業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における外食産業は、前連結会計年度から続く複数回にわたる緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発令により、個人消費は落ち込みと持ち直しを繰り返し、コロナ禍における感染者数の多寡により、ご来店のお客様が大きく変動する、不透明な状況で推移しております。当社においても、営業時間の短縮要請及び酒類提供の時間制限、1グループあたりの人数制限他さまざまな要請を受ける中、企業としての社会的責任を果たすという観点から、各要請に対し、誠実に対応してまいりました。この結果、当連結会計年度においては休業と営業再開を繰り返すこととなり、また継続営業が可能となった後も、感染の再拡大により、全国的に外出や飲食店利用への自粛要請が行われ、積み上げてきた取り組みが、一進一退を繰り返す状況となっております。

 この結果、当連結会計年度末の店舗数は、大衆割烹「庄や」20店舗、「日本海庄や」4店舗、カラオケルーム「うたうんだ村」1店舗、大衆すし酒場「じんべえ太郎」5店舗、Italian Kitchen「VANSAN」2店舗の合計32店舗となっております。

 以上により、当連結会計年度の業績は、売上高665,209千円(前期比9.3%減)、売上総利益446,796千円(同10.2%減)、営業損失は587,981千円(前期は営業損失1,034,400千円)となりました。

 営業時間短縮要請に係る協力金や雇用調整助成金等を含めた補助金収入を営業外収益に509,649千円計上したことにより、経常損失は65,592千円(前期は経常損失639,693千円)となり、税金等調整前当期純損失は4,438千円(前期は税金等調整前当期純損失501,238千円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は8,774千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失504,914千円)となりました。

 当社グループは、料理飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて91,866千円増加となり、647,534千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果資金の増加は116,560千円となりました。これは主に、補助金による収入509,649千円、収用補償金による収入72,412千円、減価償却費50,545千円、減損損失9,821千円及び仕入債務の増加28,992千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は69,227千円となりました。これは主に、差入保証金の回収による収入165,368千円、定期預金の預入による支出60,000千円及び有形固定資産の取得による支出88,195千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果資金の増加は44,532千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出45,002千円及びリース債務の返済による支出10,347千円等によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

(1)収容能力及び収容実績

 当連結会計年度における収容能力及び収容実績を業態別ごとに示すと次のとおりであります。

業態区分

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

店舗数

(店)

客席数

(千席)

構成比

(%)

来店客数

(千人)

構成比

(%)

店舗数

(店)

客席数

(千席)

構成比

(%)

来店客数

(千人)

構成比

(%)

庄や部門

23

765

54.3

179

52.9

21

451

64.8

162

53.6

日本海庄や部門

8

560

39.8

129

38.0

4

186

26.7

73

24.3

VANSAN部門

2

24

3.5

34

11.5

その他部門

2

82

5.9

30

9.1

5

34

5.0

31

10.6

合計

33

1,409

100.0

339

100.0

32

696

100.0

302

100.0

 (注)1.当連結会計年度における客席数は各月末現在の各店舗客席数×営業日数として算出しております。

2.庄や部門には、カラオケルーム「うたうんだ村」が含まれております。

3.その他部門は、大衆すし酒場「じんべえ太郎」及び「やるき茶屋」であります。

(2)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を業態別、地域別に示すと次のとおりであります。

1)業態別販売実績

業態区分

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前期比(%)

庄や部門(千円)

371,860

92.85

日本海庄や部門(千円)

160,013

62.23

VANSAN部門(千円)

64,286

-

その他部門(千円)

69,048

132.03

合計(千円)

665,209

90.74

 (注)1.庄や部門には、カラオケルーム「うたうんだ村」が含まれております。

2.その他部門は、大衆すし酒場「じんべえ太郎」及び「やるき茶屋」であります。

2)地域別販売実績

地域別

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前期比(%)

埼玉県(千円)

545,911

93.53

栃木県(千円)

65,303

78.55

群馬県(千円)

37,632

89.90

千葉県(千円)

16,361

137.09

合計(千円)

665,209

90.74

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたりましては、過去の実績や将来の計画等を踏まえて合理的に見積りを行っておりますが、実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)(新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の財政状態の分析

資産、負債および純資産の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は1,839,554千円となりました。流動資産合計は、前連結会計年度末に比べて146,356千円増加し、1,037,389千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が151,869千円増加したことによるものです。また、固定資産合計は、前連結会計年度末に比べて114,388千円減少し、802,164千円となりました。その主な要因は、差入保証金の減少163,368千円及び減価償却費50,545千円の計上等によるものです。

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は669,066千円となりました。流動負債合計は、前連結会計年度末に比べて18,650千円増加し、243,207千円となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加30,415千円、未払金の増加40,246千円、買掛金の増加28,992千円及び閉店店舗の解体費用等の支払いによる資産除去債務の減少66,529千円等によるものです。固定負債合計は、前連結会計年度末に比べて21,114千円増加し425,859千円となりました。その主な要因は、長期借入金の増加24,583千円等によるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末に比べて7,797千円減少し、1,170,487千円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失8,774千円の計上によるものです。

 

