文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これまでに展開してきた事業の成長戦略を引き続き実施し、更なる飛躍を遂げるために、課題に取り組んでまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、製品開発から顧客サービスまで一貫した優秀なシステム・体制を構築・維持しながら、社会に役立つ製品とサービスを世界中へ提供し、顧客からの信頼・支持を得ることを目標としております。
経営理念に掲げている「創造」「独創」「挑戦」を継続し、「エンドユーザーファースト」精神のもと、製品やサービスを通じて顧客の目の健康を守ることはもちろん、「人にも動物にも環境にも優しい地球企業」を目指します。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中期経営計画「Vision2030」を策定しております。‘新しい「みる」を世界に’をスローガンに掲げ、五感を通じて人々が幸せや豊かさを実感できるような商品やサービスを提供してまいります。「Vision2030」達成のマイルストーンとして、2026年3月期において連結売上高1,400億円、営業利益率12%、ROE10%を目標として定めております。
(3) 中期的な会社の経営戦略
当社グループは、「Vision2030」の達成のために、自社での一貫した開発、製造、販売体制を活かし、海外売上高の伸長、メルスプランの会員数増加及び1日使い捨てコンタクトレンズの販売拡大に注力してまいります。
(4) 経営環境及び会社の対処すべき課題
1日使い捨てコンタクトレンズを中心としたディスポーザブルコンタクトレンズがグローバルで継続して拡大基調にあります。また、海外市場では、中国において、睡眠中に装用することにより近視矯正効果を得るオルソケラトロジーレンズの需要が堅調に推移しております。一方で、当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の収束状況や地政学リスクの高まりとそれらに起因した原材料価格やエネルギー価格の高騰、さらには円安などが消費者行動や企業活動に影響を与え、引き続き不透明な状況が続くことが想定されます。
そのような環境の中、グループ一丸となって以下の課題に取り組み、安定的な商品・サービスの供給や新たな価値を提供することにより、中期経営目標の達成に向けて邁進してまいります。
① 新製品の開発と生産能力の向上(ビジョンケア事業)
市場において需要の伸びている、1日使い捨てコンタクトレンズにおいては、様々な顧客ニーズに対応するために、更なる商品ラインアップの拡充が必要であると考えております。継続して早期の製品開発、導入に取り組んでまいります。
また、安定的に製品を供給し続ける生産体制を構築するため、1日使い捨てコンタクトレンズ及び、海外で販売が伸びているオルソケラトロジーレンズやケア用品の生産設備への投資を行い、生産能力の増強を図ります。併せて生産性の向上に取り組み、原価低減を実現してまいります。
② メルスプラン会員数の拡大(ビジョンケア事業)
メルスプランの商品ラインアップを充実させると共に、当社グループ販売店、メルスプラン加盟施設のネットワークを強化することで、メルスプラン会員数の拡大を図ります。また、メルスプランを顧客のライフスタイルやニーズにあった、より魅力的なサービスに改善することにより、新規会員の獲得及び会員満足度の向上に取り組んでまいります。
③ 海外事業の拡大(ビジョンケア事業)
当社グループの更なる発展のためには、海外事業を拡大し、海外売上高比率を高めることが不可欠であると考えております。欧州や北米、中国を中心としたアジアの3つの重点地域において、地域毎の戦略に基づいた営業機能の強化及び物流機能の強化を行い、販売活動を推進いたします。欧州や北米ではディスポーザブルコンタクトレンズの販売を拡大するために量販店へのOEM供給を進め、中国では市場が拡大しているオルソケラトロジーレンズとケア用品を中心に販促活動に取り組むことで、海外売上高を伸長させてまいります。
④ 事業領域の拡大(ヘルスケア・ライフケア事業)
当社はこれまで、ビジョンケア領域を主な事業としてきましたが、中期経営計画として掲げた「Vision2030」におきましては、視力だけでなく、五感に関するビジネスを展開してまいります。聴力、嗅覚、味覚、触覚といったあらゆる感覚器を満足させて、人々が幸せや豊かさを実感できるような商品やサービスの提供を推進いたします。
具体的には、ペットライフをサポートする動物医療・共生事業、環境保全の実現を目指す環境・バイオ事業、食品事業を含むライフサポート事業などに取り組み、長期的な視点で事業を育ててまいります。
⑤ 持続可能な社会の実現に向けた活動の実施
事業を通じて地球環境や社会の課題を解決するための新しい価値を創造し、社会の発展に貢献することは、経営上の考慮すべき課題と捉えております。環境に配慮した商品開発及び製造プロセスの構築や、社会に役立つ商品とサービスの提供、さらにはスポーツ・文化事業を通じた、地域住民や社会への貢献により、持続可能な社会の実現を目指します。また、社員の心身の健康や社員間のコミュニケーション促進を考えた職場環境の整備により、業務の生産性と満足度の向上に取り組み、健康経営を推進してまいります。
⑥ ガバナンス体制の充実とコンプライアンスの強化及びリスクへの対応
当社が持続的に成長し、長期的に企業価値を向上していくために、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。また、コンプライアンスの徹底を図ると共に、企業経営に重大な影響を与えると考えられるリスクを想定してリスクマネジメントすることにより、経営の安定化を図ってまいります。
お知らせ