課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「常に顧客の要請に応えて、その時代に即した新しい価値の創造に努める」を基本理念としており、国内だけでなくグローバルな市場において「利益を伴う成長」を達成し、継続的に企業価値を高めていくことを目指しております。当社グループは、振動計測技術をベーステクノロジーとした製品を製造しております。

主な製品として、自動車・家電製品・デジタル機器などに搭載されている回転機器(モーター、ハードディスク、タイヤなど)を対象とし、回転した状態でのつり合いを測定するバランシングマシン、主に自動車に搭載される電子部品の振動によって受ける影響を試験する試験機や、試験対象物にかかる様々な負荷を再現し、耐久性を試験する電気サーボモータ式振動試験機を製造販売することにより、顧客の品質向上を通じて社会に貢献することを目標として研究開発を行っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、売上高、売上高経常利益率、自己資本利益率の向上を目標とした経営活動を実施してまいります。なお、具体的数値に関しましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」に記載しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、投資効率の高い経営を図るため、売上高、売上高経常利益率、自己資本利益率の向上を目標とするバランスのとれた経営計画を策定し実施して、景気動向や主力ユーザーの業界動向等を考慮し、計画を作成しております。

現在、新中期経営計画を策定している段階にありますが、新型コロナウイルス感染症の動向次第では事業環境及び中期的な経営計画に影響を与えることが想定されることから、当該感染症の収束時期が不透明な現時点において合理的な中期経営計画を策定することが困難となっております。そのため、2023年3月期より開始する中期経営計画については未定とさせていただき、開示が可能となった時点で速やかに開示いたします。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループの主力ユーザーである自動車部品・タイヤメーカー及び電子・家電メーカーのアジア圏を中心とした地域への海外生産移管が、今後も継続することが予想され、さらに現地ユーザーからの受注も増加傾向にあります。

これにより海外メーカーや現地メーカーとの価格競争が激化し、当社グループの主力製品であるバランシングマシンを中心とした試験計測機も、その影響を受けております。

このような状況の下、当社グループは以下の課題につき対処していく所存であります。

 

①生産体制

古河テクニカルセンターの本格稼働、受託試験の開始も近づいており、本格稼働後は本社第三工場の生産スペースの拡大により、研究開発用各種振動試験機等の生産能力の向上を見込んでおります。

また、各連結子会社の現地生産体制も整っており、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるために、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門をさらに強化してまいります。

 

②財務戦略

当社グループの海外売上高は、当連結会計年度において69.1%と高い比率になっております。このため、為替予約などの施策を行うことにより、為替相場の変動による業績への影響を極力抑えるよう努力いたします。

 

③研究開発

当社グループは、これまでユーザーのニーズを的確に把握し、特に現場担当者の方々の声を反映させて新製品の開発を行ってまいりました。

既存事業の主力製品であるタイヤ関連試験機につきましては、生産ライン用タイヤバランサー及びユニフォーミティマシンの設計変更等によるコストダウン・精度向上を目指した研究開発を今後も継続して行ってまいります。

また、普通乗用車及びトラック・バス用「タイヤ摩耗試験機」をはじめとした、タイヤの耐久性・グリップ力・転がり抵抗など、タイヤの基本性能・精度向上を目指した研究開発用各種試験機の研究開発を推進してまいります。

近年、自動車の自動運転化への流れが急速に進む中で、EVモーターや車載用の各種コンピューターユニット等、自動運転を実現するための各製品に対して、今まで以上に高い信頼性(性能・耐久・安全)が求められる試験機需要が高まっております。
 当社グループが今後の主力製品の柱として位置付けて研究開発を推進し、製品化に成功した「電気サーボモータ式振動試験機」及び「動電型3軸同時振動試験機」はユーザーから要求される性能試験に対応する製品シリーズとして高い評価をいただいており、さらなる製品開発を進めております。
 この試験機は、競合他社が製造している従来の油圧試験システムと比較して「環境・メンテナンス・省エネ等」の面で特に優れた性能を有しており、これまで多くの納入実績を積み重ねております。
 今後さらに性能・精度・機能面の向上を目指して、新たな試験機需要に対応した研究開発活動を推進してまいります。

 

④人材育成

今後予想される同業他社との競合による製品の価格低下圧力や生産増加・品質向上に対応するため、また、海外連結子会社における生産能力や品質の向上、現地ユーザーに対するメンテナンス等の対応能力をより一層高めるため、エンジニアの育成を重要な課題と位置付けております。

具体的な施策としては、従来より当社グループの現地スタッフに対する技術研修、各連結子会社への積極的な技術指導を行っておりますが、今後も継続してグループ全体として人材育成に取り組んでまいります。

 

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