業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりです。なお、当社は業務用食材通販事業の単一セグメントであるためセグメント情報の記載を省略しております。

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は1,302百万円となり、前事業年度末に比べ54百万円増加いたしました。これは、2022年3月下旬にまん延防止等重点措置が解除されたことによる需要回復に伴い、売掛金が48百万円増加したこと、商品及び製品が43百万円増加したこと、及び法人税の還付に伴い未収還付法人税等が46百万円減少したことなどによるものです。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は435百万円となり、前事業年度末に比べ92百万円増加いたしました。これは主に売上増加に伴う仕入の増加により買掛金が79百万円増加したこと、及び3月の経費増により未払金が10百万円増加したことなどによるものです。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は867百万円となり、前事業年度末に比べ37百万円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上等により利益剰余金が37百万円減少したことなどによるものです。

 

② 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化、ウクライナ情勢に端を発する地政学リスクの高まり、円安の進行等の影響により、先行きが不透明な状況が継続いたしました。

外食業界におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う緊急事態宣言・外出自粛要請・飲食店への休業要請などから、特に8月及び9月において極めて厳しい環境となりました。9月末の緊急事態宣言解除を受け、10月以降は概ね回復傾向ではあったものの、2022年1月からは再び感染拡大局面に入り、まん延防止等重点措置が発出されるなど、総じて厳しい状況が続きました。

このような環境のもと、当社は業務用食材通販のパイオニアとしてお客様の日々の厨房を支えると共に、厳しい環境に立たされている飲食店の皆様のお力になれるよう、食材管理に寄与する小パック商品や、調理の手間を削減する手間なし商品の拡充、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置明けには仕入応援キャンペーンを実施するなど、お客様を支える活動を継続してまいりました。

これらの取り組みの結果、10月にはご購入いただいたお客様の店舗数が過去最高となり、11月・12月も過去最高を更新するなど、当社事業のベースとなる顧客基盤の維持・拡大に成功しました。ただし、お客様の月間購入額はコロナ禍前の水準には戻っていないこともあり、売上高の前年同月比は下表のとおりとなりました。

売上高

前年同月比

(%)

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

196.4

113.5

90.8

91.2

72.1

69.5

103.0

118.3

137.5

152.7

100.9

117.8

 

 以上の結果、当事業年度の売上高は3,029百万円(前事業年度比8.9%増)、営業損失は△59百万円(前事業年度は△127百万円の営業損失)、経常損失は△57百万円(前事業年度は△121百万円の経常損失)、当期純損失は△37百万円(前事業年度は△85百万円の当期純損失)となりました。

なお、当社は業務用食材通販事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は499百万円と前事業年度末に比べ22百万円増加いたしました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び変動要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは66百万円の収入(前事業年度は102百万円の支出)となりました。これは主に税引前当期純損失△57百万円、売上債権48百万円の増加、棚卸資産44百万円の増加、仕入債務79百万円の増加、減価償却費64百万円、及び法人税等の還付額46百万円などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは43百万円の支出(前事業年度は36百万円の支出)となりました。これは主に販売・購買システムとECサイトの改修による無形固定資産の取得35百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは0百万円の支出(前事業年度は15百万円の収入)となりました。これは主にリース債務の返済による支出0百万円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.商品仕入実績

  当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

業務用食材通販事業

2,078

112.5

合計

2,078

112.5

 (注)1.当社は業務用食材通販事業の単一セグメントであります。

2.最近2事業年度の主な相手先別の仕入実績及び当該仕入実績の総仕入実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

国分グループ本社株式会社

747

40.4

880

42.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

  受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

業務用食材通販事業

3,029

108.9

合計

3,029

108.9

 (注)1.当社は業務用食材通販事業の単一セグメントであります。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社カクヤス

272

9.8

336

11.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。当社の財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 売上高は3,029百万円(前事業年度比8.9%増)となりました。これは新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う緊急事態宣言・外出自粛要請・飲食店への休業要請などから、年間を通して当社の主要顧客である個人経営の居酒屋などを含む外食業界が大きく影響を受けたものの、緊急事態宣言解除後の10月~12月においてはコロナ禍前の水準の売上高を確保できたことによるものです。また、10月には過去最高の顧客数となり、11月・12月も過去最高を更新するなど、厳しい環境下ながらも事業のベースとなる顧客基盤の維持・拡大ができていると考えております。

(売上原価、売上総利益)

 仕入高の増加により、売上原価は2,012百万円(前事業年度比9.2%増)となり、売上総利益は1,017百万円(前事業年度比8.2%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業損失)

 販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴い業務委託費が6百万円増加したことなどから、1,076百万円(前事業年度比0.8%増)となり、営業損失は△59百万円(前事業年度は△127百万円の営業損失)となりました。

(営業外収益、経常損失)

 営業外収益は、当事業年度は給付金収入が無かったことなどから2百万円(前事業年度比62.7%減)となり、経常損失は△57百万円(前事業年度は△121百万円の経常損失)となりました。

(法人税等、当期純損失)

 法人税等調整額△19百万円(前事業年度は△10百万円の法人税等調整額)を計上したことから、当期純損失は△37百万円(前事業年度は△85百万円の当期純損失)となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、営業活動及び株式の発行により得られた資金を運転資金、販売・購買システム改修等に係る設備資金等に充当しております。

 

⑤ 重要な経営指標について

 重要な経営指標の実績は次のとおりであります。今後もWEBを中心に新規顧客獲得を進め、売上高の伸長を図ると共に、経営の効率化を進め、利益率の改善に取り組んでまいります。

重要な経営指標

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

実績

前年同期比

実績

前年同期比

売上高(百万円)

2,782

△31.7%

3,029

+8.9%

売上高営業利益率(%)

△4.6

△8.3Pt

△2.0

+2.6Pt

顧客店舗数 ※1

7,958

△8.2%

8,064

+1.3%

新規顧客店舗数 ※1、2

1,089

△3.4%

1,148

+5.4%

新規顧客WEB経由獲得率(%)

95.1

+9.9Pt

93.9

△1.2Pt

(※1)上記顧客店舗数は当該事業年度の各月に購入があった顧客店舗数の平均であります。また、上記顧客店舗数には代理店経由で販売している顧客店舗は含まれておりません。代理店経由で販売している顧客店舗数を含めると、顧客店舗数は2022年3月において約1万店舗となります。

(※2)新規顧客店舗数は当該事業年度に初購入があった顧客の月別店舗数を平均したものであります。

 

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