルオーダー、キャッシュレス決済の強化など非接触型のオペレーションの改善に努めてまいりました。

 しかしながら、スポーツ・イベント等の大量注文等の需要が戻りつつありますが、スーパーマーケットの中食強化や、外食店のテイクアウト進出、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、長引く在宅勤務のため、内食需要が増えていることから、持ち帰り弁当を取り巻く環境は厳しさを増しております。

 その結果、持ち帰り弁当事業の売上高は、158億88百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は8億2百万円(前年同期比34.7%減)となりました。

② 店舗委託事業

 店舗委託事業においては、飲食店等の運営事業者向けに店舗リースをはじめとする「食や店舗及びそれらを支える人材に関するソリューション」を提供しております。「取引店舗数」と「取引先1店舗当たり収益」の掛け算によるストックベースの安定収益を基本としております。

 2021年度は、飲食店にとってはコロナ禍で厳しい環境が続きました。その中で、店舗委託事業の「取引店舗数」は概ね横ばいを堅持しました。一時的に水準が変調していた空室率については個別物件毎に検討して水準を適正化し、利益率向上に努めました。

 2021年3月にグループ入りした製菓業界向けPOSレジ開発提供企業の㈱アニーについては、ネット受注連動POSレジの利用が増えて収益貢献しています。㈱アニーの取引先製菓店が当社グループ紹介物件に出店する等のシナジー効果も現れました。

 人材紹介ビジネスでは、夏収穫の信州レタス産地と冬収穫の九州トマト産地をリレー方式で就労機会提供する運用を開始し、日本での継続雇用を求める外国人材のニーズに飲食分野のみならず農業分野でも応える態勢といたしました。

 省廃棄型ビジネスを営む店舗流通ネット㈱は、公正誠実な事業活動を展開するESG企業として国連グローバル・コンパクトの趣旨に賛同する署名を行い、2021年12月に参加企業として登録されました。

 その結果、店舗委託事業の売上高は80億75百万円(前年同期比10.9%増)、利益率向上により営業利益は9億19百万円(前年同期比25.0%増)となりました

 

2021年2月末

2022年2月末

2022年3月末

取引店舗数

755

752

757

※店舗委託事業・店舗管理事業を営む連結子会社は、決算日を2月末から3月末に変更しております。よって、当事業年度は2021年3月1日~2022年3月31日までの13か月となっております。

 

 

③ 店舗管理事業

 店舗管理事業においては、店舗不動産の開発・リーシングを通じて所有者・投資家向けに「不動産の管理・投資機会等のソリューション」を提供しております。

 2021年11月には、名古屋市・大阪市・川越市の販売用不動産3物件の売却による売上高31億58百万円を計上しました。また、東京都心の麻布十番商店街や、首都圏住みたい街ランキング上位の本厚木の駅前で、街を活性化する店舗ビル開発を進めています。開発する販売用不動産の売却益を追求しつつ、店舗リーシングの強みに裏付けられた高稼働率を期待する所有者・投資家の信頼に応え、不動産管理・アセットマネジメントの受託ストックを積上げております。不動産管理の対象テナント先数は4割増となり、2021年11月に不動産私募ファンドを組成して投資助言するファンドのAUM(ファンド契約資産額)を大幅に増やしました。

 その結果、店舗管理事業は、販売用不動産の売却が好調で増収増益し、売上高は60億26百万円(前年同期比727.4%増)、営業利益は8億72百万円(前年同期比299.7%増)となりました。

 

2021年2月末

2022年2月末

2022年3月末

管理するテナント数(店)

56

80

80

ファンド契約資産額

(AUM)(億円)

41

74

91

※店舗委託事業・店舗管理事業を営む連結子会社は、決算日を2月末から3月末に変更しております。よって、当事業年度は2021年3月1日~2022年3月31日までの13か月となっております。

