業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

国内の新車販売台数は昨年度後半から第1四半期連結会計期間までは回復基調が継続していましたが、第2四半期連結会計期間以降は半導体や部品不足等による自動車メーカーの生産遅延や減産等の影響を受けたことにより前年割れが続き、当連結会計年度では前期比90.5%となりました。

そのような環境の下、当社グループの中核事業であります自動車販売関連事業の当連結会計年度における国内販売の状況は、ホンダ系、日産系ともにメーカーの生産停滞による影響を受けつつも拡販に注力し、新型車を中心に販売が堅調に推移いたしました。また、海外におきましては、欧州の子会社がロックダウン等の措置の影響を受けていましたが、解除による反動増の動きも見られました。その結果、当社グループの新車、中古車を合わせた自動車販売台数は前期に比べ5,435台増加し93,073台(前期比106.2%)となりました。

住宅関連事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることなく、受注、引き渡しは好調に推移いたしました。

また、保有する持分法適用会社株式の一部を第1四半期連結会計期間に売却したことに伴い、その他の営業外損益を計上いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ140億38百万円増加し、1,880億49百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ24億26百万円増加し、1,311億15百万円となりました。当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ116億12百万円増加し、569億34百万円となりました。

 

ロ 経営成績

当連結会計年度の連結業績につきましては、連結売上収益は2,379億30百万円(前期比119.2%)、営業利益は101億92百万円(前期比132.1%)、税引前利益は179億59百万円(前期比229.5%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は116億78百万円(前期比247.9%)となりました。

 

②セグメントの業績概況

[自動車販売関連事業]

新車部門では、国内におけるホンダ車の販売台数は7,415台(前期比121.1%)、日産車の販売台数は16,840台(前期比96.6%)となり、海外を含む当社グループ全体の新車販売台数は45,050台(前期比108.9%)と前年を上回り、増収増益となりました。

中古車部門では、前期は荷動きが停滞していた輸出台数が7,291台(前期比125.1%)と回復し、国内・海外における中古車販売台数も海外を中心に大きく増加したことから、当社グループ全体の中古車販売台数は48,023台(前期比103.8%)と前年を上回り、また、中古車市況が好調に推移したことも重なり増収増益となりました。

サービス部門では、点検・車検、修理、手数料収入等の受注拡大に注力し、特に欧州の子会社の一時的な店舗閉鎖の解除も寄与し、増収増益となりました。

レンタカー部門では、外出自粛等の影響が緩和したことや、新車の納期遅れによる代車需要に支えられ、増収増益となりました。

以上の結果、自動車販売関連事業の売上収益は2,217億72百万円(前期比118.8%)、営業利益は80億66百万円(前期比164.6%)となりました。

 

[住宅関連事業]

分譲マンション事業では、分譲エリアを拡大し新しい顧客層を開拓することで受注・引き渡し共に堅調に推移しており、当連結会計年度は新たに7棟219戸の新築マンションを分譲し、完成在庫をあわせ174戸(前期は168戸)を成約し、167戸(前期は179戸)を引き渡しました。

注文建築・戸建分譲事業では、前第2四半期連結会計期間末に連結子会社化した首都圏の戸建分譲事業が順調に推移し同事業の業容拡大に貢献いたしました。また、自動車ディーラーをはじめとする商業施設等の注文建築についても引き続き安定した受注を獲得することが出来ました。

以上の結果、住宅関連事業の売上収益は160億16百万円(前期比126.5%)、前年のM&Aに伴うその他の営業利益が今期は無いこともあり営業利益は14億33百万円(前期比66.0%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より26億50百万円増加し、118億44百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

イ 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は168億18百万円(前期は164億54百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益、減価償却費及び償却費の計上、持分法適用除外に伴う再測定による利益、棚卸資産の減少等によるものであります。

 

ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は56億10百万円(前期は25億80百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出、関連会社の売却による収入等によるものであります。

 

ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は87億44百万円(前期は144億53百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出、リース負債の返済による支出、長期借入れによる収入、配当金の支払額等によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

イ 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自動車販売関連事業

新車部門

106,713

104.3

中古車部門

44,735

146.4

サービス部門

16,234

108.9

167,682

113.5

住宅関連事業

15,935

126.4

合計

183,617

114.5

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

ロ 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

住宅関連事業

2,854

106.01

3,263

274.00

合計

2,854

106.01

3,263

274.00

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.自動車販売関連事業につきましては、受注から販売までの所要日数が短いため、記載を省略しております。

