当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、COVID-19の世界的な拡大により、経済活動に引き続き多大な影響が発生しており、輸出や消費の減少、企業収益や雇用環境の悪化など厳しい状況が続いております。各種施策やコロナワクチンの接種率の増加等の一方で、変異株の影響等もあり感染者数は増減を繰り返しています。またウクライナ情勢等により経済活動の回復に向けては依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループは安定供給と安全確保を最優先に事業を継続し、医療・介護・福祉分野において企業としての社会的責任を果たしてまいりました。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制や事業環境及び事業運営上等の様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があることを認識しており、そのため、当社グループは政策や業界の動向を注視しつつ、内部体制の強化、優秀な人材の確保と育成、顧客ニーズに的確に応える商品・サービスの提供などにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の分散・低減を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は962百万円増加し12,771百万円(前期比8.2%増)となりました。これは、在宅医療関連事業及び介護福祉関連事業が堅調に推移したことによるものであります。
売上総利益は、407百万円増加し6,173百万円(前期比7.1%増)となりました。また、売上総利益率は、仕入コストコントロールが奏功した在宅医療関連事業が良化したものの、受注競争激化などから医療用ガス設備関連事業が悪化したことなどから、前期比0.5ポイント減少し48.3%となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費の増加の影響により253百万円増加し4,578百万円(前期比5.9%増)、売上高販管費比率は前期比0.7ポイント減少し35.9%となりました。
これらにより、営業利益は154百万円増加し1,595百万円(前期比10.7%増)、売上高営業利益率は前期比0.3ポイント増加し12.5%となりました。
経常利益は、営業利益の増加により157百万円増加し1,620百万円(前期比10.8%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が157百万円増加し、法人税等合計が48百万円増加したことにより、113百万円増加し1,107百万円(前期比11.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 医療用ガス関連事業
当部門は、COVID-19の世界規模での発生に伴い影響を受けてきておりましたが、外来・入院・手術・検査等の回復、新型コロナ患者向けの需要増及び酸素ステーションへの供給も相俟って、医療用酸素・医療用二酸化炭素の出荷量は堅調に推移いたしました。「新型コロナウイルス感染症の診療の手引き・第5.1版」にハイフローセラピー(高流量酸素療法)が追加されたことにより導入した医療機関については、特に医療用酸素使用量の変化を注視し安定供給に努めました。また、感染症対策製品の拡販も継続しました。
これらの結果、売上高は3,502百万円(前年比7.3%増)、セグメント利益は568百万円(前年比26.4%増)となりました。
② 在宅医療関連事業
当部門は、国の施策である在宅医療への推進を受け、患者様と医療機関のニーズに対応するとともに、コロナ禍のなか感染防止に努め、きめの細かい営業活動を継続したことにより「HOT(在宅酸素療法)」、「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」ともに好調に推移いたしました。一方、利益面では、事業拡大に伴う先行投資を行いました。
これらの結果、売上高は5,500百万円(前年比12.2%増)、セグメント利益は579百万円(前年比13.7%増)となりました。
③ 医療用ガス設備工事関連事業
当部門は、医療機関に対し医療用ガス設備並びに消火設備の配管工事及び保守点検業務を行っております。設備工事は医療機関の設備投資が少なく、合わせて昨今の原材料不足に伴う工期延長により当期の完工物件が減少いたしました。保守点検業務はCOVID-19による点検の中止も減少し、若干の新規獲得もあることから安定した売上を確保しております。
これらの結果、売上高は1,128百万円(前年比8.0%減)、セグメント利益は195百万円(前年比26.0%増)となりました。
④ 介護福祉関連事業
当部門は、介護福祉関連機器のレンタル及び販売部門において、コロナ禍ではありましたが地域包括支援センターや居宅介護支援事業者への継続的な営業活動を図ることによりレンタル売上が順調に推移いたしました。
また訪問看護事業所は、都内3拠点を事業基盤として地域へのPR活動強化による認知度アップとスタッフの増員など運営体制の充実を図り、順調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は936百万円(前年比12.2%増)、セグメント利益は70百万円(前年比49.9%減)となりました。
⑤ 施設介護関連事業
当部門は、有料老人ホーム「ライフステージ阿佐ヶ谷」(東京都杉並区)におきましては、24時間看護師在駐、地元医療機関との連携のさらなる構築を図り、高付加価値サービスの提供と、人材育成の体制を強化いたしました。また、入居者様の多様性を把握したうえで、COVID-19の感染予防とまん延防止を第一とした施策を徹底することにより、入居者様やご家族様への「安心」「安全」をお届けし、入居率の向上に努めてまいりました。通所介護施設「あしつよ・文京」(東京都文京区)、「あしつよ巣鴨」(東京都豊島区)、「あしつよ王子」(東京都北区)におきましても、コロナ感染防止に努めつつ地元密着のサービスの提供と顧客サービスの多様化に対応することにより稼働率アップに努めました。