④ 物流食品加工事業

 物流食品加工事業においては、カミッサリー第2工場の生産効率向上を目指し、非加熱製品はもちろんのこと、新設の加熱処理設備を活用した加熱製品の開発にも注力してまいりました。また、長年にわたる鶏肉への拘りと、どんな要望にも確実に応える確かな技術力と開発力に裏付けされた製品は、外食、中食を問わず様々なユーザー・ベンダー様から高い評価を得ており、売上高に関しては順調に拡大いたしました。

 しかしながら、営業利益に関してはカミッサリー第2工場の稼働本格化による固定費拡大の影響で製造原価が増加したことにより押し下げられました。

 その結果、物流食品加工事業は、売上高48億62百万円(前年同期比14.8%増)、営業利益52百万円(前年同期比27.5%減)となりました。

⑤ 仕出料理事業

 仕出料理事業においては、長引く新型コロナウイルスの影響により、仕出サービス、ケータリングサービスともに低調に推移いたしました。しかしながらTOKYO 2020オリンピック/パラリンピックの特需、まん延防止等重点措置が明けた2022年1月以降、大型イベント(スポーツ、学会等)需要の回復もみられ、第4四半期に関しては回復の兆しがみられました。

 昨年7月より取り組んでおります催事惣菜サービスに関しても、しぶちか東急渋谷フードショー常設店舗「幾重」は、コロナ渦で自宅でのプチ贅沢を楽しむ傾向が強いことから順調に業況拡大しております。

 その結果、仕出料理事業は、売上高5億28百万円(前年同期比254.0%増)、営業損失1億21百万円(前年同期は営業損失3億5百万円)となりました。

⑥ その他

 イベント、パーティー等で、食器等のレンタル、設営等を行うパーティー用品レンタル事業においては、TOKYO 2020オリンピック/パラリンピックの特需で売上は確保いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、中止又は延期するイベント・行事が多数あったことから低調に推移いたしました。

 しかしながら、10月の緊急事態宣言解除後、各種イベント開催、レストラン・ホテルにおけるパーティーの回復がみられたことにより、パーティーでの食器レンタルの受注が増加するなど明るい兆しも見えています。また、アフターコロナを見据え、10月にオープンした関西支店でも新規顧客の獲得に向けた営業活動などを進めてまいりました。

 その結果、その他事業は、売上高4億86百万円(前年同期比45.0%減)、営業利益62百万円(前年同期は営業損失92百万円)となりました。

注.フレッシュベーカリー関連事業のアルヘイム㈱は2021年2月に事業すべてを譲渡しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ63億31百万円増加し、114億40百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は27億17百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12億85百万円、減価償却費8億41百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は53億67百万円となりました。これは主に、固定資産の取得による支出46億46百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は89億81百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入107億99百万円、長期借入金の返済による支出23億79百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

持ち帰り弁当事業

8,594

95.3

物流食品加工事業

4,289

115.4

合計

12,884

125.2

 (注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。

 

b.受注実績

 該当事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績(外部顧客への売上高)をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

持ち帰り弁当事業

15,587

96.2

店舗委託事業

8,068

110.8

店舗管理事業

6,026

827.7

物流食品加工事業

2,993

124.4

仕出料理事業

528

354.4

その他

235

26.6

小計

33,440

121.2

調整額(消去及び全社)

△1,708

合計

31,732

115.0

 (注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。

    2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は前連結会計年度に比べ41億38百万円(15.0%)増加し317億32百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ6億4百万円(121.2%)増加し11億3百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ4億55百万円(49.4%)増加し13億79百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ8億96百万円(1,095.2%)増加し9億78百万円の結果となり、増収増益となりました。

 上記のほか、当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概況」に記載のとおりであります。

 また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業のリスク」に記載のとおりであります。

 グループ全体経営と事業経営を分離し事業会社の運営責任及び事業責任を明確化することで各事業会社の経営効率の向上と全体のガバナンス強化を目指すため持ち帰り弁当事業のすべてを新たな事業会社株式会社ほっかほっか亭総本部に吸収分割し事業会社化を行いました不透明さが増す未来において新しい価値創造を続けていくためにハークスレイグループは環境適応能力と成長性を兼ね備えた事業連合体自己変革型企業群を目指してまいります

 

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