 

ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自動車販売関連事業

新車部門

113,689

117.8

中古車部門

59,055

126.5

サービス部門

38,686

110.8

レンタカー部門

10,040

120.0

その他

301

108.2

221,772

118.8

住宅関連事業

16,016

126.5

その他

141

86.3

合計

237,930

119.2

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態)

イ 流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は737億48百万円となり、前連結会計年度末732億47百万円と比較し5億円増加いたしました。これは主に現金及び現金同等物(26億50百万円)、営業債権及びその他の債権(30億34百万円)等が増加したほか、棚卸資産(49億32百万円)等が減少したことによるものであります。

 

ロ 非流動資産

当連結会計年度末における非流動資産の残高は1,143億1百万円となり、前連結会計年度末1,007億63百万円と比較し135億38百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産(54億17百万円)、その他の金融資産(117億79百万円)等が増加したほか、持分法で会計処理されている投資(43億96百万円)等が減少したことによるものであります。

 

ハ 流動負債

当連結会計年度末における流動負債の残高は882億12百万円となり、前連結会計年度末855億77百万円と比較し26億35百万円増加いたしました。これは主に社債及び借入金(45億36百万円)等が増加したほか、営業債務及びその他の債務(26億44百万円)、契約負債(14億82百万円)等が減少したことによるものであります。

 

ニ 非流動負債

当連結会計年度末における非流動負債の残高は429億3百万円となり、前連結会計年度末431億11百万円と比較し2億9百万円減少いたしました。これは主に社債及び借入金(26億62百万円)等が減少したほか、繰延税金負債(22億48百万円)等が増加したことによるものであります。

 

ホ 資本

当連結会計年度末における資本の残高は569億34百万円となり、前連結会計年度末453億22百万円と比較し116億12百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金(101億87百万円)等が増加したことによるものであります。

 

 

(経営成績)

当連結会計年度の売上収益は2,379億30百万円、営業利益101億92百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は116億78百万円となりました。

また、自動車販売関連事業及び住宅関連事業の売上収益及び営業利益は次のとおりであります。

[自動車販売関連事業]

売上収益は2,217億72百万円(前期比118.8%)、営業利益は80億66百万円(前期比164.6%)となりました。

[住宅関連事業]

売上収益は160億16百万円(前期比126.5%)、営業利益は14億33百万円(前期比66.0%)となりました。

なお、主な項目の分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「②セグメントの業績概況」の項目をご参照ください。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。

 

ロ 契約債務

2022年3月31日現在の契約債務の概要は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 19.社債及び借入金」の項目をご参照ください。

 

ハ 財務政策

資金繰り等につきましては、 手元流動性資金を厚めに保有し経済情勢の変化に対応が出来る体制を維持するとともに、緊急時の資金需要確保のため金融機関との当座貸越契約の維持拡大を図り将来のリスクに備えております。

また、 積極的かつ計画的な設備投資や機動的なM&Aへの対応として、 金融機関からの長期借入金を中心とした安定的な資金調達のほか、2022年4月26日に証券会社を引受先とした新株予約権を発行し、有利子負債依存度の抑制を図っております。

なお、 当連結会計年度末における借入金及び社債の残高は463億1百万円であります。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスクについては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは日本における新しい自動車ディーラー経営のビジネスモデルを構築し、積極的なM&Aにより事業拡大と利益成長を実現することを主要な経営戦略としてまいりました。今後につきましても、中核事業であります自動車販売関連事業を中心に、海外も含めた事業拡大を推進してまいります。そのための経営基盤整備策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、① 基盤収益の強化、② 財務体質の強化、③ リスク管理体制の強化、④ コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。

 

⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」で記載したとおりであります。

この結果、当社グループが重要な経営指標としている売上収益営業利益率は前期比より0.4ポイント増加し4.3%となりました。また、親会社所有者帰属持分当期利益率は前期比より13.3ポイント増加し25.5%となりました。

 

⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症及びウクライナをめぐる国際情勢の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断 (4)新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り、(5)ウクライナをめぐる現下の国際情勢の影響に関する会計上の見積り」に記載しております。

 

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