業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

なお、従来「ネット型リユース事業」として表示していた報告セグメントの名称を「着物・ブランド品等リユース事業」に変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。また、当社グループは、「着物・ブランド品等リユース事業」を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が収束しておらず、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。

当社グループの属するリユース業界については、フリマアプリやインターネットオークションなどの普及に伴い、消費者にとってリユース品を売買しやすい環境が広がっていることを背景に、市場規模はますます拡大しております。2020年度において顕在化しているリユース市場規模は約2.4兆円とされ、2025年には約3.5兆円規模に拡大すると予測されております。(参照:「中古市場データブック2021」リサイクル通信2021年10月1日)また、潜在的なリユース市場規模を示す、自宅内の一年以上利用されていない不要品(以下「かくれ資産」)の日本における総額は2018年時点で約37兆円と推計されており、かくれ資産として今後追加されることになる過去一年間に不要となった品物の規模も約7.6兆円と試算されており、リユースの潜在市場規模はより大きなものと考えられます(「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」経済産業省、ニッセイ基礎研究所監修平成30年11月7日付調査結果)。

 

このような環境の中、当社グループにおける状況は以下の通りとなりました。

 

買取においては、当社グループの主要サービスである「バイセル」の認知向上のために、リスティング等のオンラインメディアのみならず、テレビCMやポスティングチラシなどのオフラインメディアを組み合わせたクロスメディアマーケティング施策を実施してまいりました。また、買取店舗の出店(5店舗、2021年12月末時点)など、買取チャネルの拡大を図ってまいりました。

さらに、ブランドバッグを中心とした年間約200,000点を取り扱う古物オークション「TIMELESS AUCTION」や百貨店の常設店舗や催事にて買取を行う総合買取サロン「タイムレス」を展開する株式会社タイムレスを2020年10月に子会社化し、時計・ジュエリー・ルースを取り扱うWEBオークションの開始や百貨店での常設店及び催事買取の強化を図ってまいりました。

 

販売においては、業者への販売や古物市場への出品などのtoB向け販売とECや催事などのtoC向け販売の傾向分析を進め、商品毎に適切な販売方法を選択するなどにより、在庫回転期間の短縮化とともに、収益性の改善を図ってまいりました。外出自粛などを背景に消費者の購買環境の変化もあり、toC向け販売では、自社ECサイト「バイセルオンライン」やECモール(「楽天市場」や「ヤフオク!」等)等での販売に加え、ライブコマースを中心とした海外販路の拡大を図ってまいりました。

 

そのほか、アプリ買取事業「CASH」に係るソフトウェアの収益性の低下による将来の回収可能性を検討した結果、減損損失107百万円を特別損失として計上いたしました。また、事業撤退の意思決定により、カタログ通販事業「美つむぎ」に係る事業撤退損26百万円を計上いたしました。

 

これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高24,789百万円(前年同期比67.9%増)、営業利益2,315百万円(前年同期比139.1%増)、経常利益は2,295百万円(前年同期比148.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,314百万円(前年同期比132.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,153百万円増加し、4,796百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,081百万円の収入(前連結会計年度は425百万円の収入)となりました。これは、主に、税金等調整前当期純利益2,165百万円の計上、アプリ買取事業「CASH」に係るソフトウェアの減損損失の計上107百万円、広告増加による未払金及び未払費用287百万円の増加、前受金の減少416百万円、法人税等の支払478百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、449百万円の支出(前連結会計年度は2,285百万円の支出)となりました。これは主に、倉庫移転等に伴う有形固定資産の取得による支出159百万円及び自社システムの開発に伴う無形固定資産の取得による支出266百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、478百万円の支出(前連結会計年度は2,304百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入500百万円の一方で、長期借入金の返済による支出769百万円、及び配当金の支払105百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

該当事項はありません。

 

ロ 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績は、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

着物・ブランド品等リユース事業(千円)

10,379,745

192.4

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ 受注実績

該当事項はありません。

 

ニ 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

着物・ブランド品等リユース事業(千円)

24,789,126

167.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ネットジャパン

4,590,723

31.1

4,631,398

18.7

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,524百万円増加し7,346百万円(前期末比26.2%増)となりましたこれは主に売上が好調に推移したことによる現金及び預金1,131百万円の増加及び売掛金98百万円の増加、仕入の増加に伴う商品279百万円の増加によるものであります

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて76百万円減少し2,938百万円(前期末比2.5%減)となりましたこれは主にのれん償却によるのれんの減少180百万円アプリ買取事業CASHに係るソフトウェア107百万円の減損によるものであります

 

(負債)

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて564百万円増加し3,649百万円(前期末比18.3%増)となりましたこれは主に1年内返済予定の長期借入金66百万円の増加、未払金153百万円及び未払費用100百万円、未払法人税等439百万円及び未払消費税等241百万円の増加の一方で、前受金416百万円及び短期借入金50百万円の減少によるものであります

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて458百万円減少し2,043百万円(前期末比18.3%減)となりましたこれは主に償還による社債120百万円の減少及び約定弁済による長期借入金335百万円の減少によるものであります

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,341百万円増加し4,592百万円(前期末比41.3%増)となりましたこれは剰余金の配当による利益剰余金の減少105百万円の一方で親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金1,314百万円の増加ストック・オプションの行使による資本金及び資本剰余金79百万円の増加によるものであります

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、24,789百万円(前年同期比67.9%増)となりました。新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い、2020年4月から5月にかけて一時的に買取及び販売が減少したものの、その後は当初想定していた水準まで回復し、買取数量の増加に伴う業者への販売や古物市場への出品量が増加しました。また、自社ECサイト「バイセルオンライン」やECモール(「楽天市場」や「ヤフオク!」等)等のECでの販売が好調に推移したことに加え、ライブコマースによる販売などの新たな販路開拓により、toC販売が増加したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、10,301百万円(前年同期比102.0%増)となりました。これは主に、査定員の採用及び教育体制の強化による買取数量の増加によるものであります。この結果、売上総利益は、14,487百万円(前年同期比49.9%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、売上高営業利益率)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、12,172百万円(前年同期比40.0%増)となりました。これは主に、認知度向上に向けた積極的な広告投資による広告宣伝費の増加、及び事業規模拡大に伴う人件費の増加によるものであります。この結果、営業利益は、2,315百万円(前年同期比139.1%増)となり、売上高営業利益率は、9.3%となりました。

 

(営業外損益、経常利益、特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の営業外収益は、5百万円となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、支払利息などにより、25百万円となりました。この結果、経常利益は、2,295百万円(前年同期比148.8%増)となり、売上高経常利益率は、9.3%となりました。

その他、当連結会計年度の特別損失は、減損損失の計上などにより、133百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,314百万円(前年同期比132.3%増)となりました。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社事業の資金需要の主なものは、商品買取に係る仕入資金のほか、テレビCMを中心とした広告宣伝費用や当社従業員等に支払う給与手当などの販売費及び一般管理費等の営業資金によるものであります。投資を目的とした資金需要は、主に、社内の業務システムの構築及び改修などのシステム投資や倉庫やセンターの移転・開設等によるものであります。これらの資金需要については、内部資金で不足する場合には、長期借入金又は社債等による調達を行う方針であります。

 なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得