③ 当連結会計年度の経営成績の分析

イ. 売上高

 当連結会計年度における売上高は665,209千円(前期比67,845千円減)となりました。

 これは主に、政府や自治体による休業要請、営業時間や酒類提供時間の短縮要請による臨時休業や制限下における営業による既存店売上高の減少及び閉店28店舗によるものであります。

ロ. 売上総利益

 当連結会計年度における売上総利益は446,796千円(前期比50,474千円減)となりました。

 これは主に、売上高の減少によるものであります。

ハ. 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,034,778千円(前期比496,892千円減)となりました。

 これは主に、地代家賃の減少169,750千円及び顧問料の減少55,931千円及び水道光熱費の減少50,086千円によるものであります。

ニ. 営業利益

 当連結会計年度における営業損失は587,981千円(前期比446,418千円減)となりました。

ホ. 経常利益

 当連結会計年度における経常損失は65,592千円(前期比574,100千円減)となりました。

 これは、コロナ禍における政府や自治体によるコロナ禍によるまん延抑制のための営業協力に係る補助金収入を営業外収益に計上したによるものであります。

ヘ. 特別利益

 当連結会計年度における特別利益は72,412千円となりました。

 これは、収用補償金72,412千円によるものであります。

 

ト. 特別損失

 当連結会計年度における特別損失は11,257千円となりました。

 これは、減損損失9,821千円、店舗閉鎖損失1,435千円によるものであります。

 

チ. 親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は8,774千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失504,914千円)となりました。

 これは税金等調整前当期純損失の減少によるものであります。

 

④ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況、3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況、2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

 コロナ禍による店内飲食への影響は甚大であり、それに伴う生活スタイルの変化や外出・会食の自粛による需要の著しい減少があり、直近のコロナ第7波の感染者数の爆発的な拡大により、一時回復していた来店客数も再び減少しており、売上高は大変厳しい状態で推移しております。

 当社グループは、前連結会計年度より進めてまいりました大規模な運営店舗とコスト構造の見直しを経て、コロナ禍においても利益を出していける店舗体制づくりを進めております。販売費及び一般管理費に関しては、コロナ禍において賃料等の減額のご協力をいただいており、店舗業績の早期回復・改善に努めております。

 具体的には、既存店舗の活性化を図ることを最重要の課題ととらえ、お客様満足度向上のためのQSCの徹底・継続や来店客数の増加のためにSNSの活用を実施をしております。さらに、単一の事業ポートフォリオでの運営の厳しさを受け、コロナ禍においてもその影響を受けにくい、ご飲食に対するアルコール比率が低い、Italian Kitchen「VANSAN」のFCとして2店舗を出店いたしました。こちらは、当該ブランド運営に対して店舗運営や研修他、DX化に先進的に取り組んでいるVANSAN本部の指導を受け運営をしております。さらに個人・ファミリー等の少人数のお客様をターゲットとした自社開発業態である、大衆すし酒場「じんべえ太郎」へ3店舗の業態変更も進めることで、フードメニュー、ドリンクメニューを開発し、メニューの改廃のみならず、効率的な店舗オペレーションの新たな取り組みを進めております。

 3年目をむかえるコロナ禍においては、コロナワクチン接種の更なる推進とコロナの常態化によって、このような大変不透明な環境下においても、翌事業年度の下期からは著しい営業活動の停滞は解消されていくものと想定しております。

 こうした中で当社グループは、既存店の活性化と事業ポートフォリオの組替えとともに、より多くのお客様に安心してご来店いただくためのQSCの向上と、お客様と従業員に対する感染拡大防止対策と健康への配慮を継続して行ってまいります。

 翌事業年度の業績の見通しにつきましては、売上高1,650百万円、経常損失50百万円、当期純損失55百万円を見込んでおります。

 

⑦ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要には、営業費用、例えば店舗運営に係る原材料の仕入や人件費の支払い、販売費及び一般管理費等に係る運転資金と店舗の新設や改装等の臨時的かつ多額な設備資金があります。

 運転資金については、営業活動によって得られた自己資金で賄うことを原則としております。

 また、設備資金についても、原則として自己資金により対応する方針ですが、回収期間が長期に及ぶことを考慮し、長期借入金及びリース契約も併せて活用する方針としております。なお、その場合も、現預金借入金比率は100%以上を維持し、過剰な投資は行わないものとしております。
 当社グループは、販売代金の決済の大半を現金決済が占めるため、当連結会計年度末における当座比率は405.6%、流動比率は426.5%となっております。今後も当社グループの資金需要への対応のため、十分な自己資金の確保に努めてまいります。

 

⑧ 経営上の目標の達成状況

当社グループは、安定的な収益体制の確立を目指し、当初より適正原価率の維持及びコスト管理を目指す観点から売上高営業利益率を収益性の経営指標として採用しております。

売上高営業利益率の当面の目標数値5.0%としておりましたが、コロナ禍で臨時休業等を余儀なくされた当連結会計年度実績は売上高営業利益率△99.2%となっております。

また、強固な財務基盤の構築を目指しており、自己資本比率を安全性の経営指標として採用しております。安定的な自己資本比率を80%目標としておりましたが、コロナ禍で大幅な営業損失を計上いたしました。その一方で、臨時休業等に伴う補助金収入を計上いたしました。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は8,774千円となり、当連結会計年度末の自己資本比率は63.6%となっております。

 

⑨ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに関する仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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