(1)経営成績等の状況と概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により厳しい状況が継続いたしました。一時はワクチン接種の普及や各種政策の効果もあり、経済活動は持ち直しつつありましたが、新たな変異株発生とその感染急増により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
また世界経済は、各国において経済活動再開に向けた取組みがなされておりましたが、部品・原材料不足の深刻化、資源価格の上昇、加えて変異株の感染急増により経済回復はさらに鈍化することが予想されます。
こうした外的環境ではありますが、ゴルフ業界につきましては、密を避けたレジャーとして国内外ともに高い需要が継続し、市場全体が好調に推移いたしました。当社も各ゴルフショップからの直販受注、並びに各クラブメーカーからのカスタム受注を順調に獲得し、生産能力の強化、安定供給に努めたことにより通期売上高を伸長することができました。
その結果、当事業年度の経営成績は、売上高3,332,897千円(前期比28.0%増)、営業利益は704,124千円(前期比254.8%増)、経常利益は757,325千円(前期比287.0%増)、当期純利益は516,322千円(前期比307.8%増)となりました。
主要セグメントについては下記のとおりであります。
当社は、スポーツ用品関係の専門メーカーとして、ゴルフシャフト等製造販売及びゴルフクラブ組立加工事業を行っております。
従って、経営の多角化を示すような事業の種類がないため、記載しておりません。
②財政状態の分析
資産・負債・純資産の状況
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ520,234千円増加し、6,019,191千円となりました。
これは主に売上債権が67,016千円減少したものの、現金及び預金が572,890千円増加したことによるものであります。
負債合計は、前事業年度末に比べ130,260千円増加し、1,262,994千円となりました。
これは主に、利益の増加により未払法人税等が158,352千円増加したことによるものであります。
純資産合計は、前事業年度末と比べ389,974千円増加し、4,756,196千円となりました。
主な要因は、当期純利益516,322千円を計上した一方、配当金の支払額129,329千円を計上したことによるものであります。
以上の結果、株主資本比率は79.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが832,250千円の純収入、投資活動によるキャッシュ・フローが123,859千円の純支出、財務活動によるキャッシュ・フローが158,659千円の純支出となった結果、前事業年度末に比べ572,890千円増加し、3,915,774千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得された資金は832,250千円(前期は97,248千円の獲得)となりました。
これは主に、税引前当期純利益が759,477千円となり、売上債権が67,016千円減少となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用された資金は123,859千円(前期は48,879千円の使用)となりました。
これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得により122,946千円の支出となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用された資金は158,659千円(前期は151,838千円の使用)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減29,100千円の支出と配当金の支払129,531千円の支出によるものであります。
(生産、受注及び販売の実績)
①生産等実績
当社は、スポーツ用品関連事業のみの単一セグメントであり、当事業年度の生産等実績は、次のとおりであります。
当事業年度の生産等実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
前年同期比(%) |
スポーツ用品関連事業(千円) |
1,631,865 |
113.5 |
合計(千円) |
1,631,865 |
113.5 |
(注)1.金額は製造原価及び仕入れ商品も含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当社は、スポーツ用品関連事業のみの単一セグメントであり、当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
|||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
スポーツ用品関連事業 |
4,022,235 |
142.1 |
1,079,747 |
276.6 |
合計 |
4,022,235 |
142.1 |
1,079,747 |
276.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当社は、スポーツ用品関連事業のみの単一セグメントであり、当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
前年同期比(%) |
スポーツ用品関連事業(千円) |
3,332,897 |
128.0 |
合計(千円) |
3,332,897 |
128.0 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. なお、当事業年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
前年同期比(%) |
ゴルフシャフト製造販売(千円) |
3,116,217 |
131.1 |
ゴルフクラブ組立加工(千円) |
172,730 |
96.2 |
その他(千円) |
43,950 |
92.7 |
合計(千円) |
3,332,897 |
128.0 |
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
PRO'S CHOICE GOLF SHAFTS, INC. |
486,380 |
18.6 |
706,084 |
21.1 |
ブリヂストンスポーツ株式会社 |
397,613 |
15.2 |
315,422 |
9.4 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度と比べ728,672千円(前期比28.0%増)増加し、3,332,897千円となりました。これは主に、引き続き各ゴルフメーカーからゴルフクラブ用カスタムシャフト等の受注量の増加が伸長し売上高が前年比31.1%増加したことによるものであります。
(営業利益)
当事業年度において営業利益は704,124千円となり、前事業年度と比べ505,687千円(前期比254.8%増)増加いたしました。これは、ゴルフシャフト製造販売の売上高の増加と新型コロナウイルス感染症対策による自粛等により経費等の支出が抑えられたことによるものであります。
(営業外損益)
営業外収益は、前事業年度と比べ33,665千円増加し、56,031千円となりました。これは主に、為替相場の変動により為替差益48,441千円計上したことによるものであります。
営業外費用は、前事業年度と比べ22,267千円減少し、2,830千円となりました。これは主に、急激な為替変動による為替差損が22,444千円減少したことによるものであります。
(経常利益)
当事業年度において経常利益は757,325千円となり、前事業年度と比べ561,619千円(前期比287.0%増)増加いたしました。これは主に、営業利益の増加分によるものであります。
(特別損益)
特別利益は、前事業年度と比べ3,549千円増加し、5,538千円となりました。これは主に、保険解約返戻金が2,929千円増加したことによるものであります。
特別損失は、前事業年度と比べ3,198千円増加し、3,385千円となりました。これは主に、管理事務所棟の建替えによる建物等の固定資産除却損が3,198千円増加したことによるものであります。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前事業年度と比べ172,252千円増加し、243,155千円となりました。
以上の結果、当期純利益は516,322千円となり、前事業年度と比べ389,717千円(前期比307.8%増)増加いたしました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況と概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、資金需要とそれに対する施策は以下のとおりであります。
ア.資金の需要の主な内容
当社の資金需要は、主に生産活動のための原材料費、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費に係る運転資金及び生産性の向上のための設備投資資金等であります。
イ.資金の流動性及び調達の可能性
資金の流動性については、手許流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。
資金の調達については、取引金融機関との良好な関係を維持しつつ、状況に応じて対応可能な体制となっております。
なお、当事業年度末における有利子負債残高は302,835千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,915,774千円であります。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ③目標とする経営指標」に記載しております。
なお、当期における経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況については、依然新型コロナウイルス感染症の影響等はあるものの、ゴルフ業界の活性化や受注量の拡大等もあり、当初計画した数値等を達成することが出来、次のとおりの結果となりました。
|
売上高(千円) |
営業利益(千円) |
営業利益率(%) |
①当初計画2022年2月期 |
2,553,000 |
157,000 |
6.1 |
②当期実績2022年2月期 |
3,332,897 |
704,124 |
21.1 |
増減②-① |
779,897 |
547,124 |
15.0 |
(注) 当初計画2022年2月期は、2021年4月14日に公表した業績予想数値であります。
主な要因は、「②当事業年度の経営成績の分析」に記載しております。
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