これらの結果、売上高は359百万円(前年比2.4%減)、セグメント利益は10百万円(前年比58.5%減)となりました。
(2) 生産、商品仕入、受注及び販売実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は製造原価で表示しております。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は仕入価格で表示しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格で表示しております。
2 受注状況は、工事関連の受注について記載しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は20,252百万円(前連結会計年度末比1,264百万円増)となりました。これは主に、現金及び預金が347百万円、リース資産が122百万円、土地が201百万円、建設仮勘定が243百万円増加したこと等によるものであります。
負債合計は5,742百万円(前連結会計年度末比215百万円増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が103百万円、流動負債のうちリース債務が83百万円、固定負債のうちリース債務が55百万円増加したこと等によるものであります。
純資産は14,509百万円(前連結会計年度末比1,048百万円増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払い等により利益剰余金が952百万円増加し、自己株式が60百万円減少したこと等によるものであります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
① 医療用ガス関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は1,414百万円(前連結会計年度末比132百万円増)となりました。
これは主に、医療用ガス配管設備及び容器等の取得による増加166百万円、減価償却費の計上による減少96百万円によるものであります。
② 在宅医療関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は2,543百万円(前連結会計年度末比326百万円増)となりました。
これは主に、在宅酸素療法用酸素供給装置等の取得による増加941百万円、減価償却費の計上による減少709百万円によるものであります。
③ 医療用ガス設備工事関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は264百万円(前連結会計年度末比45百万円増)となりました。
これは主に、資産の取得による増加16百万円、減価償却費の計上による減少1百万円によるものであります。
④ 介護福祉関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は336百万円(前連結会計年度末比94百万円増)となりました。
これは主に、資産の取得による増加17百万円、減価償却費の計上による減少11百万円によるものであります。
⑤ 施設介護関連事業
当連結会計年度末のセグメント資産は1,246百万円(前連結会計年度末比10百万円減)となりました。
これは主に、減価償却費の計上による減少20百万円によるものであります。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度において、現金及び現金同等物は347百万円増加し、当連結会計年度末残高は8,720百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により得られた資金は1,974百万円(前期比504百万円減)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益が1,622百万円となり、減価償却費889百万円、法人税等の支払額518百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により使用した資金は690百万円(前期比626百万円使用増)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出571百万円、無形固定資産の取得による支出86百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により使用した資金は936百万円(前期比503百万円使用減)となりました。
これは、リース債務の返済による支出783百万円及び配当金の支払額による支出153百万円があったこと等によるものであります。
なお、当社グループの当連結会計年度末の流動比率は、前期末比5.3ポイント増加し274.7%となっており、その健全な財政状態及び安定的かつ継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出力による資金調達と、持続的成長に向けた効率的かつ計画的な投資の実行を両立させることで、当社グループの資本の財源及び資金の流動性を確保できるものと認識しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(減損会計における将来キャッシュ・フロー)
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の予算・計画等と整合するように修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。
回収可能価額は使用価値により測定しており、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位の資産グループにおいて、将来キャッシュ・フローを算定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
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