当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
当連結会計年度(2021年1月1日から2021年12月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により厳しい状況が継続しました。景気の先行きについては、ワクチン接種の普及や各種政策の効果もあり、緊急事態宣言解除後は段階的に経済活動が再開されるなかにおいて個人消費の回復も見られ、今後の持ち直しの動きが期待されておりますが、足許では新たな変異株が発生するなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。世界経済は、各国において経済活動再開に向けた取組がなされる一方で、変異株の感染拡大により一部の国では活動の制限を余儀なくされており、国や地域によっては経済回復に大きなばらつきが出ております。
当社グループが属するアウトドア業界につきましては、密を避けたレジャーとして引続き国内外にて高い需要を継続した状況にあります。また、キャンプについても同様に需要の高まりが継続しており、SNSやメディアなど多くの媒体で取り上げられることも多く、レジャー全般の中でキャンプの位置付けが高まってきたと考えられます。ポストコロナにおいてもキャンプの通年化やソロキャンプなどスタイルが多様化してきており、キャンプ参加者のすそ野の広がりが確認されております。
このような環境下において、当社グループは人間性の回復と自然指向のライフバリューを全世界の多くの人々に提供するため、国内・海外市場共に、新規顧客創造や既存ユーザーのロイヤルカスタマー化に注力して参りました。国内市場に関しては、継続的に新規出店・エントリー商材の継続訴求を実施し、新規顧客の開拓に注力するとともに、体験型消費(キャンプ場・イベント等)の強化に取り組んで参りました。海外市場に関しては、事業フェーズの観点から全拠点でチャネルの強化(BtoB・BtoC)・ブランド認知の拡大を推進し、顧客層の獲得・売場の確保に注力いたしました。
当社グループの営業概況としましては、世界的なキャンプ需要の高まりもあり、全ての地域・全てのチャネルにて非常に好調に推移いたしました。特に卸売チャネル(EC卸、インストア、ディーラー卸)については、主要な店舗における販売スペースの拡大やアウトドア関連商品の販売が好調なこともあり、前年を大きく上回る水準となりました。
これらの結果、当連結会計年度における業績は以下の通りとなりました。
売上高25,713,536千円(前年比53.4%増)
営業利益3,819,451千円(前年比155.8%増)
経常利益4,035,383千円(前年比160.2%増)
親会社株主に帰属する当期純利益2,727,286千円(前年比160.1%増)
国内での事業においては、緊急事態宣言等の期間中は都市部を中心に来店客数の減少が見られましたが、一年を通じてキャンプ需要の高さが継続したことにより全てのチャネルにて売上は前年を上回る実績となりました。特に、卸売チャネルにおいては市場全般におけるアウトドア関連商品への需要が高まり、卸売先でのアウトドアに関わる店舗スペースの拡大や取扱商品量が拡大されたことにより、前年を大きく上回る成長を維持しております。ポイント会員数についても、需要の拡大に伴いエントリー層を中心に会員数は順調に増加しました。また、子会社の株式会社スノーピークビジネスソリューションズにおいては、当社グループ全体のIT化推進及び人財育成にかかる事業支援の強化を図ったことで売上が好調に推移いたしました。
海外での事業については、特定の地域で新型コロナウイルス感染症の再拡大が見られたものの、各種対策の効果もあり各国にて前年を上回る売上実績となりました。国別の状況ですが、韓国については前年に引続きキャンプ需要が高水準を維持しており、全てのチャネルにて売上は好調に推移しました。韓国から越境ECの形で販売強化を図っている中国についても、SNSを通じた顧客層へのリーチやショップインショップの店舗展開が奏功し、大幅に前年を上回る実績となりました。台湾については新型コロナウイルス感染症の影響により直営店舗における来店客数の減少が確認されておりましたが、キャンプ需要については高水準を維持していることから、幕体系の商品に加え、調理器具や食器類の販売が堅調に推移いたしました。米国については、前年度の9月にオープンした北米本社Snow Peak USA Headquarters(Global HQ4)を起点にリテール向けの営業強化とエントリー層に向けた販売強化に取り組んだ結果、焚火台関連やテント商品の販売が好調に推移し、前年同期比プラスの成長となりました。また、2021年5月にはGlobal HQ4のあるポートランドの旗艦店舗内にレストランtakibiを開業しております。
英国については、ロンドン都市部のロックダウンの影響により、直営店舗の売上は厳しい状況が続きましたが、焚火台を中心とした販売戦略及び現地企業とのタイアップによりブランド認知が進展し、結果として卸売チャネルの売上が好調に推移いたしました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は3,814,578千円となり、前連結会計年度より1,120,812千円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、2,664,711千円(前連結会計年度に比べ291,908千円の減少)となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上4,018,470千円(同2,330,119千円の増加)、減価償却費の計上845,432千円(同149,918千円の増加)、その他の増加197,273千円(同43,766千円の増加)があった一方で、売上債権の増加465,803千円(同304,276千円の増加)、たな卸資産の増加1,301,653千円(同1,696,763千円の増加)、仕入債務の減少13,544千円(同332,342千円の減少)、法人税等の支払額835,326千円(同543,761千円の増加)があったこと等によるものです。
