(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度における総資産は4,475百万円、負債は2,984百万円、純資産は1,491百万円であり、自己資本比率は33.3%となりました。当事業年度における財政状態の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(流動資産)
流動資産につきましては前事業年度末に比べ39百万円減少し、1,615百万円となりました。これは主に未収入金が41百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産につきましては前事業年度末に比べ287百万円増加し、2,860百万円となりました。これは主に土地が219百万円、建物が102百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債につきましては前事業年度末に比べ11百万円減少し、1,078百万円となりました。これは主に買掛金が22百万円、未払法人税等が17百万円、未払費用が21百万円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が36百万円、未払消費税等が29百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債につきましては前事業年度末に比べ249百万円増加し、1,906百万円となりました。これは主に長期借入金が280百万円増加した一方、リース債務が31百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては前事業年度末に比べ10百万円増加し、1,491百万円となりました。これは主に資本金及び資本剰余金がそれぞれ4百万円増加したことによるものであります。
当事業年度( 2021 年8月1日から2022年7月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、繰り返し緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令された影響などで、経済活動は停滞感が強く、個人消費も低調に推移しました。また、原油、天然ガスの価格高騰や円安による物価上昇に加え、サプライチェーンの混乱、地政学的リスクなど複合的な要因により、先行きは依然として不透明な状態が続くものと予想されます。
外食産業におきましては、政府及び地方自治体からの営業時間の短縮及び酒類の提供禁止といった制約を受け、解除後も大人数での宴会の自粛傾向は続いており、来店客数は低迷したままとなりました。また、コロナ禍におけるライフスタイルの変化に伴い、外食から中食や内食へのシフトも進み、今後も予断を許さない状況にあります。
このような状況の中、当社におきましては、新型コロナウイルス感染症対策として、従業員の健康・衛生管理の徹底、アルコール消毒液の店内設置など、引き続き感染予防対策を実施し、ご来店いただくお客様に安心してお食事をお楽しみいただけるよう努めております。営業面では、顧客ニーズの変化に迅速に対応するべく、テイクアウトやデリバリーサービスへの取り組みを強化するなど、収益の維持、拡大に向けた様々な販売施策を実施してまいりました。また、2021年10月には新たに浜木綿公式アプリ「はまゆうアプリ」を導入し、サポーター会員登録の獲得にも努めております。
店舗展開につきましては、当事業年度において新規出店は実施しておりません。一方、「桃李蹊茶屋ヶ坂店」(名古屋市千種区)を手頃な価格で本格的な味を堪能できる新業態「中国食堂はまゆう茶屋ヶ坂店」に業態変更いたしました。当社はこれまで「ちょっと晴れの日マーケット」に狙いを定め、競合間での差別化を推進しておりましたが、今後は新たに「日常の食事マーケット」にも取り組み、経済環境が変化しても安定した売上を確保できるよう努めてまいります。
これにより、当事業年度末の店舗数は、「浜木綿」 32 店舗、「四季亭」3店舗、「桃李蹊」5店舗、「メンヤム」1店舗、「中国食堂はまゆう」1店舗の合計 42 店舗(全て直営店)となっております。
また、当事業年度も新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けることとなりましたが、 2022 年3月にはまん延防止等重点措置が解除され、客足は徐々に回復傾向にあります。この結果、売上高は、前期に比べて316百万円増加し、3期ぶりに増収となりました。
利益面につきましては、引き続き売上が厳しい中、売上原価などを中心に徹底的なコストコントロールに努め、売上原価率及び売上高販売管理費率は前期に比べそれぞれ改善しました。結果として、営業利益は2期連続で赤字となったものの、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金3 69 百万円を営業外収益に計上し、経常利益は前期に比べ大幅に増益となりました。また、特別損失として減損損失131百万円など合計13 2 百万円を計上しております。
以上の結果、当事業年度の売上高は 4,545百万円 (前期比 7.5%増 )、営業損失は165百万円(前期は営業損失177百万円)、経常利益は226百万円(前期比169.7%増)、当期純利益は19百万円(前期は当期純損失160百万円)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ15百万円減少し、1,116百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は373百万円(前年同期は156百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益94百万円、減価償却費181百万円及び減損損失131百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は575百万円(前年同期は338百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出566百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は186百万円(前年同期は556百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出356百万円により減少した一方、長期借入れによる収入600百万円により増加したものであります。
当事業年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、生産実績につきましては、飲食事業について記載しております。
(注) 金額は製造原価によっております。
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、仕入実績につきましては、飲食事業について記載しております。
(注) 金額は仕入価格によっております。
当事業年度における販売実績を業態別及び都道府県別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、販売実績につきましては、飲食事業について記載しております。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.主要な販売先については、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
なお、当社は店舗における客数、売上原価率及び人時売上高を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として捉えております。
客数は、第55期事業年度においては、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けることとなりましたが、2022年3月にはまん延防止等重点措置が解除され、既存店の客数が5.4%、全店の客数が4.8%それぞれ前事業年度から増加いたしました。
売上原価率は、売上が厳しい中、徹底的な原価管理に努め、第55期事業年度は前事業年度と比べ、0.2%減となりました。
生産性の指標である人時売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大による客数減少に伴い、雇用調整などによる人件費の抑制に努め、第55期事業年度は前事業年度から0.8%増加いたしました。
また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、市場規模の変動、消費者の嗜好の変化、他社との競合等が挙げられます。外食産業は、人口減少や少子高齢化によって市場規模の拡大が見込まれ難い一方で、成熟した市場になっており、顧客の嗜好やニーズはますます多様化し、商品・サービスに対する選別が厳しさを増すとともに、企業間・店舗間競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。この対応策として、新商品の開発やメニュー改定等により既存店舗の売上高の確保を図るとともに、新規出店による事業拡大を積極的に行ってまいります。ウィズコロナ、アフターコロナなどによる消費者のライフスタイルの変化に向けた新たな取り組みを行い、既存店舗の営業強化とビジネスモデルの再構築を図ってまいります。
また、当社の安定的な成長には、人材の確保が必要不可欠であり、当社の経営成績に重要な影響を与えます。近時、多くの業界で人手不足が深刻な問題となっており、当社におきましても予定どおり人材の確保を行うことが困難な場合には、新規出店等が不可能となるため当社の経営成績に影響を与えます。この対応策として、積極的な採用活動とともに、採用後の人材教育に注力し早期戦力化を図っております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
当社の主な資金需要としては、大きく分けて設備投資資金及び運転資金となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」を中心としながらも、新規出店等の設備資金については、長期借入金により資金調達を行っております。
また、銀行借入金につきましては、当座貸越枠350百万円を設定し、手許流動性預金とあわせ、緊急な支出にも対応可能な体制を整えております。
当事業年度においては、設備投資に充当するため、金融機関からの長期借入金600百万円、社債の発行による100百万円の資金調達を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たって、必要な見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
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