業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

尚、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 
① 経営成績

当連結会計年度も新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)の流行が続きましたが、先進国を中心にワクチン接種が進み、各国政府の様々な政策の効果により、経済活動は回復の兆しを見せています。わが国においても、変異株による感染の再拡大はありましたが、ワクチン接種が進み、感染症との共生が進んでいるように思われます。一方で資源価格の上昇や円安による物価上昇等、景気の先行きには不透明感が感じられます。海外に目を転じても、ウクライナ・ロシア情勢、米中関係の動向、世界的な資源価格の高騰等、政治経済における不確実性が大きくなっています。

当社グループが属する医療業界は、感染症患者への治療や、感染予防対策に向けた社会的な要請に応えるべく、医療業務に従事される人員の確保や感染症対策の徹底、新たな設備投資が同時に求められる事態となっており、医療機関の負担は依然として大きなものがあります。感染症対策の補助予算等による医療設備の導入による対応が図られたものの、手術数や外来・入院患者数はコロナ禍以前の水準を下回っており、病院経営は依然として大きな影響を受けております。また、感染症は現在の医療提供体制における課題を顕在化させました。課題の解決の実現に向けて、医療機関のあいだでの役割分担、医療提供体制の再構築が必要と言われており、各医療機関の統合・再編を含めた病床の転換が進んでいくと予想されます。

このような状況の中、当社グループの主要事業であるメディカルトータルソリューション事業は、これまで全国で行ってきた販売活動により築き上げた情報網と経験を活かし、新築・移転、再編・統合等に伴う医療機器の一括販売、大型医療機器を中心とした医療機器及び医療情報システム(電子カルテ等)の販売活動を展開しております。

当連結会計年度におきましては、事業活動における感染症の影響は軽微に留まり、売上高、利益面ともに堅調に推移いたしました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は29,767,431千円(前期比 13.0%増)、営業利益は650,981千円(同 13.0%増)、経常利益は709,660千円(同 19.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は437,051千円(同11.8%増)となりました。

 

セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。

・メディカルトータルソリューション事業

当事業の対象となる医療施設の新築・移転、再編・統合等に伴う医療機器の一括販売の売上高は、下記のとおりであります。

(単位:件、百万円)

 

2021年9月期

2022年9月期

2023年9月期(予想)

件数

売上高

件数

売上高

件数

売上高

20億円以上の案件

2

4,739

3

9,877

1

2,271

10億円以上

20億円未満の案件

1

1,476

3

3,995

2

2,080

10億円未満の案件

11

3,395

6

2,180

14

4,007

14

9,611

12

16,054

17

8,359

 

 

当連結会計年度におきましては、感染症による足元の受注環境に大きな変化はなく、各案件の進捗は概ね想定どおりに推移いたしました。前期に比べて増益となった主な要因は、増収効果による売上総利益の増加によるものです。一方で利益率よりもボリュームを重視して戦略的に獲得に動いた大型案件があり、粗利率を下げることとなりました。また、対面営業が増加したこともあり、販売費及び一般管理費も増加しました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は28,688,441千円(前期比 13.7%増)、営業利益は574,399千円(同 23.8%増)となりました。

 

・遠隔画像診断サービス事業

当事業は、質の高い遠隔画像診断の提供、放射線診断専門医の安定的確保と専門性の高いノウハウを武器に、導入医療機関及び取扱件数の増加を図り、安定した成長基調を維持してきました。当連結会計年度が前期に比べて増収となった主な要因は、読影診断数の増加によるものです。一方で、専門医の確保のための経費が増加し、営業利益は前期に比べて減少いたしました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は676,467千円(前期比 4.5%増)、営業利益は66,852千円(同 7.9%減)となりました。

 

・給食事業

当事業は、前期の大口顧客の解約を埋めるべく、新規受託施設の契約の獲得を目指して営業活動を展開しましたが、当連結会計年度については、前期の売上高を上回ることはできませんでした。また、物価の上昇による仕入価格の上昇が大きく、営業利益も前期に比べて減少いたしました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は402,522千円(前期比 13.3%減)、営業利益は6,868千円(同 81.2%減)となりました。

 

② 財政状態
a 資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて477,257千円増加し、12,232,287千円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は受取手形及び売掛金)が460,030千円、商品及び製品が165,272千円減少したものの、前渡金が1,021,987千円増加したことなどによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて26,085千円増加し、1,235,895千円となりました。これは、建物及び構築物が31,176千円、投資有価証券が31,278千円減少したものの、繰延税金資産が38,959千円、投資その他の資産のその他が55,939千円増加したことなどによるものです。

以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ503,342千円増加し、13,468,183千円となりました。

 

b 負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて123,503千円増加し、7,017,962千円となりました。これは、買掛金が929,139千円、未払法人税等が49,995千円減少したものの、1年内償還予定の社債が57,900千円、契約負債(前連結会計年度末は前受金)が959,786千円、賞与引当金が40,058千円、その他が43,093千円増加したことなどによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,559千円増加し、912,248千円となりました。これは、社債が92,500千円減少したものの、退職給付に係る負債が35,487千円、役員退職慰労引当金が48,975千円、その他が9,596千円増加したことなどによるものです。

以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ125,062千円増加し、7,930,211千円となりました。

 

c 純資産

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べて378,280千円増加し、5,537,971千円となりました。これは、利益剰余金が358,623千円増加したことなどによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ71,467千円増加し、5,460,189千円となりました。

主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、242,357千円(前連結会計年度は、1,298,076千円の増加)であります。資金の増減の主な内訳は、仕入債務の減少929,139千円があったものの、税金等調整前当期純利益689,660千円を計上し、売上債権の減少460,030千円などがあったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、49,958千円(同 42,129千円の減少)であります。資金の増減の主な内訳は、保険積立金の解約による収入が106,212千円あったものの、有形固定資産の取得による支出26,790千円、無形固定資産の取得による支出20,100千円及び保険積立金の積立による支出66,197千円などがあったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、120,931千円(同 298,007千円の減少)であります。資金の増減の主な内訳は、配当金の支払額78,421千円、社債の償還による支出34,600千円などがあったことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

メディカルトータルソリューション事業

25,693,328

112.2

遠隔画像診断サービス事業

給食事業

149,616

86.1

合計

25,842,945

112.0

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は、仕入価格によっております。

 

b 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

メディカルトータルソリューション事業

28,688,441

113.7

遠隔画像診断サービス事業

676,467

104.5

給食事業

402,522

86.7

合計

29,767,431

113.0

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

社会医療法人厚生会
中部国際医療センター 

379,235

1.4

3,794,040

12.7

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における経営成績等は、「第2  事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載のとおり、当社グループの主要事業であるメディカルトータルソリューション事業においては、深耕営業の強化が功を奏し、売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益とも前連結会計年度比で増収増益となりました。次期につきましては、従来に引き続き当社グループの基本機能であるメディカルトータルソリューション事業における「トータルパックシステム」の一層の強化を図る所存ですが、当社グループが重要視している経営指標である売上高伸長率(当連結会計年度は13.0%)、売上総利益率(同 10.3%)、経常利益率(同 2.4%)の向上を推進してまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、「第2  事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業活動のための適切な資金確保を図るため、営業活動によるキャッシュ・フローの向上を最優先事項と考えております。当連結会計年度末における現金及び預金の残高は、5,480,189千円となり、十分な流動性を確保しているものと判断しておりますが、急な資金需要や不測の事態に備えるため、金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております(未実行残高 1,000,000千円)。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計上の見積りを行う必要があり、賞与引当金等各引当金の計上及び繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて見積りを実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

また、新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 追加情報」に記載しております。

 

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