業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 前事業年度である2021年8月期は決算期変更に伴い、2020年11月1日から2021年8月31日までの10ヶ月間を対象とした変則決算となっております。このため、対前年同期比については期間が異なることから記載しておりません。

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス変異株の感染拡大の影響に加え、ロシア・ウクライナ情勢が悪化要因として加わり、景気の先行きが不透明な状況が続いております。

 当事業年度において、印刷売上高は8,591,415千円、内、大口得意先(※)への印刷売上高は、3,430,538千円、大口得意先以外の会員への印刷売上高は5,160,877千円となりました。

 新規会員数は15,517社(予想における通期累計新規会員数に対する進捗率132.9%)であり、大口得意先以外の新規及び既存を含めた会員1社当たりの平均売上高は27,126円となっております。なお、1社当たりの新規獲得に係る広告宣伝活動における単価は5,048円となっております。

(※昨年までは、パートナー企業と記載しておりましたが、今期より大口得意先と記載変更しております。)

 以上の結果、当事業年度における売上高は8,648,684千円、営業利益は551,635千円、経常利益は572,562千円、当期純利益は403,852千円となりました。

 なお、第2四半期会計期間より、従来の「ネット印刷通信販売事業」の単一セグメントから、報告セグメントに含まれる事業セグメントの「ネット印刷通信販売事業」と、報告セグメントに含まれない事業セグメントの「その他」に変更しております。なお、その他の区分は、飲食事業です。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

 (ネット印刷通信販売事業)

  印刷業界におきましては、コロナ禍における生活様式の変化に伴いWeb会議システム等を利用したオンライ

 ンでのコミュニケーションが増加したことや、デジタル化の加速による紙媒体の需要減少、原材料費やエネルギ

 ー価格の高騰が重なり、厳しい経営環境となっております。しかし、ネット印刷通販業界はコロナ禍以前の5年

 間において毎年10%程度市場が拡大したと言われており、新型コロナウイルス感染症の影響に関しても、印刷業

 界全体に比べ印刷需要の落ち込みは少なかったと考えております。

  このような状況のもと、当社は強みをさらに伸ばすため、将来に向けて、売上拡大や顧客の囲い込み、生産管

 理体制に対応できることを目的とした次世代基幹システムの構築を行っております。

  また、大口得意先との取引条件の見直しや、従業員の多能工化による人員の適正化及び効率化を行い、営業利

 益の改善につなげました。なお、当事業年度末時点で稼働している大型オフセット印刷機は、前事業年度末と変

 わらず合計9台となっております。

  この結果、売上高は8,648,684千円、セグメント利益は623,726千円となっております。

 

 (その他の事業)

  その他の事業のセグメント損失は3,837千円です。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は2,619,673千円となり、前事業年度末に比べ324,826千円増加いたしました。その主な要因は、売掛金が59,810千円増加したこと、原材料及び貯蔵品が135,350千円増加したこと、その他が97,949千円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 固定資産は4,835,587千円となり、前事業年度末に比べ427,021千円増加いたしました。その主な要因は、土地が584,459千円増加したこと、及び減価償却費の計上により機械及び装置が131,920千円減少したこと等によるものであります。

 この結果、当事業年度末における資産合計は7,455,260千円となり、前事業年度末に比べ751,848千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は2,438,122千円となり、前事業年度末に比べ588,188千円増加いたしました。その主な要因は、短期借入金が600,000千円増加したこと等によるものであります。

 固定負債は1,636,739千円となり、前事業年度末に比べ184,232千円減少いたしました。その主な要因は、長期借入金が178,108千円減少したこと等によるものであります。

 この結果、当事業年度末における負債合計は4,074,861千円となり、前事業年度末に比べ403,955千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は3,380,398千円となり、前事業年度末に比べ347,892千円増加いたしました。その主な要因は、配当金の支払による49,633千円減少、及び当期純利益を403,852千円計上したことによる増加等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ16,317千円減少し、1,002,649千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、588,835千円(前事業年度は765,526千円の収入)の収入となりました。これは主に、減価償却費517,976千円及び税引前当期純利益の計上630,726千円等の増加要因があったものの、棚卸資産の増加額133,771千円、法人税等の支払額95,561千円等の減少要因があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、909,914千円(前事業年度は138,339千円の支出)の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出886,314千円等の減少要因があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、304,761千円(前事業年度は1,675,021千円の支出)の収入となりました。これは主に、短期借入金の増加600,000千円、長期借入金の増加500,000千円等の増加要因があったものの、長期借入金の返済による支出723,447千円等の減少要因があったことによります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

(販売実績)

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

ネット印刷通信販売事業

8,648,684

その他

全社(共通)

合計

8,648,684

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ラクスル株式会社

2,424,030

33.8

2,633,237

30.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績の分析

 当社の経営成績は、新型コロナウイルス感染症の影響により減少していた売上が回復基調にあり、増収増益となりました。

 経営成績の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要の主なものは、材料の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、工場用地取得等の投資等によるものであります。

 運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。

 また、重要な設備の新設等に要する資金については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載しております。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、目標とする経営指標として前期対比売上高成長率及び売上高営業利益率を掲げております。当事業年度は、前事業年度が10ヶ月間の変則決算のため、いずれの指標も記載はしておりませんが、今後もこの2つの指標を目標として経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確保を図る所存であります。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績は、同業他社との競合、用紙の価格変動等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、新規顧客の獲得、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応して参ります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社の経営者は、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、予測できない様々な変化に対して、柔軟性のある対応基盤の構築が必要であると認識しております。

 そのために、独自のマーケティングの確立、次世代基幹システムの構築、強固な財務基盤構築、成長し続けるための人材基盤構築、独自の生産自働化構想を展開していく方針であります。

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