課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

サンオータスグループ(以下、「当社グループ」という。)の経営理念は“For all our Customers ”であり、常にお客様のご要望にお応えし、真心のこもった「心のふれあいを大切に」サービスを通じてお客様に満足して頂ける様サービス内容の充実に努めると共に、神奈川県下の地域社会・環境と共生を図りつつ、グループの経営資源を活用することで魅力的な成長性・収益性のある企業を目指します。

当社グループの営業基盤は、神奈川県という国内屈指の産業集積度の高いマーケットであり、設立以来70年超に亘り「トータルカーサービス」を提供してまいりましたが、消費者の志向変化に伴い「モビリティサービス」を提供するビジネスへ変換してまいります。

また、地域社会に貢献すべく、CO2排出制限を柱とする「地球にやさしい環境」を目指す企業活動を積極的に行い、人と車、人と環境、人と未来へとつながる事業活動により、お客さま、株主様、従業員の幸せを目指してまいります。

 

(2)経営環境

当社グループを取り巻く経営環境につきましては、国内および世界経済は新型コロナウイルス感染症拡大は予断を許さず、脱炭素社会への取組みも進み、半導体不足、物流混乱、エネルギー・資材の高騰、原油高・円安進行等により、景気動向の見通しは不透明な状況が続く中、当社グループの主力事業であるエネルギー事業とカービジネス事業を取り巻く環境は、大きな転換期に差しかかっているものと思われます。

エネルギー事業においては、脱炭素社会に向けた低燃費車の普及を背景に構造的な石油製品の需要が後退し、電気・水素等の代替エネルギーが台頭しつつあります。さらに、原油高と円安の進行に伴う燃料費の高騰により消費者の購入意欲が減退する傾向と同時にSS事業者の淘汰も進んでいます。

カービジネス事業においては、消費者の指向が「所有」から「利用」へ変化しつつある中で「サービスとしてのモビリティ」(MaaS)ビジネスへ変換していくものと思われます。また、輸入車販売部門においては、世界的な半導体不足など新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンの目詰まりの中、新車供給体制は不十分な状況が続いております。

ライフサポート事業では、同業他社の参入により近年競争が激化しております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大影響により対面方式の相談件数が伸び悩み、新規顧客の確保と契約の持続性が急務となっております。

不動産事業では、安定的な収益の確保ができているものの、今般の新型コロナウイルス感染症の影響による賃料の引き下げ交渉、ビル・メンテナンス事業への受注回復の過程を見極める必要が生じております。

当社グループは、神奈川県を中心に店舗網を構築しているため、県内でのトータルカーサービスにおいて幅広いサービスを迅速に提供できる優位性を有しております。

一方、首都圏においても近年、少子高齢化によるマーケットの縮小、若者の嗜好の変化に伴う自動車離れが当社グループの購買者、利用者の減少につながるため、これらに対応する新たなビジネスモデルを構築することが喫緊の課題と考えます。

 

(3)中期経営戦略

2022年5月からスタートした新中期経営計画(2022年5月~2023年4月)において『トータルカーサービスからモビリティサービス企業へ~胎動から成長へ~』をスローガンに掲げ、脱炭素社会への取組みと地域・観光MaaSの推進を通して、エネルギーとモビリティに関して世の中に必要とされる企業を目指します。具体的には、既存事業の強化としてSS店舗・ディーラー店舗の拡大を進め、成長戦略として新エネルギーへの対応とモビリティサービスの展開を図ってまいります。新エネルギーへの対応については、EV・FCVの普及状況を見ながらEV充電設備・水素充填設備の投資体制を整えてまいります。モビリティサービスの展開については、自治体や大手鉄道会社等との連携を強化し、当社の事業拠点をフルに活用したビジネスモデルを構築してまいります。以上の事業戦略の遂行と収益体質の強化を図りながら配当政策も進化させ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 ① 事業規模の拡大

   当社グループは、収益を確実に確保することが最大の命題ではありますが、さらなるグループの発展のためには、エネルギー事業におけるSS拠点数の拡大、輸入車販売事業における販売店舗の拡大・リニューアルの他、2020年4月に新設したモビリティ部門では、多様性あるモビリティ商材を活用し、神奈川県内の自治体行政及び大手鉄道会社等との連携を深め、「地域MaaS」「観光MaaS」を通して地域経済の活性化に資するビジネスモデルを構築し、SDGs経営を牽引してまいります。さらにこれらを進展させることで新たなビジネスの展開を図り、ステークホルダーの皆様から信頼され、期待される企業ブランド構築の実現を目指してまいります。

 

 ② 経営基盤の強化

当社グループ全体として、経営環境で記載したとおり厳しい環境の下、適正利潤の確保、不採算店舗の統廃合、営業時間の見直し、効率的な人員配置等により収益体質の強化、経営の効率化を目指してまいります。

また、社員教育制度の充実・働き方改革の推進等により、社員一人一人の生産性を高めるとともに、働き甲斐のある環境を整備することで最大限のパフォーマンスを発揮できるようにすべく、当社グループの経営基盤・体質の強化を図ってまいります。

 

 ③ 財務体質の強化

   貸借対照表重視の経営への転換を図り、在庫・固定資産・有利子負債等の見直しを行うことで、適正な資産・負債バランスを実現し、自己資本比率のアップにつながるよう取り組んでまいります。

 

 ④ 人材確保

     現在整備部門を中心に人材確保が厳しい状況にあります。従来から行っている採用活動に加え、インターンシップ制度を導入し人材確保できるよう努めておりますが、さらに通年採用を導入、海外からの労働者の採用も推進し、安定的な人材確保を目指してまいります。

社内ITシステム投資を積極的に行うことでテレワーク環境を整備すると同時に、人事給与体系及び福利厚生の見直しによる働き方改革及び健康経営を進化させ、更なる生産性向上を目指し、企業価値の向上をサポートしてまいります。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2022年4月に東証新市場区分のスタンダード市場に移行いたしましたが、上場維持基準を安定的に充たすため、当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資することを第一義に捉え、安定性の指標として自己資本比率を、また収益性の指標としてROEを,さらに資本政策としての配当性向30%以上を重要な経営指標と位置付けております。

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