業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,149百万円増加し、33,934百万円となりました。

当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ694百万円増加し、18,257百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,454百万円増加し、15,676百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況で推移いたしました。直近では国内外で変異株の感染者が増加しており、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返し発令されるなど収束の見通しは立っておりません。加えて資源価格の上昇や為替の変動、東欧諸国の動向による地政学的なリスクの上昇等もあり、極めて厳しい状況が続くと見込まれます。

このような状況の下、「改質エコ技術でパッケージングの世界を変える Nブランド製品の拡販と環境経営の推進、原点回帰でお客様満足度を最大化する」をスローガンに、環境への負荷を低減できる開発製品の販売(環境対応包材)、コーティング技術を活用した機能性包材の開発製品の販売、製品の安定供給、原価低減、生産効率・品質の向上に注力いたしました。また、PETシート押出ラインの稼働開始やベトナムでの工場立上げのほか、環境規制の関係で事業の拡張が難しくなっていた廊坊中本包装有限公司の生産機能を滄州中本華翔新型材料有限公司に移管するなど、生産拠点の再編・最適化も進めております。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は40,485百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益は2,332百万円(同35.9%増)、経常利益は2,585百万円(同47.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,470百万円(同11.8%増)となりました。

製品用途別の経営成績は次のとおりであります。

 

(食品関連)

底堅い中食・内食需要により冷凍食品・乳製品などのスーパーマーケット向け包材、汎用性の高いテイクアウト・デリバリー用の容器・トレー向け商材、農産物向けなどが堅調に推移しました。また、コンビニ関連では容器包装関係が増加したこと、デパ地下向け商材も一部で回復の兆しが見えたことにより、売上高は25,999百万円(前年同期比9.4%増)となりました。利益については、生産効率改善効果や関係会社の利益率向上により、売上総利益は2,991百万円(同17.7%増)となりました。

 

(IT・工業材関連)

世界的な半導体不足による影響で一部関連商材が減少しましたが、電子部品向け製造工程用フィルムやパッケージ材料、各種加工フィルムがスマートフォン端末、通信インフラ、クルマの電装化向け分野で堅調に推移したほか、化学メーカー向け重袋が増加しました。また、EC関連資材、世界的な自動車販売不振の影響を受けた前年に比べ自動車内装材向けが増加しました。その他、印刷方式を用いた各種開発案件、次世代電池・基板などの試作案件も増加した結果、売上高は5,848百万円(前年同期比19.5%増)、売上総利益は1,758百万円(同30.3%増)となりました。

 

(生活資材関連)

コロナ禍で在宅時間が増加する中、家庭での調理時間・工程削減に貢献するまな板シートやキッチンマットなどの新商品が好調に推移したことにより、キッチン・衛生関連が大幅に増加しました。また、圧縮袋関連は新規取引先獲得とテレビショッピング好調により増加、DIY・インテリア・エコ関連では結露対策商品など季節もの商材が好調に推移した結果、売上高は4,293百万円(前年同期比30.5%増)、売上総利益は1,323百万円(同22.6%増)となりました。

 

(建材関連)

家具関連は加工基材の不足による影響で受注が減少したものがありましたが、海外向け案件の好調により増加しております。住宅関連では戸建て・集合住宅向けの機能性建材が順調に推移した結果、売上高は1,908百万円(前年同期比14.4%増)、売上総利益は287百万円(同19.0%増)となりました。

 

(医療・医薬関連)

病院関連では輸液関係包材が堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス関連で防護服の公募が無かった影響により減少しました。貼付剤関連では取引先における当社製品採用アイテムの終売や、離型フィルムの構成見直しによる一時的な減少の影響で、売上高は1,315百万円(前年同期比16.1%減)となりました。利益については、比較的高価格帯の貼付剤向けが好調であったことにより、売上総利益は302百万円(同12.2%増)となりました。

 

(その他)