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,733,014千円(同1,480,106千円の減少)となりました。これは、スパリゾートの建設等に伴う有形固定資産の取得による支出1,540,565千円(同1,666,927千円の減少)、無形固定資産の取得による支出121,473千円(同48,865千円の減少)、敷金および保証金の差入による支出65,904千円(同25,537千円の減少)があった一方で、敷金及び保証金の回収による収入17,101千円(同29,936千円の減少)があったこと等によるものです。
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、84,609千円(同400,201千円の増加)となりました。これは、短期借入金の増加600,000千円(同3,381,124千円の増加)があった一方で、長期借入金の返済による支出270,000千円(同229,466千円の増加)、配当金の支払額235,396千円(同19,907千円の増加)があったこと等によるものです。
当社グループは、アウトドアライフスタイル事業を単一の報告セグメントとしている為、生産、受注及び販売の状況につきましては、当社グループの拠点別に記載しております。
当連結会計年度における生産実績を拠点毎に示すと、次の通りであります。
(注) 1.金額は、原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っている為、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績を拠点毎に示すと、次の通りであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存する為確定できない金額については、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性がある為、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響につきましては、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りです。
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ4,452,606千円増加し、21,318,711千円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加1,120,812千円、受取手形及び売掛金の増加499,081千円、商品及び製品の増加1,246,062千円等により前連結会計年度末に比べ2,946,071千円増加し9,890,079千円となり、固定資産は、スパリゾートの建設を進めたこと等により、前連結会計年度末に比べ1,506,534千円増加し、11,428,631千円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,181,959千円増加し、7,469,036千円となりました。流動負債は、短期借入金の増加600,000千円、未払法人税等の増加529,003千円等により前連結会計年度末に比べ1,517,864千円増加し、5,098,528千円となり、固定負債は、長期借入金の減少360,000千円等により前連結会計年度末に比べ335,905千円減少し、2,370,507千円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,727,286千円、その他有価証券評価差額金の増加416,923千円、為替換算調整勘定の増加248,616千円等があった一方で、配当金の支払いによる利益剰余金の減少235,466千円等があったことにより前連結会計年度末に比べ3,270,646千円増加し、13,849,674千円となりました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下の通りであります。
当連結会計年度の売上高は25,713,536千円となり、前年同期比53.4%増となりました。日本の売上高20,163,974千円(前年同期比46.8%増)、米国1,844,864千円(同73.3%増)、韓国2,427,283千円(同83.7%増)、台湾778,219千円(同53.0%増)英国499,194千円(同281.8%増)となりました。
売上高が増加したことに加え、新商品によるプロダクトミックス改善を図ってきた一方で、卸売チャネルの伸長もあり粗利率は0.3%の低下となり、売上総利益は14,138,673千円となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年にコロナ禍で削減していた役員報酬や賞与の支給水準が元に戻ったことや、店舗増に伴う、人件費・地代家賃・減価償却費の増加等により、10,319,222千円となりました。
当連結会計年度は、上記売上高の増収効果が販売費及び一般管理費の増加を上回ったことにより、営業利益は3,819,451千円(前年同期比155.8%増)となりました。
営業外収益は、補助金収入、為替差益等により、250,097千円となりました。
また、営業外費用は、債券売却損、シンジケートローン手数料、持分法による投資損失等により、34,165千円となりました。
特別利益は、固定資産売却益により、3,496千円となりました。
また、特別損失は、減損損失、固定資産除却損の計上により、20,409千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,727,286千円(前年同期比160.1%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、販売費及び一般管理費等の営業費用の他、新規出店にかかる設備投資、新規事業展開の促進および社内業務の効率化のためのIT投資等であります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、地代家賃、販売促進費、発送配達費等があります。
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