業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

    ①財政状態及び経営成績の状況 

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染者数が高水準で推移し、社会生活、経済活動が様々な制約を受ける状況が継続しました。政府による感染防止策とワクチン接種の進展により、経済活動の正常化が期待されたものの、感染力の強い変異株の出現により再び感染者が増加傾向に転じていることに加え、ウクライナ情勢等に起因する物価上昇により世界的な経済活動の停滞が懸念され、先行きの不透明感は増加しております。

こうした情勢のもと、当社グループにおきましては、顧客の在宅ワーク継続により提案活動の停滞、各種イベントの開催規模の縮小や延期が継続する状況となり、アフターコロナを見据えた営業活動への取り組みを引き続き強化しております。非常に厳しい事業環境下、売上高は111億6千5百万円(前年同期比-%)、営業利益1億8千9百万円(前年同期比65.6%増)、経常利益4億2千2百万円(前年同期比27.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3億2千3百万円(前年同期比60.5%増)となりました。

当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という)等が適用となり、売上高については前年同期と比較しての増減率は記載しておりません。詳細については、「第5経理の状況1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご覧下さい。

本年3月、Zエナジー株式会社が立ち上げた再生可能エネルギー発電事業投資ファンド「カーボンニュートラルファンド1号投資事業有限責任組合」へ出資いたしました。事業活動を通して環境配慮型製品提案を行うとともに、再生可能エネルギーの活用や循環型社会の構築による持続可能な社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。

また、昨年11月に当社、㈱愛媛銀行、南海放送㈱が共同で設立した地域商社「株式会社フレンドシップえひめ」は、本年4月より事業を開始いたしました。地元企業と連携しながら愛媛県産品の販路拡大等に取り組み、収益機会の拡大を図ることで、愛媛県の経済を活性化させてまいります。

なお、当社は本年4月4日付で東京証券取引所の新市場区分「スタンダード市場」に上場しております。

 

セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。

 

イ 印刷関連事業

新型コロナウイルス感染拡大の厳しい状況下、コロナ禍における経済活動を支援する各種補助事業の事務局運営の継続や、アフターコロナを見据えた営業活動への取組みの強化などにより、売上高81億9千万円、(前年同期比-%)営業利益1億3千万円(前年同期比78.8%増)を計上しました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高及び売上原価はそれぞれ2億4千6百万円減少しております。

 

ロ 洋紙・板紙販売関連事業

昨年度の需要減の反動による印刷事業者からの用紙受注の増加等により、売上高3億7千万円(前年同期比-%)、営業損失1千4百万円(前年同期は7百万円の営業損失を計上)を計上しました。

 

ハ 出版・広告代理関連事業

新型コロナウイルス感染拡大による企業の広告出稿の抑制、各種イベントの中止・延期が続き、売上高11億1千3百万円(前年同期比-%)、営業利益3千1百万円(前年同期比135.4%増)を計上しました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1百万円増加しております。

 

ニ 美術館関連事業

セキ美術館では、ワクチン接種の普及や緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の解除により、道後温泉地区を訪れる観光客が戻り、売上高2百万円(前年同期比-%)、営業損失2千4百万円(前年同四半期は2千6百万円の営業損失を計上)を計上しました。

 

ホ カタログ販売関連事業

新型コロナウイルスの感染拡大の厳しい状況下、巣ごもり需要の拡大により個人向けの販売は引き続き好調であり、売上高は14億8千8百万円(前年同期比-%)営業利益は6千6百万円(前年同期比9.0%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高及び売上原価はそれぞれ3億4百万円減少しております。

 

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8億2百万円減少し、174億4千4百万円となりました。これは主に投資有価証券が34億7千2百万円と前連結会計年度末に比べ5億6千万円増加した一方で、現金及び預金が39億7千8百万円と、前連結会計年度末に比べ13億4千2百万円減少していることなどによるものであります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ10億4千4百万円減少し、30億円となりました。これは主に預り金が5千2百万円と、前連結会計年度末に比べ11億6千4百万円減少したことなどによるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ2億4千2百万円増加し、144億4千3百万円となりました。これは主に利益剰余金が116億2千3百万円と、前連結会計年度末に比べ2億2千万円増加したことなどによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億4千2百万円減少し、34億5千5百万円となりました。

 

イ 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果使用した資金は、前年同期と比べ20億9百万円増加し、4億9千2百万円となりました。資金の増加要因としては、減価償却費5億6百万円、税金等調整前当期純利益4億6千6百万円、資金の減少要因としては、預り金の減少額11億6千4百万円、法人税等の支払額1億3千7百万円、有価証券売却益7千1百万円などが主なものであります。

 

ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、前年同期と比べ16億5千9百万円増加し、5億6千6百万円となりました。資金の増加要因としては、投資有価証券の売却による収入7億7百万円、資金の減少要因としては、投資有価証券の取得による支出12億2千4百万円が主なものであります。

 

ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、前年同期と比べ4千万円増加し、1億8千3百万円となりました。資金の減少要因としては、親会社の配当金の支払額9千9百万円、長期借入金の返済による支出7千3百万円が主なものであります。

 

 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 ④ 生産、受注及び販売の状況

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(千円)

前年同期比(%)

印刷関連事業

8,257,529

96.2

出版・広告代理関連事業(出版物)

76,782

122.7

合計

8,334,311

96.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は販売価格により表示しております。

 

ロ 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

印刷関連事業

9,909,437

106.2

合計

9,909,437

106.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は販売価格により表示しております。

 

 

ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

印刷関連事業

8,190,990

洋紙・板紙販売関連事業

370,049

出版・広告代理関連事業

1,113,596

美術館関連事業

2,395

カタログ販売関連事業

1,488,239

合計

11,165,270

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社読売新聞大阪本社

2,105,503

18.12

1,713,604

15.35

アスクル株式会社

1,324,853

11.40

1,408,645

12.62

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの連結会計年度の経営成績等は、売上高は印刷関連事業やカタログ販売関連事業での収益認識会計基準等の影響による減収により111億6千5百万円(前年同期比-%減)となりました。売上総利益は印刷関連事業において収益認識基準等を適用する前で比較すると売上高が増加していることが影響し27億2千1百万円(前年同期比5.3%増)となりました。営業利益は印刷関連事業における売上総利益が増加したことが大きく影響し1億8千9百万円(前年同期比65.6%増)となりました。
 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

     セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

イ 印刷関連事業

印刷関連事業における資産は、固定資産の減価償却が進んだことなどから、前連結会計年度末に比べ2億2千5百万円減少し、68億9千8百万円となりました。

 

ロ 洋紙・板紙販売関連事業

洋紙・板紙販売関連事業における資産は、棚卸資産である洋紙の在庫が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3千万円増加し、3億9千5百万円となりました

 

ハ 出版・広告代理関連事業

出版・広告代理関連事業における資産は、投資有価証券の購入などにより前連結会計年度末に比べ6千4百万円増加し、15億4千7百万円となりました。

 

ニ 美術館関連事業

美術館関連事業における資産は、固定資産の減価償却などにより前連結会計年度末に比べ6百万円減少し、15億4千2百万円となりました。

 

ホ カタログ販売関連事業

カタログ販売関連事業における資産は、売上債権が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ4百万円減少し、8億5百万円となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金は主に製品製造に使用する原材料や商品販売における商品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されています。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築等に支出されております。これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。

当連結会計年度におきましては、各種補助事業の事務局運営受託による預り金の減少などにより、当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ12億4千2百万円減少し、34億5千5百万円となりました。

なお、キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

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