機械販売のほか、連結子会社化した三国紙工株式会社の重包装関係が増加したことにより、売上高は1,119百万円(前年同期比33.6%増)、売上総利益は226百万円(同6.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ1,084百万円増加し、4,792百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、3,340百万円(前連結会計年度は、2,436百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益2,388百万円、減価償却費1,312百万円、売上債権の減少額352百万円、仕入債務の増加額590百万円及び未払消費税等の増加額153百万円等による増加要因が、為替差益138百万円、たな卸資産の増加額997百万円及び法人税等の支払額480百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,628百万円(前連結会計年度は、1,728百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の売却による収入13百万円等による増加要因が、生産加工設備等の有形固定資産の取得による支出1,522百万円等による減少要因を下回ったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、782百万円(前連結会計年度は、477百万円の増加)となりました。これは、短期借入金の純増額99百万円及び長期借入れによる収入729百万円等による増加要因が、長期借入金の返済による支出1,063百万円及び配当金の支払額472百万円等による減少要因を下回ったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

印刷関連事業

28,903,251

110.0

合計

28,903,251

110.0

 (注)1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。

なお、連結子会社においては、受注から販売までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため、提出会社個別の受注高及び受注残高を記載しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

印刷関連事業

30,588,756

107.0

1,923,970

118.7

合計

30,588,756

107.0

1,923,970

118.7

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を用途ごとに示すと、次のとおりであります。

用途

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

食品関連

25,999,162

109.4

IT・工業材関連

5,848,560

119.5

医療・医薬関連

1,315,205

83.9

建材関連

1,908,934

114.4

生活資材関連

4,293,656

130.5

その他

1,119,613

133.6

合計

40,485,133

112.4

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額

(千円)

割合

(%)

金額

(千円)

割合

(%)

㈱エフピコ

4,374,721

12.1

4,771,866

11.8

 (※)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,149百万円増加し、33,934百万円となりました。

流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が518百万円減少したものの、現金及び預金が1,158百万円、電子記録債権が245百万円、たな卸資産が1,087百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,977百万円増加し、18,801百万円となりました。

固定資産につきましては、生産能力増強を目的とした設備投資等に伴い有形固定資産が168百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ171百万円増加し、15,132百万円となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ694百万円増加し、18,257百万円となりました。

流動負債につきましては、1年内返済予定の長期借入金が361百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が579百万円、電子記録債務が120百万円、短期借入金が179百万円、未払法人税等が337百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ698百万円増加し、15,674百万円となりました。

固定負債につきましては、長期借入金が26百万円、リース債務が32百万円それぞれ増加したものの、退職給付に係る負債が59百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ4百万円減少し、2,582百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,454百万円増加し、15,676百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が996百万円増加したことや、為替換算調整勘定が331百万円、非支配株主持分が115百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響があったものの、食品関連において底堅い中食・内食需要により冷凍食品・乳製品向け包材やテイクアウト・デリバリー容器が堅調に推移、IT・工業材関連においては5G関係の好調により電子部品製造工程用フィルムやパッケージ材料が増加しました。また、新商品が好調に推移したキッチン・衛生関連が大幅に増加、戸建て・集合住宅向け機能性建材も順調に推移した結果、前連結会計年度に比べて4,451百万円(12.4%)増加し、40,485百万円となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、人件費、運送費、減価償却費等の販売費及び一般管理費が、三国紙工株式会社の連結子会社化による増加分も含め前年同期比で14.5%増加した一方、売上総利益が前連結会計年度に比べて21.0%増加した結果、前連結会計年度に比べて616百万円(35.9%)増加し、2,332百万円となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べて835百万円(47.7%)増加し、2,585百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産除却損33百万円、特別退職金134百万円、法人税等832百万円(前年同期比388百万円増)及び非支配株主に帰属する当期純利益86百万円(前年同期比13百万円増)を計上したことにより、前連結会計年度に比べて154百万円(11.8%)増加し、1,470百万円となりました。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d.経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

当連結会計年度におきましては、生産効率向上・原価低減による利益率向上や、5G関係の好調により比較的利益率の良いIT・工業材関連の受注が増加したことにより、連結売上高経常利益率は前連結会計年度より良化し6.4%となりました。

なお、連結ROEは10.8%となりました。中期経営計画目標の13.0%以上を目指し、効率的な事業経営によりROEの継続的な向上に取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第一部 企業情報 第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。

運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資等の長期資金につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入れを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は7,989百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,792百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。経営成績または財政状態に重要な影響を及ぼす見積り・判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる要因を考慮して行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在することから、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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